【野球】逆転勝ちで東大に辛勝　渡辺和大は投打で活躍　東京六大学野球秋季リーグ戦　東大１回戦　＠明治神宮野球場

立大戦、明大戦と勝ち点を落とし、これ以上負けられない慶大。初回、先発の渡辺和大（商２・高松商業）は連打を浴び、いきなり無死一、二塁のピンチを招くと、中山太陽（経３・宇都宮）に本塁打を打たれ、３点を先制される。しかしその裏に吉野太陽（法２・慶應）のソロ本塁打で１点を返し、３回には水鳥遥貴（商４・慶應）の押し出し死球と清原正吾（商４・慶應）の中前適時打で同点に追いつき、横地広太（政２・慶應）の左犠飛で逆転に成功。その後７回にも１点を追加し、５対３で今季２勝目を挙げた。

◆慶大打撃成績

◆慶大投手成績

ここまで６試合を戦い、１試合平均２.１６得点となかなか攻撃が噛み合わない慶大。そんな中で本日先発の渡辺和は１９回を投げ僅か３失点と、大車輪の活躍を見せている。一方の東大先発・渡辺向輝（農３・海城）も前節で明大打線を８回まで無失点に抑えており、ロースコアの試合が予想されていた。

しかし、試合は予想外の展開で始まった。慶大は初回、先頭の酒井捷（経３・仙台二）に右安、続く山口真之介（薬４・小山台）に中安を浴び、無死一、二塁とピンチを作ってしまう。すると３番・中山に甘く入った直球を右中間スタンド中段に運ばれ、いきなり３点を失う苦しい展開となる。

その裏、リーグ戦初スタメンとなった先頭の小原大和（環２・花巻東）が粘りながらも一ゴロに倒れた直後、初の二塁手での出場となった２番・吉野が高めに浮いた初球を捉え、右本塁打を放ちすぐさま１点を返す。

初スタメンで躍動した小原

次に試合が動いたのは３回。慶大は先頭・渡辺和の左安、小原の右二塁打で無死二、三塁のチャンスを作る。すると雨の影響もあってか、東大先発・渡辺の制球が乱れ始める。この隙を慶大打線は逃さなかった。吉野、水鳥の連続死球で１点差とすると、４番・清原が初球を捉え中前適時打を放ち、同点に追いつく。そして横地の左犠飛で逆転する。その後も二死満塁のチャンスを作るも、斎藤快太（商４・県立前橋）は中飛に倒れた。

７回には清原が三塁手を強襲するヒットを放つと、すかさず盗塁を決め、２死二塁のチャンスを作る。続く横地が放った鋭い打球に右翼手・大原海輝（文３・県立浦和）がスライディングキャッチを試みるも後逸。記録は三塁打となり、待望の追加点を獲得した。

２打点を挙げた横地

味方の援護をもらった渡辺和は初回の失点から立ち直り、圧巻のピッチングを披露。５回、７回は東大打線を３者連続三振で締めた。８回に四球を出し、代走の堀部康平（文Ⅰ２・県立船橋）に二盗を決められピンチを招くも、続く酒井が放った、中堅手の前に落ちそうな打球を遊撃手・斎藤快が背面キャッチ。味方の好守に助けられ、この回を無失点に抑えたところでマウンドを降りた。

最終回は代わって登板した前田晃宏（商３・慶應）が危なげなく３人で抑え、試合終了。渡辺和はリーグ戦初白星を手にし、チームとしては立大２回戦以来の勝利を飾り、勝ち点獲得に王手をかけた。

待望の初勝利を挙げた渡辺和

打線の奮起が期待される慶大だが、この日も野手陣の安打数は５と、まだ本領を発揮したとは言えない結果だ。先発・渡辺和が８回被安打４、奪三振１２の好投に加え、打っても２安打含む３出塁と奮闘しているだけに、野手陣のさらなる活躍に期待したい。小原が今季初安打を放つなど新戦力も揃ってきている。全員で勝利を掴み、優勝への望みを繋ぐ勝ち点を獲得してほしい。

（記事：林佑真、写真：加藤由衣、河合亜采子、大泉洋渡）