【アメフト】シーソーゲームを制し念願の今季初勝利!vs日本大学/1次リーグ第4節

アメフト

大学アメリカンフットボールの1次リーグ第4戦、慶應義塾大学ユニコーンズは日本大学フェニックスと対戦。非常に拮抗した試合展開を見せ、息をもつがせぬ点の取り合いとなったが、最後に勝利の女神が微笑んだのは慶大だった。

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10/8 関東大学アメリカンフットボール大会 1次リーグ第4 @アミノバイタルフィールド  10:45キックオフ

 

日本大学フェニックス

慶應義塾大学ユニコーンズ

第1Q

7

0

第2Q

6

7

第3Q

3

7

第4Q

7

10

23

24

前戦は明治大学の前に手も足も出せず敗北した慶應義塾大学ユニコーンズ。この日の対戦相手は日本大学フェニックス。「ドラゴンフライ」(=本来1人のQB2人置く異色の戦略)などを生み出し、大学アメフトの黄金期を築いた名門大学である。前日の冷たい雨から一転、日差しが出る中で予定通り試合は開始された。

1クォーター(以下第1Q、他Qも同様)、開始16秒で日大・當間義昭(文理3・帝京八王子)に95ヤードを運ばれタッチダウンを許してしまい、幸先良いスタートを切ることができない。日大の攻撃陣はタックルされても簡単には倒れない強靭な身体を持つ精鋭ばかり。その中でも守備陣が踏ん張り、この後は日大に点数を与えなかったが、慶大も慶大とて点数を奪うには至らなかった。

強力な日大攻撃陣に必死に食らいつく

第2Q、なんとか同点、そして逆転の契機を掴みたい慶大であったが、QBが放ったパスが日大にインターセプトされるなど、やや不安な面も見せていた。しかしながら実力面では極めて拮抗しており、日大もキックで3点を奪うもののタッチダウンには至らない。そんな中で慶大に訪れた勝機を攻撃陣は逃さなかった。10ヤード程度のパスで地道に1stダウンを繋ぎ、最後はWR・藤崎志恩(商2・慶應)へのロングパスを成功させタッチダウン。トライフォーポイントも着実に決め、これで3点差。前半終了間際に日大は猛攻を仕掛けるも、慶大守備陣がなんとかタッチダウンだけは阻止し、失点を3点に抑えた。前半を137と、1タッチダウンで追いつくスコアで折り返すことになった。

藤崎の逆襲タッチダウン

ハーフタイム中は全員が後半への逆転の希望を持っていた。それは選手は勿論、観客席も同様だ。應援指導部員の1人は「非常にいい流れできている。前半自分たちの力で走って、投げて、取って、蹴ってで点数を取れているので、この流れを後半まで持って行ければ大丈夫だと思います」と話し、応援を先頭で引っ張る集団として熱意を込めていた。

應援指導部の声援が飛ぶ(※写真掲載承諾済)

3Q、最初の攻撃ターンから慶大はエンジン全開で挑む。長短織り交ぜたパスで順調に敵陣内を進んでいくと、最後は敵陣3ヤード地点から2番・中島彰吾(経4・慶應)が中央を突破しタッチダウン。トライフォーポイントも見事に決めて逆転に成功し、今季の慶大で久しぶりとなる、相手をリードする展開となった。しかしその直後の守備で相手のパスからのロングランを許すなどし自陣2ヤードまで追い詰められるが、ここもやはり守備陣が踏ん張りタッチダウンを防いだ。しかしキックの3点は奪われことで日大が再逆転。試合の様相は全く予想ができないものになっていく。

中島が逆転タッチダウン(写真中央、背番号2)

4Qは慶大のパントから開始されたが、いきなり自陣からの守備という苦しい展開となる。日大のQBの機動力に牽引された日大攻撃陣は的確に慶大の穴を突き進軍。ここは日大の勢いを止められずタッチダウンを許し、残り時間8分にして9点差をつけられてしまう。追いつく為に時間の確保が絶対条件の慶大は、攻撃をパスに絞りなんとかゲームクロックを止めながら攻撃を進めていく。守備の合間を割る中島のランも功を奏し、敵陣20ヤードまで進撃に成功。ここを絶対に決めたい慶大はQBの相馬大輝(商3・麻布)が相手選手を飛び越え猛然とゴールラインに駆け込むタッチダウンを見事に決め、これで再び2点差とした。この時点で残り時間は5分、慶大は通常通りのキックで敵陣30ヤード地点から守備に就いた。ここから1点でも取られれば勝利が危ぶまれる絶体絶命の状況の中にあっても、慶大の集中力が切れることはなかった。このターンを守りきり残り時間3分半でボールを受け取ると、ここからはラン攻撃を多発。残り時間をなるべく使い切った上で追加点を狙い逆転する寸法である。これで敵陣24ヤード地点まで進み、残り時間は36秒。このタイミングで玉川雄基(環2・都駒場)がキックを見事に成功。2423の1点差となり、会場にはひときわ大音量の”若き血”がこだまする。これで勝利を大きく手繰り寄せた慶大だったが、日大も逐一タイムアウトで時間を止め最後まで諦めない。残り5秒からもバックパスを多用した果敢な攻撃を見せたが、これを慶大が捕球し試合終了。アメリカンフットボール部全員が望んだ瞬間が、ついにやってきた。

今日もQB相馬が一人で投げ抜いた

最終スコアは2423。2時間半の熱戦は幕を閉じ、高く厚かったTOP8の壁をついに打ち破った慶大は念願の今期初勝利を飾った。

昇格後、格上相手に思うようなプレーができず苦しんだユニコーンズであったが、今日ついにその呪縛から放たれた。点差こそ1点差でギリギリの勝利と映るが、この勝利から部員が得たものは極めて大きいだろう。直近の試合で連続してしまっているインターセプト対策を始めとする技術的な面はもちろんのこと、勝利を挙げることが出来たという自信は今後を戦う上でも大変重要になると考察する。次戦の相手は未定であるが、どことの戦いであれども試合展開に惑うことなく、焦らずにプレー出来れば2勝目は決して夢物語ではないだろう。来年もまたTOP8で闘うために、ここが踏ん張りどころだ。

(取材:東 九龍)

試合後のミーティング

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