【野球】紫紺の壁を前に大量8失点 打線も15三振5安打で奮わず勝ち点逃す / 東京六大学野球春季リーグ戦 明大3回戦 @明治神宮野球場

野球戦評

4月28日(月) 東京六大学野球春季リーグ戦 明大3回戦 @明治神宮野球場

2試合連続で明大に追いつかれる展開が続いている慶大。なんとか勝ち切りたい慶大は1回戦で好投のエース・外丸東眞(環4・前橋育英)が登板するも打ち込まれ5回途中6失点で降板。9回表に森村輝(総4・小山台)のリーグ戦初となるソロ本塁打で、この試合初めての得点を挙げるも、終わってみれば投手は合計13安打を浴びて8失点、野手も合計5安打1得点と奮わず、大敗を喫した。

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慶大0000000011
明大11004200X8

慶大バッテリー:●外丸、沖村、水野、木暮ー渡辺憩、吉開

明大バッテリー:○毛利、三浦、大室ー小島

慶大本塁打:森村1号ソロ(9回)

明大本塁打:磯1号ソロ(2回)、小島1号3ラン(5回)、榊原2号ソロ(6回)

◆慶大野手成績

位置選手1回2回3回4回5回6回7回8回9回
[9]今津慶介(総3・旭川東)一ゴロ空三振中安
[7]小原大和(環3・花巻東)空三振一ゴロ左安
1木暮瞬哉(法4・小山台)
[8]常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)空三振中安空三振空三振
[5]今泉将(商4・慶應)遊直三併打遊ゴロ空三振
[3]中塚遥翔(環2・智辯和歌山)ニ失空三振
H3小堀政泰(商4・慶應)空三振
6八木陽(法2・慶應)
H森村輝(総4・小山台)左本
[2]渡辺憩(商2・慶應)空三振空三振
2吉開鉄朗(商3・慶應)四球空三振
[6]上田太陽(商3・國學院久我山)遊ゴロ空三振
H4福井直睦(商2・慶應)空三振
[4]林純司(環2・報徳学園)空三振一ゴロ
1沖村要(商3・慶應)
1水野敬太(経2・札幌南)
H7村岡龍(商3・慶應)一ゴロ
[1]外丸東眞(環4・前橋育英)中安
46服部翔(政2・星稜)空三振
H3吉野太陽(法3・慶應)遊ゴロ

◆慶大投手成績

 選手投球回打者投球数被安打被本塁打与四死球三振失点自責点
先発外丸東眞(環4・前橋育英)4 2/32279721165
沖村要(商3・慶應)1828412022
水野敬太(経2・札幌南)1 1/3525001000
2木暮瞬哉(法4・小山台)1510200000

土壇場での意地を見せ、痛み分けとなった前日から一夜が明けた。強風に三色旗がなびき、神宮球場の空には曇天が広がった。慶大は明大に対し、当時2年生の外丸の完封で勝利を挙げた2023年秋季リーグ戦の明大3回戦以来、7戦連続で勝利から遠のいている。この日の先発には、今年4年生としてエースに君臨する外丸が登板。外丸は明大に対して過去10度先発登板し、リーグ通算防御率1.98と好相性を誇る。打線は前日、起死回生の同点2点適時打を含む3打点を挙げた中塚遥翔(環2・智辯和歌山)を皮切りに、7得点を挙げた打線に期待がかかる。

明大戦と好相性の先発の外丸

應援指導部による慶明戦限定テーマ「孔明」が響く中、試合が始まった。先攻の慶大は初回を無得点で終える。その裏の外丸は、先頭打者・榊原七斗(情コミュ3・報徳学園)に中前安打を許すと、続く2番・田上夏衣(商2・広陵)には左翼線への適時二塁打を浴び、あっさりと先制点を献上した。その後1死三塁として、4番・内海優太(商3・広陵)を迎える。だがここは、前進守備の遊撃手の正面に打たせ、三塁に走者を留める。その後2死三塁として、5番・吉田匠吾(文4・浦和学院)を迎えるも打ち取り、初回を最小失点に抑える。2回、慶大の攻撃も三者凡退に終わると、直後の2回裏の守備で、磯圭太(情コミュ2・作新学院)にソロ本塁打を浴びてしまう。4回の攻撃は、好調・常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)が中前安打を放つも、後続が続かず無得点に終わった。

4回に中前安打で出塁した打撃好調・常松

これ以上点を与えたくない慶大。しかし5回、慶大が無得点に倒れた直後、明大に連打を浴びると、9番・毛利海大(情コミュ4・福岡大大濠)に左翼への犠飛を許す。直後2死一、二塁とすると、3番・小島大河(政経4・東海大相模)に右翼フェンスを越える3点本塁打を浴びる。続く木本圭一(政経4・桐蔭学園)にも安打を許したところで、外丸は降板。沖村要(商3・慶應)にマウンドを託す。沖村は四球を出しながらも後続を斬る。意地を見せたい慶大は6回表、1死から今津慶介(総3・旭川東)、小原大和(環3・花巻東)の連打でチャンスを作るも、後続が続かず無得点に終わる。6イニング目の外丸は、先頭打者に三塁打を許すと、続く8番・磯に左前適時打を浴びる。その後、9番・毛利は併殺打に打ち取るも、1番・榊原に右翼席へのソロ本塁打を浴びる。その後も明大の攻撃を止めることができず、2死一、二塁としたところで、沖村は水野敬太(経2・札幌南)にマウンドを譲る。登板した水野は悪い流れを断ち切るように4番・内海を打ち取り、なんとかこの回を終える。水野はそのまま7回も無失点に抑え、打線の反撃を待つ。

1死から中安打で出塁した今津

小原も左前安打で続き、好機を拡大した

6回途中から登板し、無失点に抑えた水野

なんとか一矢報いたい慶大だが、その直後の攻撃も無得点に終わる。8回裏には前日3失点で悔しい登板となった、木暮瞬哉(法4・小山台)が登板。途中、中堅手・常松の好捕も手伝ってこの回を無失点に抑え、前日のリベンジを果たす。すると9回表、2死走者なしの場面で、告げられた代打は森村。昨春はリーグ戦に7試合出場も、秋は怪我で出場がなく、悔しいシーズンとなった。前の回、同じ小山台高校出身の同期・木暮瞬哉が見せた意地の投球に呼応するかのごとく、森村は高めの直球を強振すると、打球は左翼フェンスを越える本塁打。ラストイヤーとなる4年生の意地のリーグ戦初本塁打で、この試合初めての得点を挙げる。しかし慶大の反撃もここまで。大量8失点で明大に敗れ、勝ち点を逃した。

森村のリーグ戦初本塁打で零敗は回避

投手陣は13安打8失点、野手陣は森村の意地のソロ本塁打で完封負けは回避したものの、15三振5安打と、課題の残る試合となった。また、カードを通じて、慶大は打つべき野手が打てず、抑えるべき投手が抑えられない一方、明大は打つべき野手が打ち、抑えるべき投手が抑えるという形で、チーム力の差が出た。Ⅴ奪還に向け、これ以上勝ち点を逃すことは許されない。前回のカードで初登板を果たした水野の好投も光った。このカードで出た課題を解消し、次の東大とのカードに向かってくれることを期待したい。

 

◆活躍選手コメント

森村輝(総4・小山台)

最終回、絶対に逆転するという気持ちで打席に立ちました。チームとしては悔しい結果にはなってしまいましたが、チーム一丸となって残りのカードに全力を尽くしていきます。

次の東大戦に良い形でつなげる森村の一発

 

(記事:神戸佑貴、写真:愛宕百華、鈴木拓己、河合亜采子、加藤由衣)

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