前試合の敗戦から一週間。代表選考合宿から帰ってきた中野誠章(文2・桐蔭学園)、FLのルーキー・本田李成(政1・慶應)がスタメン入り。その他、前週B戦で躍動を見せた申驥世(文1・桐蔭学園)や草薙拓海(政1・桐蔭学園)がベンチ入りするなど新戦力を含めた複数のメンバー変更で勝負に出た慶大。
前半開始から法政大に2トライ奪われるも、簡単に流れは渡さない。今季初スタメンの田村優太郎(総2・茗溪学園)が連続トライを決める。その後は点の取り合いが続き19ー19の同点で前半を折り返す。
後半は、終始慶大有利の展開を確立する。申の初出場初トライをはじめとし、4トライを獲得。着実に点差を離していく。終盤の法政大の追い上げも許さず、今季2勝目を掴み取った。
今試合は主将・今野椋平(環4・桐蔭学園)が欠場するも、副将・山本大悟(環4・常翔学園)の今季初トライなど次戦に向けて収穫の多い一戦となった。
2025年5月4日(日)関東大学春季交流大会 対法政大学 @法政大学グラウンド
◯慶大 45{19―26、19―12}31 法大●
関東大学春季交流大会 第3節 | ||||
慶應義塾大学 | 2025/5/4(日)12:00 K.O.@法政 | 法政大学 | ||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
3 | 4 | トライ(T) | 3 | 2 |
2 | 3 | コンバージョン(G) | 2 | 1 |
0 | 0 | ペナルティゴール(PG) | 0 | 0 |
0 | 0 | ドロップゴール(DG) | 0 | 0 |
19 | 26 | 計 | 19 | 12 |
45 | 合計 | 31 | ||
前半14分 田村(T) 前半15分 小舘(G) 前半19分 田村(T) 前半20分 小舘(G) 前半27分 山本(T) 後半3分 石垣(T) 後半4分 小舘(G) 後半14分 石垣(T) 後半26分 申(T) 後半27分 橋本(G) 後半33分 渥美(T) 後半34分 橋本(G) | 得点者 | 前半4分 花澤(T) 前半5分 田中(G) 前半10分 守安(T) 前半11分 田中(G) 前半37分 福本(T) 後半9分 佐川(T) 後半37分 嶋崎(T) 後半37分 田中(G) |
慶應義塾大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学部学年 | 出身校 |
1 | 西澤 賢佑 | 178/109 | 文4 | 膳所 |
2 | 藤森 貴大 | 173/99 | 経3 | 慶應 |
3 | 廣瀬 宇一朗 | 180/107 | 環2 | 桐蔭学園 |
4 | 笠原 大介 | 180/96 | 商4 | 慶應 |
5 | 加藤 光 | 182/100 | 法2 | 慶應志木 |
6 | 米津 幸治 | 175/91 | 商4 | 慶應 |
7 | 本田 李成 | 179/90 | 政1 | 慶應 |
8 | 中野 誠章 | 176/103 | 文2 | 桐蔭学園 |
9 | 杉山 雅咲 | 170/75 | 総4 | 大阪桐蔭 |
10 | 大川 竜輝 | 172/85 | 理4 | 慶應 |
11 | 石垣 慎之介 | 176/80 | 政4 | 慶應志木 |
12 | 田村 優太郎 | 174/80 | 総2 | 茗渓学園 |
13 | 小舘 太進 | 173/84 | 商4 | 茗溪学園 |
14 | 山本 大悟 | 174/85 | 環4 | 常翔学園 |
15 | 伊吹 央 | 176/81 | 経4 | 慶應 |
法政大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学部学年 | 出身校 |
1 | 守安 史成 | 171/105 | 3 | 桐蔭学園 |
2 | 花澤 祐太 | 175/105 | 2 | 法政第二 |
3 | 鈴木 心温 | 168/98 | 1 | 公文国際学園 |
4 | 山内 滉太 | 189/100 | 3 | 昌平 |
5 | 細川 幹太 | 185/103 | 4 | 國學院久我山 |
6 | 三浦 幹太 | 184/78 | 3 | 秋田中央 |
7 | 大沢 空 | 172/90 | 2 | 秋田工業 |
8 | 宮下 晃毅 | 185/96 | 4 | 報徳学園 |
9 | 小山田 裕悟 | 170/70 | 4 | 桐蔭学園 |
10 | 佐川 一眞 | 174/82 | 2 | 専大松戸 |
11 | 渡辺 圭祐 | 181/90 | 2 | 中部大春日丘 |
12 | 田中 大誠 | 178/93 | 4 | 國學院栃木 |
13 | 福本 耀 | 175/86 | 2 | 報徳学園 |
14 | 福本 亘 | 171/80 | 1 | 報徳学園 |
15 | 星野 瑛太 | 184/85 | 1 | 明和県央 |
慶應義塾大学 |
| 法政大学 |
99.4kg | FW平均体重 | 96.9kg |
795kg | FW合計体重 | 775kg |
177.9cm | FW平均身長 | 178.6cm |
前節・筑波大戦で惜しくも敗戦した慶大蹴球部は、巻き返しを期すべく法政大学との一戦に臨む。法大とは公式戦でおよそ2年ぶりのマッチアップとなり、直近2度の公式戦ではいずれも勝利を収めている相性の良い相手だ。この試合、慶大はルーキーの本田を右フランカーに起用。申や草薙といった新1年生もベンチ入りし、若いメンバーの増えた布陣で試合開始を迎えた。最高気温が20度を超える春らしい陽気のなか、法大のキックオフで戦いの火蓋が切って落とされた。
先制して試合を優位に進めたい慶大だったが、開始直後から法大のフォワード陣に圧力をかけられる展開が続く。前半3分にはトライライン手前まで押し込まれると、法大フッカー・花澤にディフェンスを突破され、CGも決められて7点を先制される。前半10分にも同じような形で法大左プロップ・守安にトライを許し、CGも成功してもう7点を奪われる。
いきなり14点差をつけられた慶大だったが、ここからバックス陣が次々と得点を重ねる。前半14分、左フランカー・米津が相手ディフェンスをなぎ倒し、一気に法大陣地に攻め込むと、素早いパス回しから左センター・田村が抜け出し、トライをスコア。小舘のCGで7点差に詰め寄る。
さらに19分、またも田村がスピードを活かして相手を抜き去り、この日2つめのトライを決めた。小舘も2本目のCGを決め、14-14で前半を折り返す。
流れに乗った慶大は27分、法大陣地22mラインでのスクラムで相手を押し込むと、そこから一気に右サイドへ展開。ロングパスを受けた右ウイング・山本が右タッチライン際に突っ込み、勝ち越しのトライをスコアした。
5点リードで前半を終えられるか、という慶大だったが、37分、自陣5mラインまで侵入を許すとディフェンスの穴を突かれ、法大ウイング・福本に同点のトライを許す。
このまま前半は終了。19-19で試合を折り返した。
汗ばむ陽気になってきた法大ラグビー場。後半開始早々、今度は慶大が流れを掴む。後半3分、フォワード陣が相手陣地5mラインまでボールを運ぶと、ロングパスを受けたウイング・石垣が左サイドに一気に走り込みトライ。CGも決まり、いきなり7点を奪う。9分には法大スタンドオフ・佐川にトライを許し2点差に詰め寄られるが、14分、山本がキックを転がし相手ディフェンスの後方にボールを運ぶと、これを石垣が掴んでそのままトライエリアへ。この日2つめのトライを決め、5点を追加した。
ここから流れに乗った慶大は、26分に申が、33分に渥美和政(経4・慶應)がそれぞれラインアウトからモールで押し込んでトライを挙げ、法大に21点もの差をつける。37分に7点を返されるも法大の反撃はここで食い止め、最終スコア45-31で勝利を収めた。
この試合では相手ディフェンスの間を抜いていく、スピードを活かしたバックス陣の活躍が目立った。特に2トライを挙げた田村、石垣の活躍は、今後も慶大のストロングポイントになるはずだ。一方で、法大フォワード陣の攻めを受け止めきれず、フェーズを重ねてトライを奪われる場面も見られた。春季大会優勝、そして秋のリーグ戦のために、まだまだ勝利を積み重ねていきたいところだ。
(取材:塩田隆貴、鈴木拓己
記事:鈴木拓己)