【男子ラクロス】日本一へ視界良好!開幕戦白星発進/東海大戦

 

5得点を挙げた田中

5得点を挙げた田中

日中のうだるような暑さも一段落したある真夏日の夕刻、慶大は日本一への一歩を踏み出した。初戦の相手は去年FINAL4に進出した東海大。史上初のリーグ戦敗退を喫してしまった慶大にとってはいわば「格上」の相手だったが、結果は22-12で完勝。「目標スコアである20-10」(AT永島主将・政4)に近い点差で見事初陣を勝利で飾った。

 

 

第23回関東学生リーグ・開幕戦

 2011/8/14(日)17:10FO @駒沢オリンピック公園総合運動場第二球場

チーム 1Q 2Q 3Q 4Q
慶應義塾大 7 5 4 6 22
東海大 1 5 2 4 12
 

試合は序盤から動く。フェイスオフをマイボールにした後すぐに攻め上がる慶大。すると0分、MF田中(政3)が打ったミドルシュートのこぼれ球を、ゴール前に詰めていたDF阿部がすくい上げそのままシュート。これが決まり、見事先制点を奪取する。リズムに乗った慶大は「リスクを取ってボールを奪う」ラクロスを展開。攻め込まれても早いプレッシャーでボールを奪うと、すぐにカウンターで反撃。AT長島(商4)の個人技なども飛び出し、次々と得点を重ねていく。1Qを終わってみれば7-1とリードを広げていく。

プレッシャーをかけにいく中井

プレッシャーをかけにいく中井

2Qは長島のスーパープレイで幕を開ける。長島が敵陣に一人で切りこみ、相手DFを何人もかわし相手Gと一対一。そしてシュートを放ったかと思われたがボールは横へ走り込んでいた田中へ。これをそのまま落ち着いて決め8-2。華麗なクロス捌きが飛び出しさらに慶大が追加点を重ねるものと思われた。だが、1分、2分と連続で失点を喫すると流れは東海大に。相手のじっくりと時間をかけるオフェンスに慶大のプレッシャーも弱まってしまう。6分にはG中井(商4)が「リスクを負って」前に出ていたところを遠目からシュートを打たれ、そのままゴールへ。取られたくない形で失点し嫌なムードが流れる。ただこの嫌な流れを断ち切ったのも長島だった。11分、敵陣でボールを奪った長島が個人技でゴール前まで運び今度は自分でシュート。これが決まり9-5と再び点差を広げる。ここから慶大は相手の引き気味の守り方に活路を見出す。東海大のディフェンスの穴を突き、慶大がミドルシュートを打つ流れが確立される。AT平子(政4)の見事なミドルも決まり、終盤に中押し点を追加し12-6で2Qを終える。

大活躍の長島

長島の鮮やかなゴールで3Qが始まると、試合は膠着状態に。3分に田中が個人技で抜けだしシュートを決めるが、お互い出方をうかがう展開に。東海大が厳しいチェックを受ける前にボールを早めに敵陣に運ぶ。すると慶大ディフェンスは後ろに下がらざるを得なくなり、必然的に攻める時間が長くなる、といった形で東海大がゲームメイクを図る。しかし、点差が十分に離れており、やはり優位なのは慶大。途中慶大のマンダウンディフェンスなどもあったが落ち着いて対処し、無駄な失点を防ぐとその後じわじわと追加点を重ねていく。4Qに入っても流れはやはり慶大。東海大が持ち味のスピード感溢れる攻撃で本領を発揮し始めるも時すでに遅し。慶大はミドルシュートを打っていくスタイルから自分で積極的にゴールをこじ開けるスタイルに。さらにそれに対応するようにうまく時間を使いだしていき、この時点で勝負あり。最後はダメ押しで点差を広げ22-12で試合終了。AT陣の活躍もあり危なげなく勝利を収めた。

プレッシャーのかかる開幕戦であったが「目標スコアが20-10だったのでチームとしてそれを達成できたことはよかった」(永島主将)と一定の収穫はあった。ただディフェンスに関しては「奪われ方とかその過程に課題があった」(中井)と修正点も見えた。そして何と言っても格上相手にこれだけのラクロスを展開してまだ発展途上というのは末恐ろしい。目指す「リスクを取ってボールを奪う」ラクロスが完成されれば日本一はぐっと近づく。そのための一歩を今、踏み出した。

 By Kazuhiro Takai

 

選手のコメント

永島主将

まず一勝取れたことがよかったですね。(22-12という結果については)目標スコアが20-10だったのでチームとしてそれを達成できたことはよかったですね。(試合の流れが目まぐるしく変わるように見られたが)僕らのやってるラクロスがリスクを取って(ボールを)奪って、失点よりも多く得点を取るラクロス。試合の流れは4Qあればいつか相手に持っていかれるものなので、そこで取られていることはあまり気にしていないと思います。(東海大に意識していた点は)全然ないですね。僕たちがやることを意識して試合に臨みました。(夏合宿について)課題として挙げていたのは得点力の向上ですね。合宿中の練習試合はうまくいかなかったんですが、東海大戦では20点達成できたのでその点では合宿の成果が出たかなと思います。(今日の試合の課題は)まだまだリスクを冒していいる部分で無駄な動きがあること。後はオフェンスで相手に対する小技が出来ていない所ですかね。次の法政戦まで6日しかないので修正できるのは本当に小さなことだけなので、細かいところを修正しようと思っています。(個人としては)全然ですね。点取れなかったんで。次から点にこだわっていきたいと思います。(自身の役割について)別に点を取ることだけじゃないですけど、全てにおいて一対一で勝つ、点を取る。全てにおいて相手よりも圧倒するということですかね。(法大戦に向けて)法政を取って一旦チームの間が空くというか、その次の明学戦、東大戦まで時間が開く。法政戦まで合宿でやってきたことを続けて、少し修正を加えた上で勝ったらFINAL4に近づく。去年行けなかったFINAL4なので。東大戦にしっかり臨めるといった意味でもしっかり勝ちたいです。(目標スコアは)20-10で勝とうと思います。

平子副将

(今日の試合を振り返って)目標の20-10というスコアがあったのですが、失点ではそれを達成できなかったのですが、20点以上取れたということはすごくよかったと思います。(良い結果となった要因は)細かい戦術というより、シーズン入ったときに掲げたプレスディフェンスだったり、前のめりで全員で攻撃して、すぐ奪って点を取るという大きなコンセプトをもう一度確認して、みんなで出来たっていうことが大きかったんじゃないかなと思います。(早慶戦以来どんな準備をしてきましたか)その大きなコンセプトをぶらさない中で、自分たちがオフェンスはオフェンスでしっかりやるということをもう少し細かくかみ砕いてやって、ディフェンスも同様にやっていく中で、まあ練習試合で負けたりもしたのですが、こういう結果になってよかったです。(開幕戦としての手応えは)自分たちが準備してきたことをしっかり出せた試合だったので、よかったと思います。(相手チームの印象は)やっぱり、身体能力とかは非常にいいものを持っているチームだったので、本当に油断しないで行こうっていうはなしをしてたので、走り勝つというテーマも入ってきて、走り勝つことは出来たと思います。(自身のプレーの出来は)4点取るっていう目標を掲げて、4点取れたのはよかったんですけど、自分の中でイメージ通りの点というか、納得できる点というのは少ないので、そこもしっかり自分の中でこだわった点の取り方をしていければ、もっとよかったなと思います。(視界の悪さなどの影響は)いえ、昨日もこの時間に練習してアップに入る前から、常に夜の状態のグラウンドを想定して、ナイターがどこから入るのかということを考えていたのでそんなに困ることはなかったです。(次に向けた改善点は)20点取るという目標の中で、もっと相手よりボールを奪っていかなくてはいけなくて、もっとグラウンドボールの場面が増えてくると思うので、そこでしっかり勝ちきる。どっちのボールでもない場面で自分たちが掴みきるということが今後大事になってくると思います。(リーグ戦の展望は)20-10ていうスコア設定はかわらずにやっていくので、前のめりで戦うことを貫きたいです。(次の法政戦に向けて)同じように20点は得点し、失点は10点に抑えて、本当に圧勝したいと思います。

中井

(試合を振り返って)パスミスをしてしまってオフェンスの起点になれていなかったので、そこは個人として反省です。チームとしては4Q通して走り切れたことは収穫でした。(ゴールから離れるシーンも多くあったが、意図は)オフェンスが6人いて、ディフェンスがゴーリーを合わせて7人いるのでゴーリーがディフェンスに参加することで、一枚多く相手にプレッシャーを掛けることができる。そこでボールを取って、オフェンスにつなげる作戦をとっています。リスクを負ってボールを奪って、ゴールを開けていく、という感じです。(長い距離でシュートを決められたのも想定内か)そうですね。あのような失点は今のところは仕方のない失点、しても良い失点として位置づけています。10点までは失点するものだと考えて試合をしています。(取られるよりも、取るということか)そうですね。失点を上回る得点を生み出すという考えなので、あえてリスクを負っています。(東海にボールキープされる時間もあったが)4Q通して全て慶應の流れはあり得ないと思うので、東海が攻めている時間には焦らないでやるべきことをやるだけですね。我慢をいかにするかだと思います。(夏合宿などは)戦術面でも体力面でも追い込んだ合宿でした。かなり詰めてこの初戦に臨めたので、今後もやってきたことを積み上げていきたいです。(課題は)ディフェンスに関しては奪い方であったり、奪う過程で日本一になれるようなものではないので、詰めていきたいです。(リーグ戦の展望は)来週の法政戦までには修正はできないと思うんですけど、その次の試合までには奪い方であったり、オフェンスのつなぎ方であったりを強化していきたいです。(次戦に向けて)今回は22点しか取れていないので、次はもっと多くのオフェンスの機会を生み出せるように、オフェンスの起点として個人では活躍していきたいです。

長島

(今日の試合を振り返って)目標のスコアが20-10ということだったのですが、12点取られてしまって、でも23点と得点数は目標を超えてよかったです。でもまだまだやるべきことは残っていると思います。(やるべきこととは)戦術的に言うと、MFのカットインが悪くて、中盤でボールが停滞気味だったので、それを修正することです。今後もっと攻めていったらグラウンドボールを取る場面が増えるのでそれが大事になると思います。(自身のプレーの出来は)目標の一人4点というのは達成できたんですけど、個人的なミスも結構あったので、満足はしていないです。(視界の悪さの影響は)暗くて見えにくいというよりは、涼しかったことがやりやすかったです。暑いと走れないので。(法政戦に向けて)やるべきことをしっかりやって、次も勝ちたいです。

相川

(今日の試合を振り返って)まずは、勝てたということがよかったです。戦術的に詰められていない甘さが出た試合だったので、これから全日本選手権に向けて詰めていけたらなと思います。(個人の出来は)自分の課された仕事はできたのかなと思います。まだまだ課題はあると思うんですが、まずまずかなと思います。(東海大学のチームとしての印象は)身体能力が高いチームだったんですけど、僕らもかなり走りこんでたのでそこで勝てたのはよかったと思います。(相手が優勢だった時間帯もあったが)想定内。そういうクオーターだと思っていたので。第一クオーターでリードした後、得点を取られるかなと思ったんで、そこは戸惑うことなくプレイできました。(今後の課題)フィジカル面をこれから鍛えていくということと、プレーヤー同士のコミュニケ―ションがキーになると思うのでそこを改善したいです。(今後の意気込み)全勝で全日本選手権まで行きたいです。

阿部

(リーグ初戦、初ゴールを振り返って)僕はロングなので、たぶんあんまりマークも厳しくないから、ぐちゃぐちゃになったときは一発狙おうと思っていました。たまたまボールが返ってきて、あとは打つだけだったので良かったです。あれでチームが勢いに乗ってくれたので。試合全体を通しては、僕も脚をつってしまったのでもっと走り込まないとだめかな、と。夏場だし仕方ない部分もありますけど、やっぱり走り切るってことで1年間やってきてるので、足りない部分はまだまだあるな、という感じはしました。(今日の良かった点は)やっぱり1Qで楽に試合を進められたというのは大きかったです。練習試合でも負けるときは最初の方に競ってしまって粘り負けるということが多くて。うちは若いし、勢いに乗ればどんどんいけるチームなので。ATがよく点取ってくれたし、そこだと思います。(逆に反省点は)まず走らなきゃいけないところを走れてない。もっと点取れたし、もっと失点も減らせたので。それでも今日は初戦ということもあってみんな緊張していて、その中で23対12というスコアで勝てたのはすごく大きいと思います。細かい反省点はいっぱいあるんですけど、これから詰めていけば大丈夫かな、と。(東海大学の印象は)東海は本当にロングが上手くてクロスワークがすごくあって、前線からプレッシャーをかけてもなかなか厳しい状況だったんですけど、ATが粘ってくれて上手い相手にも怯まずにいってくれたので、結構前でボールを奪えました。あとは飛び出しとか切り替えがすごく早いチームだと聞いていて、本当に切り替えが早くて手こずった場面もあったんですけど、うちもそこは意識してやっていたのでなんとか勝てました。(法政戦への意気込みは)やっぱり今日以上の内容で。もっと点を取れるしもっと失点を減らせるし。あとは毎試合言われているんですけど、走り切るというところ。走量で圧倒しないと俺らが1年間走ってきた意味がないので、本当に走って圧倒したいと思います。

斉木

(試合を振り返って)去年は公式戦で1点しか取れていなかったんですけど、今年はセカンドセットを引っ張っていけと言われていた。今のチームは、去年は試合に出ていなかった人も多い若いチームなので僕が引っ張っていきたいですね。(4得点を奪う活躍だったが)嬉しいですね。普段はディフェンスをウリにしていて、攻撃よりはディフェンスを見て欲しいと思っています。(フェイスオフについて)チームのコンセプトで負けてもいいことになっている。負けても井本さんや相川のところで落とせばいいので。後ろのディフェンスがしっかりしているのでMFとしてはやりやすいし、フェイスオフも後ろが信頼できるのでやりやすいですね。(12失点だったが)慶應として、20得点10失点を目標にしているので、まあまあですかね。これから詰めていけば、得点は増えて失点は減ると思うので、とりあえずは目標通りにはいったと思います。(チーム状態は)まだまだですね。もっと成長していけると思います。ディフェンスがまだ全然機能していなかったので、これから詰めていきたいと思います。(リーグ戦が始まる前はどうだったか)合宿中に一橋に負けて、その前に早稲田にも負けていて、流れが悪かった。今日、東海に勝てたのでこれから勢いに乗っていきたいですね。(リーグ戦の展望は)慶應がBブロックで1位になって、早稲田もAブロックで1位になって、決勝が早慶戦になれば一番ですね。そこで早稲田を倒して、その後の社会人も倒したいです。チームは日本一になることを言っていますが、まずは1戦1戦勝っていくことが重要だと思います。去年はFINAL4にも進めていない挑戦者の身なので。これから叩きのめしていきます。(次戦に向けて)今年のチームの軸としてディフェンスがあるので、ディフェンスで圧倒してオフェンスにつなげていきたいですね。その流れで自分も点が取れれば最高なんですが、チームが勝てるように貢献していきたいです。

田中

(今日の試合を振り返って)まず第一戦目で勝てたことはすごい良かったと思ってて、どんどん詰めてくラクロスをやってく上で、いっぱい点数をとるし、いっぱい点数をとられると思うんですけど、その中で自分達のやるべきことをしっかりやってかなくちゃいけないなと思いました。(今日はたくさん点をとっていましたが、ご自身の出来については)得点をとることは良かったんですけど、それ以外はそんなに自分の出来としては良くなかったと思います。(今日の勝敗を分けたのはどんな場面だったと思いますか)そうですね、まず1得点目、一番始めに点数を取れたってことが大きかったと思ってます。(開幕戦ということで、気負いやプレッシャーはありましたか)そうですね、僕も含めみんな緊張していたかなと思います。(東海大学の印象は)東海のチームも年代別の代表の人がいて、一緒にプレーした人もいたので、どうかなと思っていたんですけど、勝てたので良かったです。(法政戦への意気込みを)このままどんどん法政戦も含め勝ち進んでいくので応援よろしくお願いします。

藤澤

普段と比べて(夕方からの試合で)涼しかったのでやりやすかったです。(22-12というスコアについて)元々20-10を目指していたので、計算通りで良かったと思います。12失点もある程度は想定の範囲内でした。(夏合宿について)今年は得点力があまりなかったので、20点以上取れる攻撃力を目指して練習していました。(東海大のイメージは)去年の結果で言えば格上でした。ただ練習試合を1回行っていたので気持ちに余裕を持って臨むことが出来ました。(今日の収穫は)今は戦略の導入部分なので、(目指すラクロスが)成功していると思います。(課題は)得点力やディフェンスの詰めの部分ですね。(次の試合に向けて)もっと得点取ります。

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