【野球】延長12回2死から中塚の劇的同点打で”3時間44分”死闘ドロー 勝ち点争いは3回戦以降へ / 東京六大学野球春季リーグ戦 明大2回戦 @明治神宮野球場

野球戦評

4月27日(日) 東京六大学野球春季リーグ戦 明大2回戦 @明治神宮野球場

前日に逆転サヨナラ負けを喫し、負けられない一戦となった慶大は2回、先発・渡辺和大(商3・高松商業)が自らのバットで先制打を放ち、さらに小原大和(環3・花巻東)の適時三塁打で3-0とする。その後5-2という展開になるも、8回に榊原七斗(情コミュ3・報徳学園)、田上夏衣(商2・広陵)の連打で同点に追いつかれ、延長戦へ。12回に勝ち越しを許すが、中塚遥翔(環2・智辯和歌山)の適時三塁打で同点に追いつき、7-7の引き分けとなった。

 123456789101112 
明大0000011300027
慶大0300110000027

慶大バッテリー:渡辺和、木暮、小川琳、広池ー渡辺憩

明大バッテリー:髙須、菱川、前田、大川ー小島

慶大本塁打・明大本塁打:なし

◆慶大野手成績

位置選手1回2回3回4回5回6回7回8回9回10回11回12回
[9]7今津慶介(総3・旭川東)空三振ニゴロ四球投安遊ゴロ中安
[7]小原大和(環3・花巻東)一ゴロ中3
78横地広太(政3・慶應)投犠打ニ安ニゴロ左飛
[8]9常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)中安空三振死球投飛空三振左安
R福井直睦(商2・慶應)
[5]今泉将(商4・慶應)三失空三振遊ゴロ左飛遊ゴロ見三振
[3]中塚遥翔(環2・智辯和歌山)ニゴロニ失左安四球空三振左3
R吉開鉄朗(商3・慶應)
[2]渡辺憩(商2・慶應)見三振遊ゴロ遊ゴロニゴロ二飛故意四球
[6]上田太陽(商3・國學院久我山)四球ニゴロ四球右飛
H村岡龍(商3・慶應)見三振
6八木陽(法2・慶應)
H権藤大(商4・慶應)空三振
[4]林純司(環2・報徳学園)右安遊ゴロ投ゴロ空三振
H真田壮之(経4・慶應)空三振
4服部翔(政2・星稜)
[1]渡辺和大(商3・高松商業)右安中飛
H吉野太陽(法3・慶應)三飛
1木暮瞬哉(法4・小山台)
1小川琳太郎(経4・小松)
1広池浩成(経3・慶應)左邪飛遊飛

◆慶大投手成績

 選手投球回打者投球数被安打被本塁打与四死球三振失点自責点
先発渡辺和大(商3・高松商業)62883603911
2木暮瞬哉(法4・小山台)1 1/3828300032
3小川琳太郎(経4・小松)027200011
4広池浩成(経3・慶應)4 2/32176204422

前日の1回戦は常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)の今季3本目となる本塁打で先制するも、9回2死一塁から逆転サヨナラ負けを喫した慶大。簡単に勝ち点を与えるわけにはいかない2回戦のマウンドには、左のエース・渡辺和が上がった。立大2回戦では2回5失点と不安要素を残したものの、昨秋最優秀防御率のタイトルを獲得した左腕に期待がかかる。

渡辺和の復調がこの試合のポイント

初回は両者ともスコアボードに0を並べる。2回、上田太陽(商3・國學院久我山)がフルカウントから四球で出塁すると、続く林純司(環2・報徳学園)が右前安打を放ち、1死一、三塁のチャンスで打席には渡辺和。明大先発・髙須大雅(法4・静岡)との投手対決を制し、1ボール2ストライクから右前適時打を放って自ら先制点を挙げた。その後も、1番・今津慶介(総3・旭川東)の二ゴロ間に走者がそれぞれ二、三塁と進塁すると、2番・小原が初球を捉え、中堅手の頭上を越える適時三塁打を放ち、2点を追加。序盤で3-0とリードを広げた。

渡辺和が自らのバットで先制点を挙げた

小原の適時三塁打で試合を優位に進める

3点の援護を受けた渡辺和は、立大戦での不安要素を払拭するかのようにギアを上げる。3回、髙須、榊原、田上を140キロ台後半の直球で3者連続三振に仕留める。また、4回2死二、三塁、5回2死満塁と続くピンチも、いずれも最終打者を三振に抑え、得点を許さなかった。

5回、明大は先発・高須から2番手・菱川一輝(文4・花巻東)にスイッチ。慶大は今津がフルカウントから四球で出塁し、途中出場・横地広太(政3・慶應)の犠打で1死二塁とする。その後、常松の死球、今泉将(商4・慶應)の遊ゴロにより2死一、三塁と追加点のチャンスを作ると、5番・中塚が左前適時打を放って4-0とさらにリードを広げた。

中塚の適時打で4点リードに広げた

しかし、ここで引き下がらないのが明大打線。6回、木本圭一(政経4・桐蔭学園)、吉田匠吾(文4・浦和学院)の連打、代打・宮田知弥(商4・横浜)への死球でいきなり無死満塁とされる。続く代打・瀬千皓(営4・天理)の遊ゴロの間に1点を返されるも、後続を断ち、最少失点で切り抜けた。

その裏に慶大、7回に明大が1点ずつ入れ5-2となったところで8回の攻防へ。7回から登板した2番手・木暮瞬哉(法4・小山台)は宮田、代打・岸本一心(文3・横浜)に連打を浴び、無死一、二塁のピンチを迎える。1死一、三塁となったところで、3番手・小川琳太郎(経4・小松)にスイッチするも、榊原に右中間への適時三塁打を浴び5-4。さらに前日サヨナラ打を放った田上にも中前適時打を許し、5-5の同点に追いつかれた。その後、4番手・広池浩成(経3・慶應)が前日の悔しさを晴らすかのように後続を抑え、同点にとどめた。

2番手として登板した木暮がリードを守れず

代わった3番手・小川が田上に同点打を献上

8回から登板した明大4番手・大川慈英(国日4・常総学院)の150キロ前後の直球に押され、慶大は勝ち越し点を挙げることができない。9回、広池が2死一、二塁のピンチをしのぎ、試合は延長戦にもつれ込んだ。

4番手・広池が前日のリベンジを果たす快投

10、11回ともに両投手が好投を披露し、残すは12回のみ。5イニング目に突入した広池は途中出場の衛藤晃太(営4・大分舞鶴)への死球、続く大川を失策により出塁を許す。その後1死二、三塁とされ、この試合最大のピンチで打席には同点打を放っている田上が入る。田上の打球は左翼手が体勢を崩しながらキャッチするも犠飛となり、逆転を許す。その後も小島大河(政経4・東海大相模)を申告敬遠し、4番・内海優太(商3・広陵)の右前安打で2死満塁とすると、暴投によってさらに1点を失ったが、最後は木本を空振り三振に仕留めた。

木本を見逃し三振に斬り吠える広池

最終回、後がなくなった慶大は1番からの好打順。元気印・今津が中前安打で出塁しチームを盛り上げる。応援席からは渾身の「朱雀」が響く中、横地が左飛に倒れるも今津は隙を見てタッチアップで進塁。さらに好調の常松が左前安打で繋ぎ1死二、三塁と同点のチャンスを広げる。続く副将・今泉は粘るも見逃し三振に打ち取られ、打席には中塚。1ストライクから放った鋭い当たりは左翼フェンス直撃の適時三塁打となり、土壇場で同点に追いついた。さらに2死一、三塁のサヨナラのチャンスで代打・権藤大(商4・慶應)を起用も空振り三振に倒れ試合終了。3時間44分に及ぶ大熱戦の末、勝敗はつかず。勝ち点争いは3回戦以降に持ち越されることとなった。

中塚の値千金の一打で同点に追いついた

土壇場で追いつき引き分けで2回戦を終えることができたとはいえ、勝ち点獲得のためには明大相手にあと2勝しなくてはならない。2回戦では10安打7得点と“繋ぐ野球”が見受けられ、投手陣では渡辺和の復調、広池の力投も見られた。3回戦は、1回戦同様に外丸東眞(環4・前橋育英)、毛利海大(情コミュ4・福岡大大濠)のエース対決が予想される。外丸の好投に応えるためにも今津、小原、常松、中塚を中心としたさらなる打線の繋がりを期待したい。

 

◆活躍選手コメント

渡辺和大(商3・高松商業)

なんとか試合を作ることができて良かったです。ここから2連勝して勝ち点を取ります!

6回1失点と好投した渡辺和

中塚遥翔(環2・智辯和歌山)

みんなが繋いでくれたチャンスで一本出せて良かったです。明日も全員で粘り強く戦います。応援よろしくお願いします。

この日2本の適時打を放った中塚

 

(記事:河合亜采子、写真:鈴木啓護、林佑真、加藤由衣)

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