初戦の2試合を勝利で飾っていた慶大。しかし國學大、東農大と過去2試合は勝ち切れていない悔しい結果が続いている。この流れを断ち切り何としてでも勝ち点3を奪取したいところだったが、前半からチャンスをあと一歩のところで決め切れず、なかなか思うような試合運びをさせてもらえない。そんな中、前半終了間際で相手にこぼれ球を押し込まれ失点。0−1で前半を折り返す。後半は反撃を開始すべく猛攻を仕掛け、雨も強まる中75分に田中雄大(商2・成城学園/ 三菱養和SCユース)のシュートで同点とする。終盤まで攻撃を続けるも追加点は得られず。またも勝ち切れずに引き分けという結果に終わった。
2023/5/14(日)14:00キックオフ@慶應義塾大学下田グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学1ー1平成国際大学
【得点者】
45分 屋宜和真(平国大)
75分 田中雄大(慶大)
◇慶大出場選手
GK
1 根津拓斗(政3・慶應)
DF
2 内藤豪(法3・駒澤大)
5 蛯名亮太(法4・慶應/横浜FCユース)→65分 22大下峻太(商2・慶應/ 東京ヴェルディユース)
3 山口紘生(商3・國學院久我山)
MF
7 山本献(商4・國學院久我山)
20田中雄大(商2・成城学園/ 三菱養和SCユース)
6 道家拓真(環4・鹿島学園)→HT 14角田惠風(商2・慶應/ 横浜F・マリノスユース)
11 塩貝亮太(商4・暁星)→74分 13山崎健翔(法4・桐蔭学園)
FW
9 立石宗悟(法2・桐蔭学園)→65分 8菱川天風(総4・桐蔭学園)
15熊澤維吹(文4・國學院久我山)→HT 23茅野優希(政3・慶應)
18 塩貝健人(政1・國學院久我山)
第5節、ホームグラウンドでの一戦。曇天の空の下には黄色の戦士たちの活躍を一目見ようと多くの観客が集まっていた。第3、4節と勝ち点から遠ざかっている中、何としてもこの試合は先制点をもぎ取り試合を有利に進めたいところ。序盤から、慶大は左サイドから塩貝亮太(商4・暁星)を中心に切り込むなど積極的にゴール前へとボールを運ぶ。3分には、塩貝健人(政1・國學院久我山)のシュートや山本献(商4・國學院久我山)からのクロスに熊澤維吹(文4・國學院久我山)がヘディングで合わせるも、惜しくも相手GKに阻まれる。5分には山本からサイドチェンジしパスを受けた塩貝亮太がシュートを放つも右横に外れてしまう。その後も山本献や塩貝健人を中心とした攻撃を組み立てるもなかなか先制点には結び付かない。
それでも積極的な姿勢を続け、22分に山本献がドリブルで相手DFをかわし熊澤維吹、塩貝亮太へとつなぐもゴールとはならず。先制のチャンスを活かし切れないまま、その後は相手にボールをキープされる展開となる。一進一退の攻防を続ける中、43分にはまたも塩貝健人が左サイドからのパスを受けてシュートするもボールは枠の左へ。同点で終えるかと思えた最中、ゴールキックからボールを奪われGKと相手選手が1対1に。根津拓人(政3・慶應)がシュートを2度にも渡りセーブするも、2度目のシュートのこぼれ球を押し込まれ先制を許す。失点から僅か1分でホイッスル、前半を0ー1で折り返す。
幾度も訪れる先制のチャンスを掴み切れず追いかける展開となった慶大。後半からは道家拓真(環4・鹿島学園)に代えて角田惠風(商2・慶應/ 横浜F・マリノスユース)、前半の攻撃でも中心となっていた熊澤維吹に代えて茅野優希(政3・慶應)を投入し、攻撃のギアを更に上げて巻き返しを図る。49分には、相手のイエローカードから塩貝健人がフリーキックを得る。しかし蛯名亮太(法4・慶應/ 横浜FCユース)がそのクロスにタイミング合わず。51分にはフリーキックから空中戦を経て田中雄大(商2・成城学園/ 三菱養和SCユース)が決めにかかるも枠をとらえきれない。なかなか1点が遠いもどかしい時間帯が続く。
逆に52分には、右サイドから相手選手にドリブルでDF3枚を抜かれゴール前にクロスを上げられてしまう。この窮地は何とか凌ぎ、すかさず反撃を繰り出す。54分、途中出場の茅野優希(政3・慶應)から立石宗悟(法2・桐蔭学園)、塩貝亮太とつないで塩貝健人へ。しかしシュートはGK正面。そのこぼれ球に反応するもシュートは左へ逸れていく。57分にも茅野から山本献、塩貝健人へパスを回すも、塩貝健人への徹底的なマークでシュートを打つことさえ阻まれてしまう。塩貝健人へのマークは厳しく、69分にもゴール前でロングパスを受けるが思うようなプレーをさせてもらえない悔しさが大いに滲み出ていた。
まずは同点に追い付きたい75分、雨も強まる中で田中雄大がロングシュートを決めて待望の得点。ゴールの右隅へ角度のあるシュートで慶大応援団を沸かせた。勝ち点3を獲得すべく、試合を振り出しに戻して以降も果敢に相手陣地へ攻め込む姿勢を崩さない。80分には左サイドから山崎健翔(法4・桐蔭学園)がゴール前に運ぶも角田惠風のシュートは大きく右へ外れる。86分にも相手DFの厳しいマークを受けながらも塩貝健人がドリブルでゴール目前まで迫るが決勝点は決まらない。試合終了間際の93分、最後に慶大が見せ場を作る。主将の山本献のシュートはGKに止められるも、そのこぼれ球を塩貝健人が押し込みゴールかに思えた。しかしここはオフサイド判定。そのまま試合は終了し、引き分けのまま幕を閉じた。
ここまで5試合を終え、2節連続での引き分けと勝利から遠ざかってしまっている。前節2ゴールを決めている塩貝健人への厳しいマークなど、慶大らしいソッカーができないもどかしさも浮き彫りになった。次節は1週間後、現在3部リーグ3位の中央学院大学との一戦となる。今節出た課題や連携を見直し、次節こそ勝利を勝ち取る姿に期待したい。
(取材:安田雄貴、佐藤光)
以下、選手インタビュー
山本献(商4・國學院久我山)
――今節を振り返って
先制される試合が多くて、そうなるとチームが落ち込みがちですが、そんな中で追いつけて引き分けで終われたことは収穫だと思います。ただそれでも失点してしまうところは、安易なところのミスだったり、球際のところだったりそういう自分達が大切にしていかないといけないところだと思うので、そこは改めてこだわって練習をやっていかないといけないと思ってます。あとは、自分達もチャンスがあった中で一点しか取れなかったところは課題だと考えています。
――前半に意識したことは?
新しいビルドアップの形、攻撃の形を新しくして、新しいチャレンジを前半のうちに出せたらと思っていましたが、相手も必死にやってくるのでなかなかうまくできませんでした。前半は練習でやってきた形を出していくことを意識しました。
――次節への意気込み
自分達は優勝を目指していて、残りはこれから強いチーム、上位のチームと戦うことが多くなってくると思うので、そういうチームと戦ってどれだけ勝ちをもぎとれるかが大事になってくるので、これから次節へ向かって課題を修正して試合につなげていけたらと思います。
田中雄大(商2・成城学園/ 三菱養和SCユース)
――今節を振り返って
前節2週間前の農大戦で最後ギリギリのところで勝ち切れなくて、2対2で終わってしまって今回必ず勝ち点3欲しかったですけど、最初に先制されて前半苦しい展開で、でも最後追いついて逆転するところまでいきたかったですが、今節も勝ち切れず、勝って課題を見つけようとチームで入ってる中で勝ち切れなかったのはもったいなかったし悔しいと思います。
――前半に相手に一点決められた状態から後半に意識したこと?
前半終わってハーフタイムで監督からも言われましたが、ちょっと硬さだったり声は出ているが、サッカーの戦術的なところでうまく噛み合っていない部分があったので、具体的で細かい声かけをしようということや1週間取り組んできたことをもう一回やろう、今できることをやろうと監督に言われたので、それを後半は実行できて同点にできたという感じです。
――同点ゴールを決めた時の感想や意識
ゴールに関してはたまたまではありますが、思いっきり打ったら入ってくれただけで、特別なことはないです。でもその前にも一つチャンスがあったり、チーム全体としてはいくつかチャンスがあった中で、あのゴールに限らずもっとシュートの質を高めていかないととチームとしても個人としても思いました。