昨年の慶大はリーグ戦および日本一連覇がかかった春季は3位、秋季は5位という結果に終わったものの、秋早慶戦では春秋連覇を達成した早大に2連勝で勝ち点を獲得。本間颯太朗(総4・慶應)前主将、清原正吾(商4・慶應)ら4年生の活躍で、2025年の“リーグ戦優勝&日本一奪還”へつなげた。そして1月12日、令和7年度慶應義塾体育会野球部の新幹部が発表。主将に経験豊富なエース・外丸東眞(新環4・前橋育英)、副将に“慶大の主砲”として期待が高まる大型内野手・今泉将(新商4・慶應)が就任。また勝野淳主務(新経4・慶應)や金岡優仁チーフコーチ(新商4・慶應)など学生コーチやスタッフの発表も併せて行われた。今回ケイスポでは「新幹部インタビュー」と題して外丸主将、今泉副将、勝野主務に取材し、2025年の慶大野球部の展望を伺った。第3弾は勝野淳主務!
――主務になった経緯は
例年は、11月・12月くらいに次の幹部を決めるんですけど、今年は(慶大が)当番校で。当番校の前年は、その年の当番校のマネージャー、 昨年だったら早稲田の主務の人に1年ついて色々教えてもらうっていう期間が必要だったので、去年の3月くらいにもう主務って決まっていました。あと、僕は高校のときからマネージャーをやっていたので、大学野球部で主務っていう立場になると影響を与えやすいじゃないですけど、いろんなことができるじゃないですか。なので、塾高のときからやっていたっていうのもあって、選手とのコミュニケーションとか、組織にどうやったら良い影響与えられるかみたいなところには自信があったので、主務になりたかったっていうのがありましたね。
――勝野さん以外に立候補者は
いや、いなくて。同期4人いるんですけど、「勝野がやろうか」みたいな感じでした。
――主務の仕事内容は
主務って他のマネージャーとじゃぶっちゃけあまり変わらなくて。マネージャーは、会計だったり広報だったり、いろんな仕事があって、それをパズルみたいに誰が何をやってみたいな感じで分業しています。僕もその中の1つだったんですけど、主務はそれを統括する立場になるので、僕がやってこなかった仕事も理解する必要があるし、外部から見たときにマネージャーに連絡取ろうと思ったら僕のところに連絡が来るので、そういった意味では、より広くいろんなところを見て、分かっていなきゃいけない立場だなと思います。
――塾高野球部での3年間が活かされていると感じる瞬間はあるか
塾高野球部のマネージャーってすごい面白くて。部のキャッシュカードとかを全部任されていたんです。高校生ながら、1000万以上のカードを持ちながら買い物をしたり(笑)。さすがに部長とかの許可は取りながらですけど、買い物をしたり、会計書類をいっぱい作ったり。高校野球のマネージャーってノックの球出しとか水作るとか、そういうイメージがあると思うんですけど、そういうのは一切なくて。どちらかといえばもう大学野球部の仕事に近いデスクワークだったので、そういう意味での慣れはありました。ノックの球出しとか水作るより、デスクで仕事して、いろんな仕事ができた方がチームの勝利につながるじゃないですけど、より効果的だなっていう風に感じていて。 そこでマネージャーのやりがいみたいなのを感じて、大学でもやろうと思いました。
――大学野球部のマネージャーを3年間務めてきての成長は
2つあると思っています。1つは、みんなで仕事を進めるっていう部分です。塾高のマネージャーって1学年1人なんですよ。それで、大学の野球部は僕の代に4人いて、今全員で12人いるんですけど、やっぱりみんなでする分大きなことができるやりがいはあるんですけど、みんなで仕事をするのってすごく難しくて。報告、連絡、相談ちゃんとやって、共有しながら進めてくみたいなところはすごく難しかったですし、僕も成長できた部分だなと思っています。2点目としては、言葉にするのが難しいんですけど、塾高のときは単に、マネージャーの力でチームを強くしようとか、チームにどう貢献したらいいかなみたいなことをずっと考えてたんですけど、大学入ると、今の野球部がちゃんと回るように守るというか、価値とか、より良くしていこうだけじゃなくて、今あるこの野球部の良さを守っていくみたいなとこも教えられて、すごく視野が広くなりました。僕は去年メディアの対応をしていたので、正吾さん(清原正吾・商4・慶應)周りのこととかをする中でメディアの人とも沢山喋って、すごく学びになりましたし、視座が高まった1年でした。
――下級生マネージャーを束ねる立場になってからの難しさは
やっぱりモチベーションの違いですかね。みんないろんな思いを持って入部してきているんですけど、わりとそれは選手の方が一緒というか。選手はやっぱり「自分が神宮に出て活躍したい」っていう思いを持って入部してくるんですけど、マネージャーは結構色々あって。例えば僕みたいに、野球部に貢献して勝利につなげたいって思う人もいれば、野球が好きで、野球というものに携わりたいっていう人もいます。あとは仕事をできるようになりたい、例えばインスタの運用とか、会計業務でそういったスキルをつけたいとか。人によってモチベーションが全然違っています。そんな中で、ある意味モチベーションを持てなかった子もいました。前に1対1でマネージャーと話した時に、いろんなモチベーションの形があるっていうことを僕自身も知ることができたので、それは今後の業務の振り分けとかじゃないですけど、どうやったらモチベーション上げられるかなって考えていくところは難しいですね。でもいろんなモチベーションがあって楽しいです。
――これまで積み重ねてきた3年間を踏まえ、自分はチームにとってどのような存在だと思うか
なんかうまいこと言おうとして全然なんですけど(笑)、「マネージャーといえば勝野」と呼ばれる存在になりたいですね。大学2年生の時に、当時の4年生に「マネージャーといえば勝野だよ」みたいなことを言われたのがすごく嬉しくて、下級生ながらにいろんな雑務を頑張ってたきた甲斐があったなって思いました。これから年次が上がってもそう思われたいというか。皆に、なんか困ったことがあったら勝野に聞いとけばいいやみたいな、勝野がこう言うなら大丈夫でしょ、みたいな拠りどころになれたらなと。
――勝野主務から見る外丸主将の印象は
外丸はまじいいやつですよね。これ今泉と被るけど、2人とも努力家なんですよね。外丸は、オフはちゃらちゃらっていうか、ニヤニヤ(笑)。普段ずっとニヤニヤしてますけど、やっぱり野球になるとプロへの思いとか、練習する姿勢とか、マネージャーなのでそんなにずっと見えているわけじゃないんですけど、やっぱりすごいなと思いますし、人が見ていないところで努力できるのって本当の努力家かなと自分は思っていて。そういう意味で外丸は本当の努力家だなと思います。
――今泉副将の印象は
今泉は、僕と高校の時から一緒でした。中学の時に僕は普通部野球部で、今泉が中等部野球部でした。対戦していたんですけど、なんかでっけえやついるなって思っていました(笑)。高校入ったら、なんかやっぱりみるみる上達していって。最後の大会は4番が今泉で、守備も上手くなってるし、打撃もあんなに打球が飛ぶし。でも天才じゃなくて、どちらかといえば今泉も努力家で。背中でも引っ張れるし、結構考えもまとまってるタイプだから、副将として外丸を支えるにはベストなんじゃないかなと思います。
――理想の主務像
誰とでも近しい距離で、選手をよく知っていて、 後輩マネージャーへの指導が行き届いてることですかね。
――去年の主務の宮田さんの印象や受け継いでいきたいところは
宮田さんは真面目ですごく選手思いだったので、ちゃんと選手思いでいろんなことを考えられるっていうところは、僕も意識していきたいなと思います。
――選手とのコミュニケーションで心がけていることは
相手を知ることが大事だなと思っています。僕は、高校の時は選手上がりっていうのもあって、選手がどういう練習してて、どういう環境で生活してるみたいなとこが大体わかっていたんですけど、大学野球部はマネージャー出発だったので、選手が何を考えてて、どういうところで困ってて、どういう生活リズムを送ってて、どういう勉強をしててとか、全然わかんなくて。なんかそれってやっぱり知らないとマネージャーの仕事に繋がらないと思うので、 相手を知ることですね。
――主務として大切にしていきたいこと
マネージャーの中に、自分と同じ価値観を持てる人を増やすことですね。後輩育成です。
――チーム外丸の見どころは
すごく見ていてワクワクするチームだと思います。投手陣は丸々残っていますし、やっぱり下級生にもいいピッチャーがいるので。バッターもすごくて、フレッシュリーグで活躍してきた選手がようやく出場してくるということで、かなり激しいレギュラー争いが見れるかなと思うので、僕も楽しみです。
――期待の選手は
今泉です。今まであんまりリーグ戦出てこなかったんですけど、 本当に打球の強さがすごいので、法政の松下(松下歩叶・新経4・桐蔭学園)みたいな。松下以上の選手だと思います。
――どのくらいの成績を期待しますか
今泉は打率も意外と残せるので、3割5分。ベストナイン!
――最後に、ケイスポ読者へのメッセージをお願いします
選手たちは、良い顔をして楽しそうに神宮でプレーをしてくれるので、神宮球場にワクワクしに来てくれたらなと思います。
(取材:加藤由衣、記事:愛宕百華)
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