8月27日(土)東京六大学野球オールスターゲーム 瀬戸内オーシャンズvs石鎚マウンテンズ @坊っちゃんスタジアム(松山中央公園野球場)
3年ぶりに帰ってきた東京六大学野球オールスターゲームは、明大・法大・早大の3校の選抜メンバーで構成された「石鎚マウンテンズ(以下、石鎚)」が、慶大・立大・東大の3校の選抜メンバーからなる「瀬戸内オーシャンズ(以下、瀬戸内)」を終始圧倒した。4回に1死満塁から9番・印出太一(早大=スポ2・中京大中京)の犠飛と代打・宗山塁(明大=商2・広陵)の適時三塁打で先制を許すと、5回には代打・斎藤大輝(法大=人4・横浜)に適時打を浴び、7回には1年生の外丸東眞(慶大=環1・前橋育英)が3失点するなど石鎚の勢いを止められず、瀬戸内の打線も石鎚投手陣の前にわずか3安打に終わり、完封負けを喫した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
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瀬戸内 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
石鎚 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 3 | 0 | X | 7 |
瀬戸内バッテリー:荘司、増居、●島田、鈴木健、池田、外丸、井澤-黒岩、松岡泰
石鎚バッテリー:加藤、篠木、○村田、伊藤樹、尾﨑、蒔田-村上
◆瀬戸内オーシャンズ全出場選手
打順 | 守備位置 | 名前(大学名=学部学年・出身校) |
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1 | [8] | 道原慧(立大=法4・駒大苫小牧) |
9 | 阿久津怜生(東大=経4・宇都宮) | |
2 | [4]3 | 廣瀬隆太(慶大=商3・慶應) |
3 | [5] | 下山悠介(慶大=商4・慶應) |
4 | [D] | 山田健太(立大=コミ4・大阪桐蔭) |
5 | [9]8 | 萩尾匡也(慶大=環4・文徳) |
6 | [7] | 宮﨑湧(東大=教育4・開成) |
7 | 山本晃大(総4・浦和学院) | |
7 | [3] | 大井温登(東大=教育3・小松) |
4 | 吉岡広貴(立大=コミ4・広陵) | |
8 | [2] | 黒岩陽介(立大=法4・静岡) |
2 | 松岡泰希(東大=教育4・東京都市大付) | |
9 | [6] | 朝日晴人(慶大=環4・彦根東) |
[1] | 荘司康誠(立大=社4・新潟明訓) | |
1 | 増居翔太(慶大=総4・彦根東) | |
1 | 島田直哉(立大=コミ4・龍谷大平安) | |
1 | 鈴木健(東大=教育3・仙台一) | |
1 | 池田陽佑(立大=コミ3・智辯和歌山) | |
1 | 外丸東眞(慶大=環1・前橋育英) | |
1 | 井澤駿介(東大=農4・札幌南) |
2019年に富山で開催されて以来3年ぶりの開催となった東京六大学オールスターゲーム。2020年に松山で開催される予定であったが、コロナ禍の影響で2年の延期を余儀なくされた。松山では2010年にもオールスターゲームを開催しており、これで2度目の開催となる。
今回の球宴には慶大野球部からは、下山悠介主将(商4・慶應)をはじめ、増居翔太(総4・彦根東)、外丸、朝日晴人(環4・彦根東)、廣瀬隆太(商3・慶應)、萩尾匡也(環4・文徳)、山本晃大(総4・浦和学院)の7名が選出。試合前には応援団によるパフォーマンスと開会式が行われ、普段のリーグ戦とは一味違う雰囲気の中で試合は始まった。
序盤は石鎚の先発・加藤孝太郎(早大=人間3・下妻一)が2回1安打無失点の立ち上がりを見せると、瀬戸内の先発・荘司康誠(立大=社4・新潟明訓)も走者を出しながら2回無失点と粘りを見せる。しかし4回、3番手・島田直哉(立大=コミ4・龍谷大平安)が先頭の5番・上田希由翔(国日3・愛産大三河)にフェンス直撃の二塁打を打たれると、1死満塁から9番・印出が犠飛を放ち、続く代打・宗山にも適時二塁打を浴び、この回3点を先制される。続く5回には4番手・鈴木健(東大=教育3・仙台一)が1死三塁から代打・齊藤大に適時打を許し、4点目を奪われる。追いつきたい瀬戸内打線だったが、石鎚の強力投手陣の前に、5回を終えて初回に廣瀬が放った内野安打1本だけと苦戦を強いられる。
中盤以降も走者を出せない展開が続く中で迎えた7回、瀬戸内のマウンドにはルーキー・外丸が上がる。球宴という大舞台で緊張もあったのか、1死満塁のピンチを招いてしまう。ここで石鎚の7番・吉納翼(早大=スポ2・東邦)に右中間を破る適時三塁打を浴び、一挙3点を失った。しかしその後のピンチを連続三振で切り抜け、初の球宴を1回3失点で終えた。瀬戸内打線は8回に4番・山田健太(立大=コミ4・大阪桐蔭)、9回には8番・松岡泰希(東大=教育4・東京都市大付)がそれぞれ安打を放つも、後続がチャンスを広げられず力尽きた。
試合は0―7で石鎚の完勝という形になったものの、全ての出場選手が全力を尽くして挑んだオールスターであった。試合が行われた坊っちゃんスタジアムでは、ちょうど1カ月前にプロ野球のオールスターゲームも開催されており、松山の人々の野球に対する注目は高まっていただろう。その中で選手たちの一挙手一投足が、観客を大いに沸かせ、スタジアム全体に一体感を持たせていた。
両チームの4年生の中で3年前の富山オールスターを経験したのは山田と中川卓也(早大=スポ4・大阪桐蔭)のみ。ほぼ全員が初めてオールスターゲームを経験したことになる。2週間後に控えた秋季リーグ戦では互いに敵同士となるだけに、下級生も含めて、他校の選手とチームを組んで戦うことは非常に貴重な経験だったに違いない。いよいよ9月10日(土)に秋季リーグ戦が開幕し、慶大は昨秋に続く連覇を狙うための戦いに挑む。慶大の選手たちはもちろん、両チームの選手たちが万全の準備で秋季リーグ戦に臨むことを期待したい。
(記事:宮崎秀太、写真:北村可奈、佐藤光、愛宕百華、岡澤侑祐)
◆選手コメント
下山悠介主将(商4・慶應)
ーー試合を振り返っていかがでしたか?
結果的には石鎚マウンテンズに結構押されて、大敗してしまいましたが、終始ベンチは和やかな雰囲気で(試合が)できていたので、それは良かったと思います。
ーー初めてのオールスターで感じた雰囲気は?
1年生の時に開催されていて、自分は行けなかったのですが、いざ来てみるとすごく盛り上がっていて、普段のリーグ戦とは違う雰囲気で野球をさせてもらえたことはとても楽しかったです。
ーーチームの主将を務めて重圧などは感じましたか?
特に自分は何もしていないので、あまり感じることはなかったのですが、3校で仲間として野球ができたのはすごく楽しかったですし、会話も弾んだのでとても良い経験になったと思います。
ーー他のチームの選手とはどんな話を?
野球の技術の話であったり、練習の話であったり、生活のこととかも含めて色々なことを教えてもらいました。
――秋季リーグ戦に向けて一言お願いします!
どこのチームも春のリーグ戦の経験を活かして夏を過ごしてきていて、自分たちも春のリーグ戦を踏まえて「秋にどうやって勝つか」ということを考えながら、この夏全力で練習してきたので、その自信を持って最後に優勝できるように頑張りたいと思います!
萩尾匡也選手(環4・文徳)
ーー3年ぶりのオールスター開催でしたが、オランダで共にプレーした選手もいる中で、試合を振り返っていかがでしたか?
本当に楽しかったです。本当に色々な大学の選手と野球できて、再会したメンバーも沢山いて、リーグ戦普段ライバルの選手がいっぱいいて、仲間になれた新鮮さもあって楽しかったです。
ーー相手チームと仲間の印象について
向こうは打つなっていうか、出来上がってるなというか、仕上がってるなという印象。まあでもこっちの選手もやっぱりこんだけ暑い時期の中で皆バット振れてるので、秋になったらまだまだ良くなってくるんじゃないかなという気はしました。
ーー最も印象に残っている場面やプレーについて
上田選手はセンターオーバーだったんですけど。やっぱり流石だなっていう印象と、秋は絶対あれは打たれちゃダメだなって感じです
ーーそれでいうと宗山選手もすごい打たれてた印象でした
クソガキなんで(笑)。とにかく秋は何とか抑えてやりたいなと思いますね
ーー毎打席ホームランを狙うようなスイングが見られましたが、最終打席もバントからのバスターの構えが明治神宮大会のバスター本塁打を彷彿とさせました。毎回狙ってたってことですか?
そうですね。僕の魅力はホームランなのかなと思うので今日はそっち路線で行きました。リーグ戦ではちゃんとやります!
ーーアップ中に他大学の選手と交流されてましたが、どのようなお話されてましたか?
バッティングでどんなことを意識してるかとか、オープン戦調子どう?とか、毎日調子どう?みたいな話ですかね。リーグ戦も近いのでそんな深い話っていうのはあんまりできなかったんですけど、まあ本当にそういう選手達と野球が一緒にできるっていうのがよかったなと思いますね。
ーーオランダの仲間とは近況報告できましたか?
そうですね、オランダの思い出話もありますし、また31日も試合があるのでそれに向けての話っていうのもしました。
ーー秋への意気込みをお願いします!
秋はもう今日みたいなだらしないプレーはせずに、1個1個しっかり勝ちに繋がるプレーをしていきたいなと思います!
朝日晴人選手(環4・彦根東)
ーー今日のゲームを振り返って
めちゃくちゃやられて、チームとしてはもっと打てたら良かったなと思うんですけど、個人としても打てなかったのでリーグ戦勝ちたいと思います。
ーー9回はフォアボールで出塁。どんな心境だったか
とりあえず繋ごうと思っていました。
ーーアップ中など他大の選手と話していたが、特に誰とどんな話をしたか
全員と喋って技術的な話もしたり、いつも何しているかプライベート的な話もしました。
ーー具体的にはどんなエピソードがあったか
東大の井澤選手が試合前のインタビューで僕と仲良くなりたいと言っていて、めっちゃ(自分に話を)聞いてきて、話しやすかったです!(笑)
ーー試合中、印象的だった選手は
上田選手の打球と、お尻と太ももの大きさが印象的でした。
ーー秋リーグ戦への意気込み
秋は慶應として戦う中で、他の大学が強いのは今日で分かったので、何とか全員で最後まて諦めずに頑張りたいと思います。
廣瀬隆太選手(商4・慶應)
ーーこの試合に出られた感想は?
こういう素晴らしい舞台を用意していただいて、そこに選出していただいて、本当に楽しかったです。
ーー3大学合同の練習の感想は?
いつもは敵としてやっているんですけど、今日は味方ということで本当に新鮮な気持ちで色々学ぶことも多かったし良かったです。
ーーいつもの試合との違いは?
やっぱりいつもはにらめっこの勝負ですけれども、今日は一人一人楽しんでいて、こういう野球も楽しかったです。
ーー今日は監督も違う方だったと思いますが、指導などにどのような違いがあったか?
基本的には今日は選手主体で、監督どうこうというのはなかったですね。
ーー他の大学の選手とはどのような話をしましたか?
この試合に勝つためにみんなでベンチワークしたりというところですね。特に詳しい話などはありしてないですが、みんなで色々な選手を応援できたというのは貴重な体験でした。
ーーイニングが終わるごとにどのような会話をしていましたか?
負けていたので、その中で勝とうぜなど鼓舞し合う声を掛け合ってました
ーー厳しい戦いになっていたと思いますがどう思いましたか?
あっち(石鎚)の選手がよく打ちましたし、実力的に技術的に完敗だったなというところです。
ーー秋のリーグがもうすぐですが、今回の試合をどのように活かしたいですか?
今日は明治・法政・早稲田と素晴らしいピッチャーとバッターとしては対戦することができたのでその経験は今後に活かせていきたいと思います。
ーー秋のリーグ戦の意気込みをお願いします。
春は悔しい結果で終わったので秋は絶対優勝したいです。
ーー応援してくれた方々に一言お願いします!
このように素晴らしい舞台を用意していただいて、また、多くのお客さんが来てくれて本当に幸せな時間でした。応援ありがとうございました。
外丸東眞選手(環1・前橋育英)
ーー1年にしてオールスターゲームへの出場が決まった時の心境は?
他のメンバーの方が凄い人たちばかりで、楽しみという気持ちが一番大きかったです。
ーー今日のオールスターゲームを振り返って
楽しかったっていうのが1番大きいです。やっぱりレベルの高い方たちばかりで、この方たち相手に秋は戦わなければいけないので、もう一度リーグ戦に向けて調整していきたいです。
ーー他大学との練習で感じたこと
やはりレベルの高さを強く実感しました。
ーー試合前のストレッチが気になったが、ピッチャーとしての力を発揮するためのこだわりはありましたか?
試合前の時間が長かったのでストレッチを多めにしていました。あまり身体が柔らかい方ではないので、いつもは寝る前とか朝にやるようにしています。
ーー試合前に早稲田の伊藤選手とお互いのグラブを見合っているようなシーンがありましたが、伊藤選手とはどのような話をしていましたか?
変化球の投げ方を教え合っていました。前々から連絡をとっていて、「いつか会いたいね」と話していたので、それが今日オールスターの舞台で叶いました。高校で1度対戦したことがあって、六大学でこうやって会えたので良い思い出です。
ーーチームの中に1年生は1人でしたが、登板を終えて、先輩たちからどのような言葉をかけてもらいましたか?
「まだ1年生だから」と慰めてくれました。内容的には全然良くなかったので申し訳ない気持ちでいっぱいですが非常に良い経験になりました。
ーーこれまでの経験を踏まえて、秋季リーグへの意気込み・目標をお願いします!
目標はもちろん「優勝」です。優勝できるように、自分の役割を全うしていきたいなと思います。