2024年度の秋季リーグ戦は「5位」と苦しんでいる慶大。一方の早大は、圧倒的な強さで連戦連勝。あと1勝で優勝というところまで来ている。ここまでの戦いは力の差が見受けられる両チームだが、慶大にも意地がある。いよいよ今週末に迫ってきた早慶戦。リーグ戦の一部ではあるものの、対抗戦として意味合いも強いこの一戦に燃える選手たちに話を聞いた。今回は、今季ここまでチームトップ3本の本塁打を放っている未来の主砲・吉野太陽(法2・慶應)選手!
ーー野球を始めたきっかけ
気付いたらグラウンドにいて、みたいな。パパもママも野球が好きで、お兄ちゃんが野球をやりたいって言って、多分僕もそこに着いていってたんだと思います。
ーー何歳くらいから
3歳です。
ーーここまでの野球人生で一番の挫折は
春のリーグ戦、開幕前までレギュラーで使ってもらっていたんですけど、開幕1、2試合前から全然打てなくなって、開幕したらベンチにも入れてもらえなくて。そのときが一番ですかね。
ーーその経験をどう乗り越えた
実力が足りないだけなので、ベンチに入ってもしょうがないというか。ベンチに入るか入らないかは選手にとっては大きいんですけど、結局チームにとって必要な実力ではないから、ベンチに入れていないわけなので。レギュラーを取るために圧倒的な実力をつけようと思って練習しました。
ーー大学に入ってから成長したこと
高校生のときは、結果が出る出ないで一喜一憂するタイプで、それがパフォーマンスを落とす原因になってたんですけど、大学に入ってから、野球は打てても3割くらいで、悪い当たりがヒットになったり、いいあたりも正面ならアウトなので、打球の質にこだわるべきだと思ってからは、結果に一喜一憂しなくなって、成長したかなと思います。
ーー大学野球での目標
やっぱりプロ行きたいですね。そのために結果を残さないといけないですし。あとは僕たちの代で四冠したいです。
ーーホームラン量産のパワーの秘訣
ご飯をいっぱい食べて、トレーニングを見てもらって、って感じですかね。あと冬にウエイトをたくさんやりました。ベンチプレスで100キログラムくらいです。
ーー守備練習で重点的にやっていることは
もともと外野手じゃなくて、(1年生のときの)キャンプ後にいきなり外野を始めて。やっぱり長い距離を投げないといけないので、スローイング練習とかですかね。
ーー秋季リーグ、ここまで打率.205、ホームラン3本。どう振り返る
ホームランは角度がつく、つかないなので結構運なんですけど、打率は実力が出ると思っているので。まだまだです。
ーー秋季リーグを通しての課題は
課題は速い球。150キロを超えるような球。明治(との試合)のときは速い球が全然ダメで。速いマシンを打ったりして対策はしていたんですけど、逆によくなかったかな、と。法政戦の前にそれをやめて、あえていつも通りのままいったら割と球が見えました。
ーー試合前のルーティン
前日の夜に林純司(環1・報徳学園)とお菓子を食べる。水鳥遥貴(商4・慶應)さんに怒られるんですけど(笑)。試合前のアップは丸田湊斗(法1・慶應)とやっています。理由はないんですけど。
ーー自身の強みは「執念」。あれは執念で打ったな、と感じる試合
明治の毛利海大(情コ3・福岡大大濠)さんから打ったヒット。毛利さんのピッチングがすごくて、普段は引っ張って打とうとするんですけど、あのときはどれだけ入られてもいいから逆方向に、と思って。レフト前だったと思うんですけど。形とかじゃなくて、あの辺に届けたいという思いで打ちました。
ーー早稲田で対戦したい選手
伊藤樹(スポ3・仙台育英)さん。大学トップレベルだと思うので、打てたらラッキー、という感じ(笑)。思い切って打ちたいです。
ーーどう攻略する
シュートする球やチェンジアップ、フォーク系。内側からバットを出して、センターに飛ばしたいです。
ーー早慶戦への意気込み
やっぱりホームランは試合の流れを変えるので、どこかで打てたらいいなと。普段はホームランを狙っていかないし、口で言うとよくない気もするので(笑)。センター返しする中で、ホームランになってくれれば、と思います。
ーー「強打者」とは
チャンスや打ってほしいところで打つバッター。やっぱりその中でも、ホームランが大きいと思うんですけど。あとは期待に応えられるバッター、ですかね。
ーー「野球」とは
人生。野球とはずっと一緒に生きてきたし、野球を通していろんなことを考えられるようになりました。だから、野球は人生ですかね。
(取材:梅木陽咲)