リーグ戦第9節、ホームで東京学芸大学戦に臨んだ慶大。前半開始直後から熊澤維吹(文4・國學院久我山)、山本献(商4・國學院久我山)、塩貝健人(政1・國學院久我山)を中心に積極的にゴールに迫るも、なかなか決定機を活かすことができない。すると前半終了間際の45分、前半最後のセットプレーを獲得。山本が上げたクロスに、1度目は熊澤がヘディングで合わせるが枠を捉えきれず。ゴールの右手前に逸れたルーズボールを山本が再度ゴール前に上げ、塩貝健人が頭で合わせてゴール。1−0で前半を折り返す。1点を追う東学大と一進一退の攻防を続け、78分、2点目奪取のため左サイドからエリア内に侵入した塩貝亮太(商4・暁星)が相手GKに倒されPKに。塩貝健人が冷静に決め、2−0とリードを広げる。89分に1点を返されるが、1点のリードを守り切り勝利。勝ち点3を獲得した。
2023/7/15(土)18:00キックオフ@慶應義塾大学下田グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学2ー1学習院大学
【得点者】
47分 塩貝健人(慶大)
78分 塩貝健人(慶大)PK
89分 椎葉爽(東学大)
◇慶大出場選手
GK
1 竹内秀太(商4・桐蔭学園)
DF
27 祖父江圭悟(総4・滝)→53分 7 熊谷柊治(商3・仙台第三/ ベガルタ仙台ユース)
2 内藤豪(法3・駒澤大)
5 山口紘生(商3・國學院久我山)
3 山本献(商4・國學院久我山)
19 千代田和真(政4・慶應)
MF
6 道家拓真(環4・鹿島学園)
4 小澤星夜(商4・慶應)→63分 20 田中雄大(商2・成城学園/三菱養和SCユース)
13 山崎健翔(法4・桐蔭学園)→93分 16 井上雄介(経4・慶應)
FW
9 熊澤維吹(文4・國學院久我山)→63分 11 塩貝亮太(商4・暁星)
10 塩貝健人(政1・國學院久我山)→85分 24 村井亮友(商2・ザスパクサツ群馬U-18/桐生)
早慶戦から約1週間を経て第9節に臨んだ慶大。残る前半戦で多くの勝ち点を獲得したい。今節の勝利へ向けて、前半開始直後から積極的な姿勢を見せる。4分には塩貝健人が相手複数人に囲まれながらも体勢を立て直してシュート。さらに6分には右サイドからドリブルでゴールへ猛進するなどU-19での実績も誇るエースの存在感が光った。8分には、祖父江圭悟(総4・滝)の体を張ったプレーでコーナーキックを獲得。慶大ペースで試合を有利に進めていく。
東学大にはゴール前にすら寄せ付けない集中した守りを続け、主導権を渡さない。15分には右サイドから内藤豪(法3・駒澤大)のロングパスを受けて塩貝健人へ。ゴール前には熊澤も待機するも決定機を活かしきれない。慶大のチャンスで溢れる試合展開ながら得点にならないもどかしい時間帯が続くと20分、今季初スタメンを果たした千代田和真(政4・慶應)が見せ場を作る。空中戦を経たルーズボールを颯爽と奪い左サイドからスピードのあるドリブル、相手選手2人をかわす巧みなボール捌きでチャンスを作る。誰にもタイミングが合わず最後は自分でミドルシュートを試みるも相手DFに阻まれる。ゴールとはならずも、コーナーキックのキッカー山本に思いを託す。だがクロスは大きく宙を舞い逸れてしまう。その後も塩貝健人にボールを集める攻撃を続けるが得点は上げられない。
どうしても先制点が欲しい。そんな思いを体現したのが、3回にも渡ってコーナーキックを獲得した27分の攻撃である。1度目はショートコーナー、2度目は決定的なシュートにつながらずも、熊澤がオーバーヘッドキックで会場を沸かす。そして3度目は左サイドチェンジを経て、山本のクロスから小澤星夜(商4・慶應)がシュートを放つも大きく上に外れる。慶大は幾多のチャンスを獲得するも、両者無得点のまま前半の半分が経過する。
すると山本にハイプレスをかけられ、反撃を開始される。一方の慶大は熊澤が相手GKと1―1の構図を作るもやはり得点にならない。相手DFに阻まれシュートさえできなかった塩貝健人は悔しそうな表情を浮かべた。無得点で前半を折り返すかと思われた矢先の45分、またもコーナーキックを獲得する。前半最後のプレーとして期待が高まった。1度目のヘディングは枠を捉えきれずも、2度目は山本からのクロスに塩貝健人がヘディングで上手く合わせて待望の先制点。ゴール後は山口紘生(商3・國學院久我山)が対応して相手のカウンター攻撃を封じ込み、1点リードの状態で前半を折り返す。
エンドが変わった後半。慶大は前半の良い流れを活かして、さらにリードを広げていきたいところ。序盤から塩貝健人や熊澤を中心にゴールを狙うが、なかなか決め切ることができない。“3部初代王者”のためになんとしても勝ち点3が欲しいが、1点を追う東学大は一進一退の攻防を繰り広げる。思わず慶大ベンチメンバーからは、「こういうときは落ち着かせて!献(=主将・山本献)」という声が飛び出した。その後は、途中出場の田中雄大(商2・三菱養和SCユース/成城学園)が積極的にロングパスを出し、チャンスメイク。73分には、田中のロングパスで塩貝健人が駆け上がると、相手GKと交錯。ルーズボールから塩貝亮太(商4・暁星)がゴールを狙うも、相手DF2枚に阻まれ、ボールはゴール上に外れてしまう。
78分、田中のロングパスが相手に奪われてしまうも、内藤がボールを奪い返してサイドチェンジ。左サイドでパスを受けた塩貝亮太がエリア内へ猛進すると、相手GKに倒されてPKを獲得。ここは、エースストライカー・塩貝健人が落ち着いて枠を捉え、リードを2点に広げる。チャンスを活かせず、もどかしい時間が続いたためか、塩貝健人はゴール直後にボールを宙高く蹴り上げた。
PKでの追加点から勢いづいた慶應は、攻撃の手を緩めない。村井亮友(商2・ザスパクサツ群馬U-18/桐生)のサイドを使った攻撃や田中のミドルシュートなど、慶大は何度もゴールに迫るが3点目を奪うことができない。すると89分、ゴール前での混戦から相手に初めて得点を許してしまう。失点後は攻め込まれる展開が続くが、GK・竹内秀太(商4・桐蔭学園)のセーブや主将・山本のクリアで難を逃れる。その後も、全員でゴールを守り続け、最後は塩貝亮太がクリアしたところで、試合終了のホイッスル。慶大はリードを守り抜き、2ー1で約2ヶ月ぶりの勝ち点3を獲得した。
早慶戦での敗戦後、初めてのリーグ戦。今節でも、課題として挙げていた後半で相手に得点を許してしまった。しかし今節では失点こそしたものの、結果として得点が上回り勝利を手にすることができた。課題を克服するには至っていないが、うまく修正・補完し、勢いそのままに勝利を重ねて欲しいところだ。このまま連勝で前期を折り返し、“3部初代王者”に向けて大きく前進することはできるのだろうか。ぜひとも、荒鷲集団の底力を見せつけて欲しい。
(取材:長掛真依、佐藤光)
以下、選手インタビュー
塩貝健人(政1・國學院久我山)
――今日は何度もシュートのチャンスがありながらも2ゴール。個人の結果も踏まえて、本日の試合を振り返って
今日はマジで5点取れたと思うのでまだまだだなと思いますね。
――PKの時のお気持ちをお願いします
得点ランキング2位だったんですけど、これで1位かなという感じです。
――次節への意気込みをお願いします
チャンスはあったと思うので、それを決められるようにシュート練習とか、もう少し後半の最後まで走れるように準備していきたいと思います。