【バスケットボール(女子)】全員バスケの力を発揮、敗戦以上に成長を感じる一戦に/第79回早慶バスケットバール定期戦

バスケ女子

チャレンジャー精神で挑む早慶戦。

序盤から格上の早大を前に臆することなく慶大らしい泥臭いプレーで食らいつき、彼女たちの底力を見せ続けた。

結果として敗れはしたものの、全員バスケの力を発揮し、例年より点差を大幅に抑えられたこの一戦。彼女たちの今後の成長に一層の期待がかかったことは間違いない。

2021/6/27/(日) @早稲田アリーナ

第79回早慶バスケットボール定期戦

 

合計

慶大

1517

10

1456
早大20

32

242197

慶大スターティングメンバ

 

#4 眞尾瞳(商4・浦和第一女子)

 

#6 武藤怜(商4・成蹊)

 

#7 西理奈(政4・葺合)
 

#12 林えみり(理3・慶應女子)

 

#15 阿部七奈子(商2・三田)

 

第1Q、先制点を決めたのは4年生・武藤怜(商4・成蹊)。阿部七奈子(商2・三田)のアシストを受けて得点すると、またも武藤が冷静に3ポイントを沈め慶大の攻撃を加速させる。眞尾瞳(商4・浦和第一女子)、林えみり(理3・慶應女子)も加点し慶大の得点が2桁に達する。このまま流れに乗りたい慶大だが、スピード感のある早大のプレーに連続得点を許すと、徐々にチームの連携に陰りが見え始め、江村優有(スポーツ1・桜花学園)の3ポイントやバスケットカウントでさらなるリードを奪われてしまう。残り1分を切り、このまま第1Qを終えるかと思いきや、ここで慶大が強さを見せる。林がガッツあふれるプレーでレイアップを決めると、ベンチの歓声を背に眞尾がブザービーターで3ポイントを獲得。主将の意地と強さを見せつけ、第1Qを終えた。

冷静なプレーでチームを支えた

続く第2Q、早大にバスケットカウントを与えるなどリードを許す中で武藤、川俣乃英(商3・国立)の3ポイントで着実に得点を重ねていく。中山桂(スポーツ2・桜花学園)や河村くるみ(教4・座間)の連続得点に対してタイムアウトを取りながら立て直しを図る慶大。終盤には早大のファールを誘発し、慶大ボールから武藤が得点、続けて林がシュートを決め粘りを見せるも第1Qから大幅に点差を広げられ20-52で前半を終えた。

インサイドからも貢献

切り替えて挑みたい第3Q、眞尾がサイドからのシュートで先制点を挙げると1年生の石倉史菜(文1・国立)がインサイドから加点、チーム全体を奮い立たせる。林も攻め気のプレーでバスケットカウントを獲得するナイスプレーを繰り広げる。しかし、後半にきて疲れが見え始めたのか、隙を突くハイレベルなパス回しで早大に翻弄され、インサイドやミドルからの4連続得点を許し、一気に突き放されてしまう。ここで眞尾の3ポイントや事前のインタビューで「脚力が確立できた」と話した西理奈(政4・葺合)がボールへの執念を感じさせるプレーでボールに食らいつくものの、効果的に得点を縮めることはできず、34点ビハインドで第3Qを終えた。

1年生ながら堂々の活躍を見せた

慶大らしさを出し切りたい第4Q、全員でシュートチャンスを掴みに行くもののなかなか得点につなげることができず、対する早大もシュートの勢いが落ち、両者の攻守が入れ替わる場面が続く。ここでスコアを動かしたのはこの日、アシストやパス回しでチームに貢献してきた阿部。3ポイントを沈めると続けて2本のバスケットカウントを決め切る冷静さを見せる。早大に立て続けに得点を奪われるものの慶大の連携は乱されることなく、林が3ポイントを決める。終盤はベンチからのひときわ大きい声援の中で、4年生5人がコートに立つとラスト30秒を切った場面でビディンガー美亜がサイドから得点、中島花(環4・慶應NY)もシュートチャンスを掴む。終了間際に西が得点を決め、56-97で早慶戦は幕を閉じた。

 

 

数字だけを見れば、「敗戦」という結果に変わりはない。

しかし、これまでの早慶戦のスコアからも「今年の慶大はさらに強くなる」、見た者全員にそう思わせる試合だっただろう。

シュートでの冷静さ、泥臭くボールに食らいつくプレーなど多くの武器を持ち、それらを磨き続ける慶大の目は2部昇格を見据えている。

前半の好発進に比べて、後半では失速気味だった今回の早慶戦。ここを通過点に全進を続ける。

(記事・佐藤有、写真・船田萌恵)

 

 

眞尾瞳(商4・浦和第一女子)

――試合を振り返って

まず、コロナ禍でも早慶戦を開催出来て嬉しいという気持ちでいっぱいです。プレーについてはその感謝の気持ちを体現できたのかなと思っています。

 

――慶大が流れを引き付ける場面が多くありました

試合の前に、出だしから自分たちのチャレンジャー精神を持って強気で先手を打っていこうという話をしていました。それをしっかりとコート上で体現できていたので、第1Q終わった時にはこのまま行こうという良い雰囲気が出ていたのかなと思います。

 

――ご自身の要所での冷静なプレーについて

自分のシュートをもう少し見ることができたのではないかという反省点があります。今日はメンバーの入れ替わりが激しいなかで自分のことを考えるタイミングがなくなってしまった場面がありました。今後は相手と自分を見るバランスを取れるように練習していって、リーグ戦では最後は自分が決め切るという役割を自覚しながら周りに声をかけ続けるバランスを意識していきたいなと思います。

 

――幅広い得点層、全員の活躍が印象的でした

全進というスローガンの通り、全員が進化しないとリーグ2部昇格はできないということを常に話しています。だからこそ選手層を厚くする必要があってみんなが得点を狙う必要があると考えています。そのことが今回の試合ではリーグに向けての通過点として、しっかりと体現できていたのかなと思ったので、ハーフタイムやタイムアウトの時もまずは自分で(シュートを)狙うことを意識してと話しました。

 

――見えてきた課題は

大きい選手に対してのディフェンスがまだまだ機能できていない場面が沢山ありました。リーグ戦に向けても2部や3部上位には大きい相手が多いので、もっと強化していきたいなと思います。

あとは今日コートに出たのは9、10人ですが、練習ではその相手をするメンバーも沢山います。2グループの力の差というのがまだ課題だと思うので、全員が進化することを考えながら練習で工夫をしていって、全員が2部のレベルにあったチームになるように課題を解決していきたいと思います。

 

 

林えみり(理3・慶應女子)

――試合を振り返って

体格差がある相手だったんですけど、私個人としては役割を果たせてチームとしても盛り上がっていけたので良かったと思います。

 

――どのような気持ちで試合に臨みましたか

格上の相手なので、怖気付かずにチャレンジ精神を持ってちゃんと責め続けようとチームで話をしていました。

 

――これまでの練習でどのようなことを意識していましたか

自分のチームに180cm代の人がいないので、180の相手を想像しながら常に練習をしていました。

 

――チーム全体でも個人でも3ポイントの確率が良かった要因は

今シーズンくらいから私個人は3ポイントを打ち始めたんですけど、打つ本数は他の人より少ないと思うんですけど、ちゃんと決め切るという意識を持っています。チームとしても相手のディフェンスが良い分、外のシュートが多くなると思うので、そこで決め切るという意識を持っていたと思います。

 

――これからの試合に向けて

1部のチームの強さを体験することができたので、2ヶ月後のリーグ戦に向けて3部でしっかり勝ちきって、目標である2部昇格を達成できるようにしたいです。

 

 

阿部七奈子(商2・三田)

――試合を振り返って

早大の圧倒的な力に押されはしましたが、チームでやろうと決めていたことを体現できた部分もあったので、そこは良かったかなと思います。

 

――序盤、慶大優勢の流れがありました

引いたら終わりと話していたので、1試合を通してチャレンジャー精神を持って強気で向かっていく姿勢を持ち続けようと決めていました。

 

――ボール繋ぎに貢献する場面が多く見られました

自分もゴールに向かう姿勢を持ち続けようという意識はありましたが、相手のディフェンスの強さに合わせて、チームが点を取るためには一番何が必要なのかを考えてそれに合わせてパスを回す役に徹したりというプレーをしていました。

 

――ベンチでは笑顔が見られる場面もありました

ベンチからは試合に関する指摘の他に、楽しんでる?などのポジティブな声をかけてくれてくれたので自然と笑顔になりました。

 

――今後の練習で詰めたい部分は

今年のスローガンが全進というのもあって、試合に出ている人だけが成長しても意味がないということをチームでも話していて、やはり全員で進化していくことを目指しています。今日試合に出られなかったメンバーのことも引き上げられるように、試合に出た人は特にチームを引っ張る意識をもって頑張っていきたいです。

 

 

石倉史菜(文1・国立)

――試合を振り返って

1部の早稲田の強さを感じて、スピードの部分とか体の強さの部分とかやっぱりそこの部分が負けていて厳しい部分があったんですけど、練習してきた自分たちのできる限りのプレーはできたと思います。

 

――初めての早慶戦でコートに立った時はどのような気持ちでしたか

緊張したんですけど、やってきたことを自分のできることを頑張ろうと思いました。

 

――出場する際に監督やコーチからどのような声をかけられましたか

緊張せずに思い切って頑張って来いと言われました。ディフェンスとかルーズボールとか誰でもできる部分を一生懸命がむしゃらにやろうと思いました。

 

――早慶戦までどのようなことを意識して練習しましたか

慶應というチームは自分たちで主体的にやるチームなので、お互いにプレーのこととか普段も言えることを自分たちで指摘しあったりして高め合っているので、自分もそういう環境に入ってチームの一員として貢献できるようなことをしていこうという気持ちでやってきました。

 

――これからの試合に向けて

2部昇格という目標にはまだまだ足りない部分があるので、自分たちでみんなと切磋琢磨しながらもっと強いチームにしていきたいです。

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