【ラグビー】紫紺の壁の高さ見せつけられた慶大 流れを断ち切れずノックアウト/関東大学対抗戦 第2節 

ラグビー

関東大学対抗戦、慶大の第2戦の相手は、昨年の対抗戦で40-66と善戦及ばず敗北した、昨年の対抗戦第2位の明大。去年の対抗戦では3連勝中の流れを止められただけに、選手たちに強い印象を残した。そんな因縁のある明大と、今年は早々に第2戦で対戦することとなった。試合は終始明大が圧倒する展開になった。前半だけで明大に4つのトライを許す苦しい展開が続くも、後半27分、冨永万作(商4・仙台第三)のトライで一気に慶大に流れを引き寄せようと試みる。しかし、4年ぶりのVを目指す明大の覇気に押され、後半も4つトライを奪われて大量失点に。好機も多かったものの、課題の残る一戦となった。

 

2024年9月22日(日)関東大学対抗戦Aグループ 対明治大戦

@秩父宮ラグビー場  

関東大学対抗戦Aグループ 第2節

慶應義塾大学

2024/9/22(日)15:00 K.O.

@秩父宮ラグビー場

     明治大学

前半

後半

 

前半

後半

トライ(T)

コンバージョン(G)

ペナルティゴール(PG)

ドロップゴール(DG)

26

26

合計

52

  

後半27分 富永(T)

後半27分 小野澤(G)

得点者

 前半3分 安田(T)

 前半3分 平(G)

 前半9分 白井(T)

 前半20分 平(T)

 前半20分 平(G)

 前半38分 西野(T)

 前半38分 平(G)

 後半16分 平(T)

 後半16分 平(G)

 後半22分 金(T)

 後半22分 平(G)

 後半39分 金(T)

 後半43分 福田(T)

 後半43分 平(G)

 

 

 

  

 

慶應義塾大学

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学年学部

出身校

1

成田 薫

183/104

経4

慶應

2

中山 大暉

176/102

環4

桐蔭学園

3

吉村 隆志

177/108

環4

本郷

4

中矢 健太

183/105

総4

大阪桐蔭

5

浅井 勇暉

188/107

総4

仙台

6

中野 誠章

178/101

文1

桐蔭学園

7

田沼 英哲

176/95

経4

國學院久我山

8

冨永 万作

188/105

商4

仙台第三

9

橋本 弾介

169/77

法3

慶應

10

大川 竜輝

172/85

理3

慶應

11

廣瀬 暸

178/79

環4

慶應

12

山本 大悟

174/84

環3

常翔学園

13

田村 優太郎

175/77

総1

茗渓学園

14

渡邉 匠

170/82

商4

川越東

15

小野澤 謙真

180/85

環1

静岡聖光学院

16

山田 空太

168/96

経4

慶應志木

17

井吹 勇吾

177/96

環1

桐蔭学園

18

中谷 太星

180/114

環1

東福岡

19

矢﨑 隼太

184/94

政3

県立千葉

20

米津 幸治

175/88

商3

慶應

21

小城 大和

168/72

商4

北嶺

22

村田 紘輔

174/85

経4

慶應

23

村田 怜大 

174/81

環2

桐蔭学園

 

 

 

明治大学

#

氏名

身長(cm)/体重(kg)

学年学部

出身校

1

檜山 蒼介

176/108

情2

尾道

2

西野 帆平

176/104

文3

東福岡

3

倉島 昂大

174/108

経4

桐蔭学園

4

田島 貫太郎

197/100

政4

東福岡

5

佐藤 大地

185/103

法4

國學院栃木

6

最上 太尊

186/94

商3

仙台育英

7

福田 大晟

173/96

商4

中部大春日丘

8

木戸 大士郎

186/103

文4

常翔学園

9

柴田 竜成

174/81

経3

秋田工業

10

伊藤 龍之介

172/79

商2

国学院栃木

11

白井 瑛人

178/85

商1

桐蔭学園

12

平 翔太

178/94

商3

東福岡

13

秋濱 悠太

174/86

商4

桐蔭学園

14

安田 昂平

181/88

商4

御所実業

15

金 昂平

178/86

政4

大阪朝鮮

16

金 勇哲

174/98

経4

大阪朝鮮

17

伊藤 潤乃助

175/109

文3

常翔学園

18

山口匠

180/120

政2

流通経済大柏

19

物部 輝大朗

191/116

商2

中部大春日丘

20

大川 虎拓郎

186/104

法2

東福岡

21

田中 景翔

169/74

文2

常翔学園

22

萩井 耀司

173/81

商1

桐蔭学園

23

海老澤 琥珀

173/82

情2

報徳学園

 

初嵐が吹き荒れる殺伐とした雰囲気に包まれる秩父宮ラグビー場はまた一歩秋の訪れを感じさせると共に、慶大ラグビー部が歩んでいく険しい道のりを表すようであった。慶大は開幕戦でターゲットとしてきた筑波大学に敗れ、黒星スタートとなった。そんな状況で開幕2連敗を何としても阻止したい慶大は、万年強豪として名高い明大を、幾度も熱戦を繰り広げてきたここ秩父宮ラグビー場で迎え撃つ。

明大のキックオフで始まった序盤、いきなり試合が動く。前半3分、慶大ディフェンス陣は明大の右ウイング・安田昂平(商4・御所実業)にキックでボールをゴールライン付近まで運ばれると、そのまま安田はボールに追いついてトライを決め、コンバージョンゴールも決められて7点を先行される。慶大は前半5分、右フランカー・田沼英哲(経4・國學院久我山)が自陣でのラインアウトからロングランでボールを運び、相手陣地の10mライン付近まで侵入するも、そこから攻勢に転じることはできず。

前半9分、慶大はまたも明大バックスのキックでディフェンスの間を突破され、左ウイング・白井瑛人(商1・桐蔭学園)のトライで5点の追加を許す。明大の強力なフォワード陣に対応するために、慶大のディフェンス陣は前々にポジションを取って守っていた。その裏をついてキックでディフェンスを崩し、機動力を活かして2トライを挙げた、明大バックス陣の作戦勝ちといえる試合序盤の攻防だった。

前半14分頃にも慶大は50:22を決められて自陣22mライン付近からのラインアウトを許してしまい、そこからドライビングモールでインゴールまでボールを押し込まれる。しかし、ディフェンス陣は必死の守備で相手のグラウンディングを許さず。3つ目のトライは辛くも防ぎ、ゴールラインドロップアウトで窮地を脱した。しかし明大フォワード陣のプレッシャーは全く緩まず、前半20分に慶大は自陣5mラインでの相手スクラムを与えてしまう。慶大のスクラムはじりじりと後退し、最後はスクラムから出たボールを受けた明大の左センター・平翔太(商3・東福岡)がインゴールに走り込んでトライ、この日2本目のコンバージョンゴールも決められてしまう。ここまでで前半20分が終了し、スコアは0-19となった。

前半33分、慶大にとってこの試合、最初のチャンスが訪れる。ゲームキャプテンの中山大暉(環4・桐蔭学園)が指揮したラインアウトからドライビングモールを展開し、相手陣地の22mラインまでボールを進める。ここで相手にボールを奪われるも、慶大の左ロック・中矢健太(総4・大阪桐蔭)がそのボールをインターセプト、相手陣地内でフェーズ5まで攻撃を進める。何とか反撃の糸口を掴みたい慶大だったが、相手ディフェンス陣のプレッシャーに押されてノットリリースザボールの反則を取られてしまう。前半33分に訪れた最初のチャンス、これを物にすることはできなかった。

その後は再び防戦一方の展開となる。前半37分には自陣5mラインで相手にラインアウトを与えてしまうと、そこからドライビングモールで今度はトライを決められてしまい、この日3本目のコンバージョンゴールも成功、26点もの大差をつけられる。

このままでは終われない慶大フォワード陣は、ラストワンプレーで意地の攻勢を見せる。相手陣地22mラインでラインアウトを獲得すると、そこからモールを組んで前進。モールが崩された後もキャプテン・中山らの必死のアタックで、ゴールラインに残り15mまで迫る。しかし、最後は相手ディフェンス陣の圧力に屈してしまい、ノックオンで攻撃終了。

前半終了間際に攻勢に転じたものの、結果的に前半は1点も挙げられず、0-26というスコアで後半へと折り返すことになった。

前半最後の慶大の攻勢は後半も続き、後半開始早々にいきなりウイング・廣瀬瞭(環4・慶應)が俊足を生かし、明大のディフェンスラインを突破する。最終的には相手の好タックルに進撃を阻まれるも、前半には見られなかったロングランとなった。さらに、前半の慶大はスクラムで押し負けてのコラプシングが目立っていたが、後半3分には逆に明治大学のコラプシングを誘い、スクラムで大前進する場面もあった。

そのような状況の中、後半4分、慶大はインゴール手前5mからラインアウトを獲得する。この試合通して安定感のあったラインアウトを決めてモールで押し込み、そこからオフェンスを展開。ゴールライン残り1mまで迫り、一時はトライが決まったかと思われ観客席から歓声が上がったものの、判定は慶大のノックオン。惜しくもこのチャンスでは得点することができず、観客席からため息が漏れる。1つ目のトライはお預けとなったが、後半12分以降は明大陣地で激しい混戦状態となり、攻守が目まぐるしく入れ替わる拮抗した展開に。

着実に明大との差を縮める兆しがみえてきたものの、明大は少しのミスも見逃さない。後半16分には明大・平にロングパスをインターセプトされ、前進していたため手薄になった慶大ディフェンスラインは軽々と抜き去られてしまい、今試合最大のロングランからトライを決められてしまう。コンバージョンゴールも決められて0-33となる。さらに明大は3選手を入れ替え、たたみかける。後半22分、選手交代直後に明大・金勇哲(経4・大阪朝鮮)がトライ。コンバージョンゴールも決まり、0-40となる。

なんとしてでも反撃したい慶大だったが、ここまでは攻撃を重ねるも得点には結びついていなかった。しかし、ついに後半27分、慶大に転機が訪れる。ラインアウトから明大陣地インゴール手前5mでのセットプレーで慶大が落としたボールに食らいついた明大がペナルティー。選手全員が気を抜いた隙を突き、ナンバーエイトの冨永は自ら蹴ったボールを掴むとそこからダッシュ、インゴールに飛び込んでトライを決める。小野澤謙真(環1・静岡聖光学院)のコンバージョンゴールも成功し、慶大待望の7点をもぎ取る。

その後、相手にディフェンスラインを作らせないような素早い猛攻を見せた慶大だが、後半37分にオフサイドを取られると再び自陣奥深くに追い詰められ、蹴りだそうとするも明大の猛チャージではじき返される。その後、明大は後半39分に金昂平(政4・大阪朝鮮)、43分に福田大晟(商4・中部大春日丘)にトライを決められ、無常なノーサイドの笛が鳴り響く。終わってみれば7-52という慶大の大敗で、対抗戦第2戦の幕が閉じた。

今回の試合、前回の筑波戦を踏まえると、やはり慶大の得点力不足は否めない。ゴールライン手前まで迫る場面は幾度かあったものの、そこでノックオンをしてしまうなど、非常に勿体ないプレーも多かった。また、明大は個の力も慶大を上回っており、慶大の2人、3人ががりのタックルを跳ね返す場面も見られた。しかし、慶大も後半はスタミナと組織力を活かしてスクラムで押し返す場面もあり、チームとしての高いポテンシャルも伺えた。早くも対抗戦は2試合を終了、両試合で得られた課題を踏まえ、帝京大戦までの1ヶ月でどれだけ成長できるのか。次戦は慶大の真価が問われる一戦となる。

 

(取材:野田誉志樹、島森沙奈美、塩田隆貴、鈴木拓己,吹山航生)

 

▼以下、インタビュー

青貫浩之 監督 

ーーー点差が離れた中でもディフェンスはインテンシティとエナジーを最後まで感じることができたが、アタックではエラーが多発していた、その要因をどのように考えているか。

やっぱり比較的若いメンバーが多いというのが勿論あります。下級生が多いとか、若いメンバーが多いので、試合前からそういった部分というのはある程度は見込んでおりました。前節の筑波大戦でもそこは織り込んでいたんですけども、なかなかそこが思うように改善できなかったという印象ですね。1週間でそこが改善できなかったというのは大きな反省点になりますので、残り1ヶ月しかないと思って、帝京大戦に向けて改善していきたいというふうに思っています。

 

中山大暉 主将 

ーーー試合を通じてわずか7得点に留まった要因は

崩れたあとのボールキャリーのゲインであったり、そういったところ一つ一つの、アタックでもコンタクトのところで少し受けてしまった、というのが今回の得点が7点となってしまった要因だと思います。

ーーー開幕から連敗スタートとなったが、どのあたりを修正していくのか。

本当に自分たちがやるべきことは、22m入ったところの得点力の向上かなというふうに考えていて、再度ユニット、スクラム、モールのところの強化と、バックス、フォワード混合となった、アタックというところを、次の帝京大学まであと1ヶ月あるので、そこに向けて今後も王者にチャレンジするマインドを忘れずに1ヶ月準備して行けたらいいなというふうに思います。

 

 

 

帝京大

 

明大

 

早大

 

筑波大

 

慶大

 

立大

 

青学大

 

 

日体大

 

勝点

 

帝京大

 

 

———

 

11/17 

14:00 

秩父宮

11/3

14:00

秩父宮

11/30

14:00

秩父宮

10/20

14:00

秩父宮

⚪︎

85-7

13T10G

⚪︎

40-5

5T4G1PT

⚪︎

67-6

11T 6G

 

 

0

 

0

 

18

 

明大

 

11/17 

 14:00 

秩父宮

 

———

12/1

14:00

国立

11/3

11:30

秩父宮

⚪︎

52-7

8T6G

10/12

14:00

太田

⚪︎

73-17

11T 9G

⚪︎

101-0

15T13G

 

3

 

0

 

0

 

18

 

早大

 

11/3

14:00

秩父宮

12/1

14:00

国立

 

———

11/10

14:00

熊谷

11/23

14:00

秩父宮

⚪︎

57-6

9T6G

10/12

11:30

太田

⚪︎

83-0

13T9G

 

2

 

0

 

0

 

12

 

筑波大

 

11/30

14:00

秩父宮

11/3

11:30

秩父宮

11/10

14:00

熊谷

 

———

 

⚪︎

34-12

4T4G2PG

⚪︎

29-23

4T3G1PG

×

22-30

3T2G1PG

10/20

13:00

大和

 

2

 

0

 

1

 

11

 

慶大

 

10/20

14:00

太田

×

7-52

1T1G

11/23

14:00

秩父宮

×

12-34

2T1G

 

———

 

11/10

14:00

スピアーズえどりくフィールド

10/27

14:00

栃木第2

12/1

14:00

熊谷

 

0

 

0

 

2

 

2

 

立大

 

×

7-85

1T1G

10/12

14:00

太田

×

6-57

2PG

×

23-29

2T2G3PG

11/10

14:00

スピアーズえどりくフィールド

 

———

 

12/1

11:30

熊谷

10/27

11:30

栃木第2

 

0

 

0

 

3

 

4

 

青学大

×

5-40

1T

×

17-73

3T1G

10/12

11:30

太田

⚪︎

30-22

3T3G3PG

10/27

14:00

栃木第2

12/1

11:30

熊谷

 

———

11/17

14:00

AGF

 

1

 

0

 

2

 

7

 

日体大

 

×

6-67

1PG1DG

×

0-101

×

0-83

10/20

13:00

大和

12/1

14:00

熊谷

10/27

11:30

栃木第2

11/17

14:00

AGF

 

———

 

0

 

0

 

3

 

3

◎勝ち点の多い順に順位決定を行う。(並んだ場合は勝利数で決定)

・勝ち:4、引分:2、負け:0、不戦勝:5 点、不戦敗:0 点、不成立:2 点

・負けても 7 点差以内ならば、勝ち点 1を追加。

・3トライ差以上での勝ちならば、勝ち点1を追加。



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