東京六大学女子バスケットボール対抗戦に際した特別企画!この六大戦をもって引退となる4年生にお話を伺った。主将・山﨑日向選手(経4・慶應女子)、副将・伊熊そら選手(文4・慶應女子)、島谷姫らら選手(環4・富山国際大付属)、石倉史菜選手(文4・国立)の対談をお届けする。
ーー他己紹介をお願いします!
伊熊→石倉:文学部4年の石倉史菜で、ポジションはF(フォワード)です。彼女は下級生の頃からずっと試合に出ていたのですが、3年生の途中から1年半くらいずっと怪我でリハビリをしていて。ここ1ヶ月くらいでようやく練習に復帰してくれたので、最後の公式戦である六大学で一緒にプレーできるのをチームのみんな楽しみにしています!
石倉→山﨑:経済学部4年、主将の山﨑日向です。ポジションはPG(ポイントガード)。彼女はとにかくバスケを愛し、バスケに愛されている子で、下級生の頃から誰よりも自主練に励んでいて今もチームを引っ張ってくれている頼もしい主将です!
山﨑→島谷:環境情報学部4年の島谷姫ららで、ポジションはC(センター)です。彼女は少し前に膝の大きな怪我をしてしまったのですが、今は毎日リハビリをしていて。夜の日吉をランニングしている姿やトレーニングに励む姿も見ています。六大戦での復帰をみんな楽しみにしていますし、私も早く一緒にプレーしたいなと思える弊部の頼れる広報担当です!
島谷:最後は広報担当なのね(笑)。
山﨑:そこ大事なので(笑)。
島谷→伊熊:文学部4年の伊熊そらです。ポジションはFで、副将兼主務を務めています。主務としてチームの事務的な部分も担いながら、副将として、スタメンとしてプレーでもチームを引っ張っている、剛腕…?
全員:敏腕…?(笑)
島谷:敏腕主務というやつですね!(笑)他にも、仲間に厳しいこともしっかり言えて、リーダーシップを発揮してくれたり、とにかく頼りになる存在です。
ーー4年生はどんな学年ですか
伊熊:後輩たちからもよく言われるのは、絶妙な距離感…?
島谷:たしかに言われる(笑)。
伊熊:他の学年と比べると、3年生とかは本当に仲が良くてプライベートでもオフにどこかに出かけたりとかもしているのですが、そういう仲の良さはないですかね…(笑)。でも、言いたいことも言いますし、仲悪くもないですし絶妙な距離感みたいです(笑)。ちょうどいい!
石倉:近すぎず、遠すぎず。そんな感じです(笑)。
ーーそんな同期での一番の思い出は
石倉:同じベッドで4人で寝たこと…?(笑)
伊熊:1年生のリーグ期間に泊まりの遠征があったのですが、2部屋取ったはずなのにセミダブルのベッド一つに4人で一緒に寝るという…(笑)。
ーーどうして4人で寝ることになったかは覚えていますか?
島谷:寂しいから?(笑)
山﨑:誰も言ってないそんなこと(笑)。
伊熊:一つの部屋に集まって4人で話していたのですが、部屋を移動するのが面倒でそのまま寝てしまいました(笑)。
ーーバスケ暦と、大学でバスケ部に入ろうと思った理由を教えてください
山﨑:バスケは小学校3年生の時に始めました。大学でバスケ部に入った理由は、中学から慶應にいるので早慶戦も見てきましたし、大学バスケ部の先輩と一緒に練習をさせていただく機会が度々あったからです。その時にすごく上手でかっこいい先輩方に憧れて、自分もこの環境で上手くなって勝ちたいなと思いました。
石倉:私も小学校3年生の時にバスケを始めました。体育会に入ることはあまり考えていなかったのですが、2つ上の学年に高校の頃のバスケ部の先輩がいらっしゃって「ちょっと練習来ない?」と声をかけてもらった時に入部を考え始めました。高校3年生の頃はコロナで試合ができないまま引退してしまったので、不完全燃焼といいますか最後にバスケができなかったというのもありますし、大学で打ち込めるものがあったらいいなと思って入部を決めました。
伊熊:私は小学4年生からバスケを始めました。小学生の頃からバスケばかりやってきたので、大学で何をするかを考えた時にバスケ以外選択肢がなかったというのと、「やるならしっかりやり抜きたい」という思いがあったので、あまり迷うことなくバスケ部に入りました。
島谷:私も小学校3年生からバスケを始めました。バスケを続けているのは、高校3年生の頃に思うようにプレーできなかった、勝てなかったというのが一番大きくて、大学ではしっかり勝ちたいという思いがあって体育会に入りました。
ーー実際に入部して感じたバスケ部の魅力を教えてください!
石倉:女子部ということもありますし、特にバスケ部は他の部活よりも一学年の人数も全体の人数も少ない分、横のつながりも縦の繋がりも強いなと感じます。
島谷:濃密だよね!
山﨑:OGの方々の支えが厚いなというのはすごく感じます。毎試合、遠い会場でもたくさん応援に来てくださりますし、今年のリーグ戦でも目白で行われた試合では観客席が足りないくらい、慶應だけがたくさんの観客で溢れかえっていたのを見て、本当にたくさんの人に支えてもらっているんだなと改めて感じました。OGの方と交流する機会も多くあるので、そういったところはすごく魅力かなと思います!
伊熊:部活外の時間でもバスケのことを考えている時間、部活以外の時間にもトレーニングやビデオを見たりという時間が長くて、一人一人の意識が学年問わず高いというのはあるかなと思います。
ーー部活に励む中で大事にしていることは
伊熊:今年のチームは特に3年生以下が出ることが多くて、自分しか4年生がコートにいないという時間帯も多くあって。その自分にだからこそできることを考えたときに、口で言うと簡単に聞こえますけど、声とプレーでチームを鼓舞することは、ずっと大事にしています。私はスーパースターでもエースでもありませんが、チームの雰囲気や試合の流れを読み、当たり前のことを当たり前に徹底することで、後輩たちがのびのびとプレーできることが、チームにとって最善の姿だと思うので。そういう存在になりたいです。
石倉:自分の役割を全うするということを意識しているかなと思います。試合に出ている時は、自分に求められている役割をしっかり果たそうという思いを持って練習や試合に臨んでいます。怪我をしてプレーできない時期も、その中で自分にできることを考えて行動するようにしています。
島谷:私も史菜(=石倉史菜)と似ているのですが、自分が今チームのために何ができるかというところを考えてやっています。また、その根底にはやっぱり「勝ちたい」、「バスケをもっと上手くなりたい」という想いが強くありますね。
ーー島谷さんは広報にも力を入れられていますよね!
島谷:選手ですがプレー以外でもチームを支えるというところで、広報活動にも熱量を持って取り組んでいます!
ーー他部活から「女バスのインスタすごい!」という声も聞きましたが、何かこだわっていることはありますか
島谷:より多くの人に慶應の女バスを知ってもらうために、今年からリール動画(※SNSでの短尺の縦型動画。主にInstagramやFacebookで投稿・視聴される)を出し始めました!リールは拡散力があるので、大学内だけでなく外部の人にも女バスの魅力を届けられたらなと思っています。リール動画の投稿は新歓の時期から結構力を入れていて、動画をきっかけに入部してくれた子もいました。
ーー広報として、最後にやってみたいなと思っていることはありますか
島谷:絶賛リールweekをしているのでもう少しフォロワー数を増やしたり、もっともっと多くの人に女バスを知ってもらえたらいいなと思います!
ーー山﨑さんはどんなことを大事にされていますか
山﨑:私は「徹底する」というところはすごく大事かなと思っています。練習でも妥協しないというのもそうですし、「コミュニケーションを徹底する」と言うと少し無理しているように聞こえてしまいますが、チームスポーツなのでチームの全員としっかりコミュニケーションを取れるように気を配っています。あとは何事にも甘んじないということは勝つために大事なことなので、これからも徹底していきたいなと思います。
ーー主将を務める中で大変だったことはありますか
山﨑:集合するときなど、自分がチームに対して言葉を発する瞬間がすごく多いのですが、どうしたら自分の思いや考えをみんなに伝えられるかというところはすごい難しいなと思っています。話が長くなってしまうことはリーダーシップを発揮すべき人間としては良くない部分だと思うので、端的に核心をつくような言葉選びを心掛けました。
ーー山﨑さんはどんな主将ですか
島谷:自分にも厳しいからこそ言葉に重みがあって、下の子達もしっかりついてきてくれているかなと思います!
全員:たしかに!そうだね。
ーー今季をここまで振り返っていかがですか
伊熊:今シーズンからヘッドコーチが変わって、本当に今までの常識が覆されるといいますか、今までと全然違うバスケットになりまして。毎日が発見の連続、自分たちが新しいことをどんどん吸収しているというのを実感しながら練習できたのはすごく充実した時間だったなと思います。
島谷:今年はヘッドコーチが変わったのもそうですし、同じポジションの子が怪我をしてしまって。今までは試合に出たくても出られなかったけれど今季はスタメンとして出られる機会があったり、今度は出たくても出られない時間があったり、さらに怪我をして練習すらもできないという時間があって、波があったり思いがけない時間が多い1年だったなと思います。
山﨑:リーグ後半で敗戦が続いた時には、自分たちの目指している(2部・3部入替戦出場という)目標の高さを改めて感じました。ただ、だからといって手も足もでなかったという感覚ではなく、自分たちがやってきたことは正解だったなと思える部分もありましたし、まだまだ伸ばせるな、強くなれるなという可能性も感じていました。
石倉:怪我で試合に出られない時間が続いていたのでチームのことにはなりますが、新しいヘッドコーチが来て本当に毎日新しいことの連続で、自分たちのプレースタイルもガラッと変わって。試合の中で、練習でやったことができた時の嬉しさは外から見ていてもすごく感じました。結果的には負けてしまって目標は達成できませんでしたけれど、今までとは違って先があるなというのは個人的にすごく思っています。まだまだ今のコーチのバスケットというのを突き詰められる部分はあるなというのは感じているので、これから強くなっていくためのスタート地点に立てているのではないかなと、慶應がこれからもっともっと強くなってくれるのではないかなと思っています。
島谷:めっちゃいいこと言うじゃん!
ーー素敵なお話をありがとうございます!これからも楽しみですね!
ーーリーグ戦のお話もありましたが、リーグ戦の中で印象に残っている試合はありますか
伊熊:リーグが終わった後にも、コーチの方から「あと一歩が掴みきれない」という詰めの甘さを指摘していただいて。それがすごく出たなと思ったのが、東京女子体育大学との試合です。相手に15点ほどのリードを許しながらも途中で1点差まで追い付いたのですが、そこからまた20点ほど離されるという場面があって。一度自分たちが掴みかけたチャンスを自分たちのミスで失ってしまって、流れを引き寄せられなかったという弱さがこの試合だけでなく、他の順位決定戦での格上の相手との試合でも出てしまったかなというふうに思います。
ーーどんなプレーに注目してほしいですか
石倉:慶應は3部に所属していて、六大学は格上の1部、2部のチームと戦う試合が多くなると思うので、そこは慶應らしさである「泥臭い部分」「喰らいつく力」というのを見せたいなと思います!
ーー最後に、六大学対抗戦への意気込みをお願いします!
島谷:私は怪我明けの復帰戦になるので少しでも良い状態で迎えたいというのと、少しでも長い時間コートに立って、最後にみんなと少しでも多くプレーできるように頑張りたいなと思います!
石倉:私も怪我でプレーできない時間が長くて六大学で本格的に復帰するので、自分ができるプレーを精一杯頑張るというのと、みんなと、後輩たちとプレーするのも最後になると思うので思いっきり楽しめたらなと思います!
伊熊:まず「楽しむ」という気持ちはリーグ期にシビアな日々の中で忘れかけていたところでもあるので、もう一回バスケットを「楽しむ」気持ちを持って六大学に臨みたいです。ただ、ゆるくプレーするということではなくて、自分たちのバスケットを体現することを楽しむ、そんな楽しさを見出せる試合にしたいなと思います!
山﨑:チームとしては、1試合でも1プレーでも多くこのチームで勝ちたいという思いで、リーグが終わった後も練習に励んでいます。私個人としては、これまでいろいろな先輩方だったり、スタッフの方だったり、同期や後輩にもすごくお世話になったので。自分が残せるものは残して、この部のために貢献したいなと思っています!
ーー以上になります!ありがとうございました!!
(取材:長掛真依)