【女子ラクロス】女王に完勝!FINAL4へ見えた1位通過! 東海大戦

 

雨が降り出しそうな曇り空の中、関東学生女子ラクロスリーグ第4戦となる東海大戦が行われた。今リーグ2勝1分と順調な試合運びを見せている慶大。ここ数年苦手としている相手であったが、東海大の逆転をはねのけ9-6で快勝。FINAL4行きの切符をほぼ手中に収めた。

関東学生女子ラクロスリーグ1部 VS東海大

2011/09/17(水)14:30ドロー@明治学院大学ヘボンフィールド

チーム 前半 後半 合計
慶大 2 7 9
東海大 3 3 6
 

開始の合図が鳴ると同時に、試合は大きく動き出す。前半1分、MD谷山(経3)から受けたパスをAT戸花主将(経4)が決め、早くも先制点を挙げると、続く前半9分にAT佐藤(法3)が追加点を奪い、2-0とする。このまま良い流れで試合を展開したいところであったが、前半11分に右サイドを崩され失点すると、その後苦しい時間が続く。自陣でボールを回され、幾度となく浴びるシュート。だが、G中曽根(商3)のスーパーセーブが光り、難を逃れる。試合前から、東海大のプレッシャーゾーンディフェンスを逆に利用して攻める作戦をしいていた慶大。だが、無人のゴールへのシュートを外してしまうなど、「決めるべきところを決められず」(石川HC)もどかしい攻撃が続いた。両校ともに激しい攻防を見せる中、前半23分に中央を崩され失点し、同点に追いつかれると、前半24分、勢いそのままに流れるようなパス回しからダイレクトシュートを決められ、ついに逆転を許してしまう。「オフェンスの強さを求めた結果冷静さを欠いてしまった」(戸花主将)というように、プレーの選択肢を即座に判断する力を欠いた形となり、前半を2-3で折り返した。

「ディフェンス面の修正」(戸花主将)を意識して迎えた後半。だが、開始2分にゴール裏から受けたパスをきっちりと決められ、流れを引き戻すことが出来ない。その後も惜しい攻撃は見られるものの、決定的なシーンがつくれない慶大。後半7分、8分と連続で得点を決めて同点に追いつくも、再び弾丸シュートを決められて4-5とされる。しかし、デンジャラスチェックのため無効になった慶大の幻のゴールを機に、流れが変わる。後半18分、囲まれながらも得点を奪い同点にすると、20分には自らもらったフリーシュートをMD谷北副将(環4)が決めて6-5に。「フィニッシュの仕方を冷静にして」(石川HC)攻める怒涛の攻撃は止まらない。前がかりになった相手ディフェンスに対してロングボールを通し、AT戸花主将がフリーで決めると、後半24分にはまたもロングパスから同選手が決め、8-5とする。終了間際、東海大に意地の1点を許すも、AT戸花主将が最後にフリーシュートを落ち着いて決め、9-6で試合を終えた。

ここ2年負け続けていた強豪・東海大相手に勝利し、雪辱を果たした慶大。前節の東京女子体育大戦で経験した「個々の強さが点に繋がる」(谷北副将)ということを活かし、「全員が共通認識を持って」(戸花主将)プレーをしたことが勝利につながった。だが、この試合で見つかったファールへのケアという課題も忘れてはならない。次なる相手は、今リーグで頭角を現してきている明治大。「目指すところは学生日本一」(石川HC)――悲願達成のため、ブロック1位通過を懸けた戦いから目が離せない。

 選手・コーチのコメント

石川コーチ

(今日の試合をふりかえって)オフェンス面で試合前から準備していたのが、東海のプレッシャーゾーンディフェンスに対してで、向こうの特徴を利用して逆に攻めていくという作戦をもって臨んだんですが、前半決めるべきところを決められずに相当外していましたかね。あと作戦としてもっていたのは、ゾーンディフェンスに対してなので、相手をずらしてシュートを決めようとしていたんですが、どうしてもずらす回数が少なくて、目の前に見えているチャンスに放り込んで、厳しい体勢からのシュートをしたりだとかした結果、結局決めきれずにっていうのが前半でしたね。シュートチョイスというかプレーの選択がまずくて、ゴール前で2対1の状況もたくさんあったんですけど、ちょっと強引にシュートを決めに行きすぎていたシーンが多かったですね。後半修正していったのが、やっぱりシュート数をたくさん打てていたので、自分達の攻めが上手くいっていない訳ではなくて、単なるフィニッシュの仕方をもうちょっと頭を冷静にして攻めていこうということでした。あとは特に何も変えていませんね。最後のずらすっていう点をもう1つずらすっていう方向でやっていった結果、シュートシーンを決めていけましたね。あとはオールコートオフェンスの時に、相手ゴーリーが前に来ていたんで、待っている状態からのアタックの配置を変えて、その後ろを取るポジショニングをとった結果、ハーフコートを越えた際にはいつもゴール前でフリーになれているっていう状態がよかったですね。相手のディフェンスシステムの弱点が見えていたんで、そこを明確にして攻めれたのが大きかったです。(普段より反則が多かった気がしますが)ディフェンスに関してはうちもゾーンディフェンスをしいているんで、外から中に放り込んでシュートだったり、1対1に強い選手が強引に突破してきたりっていう東海の二つの攻めを止めなければいけなかったので、練習の時から中をしっかり埋めていこうという作戦をとったんですが、練習でついなぁなぁにしてしまっていた反則をすべて審判にとられてしまった形ですね。そういうところでイエローカードをもらってしまったりですとか。そして笛を吹かれることで段々足が動かなくなっている時に逆転の三点目を入れられてしまった形ですね。結局それさえケアすればっていうところと、一年生の選手を四年生の選手に変えた結果、オフェンスが点をとってくれるとディフェンスも心理的負担も軽減されるんで、もう少し外に張りに行くこともできたっていう形で修正できたので良かったかなと。ファールは苦しかったですけどね。最初は選手も混乱したと思うし、あれは無意識のファールなんですけど、こちらとしてもすぐ対応できればよかったかなと。準備段階での指導ミスでもありますが、そういうファールも取られやすいということも意識して選手たちが対応してくれればいいかなと思います。ただ、主力でありボールのつなぎが上手い小嶋にイエローカードが出ちゃったので、今後ファールにはケアしていかないといけないなと思います。(final4に大きく繋がる勝利でしたが展望は)まずはブロック一位で通過することが目の前の目標ですし、目指すところは学生日本一ということで、最終的には向こうのブロックの一位と戦って勝たなければいけないんですけど、まだまだチームとしては若くて未完成な部分もあるので……良かったのは今日厳しい試合をやって勝ちきれたことが精神的にも一歩成長してくれたと思います。次の明治も若くていい選手がいて、今年のリーグ戦で伸びてきているチームなので、ブロック一位二位対決になる可能性もありますし、しっかり勝ちきって着実に決勝に向かっていきたいです。

戸花主将

(今日の試合を振り返って)まずは2年連続に負けていた東海大学相手に勝ちという結果を残せたことが良かったかなと思います。去年はその負け(リーグ初戦の東海大戦)で2位通過だったんですが、1位通過したいのでそういう意味では大きかったです。(東海大相手に何か対策は)合宿を張って攻めも守りも全てにおいて対策してきました。ディフェンスはプレッシャーを掛けてくるのでかわし方と数的有利の作り方。相手のオールコートディフェンスも前のめりだったので後ろに出すということは徹底していました。(前半を振り返って)オフェンスの強さを求めた結果冷静さを欠いてしまった。失点はよく3点で済んだなと思うんですが、オフェンスが崩れてゲームを崩してしまったのでそこは詰めていくところかなと思います。(ハーフタイムで修正した部分は)ディフェンスのファールの対策。オフェンスはクリアが前半中々繋がらなかったのでその修正とセットオフェンスで攻め急がないように意識しました。(後半の快進撃について)全員が共通認識を持てたことときちんと冷静に判断できたことは良かったなと思います。(個人の出来は)個人としては一番悪かったかなと思うし、その分後輩に救われたなと。すごく頼もしく感じました。ATに繋いでくれる、DF陣、MD陣、Gもそうですし、皆の声も力になったので部員全員の力を感じました。(次戦に向けて)競ってしまった分甘いところがあるので、3週間自分達を見つめ直して技術もしっかり研いて臨みたいと思います。

谷北副将

(因縁の相手に勝利しましたが)そこは意識していなくて、むしろ去年、一昨年とかで点差付けられてから逆転したという試合も経験していた。それが経験になって個人としては落ち着いてプレー出来たかなと思います。チームとしても落ち着いてプレーをしようと言っていた。そこを貫き通せたので特に焦りもなく出来たと思います。(どのようなプレーをしようと思って臨まれましたか)東海がボールマンに対してプレッシャーをかけるディフェンスをしてきたので、焦らず自分達から仕掛けていくプレーをしていこうと言っていた。前回の東京女子体育戦で個々の強さが点に繋がるということを経験していたので、その試合を活かして今日そういう相手にも自分から仕掛けていこうと(チームで)共有していました。(前半について)ディフェンスは耐えてやっていたと思うんですが、自分達に焦りが出て相手にボールを与えてしまったところがあった。前半は最後の決めきれないところが大きかった。(後半について)しっかり自分達から先に仕掛けていくことができて、最後のスコアに繋がったのでそれは良かったかなと思います。(オフェンスに関して)自分が持ったら運ぶという意識を全員が持っていたので、それがオールコートでもハーフコートでも活きたのかなと思います。(自身の出来は)ちょっとターンオーバーが続いた時に足が中々動かなかったりはしたんですけど、要所要所ダウンボールとか大事なシュートのところは強くやろうと思っていた。そこは出来たのは良かったと思うんですが、まだ色んな面での動き出しが遅いなと感じます。(見つかった課題は)ATの選手はポイントゲッターが多く、その選手や中盤の選手が最後点を決めきるところが勝負を分けると思っている。シュートの部分は練習中から決めきるように重点的にやっていきます。(明大戦に向けての抱負)明治も流れに乗っているんですが、私達も目の前の的に対して強く行ってしっかり1位通過したいと思っている。今までの4戦の蓄積を無駄にしないで個々が強く、戦術も反省するところは見直して明治に対して個々の力を出せれば勝てると思うので、絶対に勝ちます。

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