慶應スポーツ新聞会

【ソッカー男子】早慶定期戦特集第4弾! 酒井綜一郎選手 ×橋本健人選手 〜荒鷲軍団の象徴&心臓〜

2011年以来の定期戦勝利を目指す

10月24日(日)、味の素フィールド西が丘にて「JR東日本カップ2021 第95回関東大学サッカーリーグ戦1部 第21節」兼「第72回早慶サッカー定期戦ー早慶クラシコー」が開催される。慶應スポーツでは早慶クラシコにあたり、計14人の選手にお話を伺った。第4弾は荒鷲軍団の象徴であり心臓である、酒井綜一郎(政4・慶應)、橋本健人(総4・横浜F.C.ユース)だ。トップチームのスタメンを長く張ってきた2人もいよいよ引退の二文字が迫る。そんな2人に、苦しいシーズンとなった今季の戦いぶりやお互いの人柄などを話してもらった。

(取材日:2021年9月16日)

――今シーズンも山場です。チームの戦いぶりを振り返って

橋本:順位も下から2番目で、試合数に差があるので実質最下位(インタビュー時点)という現状が表している通りだと思います。決して大敗しているわけではないのですが、自分たちの甘さが原因で自分たちのやりたいことが内容として出ている試合でも勝ち点3だったり勝ち点1を拾えないというゲームが多いですね。今まで僕もトップチームにいて簡単な勝ちというのはほとんどなかったと思うんですけど、そういうギリギリの戦いで勝ち点3や1が拾えないというのが続いてしまっているので今は厳しい現状です。

酒井:チームとしてのいい部分、特徴は言われたことに順応する能力の高さです。ですから例年に比べて個の能力はそんなに高くないと思うんですけど、監督であったり、ピッチ上の指揮官が描こうとしたことはある程度出来ている試合は多いのかなと思います。ただ一方で、今橋本も言ってましたけど、大敗する試合はあんまりなくて、ディテールの部分でミスをしてしまったり頭が止まっていたり、だからこそ接戦をものにできない試合が多いのかなと個人的に思っています。

――後半に逆転、失点を許すゲームも多いです

橋本:それは監督からも言われていることで後半残り15分のところで得点されたり実際後半のほうが失点が多かったりというのもあります。相手を75分から圧倒できるような走力や気持ちの部分も一番厳しいところで力を発揮できないことに原因があると思います。戦術上走ってハードワークするチームなので、苦しい時間帯にチームとしてどうやっていくか、後半疲れた時にどれほどハードワークできるかという点はまだまだ足りてないなと思います。

酒井:ハードワークの部分は僕たちの強みではあるんですけど、そのハードワークというのが90分できているのか、時間帯によってどうすればいいのかというような細かい部分ができていないので、そこをラスト15分での失点が多いことにつながっているのかなとは思います。

――昨シーズンと今シーズンの違いを感じることは

橋本:自分たちのやろうとしていることはブラッシュアップされて去年よりは前からボールを取りに行けたり背後へのアクションだったり襲い掛かるような攻撃というのは出ている場面はあると思います。ですがやっぱり後半の失点が多いこと、ここを守りたいよね、この試合は勝てる内容だよねという時にチームとして、あと一歩踏ん張れない勝負弱さというところが今現状、勝ち点12(インタビュー時点)しか積めていないことの原因かなと思います。去年残留できて2年目というのもあるんですけどある程度慶應の戦い方というのは相手に知ってもらえたレベルにやっと達していると思います。ハードワークするであったりカウンターで走って出ていくところだったりセットプレーだったりというのはある程度相手に知ってもらえたと思いますね。例えば、こないだの桐蔭横浜大戦も相手がカウンターのところ出てくるぞとか切り替え早くしないとやられるぞという声が相手ベンチからも出ていたので1部の中でも慶應のやり方がほかの大学に認識されるようなレベルまでは達したのかなと思います。

――ここまでで印象に残っている試合は

橋本:6節にやった流通経済大学さんとの逆転で勝った試合です。あの状況で開幕5試合勝ち点1だったんですよね。開幕から大敗しているわけではないんですけどあと一歩で勝てなかったり勝ち点を拾いきれない試合が続いていてチームとしても厳しい状況でした。その中でもう一度みんなが踏ん張ったというか勝ち点3を積み上げてその次の試合も勝って連勝しましたし、勝ち方を思い出したというか慶應はこうやって勝つんだっていうのをみんなでつかみ取れたゲームだったかなと思います。

酒井:明大戦ですかね。前半すごいいい感触だったんですけど最終的に逆転されて負けてしまうということと、だからこそ僕たちがディテールが欠けてるんだなと実感したのがその試合でした。

――橋本選手、エースとしてチームの攻撃面を振り返って

橋本:自分たちは泥臭く走ってどんどんボールホルダーを追い越していくようなスプリントをかけて相手よりも走ることでチャンスを作るというサッカーをしたいと常々言っています。正直去年と比べてみても悪くないという感触はあって、監督だったり今年新しく入っていただいた小池さんというトレーナーの方にも日ごろから鍛えていただいて走力は全体的に向上していますし攻撃時の圧というのはかなり上がっているとは思いますね。ただ最後の課題はゴールに入れるというクオリティ、あと最後シュートまではいけているんですけどシュートが入らないという現状があるのでそこを最後誰が決めるのか、というところだと思います。またそういうチャンスを演出するためにもっと走ったりとかディテールの部分を突き詰めていけば攻撃に関してはチャンスを作るところ、シュートに至るところまではいけているという感触はあるので、そこを最後誰が決めきるか、ですね。一番大事な時間帯で最後決めてれば勝てたよねという試合が何個もあるのでそういうところで得点をとる選手が、自分も含めてですけど多くいないといけないと思います。シュート入れる選手が必要だなと思います。

――守備の中心、酒井選手に伺います。チームの守備陣を振り返ってみて

酒井:昨年から継続して出ている選手が守備陣には多いのかなと思っていて、その分、ゼロからのスタートではなかったので、去年からの積み重ねを今年も継続してやることができたら失点も少ないのかなと思ってはいました。ただ練習の中でのその甘さであったり、強度の低さというのが試合中に直結してしまったシーンが多くあるなと今振り返ると思います。シーズンに入る前は失点の少ないシーズンになると思っていたんですけどそんなうまくいかないなと思っています。

 ――橋本選手今シーズンのパフォーマンスを振り返って

橋本:全然ダメですね。まあ単純に結果なんで結局。去年より勝ち点積めてないこともそうですし、去年7点取って7個アシストしたんですけど今年はここまでまだ3得点2アシストだけなんで(インタビュー時点)まあ僕自身そういう点を取るところ、点を生むところに役割がある中でそういう結果を残せていないのは普通に良くないと思います。チームが勝っていたらまた話は違うんですけど、勝ててないので。この現状からすると僕のパフォーマンスは求められているものより出せていないって感じですね。

――酒井選手ご自身のパフォーマンスを振り返って

酒井:そうですね。まあ個人的に今シーズン振り返ると、波がついちゃったなぁと思いますね。試合に対するモチベーションでは昨年と変わらないんですけど、技術だったり、なんとなくうまくいっているときの自分はいいプレー継続することができるんですけど、1つダメだったりそのダメなプレーが続くと、自分を少し追い込むというか、少し心に残って、その日の試合波に乗れないというか、基準値くらいのプレーしかできないなと思った試合が多いかなと思います。結局試合はメンタルだと思うんですけど、そのメンタルの部分でまだまだ自分は今年甘いな、と。試合状況がうまくいっていないときとか、チームが負けているときに自分自身も落ちこんでしまうというかほかの選手をしっかり鼓舞して盛り上げていく力っていうのが自分には欠如しているのかなと思います。そこで、プレーの質が落ちるというか多かったと思います。

――橋本選手はJリーグ、レノファ山口でのプレーとの両立をしています

橋本:難しさはないですね。今年監督がレノファのほうは変わったので、今年春にレノファの練習に参加させてもらったときは新しい監督の下でやるということで新しい考え方、試合へのプロセス、準備のところというのは変わったので、そこはいい勉強になりました。どうしても2つ行ってると片方を比べちゃうので。レノファにいるときは特に慶應だとどうだとかこういうところはレノファのほうが秀でているなとか慶應のほうが秀でてるなということがあるので、そういう比較はして。それと自分の強みだったり、こういうことをやっていけばいいんだというのはJのチームにいることで慶應の強みとかそういうところはクリアに見えるものはありますね。

 ――ご自身のそうした経験から感じる慶應の強みは?

橋本:慶應のほうが全然走りますし、全然ハードワークできますし。正直な話プロなので向こうも。大学に比べて技術レベルとかはレノファのほうが上ですけど、慶應のほうが全然頑張れるし、簡単に言うと慶應のほうが戦ってるなって感じですね。

 

チーム随一の技術力で多くのゴールを演出してきた

――酒井選手は今季主将に就任して昨年に比べ変わったことは

酒井:それでいうと自分は、「担がれるキャプテン」というか。チームで「担ぐキャプテン」「担がれるキャプテン」あと「導くキャプテン」という話があったんですけど、まあどれかっていうと僕は「担がれるキャプテン」で。どういうキャプテンかというと、プレーであったり、僕でいうとヘディングであったり、1対1の守備はどんなにチームの状況、試合状況が悪くてもそこでみんなの心の支えになるというか、酒井がこんだけ頑張ってるんだったら俺たちも頑張んなきゃってなるのが僕の役目っていうのをみんなで話し合って認識して。この時間ならこうしていこうとかそういうのは正直ハシケンのほうが得意というか役割があるのでそう考えたら、自分がやることはプレーに集中してチームを救う、ワンプレーでチームを鼓舞するというところなので、そういう部分に重きを置いて今シーズンはやっていけるといいかなと、思います。

――橋本選手からみて酒井選手はどんなキャプテンでしょうか

酒井:これ大事よ(笑)。

橋本:絶対来ると思った(笑)。えーっとですね。それこそ去年の早慶戦で(酒井選手が)オーバーヘッド決めたじゃないですか。まあ偶然ですけど(笑)。まああれは大学入って、これ本当の話なんですけどあのゴールが一番感動したんですよ。やっぱ俺らの学年は酒井なんだなって思ったときはあの瞬間でしたね。まあそういう姿、ピッチの上で一番熱量をもってやれるのと、かつその熱量を他人にも受け渡せるというか、それこそ今綜一郎が言ってた通り綜一郎のヘディング一つでなんでそんなヘディングだけで盛り上がるのってこともあるんで、そういう影響力っていうのはどんなほかにうまいプレーする選手よりもあると思います。単純にヘディング、1対1の守備だけで周りをあれだけ熱量上げさせて鼓舞できる、メンタル的にですね、綜一郎自身も言ってましたけどプレーを教えるとかそういう能力ではなくて、単純に綜一郎のワンプレーで周りをあれだけ熱くさせるというのはなかなかいないですよね。そういうメリットがあるからたまに周りが見えなくなったりするんですけどそこは周りが支えればいいことで。そういう性格、ピッチでのふるまいっていうのが周りを熱く、突き動かせる主将なのかなと思います。去年の早慶戦のゴールが、詰まってるのかなと思います。言い過ぎたか(笑)。

――酒井選手からみて橋本選手のここがすごいというところは

橋本:秒で出るでしょ

酒井:なんだろうな。ハシケンってエースって言われるだけあって慶應一技術力が高い選手であることは間違いなくて、簡単にボールを失わないんですね。俺らだったら絶対跳ね返すボールをハシケンはプレッシャーのある中で普通にボールを保持して前に運んでいく力っていうのはあって。ハシケンがボール持つと前に運ぶ力であったり、もちろん一番技術が高いと思うのは左足のクロスであったりコーナーキックという技術はもちろんチームを助けているなって思うんですけど、すべてにおいて持ち運ぶ力、状況判断する力、カットインして抜いていく力だったり、走力だったり全部の能力値は高い。そのうえで左足っていうと大雑把ですけど。挙げるクロスは本当に大学NO.1っていうほどの精度だと思います。ただ、それ以前に、ハシケンって一番ピッチ内外で信頼できる選手なんです。ピッチ内だったら技術力。これだけじゃなくて、ピッチ外だったら一番相談しやすいというか、いつも輪の中心にいるのがハシケン。だから、飯食いに行くときも、帰るときも、部室にいるときも、なんとなく話の中にはハシケンがいて場を回している。だからみんなからも信頼されてるし、ある意味チームを支えているのは間違いなくハシケンなんですよ。2年の時から一緒に出てるんですけど、ハシケンのほうが先に出てるので、自分は試合に出始めてからわかんないこととか、どうしたらいいのか、帰り道電車の中で相談してたのもハシケンですし、なんとなく頼ってたのはハシケンでしたね。

――橋本選手からみて酒井選手のここがすごいというところは

橋本:プレーの面ではやっぱりヘディングは、相当身長差がない限り負けないですよ多分。そこでの信頼はあります。

酒井:190センチ(の相手)くらいまではいける。

橋本:本当にゴールキックからのヘディングとか普通に1対1で競ったらほぼ負けないですし、別に身体能力がめちゃくちゃ高いわけじゃないんですけど、飛んでくるボールへの執着心とかメンタルのところで相手を凌駕していると思います。西が丘でやった立正大戦なんかは綜一郎がヘディングぶっ飛ばしたところから宮本稜大(商3・國學院久我山)が点取るという試合のシーンもあるので単純にヘディングの勝率と飛んでいく距離というのは大学でもなかなかいないと思います。

――早慶戦についての印象

酒井:自分はずっと慶應っていうのもあって早慶戦を小学校の時から知ってたんですけどやっぱりその目指すべき場所というか、早慶戦に出て、この観客の中で感動するプレー、心動かせるプレーをずっとしたいと思ってきたので早慶戦への思いというのはほかの選手よりあると思ってます。やっぱり早慶戦って慶應を外部から目指す選手だったり、それこそ今現役で慶應大学ソッカー部に入ってる後輩だったり全員が大学のうちにここに出たいなって思うのが早慶戦なはずなんですよ。だからこそ11人に選ばれて出るからには、出れない同期だとか後輩とか、多くの人たちの期待に応えられるようなプレーをしなきゃいけないなと感じています。

橋本:2年生の時の早慶戦が僕にとって一番転機というか大きなもので。あの時、1年生の時出れなかったんで初めて早慶戦に出て観客も体感したことのない感じでした。あの時は0-1で負けたんですね。あの試合は自分自身とてもいいパフォーマンスで決定機もあった中で得点取れずに負けてしまった。そこからどうしても早稲田には負けたくないと思って、もう一度来年、再来年ここで勝つために頑張ろうって思わせてくれたので。そういう意味では去年前期は勝ちましたけど、定期戦って意味では去年引き分けて、僕たちまだ勝ててないんで去年早稲田の9連覇は止まりましたけど僕らも4年目で最後の早慶戦なんで早稲田に勝って引退したいですね。

――早稲田で警戒している選手は

酒井:田中雄大(スポ4・桐光学園)ですね。高校の時トレセンで一緒にプレーした時から印象に残っていて、一つ一つのプレーがすごく丁寧で、単純にうまいなと思ったのが彼のプレーだったんですね。その彼が、早稲田のボランチとしてしっかりピッチ上で機能していると、早稲田の総合値ってのはかなり高くなってくると昨年の早慶戦で思いましたし、かなり警戒すべきというか注目しているプレイヤーかなと思います。

橋本:けがって聞いたんで出るかわからないですけど、2年前に点取られた加藤拓己(スポ4・山梨学院)ですね。やっぱりああいう局面で点取れるのは彼なんで、警戒というか注目はしています。おそらくケガで出れないみたいな連絡来たんで、もう一人出すとすれば高校時代同じ横浜F.C.ユースで一緒にやってた小倉陽太(スポ2・横浜F.C.ユース)っていう選手です。彼の展開力、ボール奪取力っていうのはすごい。田中とボランチを組むと思うんですけどまだ2年生なのにかなり能力が高いので後輩ですし、注目はしています。

早慶戦でもワンプレーで観客を熱狂させる

――加藤選手について

橋本:プレースタイルとかは僕と真逆なんですけど連絡も取るようになって、多少意識していて、2年前点取られたときに意識させられたというかあの時から早稲田のエースで同学年だったのでコイツに負けたくないと思ったのは事実ですね。

――早慶戦への意気込み

酒井:最後の早慶戦なので、結局はハシケンが言ってたように勝って終わって仲間と笑いたいという思いもありますし、一方でリーグ戦の中の1試合でしかないので力みすぎず、見に来てくれた方にインパクトを与えられたらいいなと思います。

橋本:リーグ戦の1つではありますけど、普段と違うのは多くの慶應のOBの方だったり多くの未来のソッカー部に入るであろう高校生だったりが多く見に来てくれると思うので、そういう意味では慶應はこういうチームだ、こうやって勝つんだっていうのを見せる場だと思うので早慶戦で強い慶応、慶應らしさを出して勝てれば、勝ちたいですね。

――リーグ戦の目標

酒井:チーム状況的に苦しい立場に立たされているので当初目標に掲げていたインカレ出場、もちろん今も目指してはいるんですけどそこに到達するより先に残留を決めなきゃいけないので、残留必ず達成したいです。

 

お忙しい中、貴重なお話ありがとうございました!

(取材:松田英人)

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