21日、全日本大学選手権FINAL4が名古屋で行われた。慶大は名大のディフェンスを崩せず第2クオーター中盤まで無得点の苦しい展開が続いた。しかし、小川司(商3・慶應NY)のショットで先制すると、勢いに乗った慶大は藤岡凜大(政1・慶應)のスコアなどで5-0と名大を一気に突き放す。一時2点差に迫られるも最後までリードを守り切り、6-3で勝利した。1年生ながら今試合3得点と活躍した藤岡は「頼もしい先輩たちの中で自分は思い切ってプレーしようと思っていました。」とコメントした。
全日本大学選手権FINAL4 vs名古屋大
11月21日(日)
♢得点♢
全日本大学選手権FINAL4 vs名古屋大 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
慶大 | 0 | 4 | 1 | 1 | 6 |
名大 | 0 | 0 | 2 | 1 | 3 |
♢慶大得点者♢
小川司(2Q)
藤岡(2Q)
藤岡(2Q)
中名生三(2Q)
藤岡(3Q)
入谷(4Q)
♢慶大出場選手♢
〈スタメン〉
AT #7 小川 司(商3・慶應NY)
AT #1 中名生 幸四郎 (経3・慶應)
AT #39 小笠原 洋允(政4・慶應)
MF #67 神津 悠生(商3・慶應)
FO #33 石井 ヴィクトール慶治(商3・慶應NY)
LMF #16 久保田 悠介(政4・慶應)
DF #22 八星 輝(法4・慶應)
DF #6 吉田 結貴(経3・慶應)
DF #57 小川 健(政1・慶應)
G #18 岸 晋太郎(法3・慶應)
第1クオーターはフェイスオフで勝った名大のポゼッションからスタートした。名大の攻撃を慶大ディフェンス陣がプレッシャーをかけて守りオフェンスへつなぐ。先制点の欲しい慶大は中名生幸四郎(経3・慶應)、小川司を中心に攻撃を展開しショットを放つも相手ゴーリーに阻まれ点を奪えない。前試合と異なり早い時間帯に先制点を決められなかった慶大だが、時間をかけて攻めてくる名大に対して落ち着いて対応。1年生ながらスタメン出場を果たしている小川健(政1・慶應)も一対一で負けない素晴らしいディフェンスを見せる。終盤慶大のファウルで人数不利のディフェンスとなる場面もあったが、スタメンに抜擢されたゴーリー・岸晋太郎(法3・慶應)のパスカットで守り切った。両者一歩も譲らず第1クオーターが終了した。
第2クオーター序盤も一進一退の攻防が続く。慶大は安定感のあるディフェンスを見せ、オフェンス陣も果敢にゴールを狙う。すると残り7分、中名生幸のビハインドパス(背中の後ろから出すパス)を受けた小川司がショットを決める。オフェンス陣を引っ張る2人の華麗な連携から待望の先制点が生まれた。さらに慶大は残り5分、藤岡が今シーズン初得点となる力強いショットを決め追加点を奪う。残り2分にはゴール裏から中名生三四郎(経4・慶應)が一対一を仕掛けショットを決めると、勢いは止まらず、直後に藤岡がゴール前のショットを決め4-0と差を広げた。
後半になっても慶大は攻撃の手を緩めない。第3クオーター開始直後に藤岡が今試合3得点目となるショットを決める。その後も慶大ポゼッションが続いていたが、名大に精密パスを通されショットを決められる。得点後のフェイスオフも名大が勝利し中盤以降は名大オフェンスが続く展開に。勢いに乗った名大にさらに1点を返され3点差に詰め寄られる。慶大は中盤以降、名大ディフェンスを崩せず5-2で最終クオーターへ。
第3クオーターでのファウルのため慶大の人数不利で相手ポゼッションからスタートした最終クオーター。慶大は最初の名大攻撃を守り切ると中盤まで両者一歩も譲らない攻防を繰り広げる。名大ポゼッションが多かったが要所で慶大の好守が光り、得点を許さない。しかし残り5分、名大のショットが決まり2点差とされる。ここで慶大はリーグ戦で数々の好セーブでチームを救ってきたゴーリー・藤井凱章(法4・慶應)を投入。その藤井が相手のパスをカットすると、終了間際に入谷公基(医3・慶應)のショットが決まり6-3で試合終了。名大に勝利した慶大は全日本大学選手権FINALに駒を進めた。
躍動する2人の1年生
慶大の勝利に大きく貢献しているのが1年生の小川健と藤岡凜大の2人だ。LMD・小川健はリーグ戦第1戦から全試合でスタメン出場を果たしている。主将の八星輝(法4・慶應)らと連携して堅いディフェンスを見せている。また、ボールを奪ったときにはオフェンス陣に的確なパスを出し攻撃の起点となることもある選手だ。
そしてもう一人は今試合3得点を挙げMVP級の活躍をしたAT・藤岡だ。慶應高校時代には主将を務めた藤岡は、とても視野が広く常に周囲の状況を見ながらプレーしている。藤岡は自身の強みを「ディフェンスにしっかり体を当ててゴールに向かえるところ」だと話す。今試合でもボールを持ったら一対一を仕掛け積極的にゴールを狙う姿が見られた。そんな1年生の活躍に先輩たちも感化されチーム全体に活気が生まれるだろう。
次戦も小川健の堅実なディフェンスと藤岡の思い切ったプレーが期待される。慶大ラクロス部のこれからを担う2人の1年生の活躍に注目だ。
全日本大学選手権FINALは11月28日(日)に駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で行われる。慶大の対戦相手は関西学生リーグを制した関西学院大学だ。優勝が懸かった一戦でも今まで作り上げてきた慶應らしいラクロスを見せてくれるだろう。
(記事: 長沢美伸 写真: 慶應義塾大学體育會男子ラクロス部)
♢選手コメント♢
小川司(商3・慶應NY)
――先制点を決めた今日の試合を振り返って。
チームとして目標であった点の量産を行えず、結果としてDFに耐え抜いてもらう試合になってしまったのは悔しかったです。
――中名生幸四郎選手との連携について。
彼がボールを持った時、自然と体を動かせるようにイメージトレーニングを常に行っています。
――オフェンスリーダーとして。
チームとして個人が輝くのも大切ですが、周りを活かすプレーへの魅力をみんなに知って欲しいと強く思った試合でした。
――次戦に向けて。
全学決勝は油断せずオフェンスの集大成をお見せし、関東の意地とプライドをぶつけたいと思います。
藤岡凜大(政1・慶應)
――3得点の活躍、今日の試合を振り返って。
相手のホームであり、慣れない土地での試合だったため、いつもと違う緊張感があったのですが、頼もしい先輩たちの中で自分は思い切ってプレーしようと思っていました。その中でチームが先制した後うまく流れに乗ることができ、3得点という結果を残せて良かったです。
――今季初得点、1得点目を決めた時の気持ちは。
決まった瞬間にスタンドの部員たち、特に同期がとても盛り上がってくれているのを感じてとても嬉しかったです。
――オフェンスでの自分の強み。
自分の強みはディフェンスにしっかりと体を当ててゴールに向かえるところだと思っています。
――次戦に向けて。
まずは日本一をかけた大舞台での試合を最高に楽しんで、4年生の先輩方と1日でも長くラクロスができるように頑張りたいと思います。