【野球】執念の継投を捉えきれず、早慶戦は1勝1敗という結果に 早大②

野球戦評

5月30日(日)東京六大学野球春季リーグ戦 早大2回戦 @明治神宮野球場

渡部淳が3回をパーフェクトに抑えた

今季最終戦、慶大の先発はここまで4勝の増居翔太(総3・彦根東)だったが初回、早大打線につかまり2死一、二塁のピンチを招くと早大主将・丸山壮史(スポ4・広陵)に先制の適時打を打たれてしまう。2回裏、2死二塁から朝日晴人(環3・彦根東)の適時打で同点とするも、4回に早大4番・岩本久重(スポ4・大阪桐蔭)の本塁打などで2点を失い再びリードを許す。慶大も直後の攻撃で橋本典之(環4・出雲)が適時打を放ち1点を返すものの、その後本塁を踏むことはできず。宿敵・ワセダに敗北を喫した。

 
早大
慶大

早大バッテリー:山下、○徳山、原、西垣-岩本

慶大バッテリー:●増居、渡部淳、生井、橋本達-福井、中澤

 

早大本塁打:岩本3号ソロ(4回)

 

慶大出場選手

打順守備位置名前(学部学年・出身校)
[4]廣瀬隆太(商2・慶應)
R上田寛太(商4・郡山)
[8] 渡部遼人(環4・桐光学園)
[2]福井章吾(環4・大阪桐蔭)
R7萩尾匡也(環3・文徳)
[3]正木智也(政4・慶應)
[5]下山悠介(商3・慶應)
[9]7橋本典之(環4・出雲)
H2中澤慎太郎(商4・法政二)
[7]9山本晃大(総3・浦和学院)
H新美貫太(政4・慶應)
[6]朝日晴人(環3・彦根東)
[1]増居翔太(総3・彦根東)
H若林将平(環4・履正社)
渡部淳一(政4・慶應)
H綿引達也(商4・商)
生井惇己(総3・慶應)
橋本達弥(環3・長田)
H北村謙介(総3・東筑)

昨日の試合に勝利し8連勝となった慶大、ワセダに連勝することを目標に臨んだこの一戦の先発は今季4戦4勝の増居だった。ここまで安定感のある投球を見せてきた増居だったが今日は稲穂打線につかまってしまう。初回、安打と四球で2死、一、二塁のピンチを招くと打席には今季不調の丸山。打ち取りたい場面だったが、丸山が追い込まれながらうまく直球を打ち、左翼への安打。先制を許してしまった。裏の攻撃、早大の先発マウンドに上がったのはエース・徳山壮磨(スポ4・大阪桐蔭)ではなく守護神・山下拓馬(法4・早大本庄)。初回は無失点に抑えられてしまったが2回、2死二塁のチャンスを作ると8番・朝日が中堅に弾き返し同点に追いついた。

2回以降立ち直ったと思われた増居だったが4回、早大の4番・岩本に強烈な一発を食らうと、その後も無死一塁から今井脩斗(スポ4・早大本庄)にフェンス直撃の二塁打を打たれ計2失点。早大にリードを許してしまった。

再び追いつきたい打線はその裏の攻撃。正木智也(政4・慶應)、下山悠介(商3・慶應)の連打で無死二、三塁のチャンスを作ると、ここでクラッチヒッターの橋本典が前身守備を破る適時打を放ち1点を返す。続く5回にも1死満塁のチャンスを作り、打席には下山。同点、逆転が期待されたが捉えた当たりを早大遊撃手の熊田任洋(スポ2・東邦)がダイビングキャッチ。相手のスーパープレーで無得点に終わってしまった。

4回で降板した増居に代わって5回から登板したのは渡部淳一(政3・慶應)。右打者にはチェンジアップ、左打者にはスライダーと投げ分け相手を翻弄し、3回を無安打4奪三振という好投で早稲田打線に追加点を許さなかった。

こう着状態が続く試合展開が動いたのは8回、この回から登板した生井淳己(総3・慶應)が安打や死球などで1死満塁のピンチを作ると丸山が内野ゴロを放つ。打球が高く弾む間に走者が本塁に生還し、大きな追加点を許してしまった。

4-2で迎えた9回裏。早大は最終回のマウンドに昨日先発した西垣雅矢(スポ4・報徳学園)を送った。連投で疲労が残る西垣は制球が安定せず四死球で2死ながら一、二塁のチャンスを作る。打席には渡部遼人(環4・桐光学園)。同点への一打が期待されたが左飛に倒れ、試合終了となった。

守護神・山下を先発、先発・徳山、西垣を中継ぎに起用する早大の執念のリレーを最後まで打ち崩すことはできなかった。早慶戦は1勝1敗と2連勝はならず。リーグ戦の成績は8勝2敗という成績になった。3季ぶりの優勝を果たした慶大が次に挑むのは全日本大学野球選手権。全国から集まる強豪大学が相手だ。慶大のみならず東京六大学野球のプライドを持って、陸の王者は日本一まで進み続ける。

(記事:國本 葉月)

 

打撃成績

   
[4]廣瀬見三振二ゴロ中安右飛死球
R上田
[8] 渡部遼一ゴロ投ゴロ投犠打二ゴロ左飛
[2]福井中3空三振四球死球
R7萩尾
[3]正木三ゴロ右安左安中飛
[5]下山中安右2併殺打右飛
[9]7橋本典遊飛中安①左飛
H2中澤遊ゴロ
[7]9山本一ゴロ空三振遊ゴロ
H新美四球
[6]朝日中安①遊飛空三振二ゴロ
[1]増居遊ゴロ
H若林右飛
渡部淳
H綿引右飛
生井
橋本達
H北村空三振

 

投手成績

 投球回数打者数球数安打三振四死球失点自責
増居4186555233
渡部淳394204000
生井161911211
橋本達131001000

 

◆選手コメント

福井 章吾(環4・大阪桐蔭)

春季リーグ戦、チーム全員で勝ち取った優勝だったと思います。初戦の敗戦からチームは変化を遂げ、優勝への道のりは決して簡単なものでは無かったですが、一戦一戦自分たちの野球が出来た結果がリーグ優勝に繋がったと思います。

安定感のある森田、増居の先発2人を中心とし投手陣がよく投げてくれました。また、打線では廣瀬、正木、下山の中軸はもちろんのことながら、朝日や渡部遼などが自分の役割をきっちりと果たしてくれました。チームスローガンである「繋勝」を神宮の舞台で体現できたと思います。全日本選手権では東京六大学リーグの代表として頑張りたいと思います。

最後になりますが、新型コロナウイルスの影響がある中で、リーグ戦開幕にご尽力くださった六大学野球連盟の皆様、神宮球場関係者の皆様、そして球場に足を運んで下さったファンの方々に深く御礼申し上げたいと思います。

 

◆最優秀防御率

森田晃介(初)

エースの貫禄を見せつけた

◆ベストナイン

増居翔太(投手・初・10票)

今季4勝を挙げた

福井章吾(捕手・3季連続3度目・14票)

チームを優勝に導いた

朝日晴人(遊撃手・初・12票)

打率 .324と活躍

 

※当記事は緊急事態宣言発令を受け、オンライン中継を見て執筆しました。

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