2024年度の秋季リーグ戦は「5位」と苦しんでいる慶大。一方の早大は、圧倒的な強さで連戦連勝。あと1勝で優勝というところまで来ている。ここまでの戦いは力の差が見受けられる両チームだが、慶大にも意地がある。いよいよ今週末に迫ってきた早慶戦。リーグ戦の一部ではあるものの、対抗戦として意味合いも強いこの一戦に燃える選手たちに話を聞いた。今回は、チームトップの打率をマークし、毎カード安定した活躍を見せる副将・水鳥遥貴(商4・慶應)選手!
ーー現在打率チームトップ
打てない日もあるのはもちろん分かっているけど、その上でいかに悪いところを見つけて修正できるかが一つポイントだと思っていて、夏のオープン戦から少しできるようになってきたというのが、ある程度打率が高いまま安定していることにつながっているのかなと思います。
ーー法政戦ではホームラン
1球目にスライダーがボールになって、2球目も同じようなところに来てストライクを取られちゃって。3球目からは体が開かないように逆方向、左中間を目指して打とうというイメージで打つことができたのがこの結果につながったし、リーグ戦で1本はホームランを打ちたいと思っていたので、よかったなと思います。
ーーホームランの感触は
僕的には打った瞬間から入ったと思ったんですけど、走ってる時に打球は見てなくて、一塁ベースを回ってちょっとしたくらいの歓声で、見たら入っていたという感じですね。
ーー参考にしてる選手は
いい意味でいないです。すごいなと思うことはありますが、その人の真似をするよりも、自分に合ったものを探していこうという中で、ここまで十何年間野球をやってきたので、あまり誰かを参考にしたというのはないですね。
--守備ではサードを守る
サードはショートとは角度が違って急にボールが来るというのと、近い分打球が速いというのが一番(ショートと違い)難しいと感じます。あとはベースに打球が当たる可能性があるというのが、難しいと感じます。
ーー送球の違いはどうか
送球はショートでも三遊間で深いこともあるので、そんな大きくは変わらないなと感じています。
ーー野球選手としてのこだわりは
試合前の準備です。誰よりもバットを振ってから試合に臨むということ、あとはできる限り冷静でいようということですかね。プレースタイルとしては感情を前に出すことはあまりないですが、心の中ではスタンドから応援してくれている選手とか、家族や友達に感謝をしているので、それを結果で示すのが僕のプレースタイルですね。
ーー最後の早慶戦だが
絶対に早慶戦が終わったら、戻りたいって思うんだろうなと、どんな野球人生を歩んでも、もう一試合、もう一回でいいからやりたいと思うと思うので、終わりは絶対に来るからこそ、終わりが来るまでは悔いのないようにプレーしたいなと思います。
ーー大学で野球を続けてよかったことは
去年の先輩たちと、後輩や同期とリーグ戦優勝、日本一を達成したことと、あとは堀井監督に出会えたことかな。野球の知識を4年間で一生忘れないくらい教えてくれた、これは他のどの監督の元でもここまで深く野球を知ることはなかったと思うから、大学野球部に入って良かったことです。
ーー同期への思い
同期は試合に出てる人が少なくて、言い換えるとAチームで出てる人が少なくて、練習自体で関わることはすごく少なかった。だからそんなに多く関わりがあるわけじゃないし、正直みんなと話したわけじゃないけど、同期っていうのは運命的な出会いだと思うから、会ったことに対して感謝はあるし、やっぱりチームメイトに対しては、最後まで結果で示したいなと思う。結果の世界だからこそ、結果で示して、出し続けて、あの人は何があっても結果を出していたなという人でありたいなと思います。
ーー座右の銘を「人事尽くして天命を待つ」にしている理由
小学校の監督に言われた言葉で。卒団式があってその時にもらったボールに書いてあって、その時にグッときてそこから大事にしてる。やっぱりやることはやって、あとはしょうがない、神様に委ねるっていう。この考えでいたら、失敗やうまくいかないことも、やることはやったと。うまくいったらうまくいったでやるべきことをやってきたんだなとなるし、うまくいかなかったとしても、やることはやってきたし、これが今の実力なんだと。じゃあもっとやるしかないってなるから、この言葉はすごくいいなと思ってます。
ーープロ志望届を提出
去年の冬から意識してやってきた中で、志望届を出さないのは違うなと。ケジメとして、1%でも可能性があるならという気持ちで出しました。
ーー今後の目標
ドラフトで同期がたくさんプロに入ったのを踏まえて、よりプロに行きたくなった。2年後のドラフトは1位で行けるような実力をつける。大学時代よりも一生懸命、大学で学んだことを活かして野球に励みたい。そのために早慶戦は大きなアピールの場だと思います。
(取材:工藤佑太)