【應援指導部】六校が集まり壮大なステージを作り上げる/六旗の下に

應援指導部

「六旗(ろっき)の下(もと)に」は東京六大学の応援団・応援部・應援指導部が集まり、各校が30分間ずつ応援歌や校歌などを披露する場だ。六大学全ての応援が見られるということもあり、多くの観客が集まるとともに、六大学の応援文化の発展のためにも大切なイベントである。

第70回 六旗の下に

6月17日(土) 府中の森芸術劇場 どりーむホール

 

連盟委員長を務めるのは、今年の六大学の当番校である慶大の村井祐樹さん(政4・慶應)。今の4年生が1年次には応援ができなかったり、できても外野席での応援だったりしたことを振り返り、「普段は応援席の皆様とあったものが分断され、応援とは何なのか、応援の本質、応援は本当に必要なものだろうかというところまでさかのぼって考えました」。そして「応援は一人でできるものではありません。応援に来る方がいないと応援席は成り立たない。応援席全員の力があってこそ応援だと痛感する日々を過ごしていました」。「皆様あっての応援」ということを伝えたいと村井さん。今回はこの府中の森で観客へ感謝を届け、恩返しの場にするという強い気持ちを表明して幕を開けた。

連盟委員長を務めたのは慶大の村井さん

まず、今季六大学リーグ戦を制した明大が登場。「六大学優勝記念&全日本大学選手権準優勝反省会」と称すと、「やっぱり明治がナンバーワン」の声がホールに響き渡った。続くのは東大。「勝利の拍手」では多くの人々を魅了した。3番目は早大だ。リーダー部員の迫力ある指揮で、室内ホールに「紺碧の空」を作り出した。立大は4年生リーダー部員2人を中心に、「勝利の拍手」やチャンスパターンを轟かせた。法大は、全大学のユーモアあふれる紹介で観客の笑いを取るなど、人々を惹きつけた。

そして「長すぎる前座」を終え慶大の順番に。最初はもちろんこの曲。世界に誇る名応援歌中の名応援歌と紹介された「若き血」だ。そして「三色旗の下に」が歌われ、チアリーディング部員が持つ華麗なる紺・赤・紺の旗がどりーむホールを占有した。そして「突撃のテーマ」「ダッシュケイオウ」といったチャンスパターンが盛大に披露され、史上最多得点差で勝利を収めた早慶2回戦を思い起こさせた。最後は塾歌を歌い、圧巻30分を終え、いよいよフィナーレへと向かう。

旗手の役割を全うしたチアリーディング部員

慶大の応援歌が披露された

フィナーレでは、六大学が応援を順番にメドレー形式で見せる。最初の明大に始まり、東大の時は明大も、早大の時は明大・東大も加わるように徐々に盛り上げていく。大トリは慶大。チアリーディング部と吹奏楽団に所属する3人を一番前に、その後ろに各大学の応援団が並び全大学でチャンスパターンを壮大に披露。この「六旗の下に」でしか見られない大迫力の光景を人々は目に焼き付けたことだろう。最後に「フレフレ六大」とエールを送り、5時間に及ぶ「六旗の下に」も、幕を閉じた。

六校が共に作り上げる

普段は「好敵手」としてしのぎを削っている六大学野球部や、勝利のために応援する応援団。しかし、根底にあるのはお互いをリスペクトする気持ちだ。観客も部員も自校の応援だけでなく他校の応援を楽しんでいる。六大学のどこかの応援が欠けたら「『六旗』の下に」は成り立たない。神宮でもそれは同じだ。

実際、早慶戦時に互いに他校の応援席へ行き歌う「陣中見舞い」企画があったり、明立戦ではバトン・チアリーディング部員が欠席した明大が、立大の許可を得て、相手攻撃時に自校の応援歌演奏を実施したりした。互いに協力し合い六大学を、そして大学スポーツ界を盛り上げていこうという強い志を持っている。「六旗の下に」には、そんな六大学の応援文化を未来へつなぐイベントなのかもしれない。

(取材:長沢美伸)

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