【競走】倉田・高橋が連覇達成!4年生の意地の激走もあり1部残留を死守 第104回関東学生陸上競技対校選手権大会

競走

第104回関東インカレが神奈川県相模原市で開催された。4日間に及ぶし熱戦の末、慶大競走部は男子20点・女子8点を獲得し、一部残留を果たした。高橋諒(商2・桐朋)が十種競技を制し大会連覇、倉田紗優加(環3・伊那北)も女子やり投で圧巻の自己新V。鈴木太陽(環4・宇都宮)が男子1500mで中距離種目久々の3位表彰台となるなど、実力者の真価と4年生の意地が光る大会となった。

 

第104回関東学生陸上競技対校選手権大会

5月8日(木)~5月11日(日) 

@相模原ギオンスタジアム

 

♢試合結果♢

男子 14位 20点

女子 8位 8点

 

男子得点者

高橋諒(商2・桐朋)

十種競技

 7127点

1位・8点

鈴木太陽(環4・宇都宮)

1500m

3分51秒41

3位・6点

安田陸人(商4・開成)

3000mSC

8分56秒23

5位・4点

林明良(政3・攻玉社)
岩舩遙信(環2・新潟明訓)
中島叶雅(商3・慶應)
篠宮健吾(政4・慶應)

4×100mR

39秒86

7位・2点

三浦和真(理院2・小山台)

三段跳(男子3部)

14m18

2位・2点

 

女子得点者

倉田紗優加(環3・伊那北)

やり投

60m57

1位・8点

 

<トラック種目>

トラックでは2人の4年生の激走がチームを勇気づけた。

 

男子1500mでは鈴木太陽(環4・宇都宮)が持ち前の冷静なレース運びを見せ、3位入賞。予選では会心のレース運びを見せ、自己ベスト・塾歴代2位の記録で決勝進出を決めていた。決勝ではスローペースの展開の中、先頭集団の2~3番手につけて機を待つ。

「あとは“ご縁”次第だなと」(鈴木)

ラスト200の勝負まで足を溜めスパートにも対応し、最後まで先頭を争った。最後は3位でフィニッシュし自身初の表彰台入り。鈴木は、4月の六大学陸上・3000m障害で自己ベストを更新・入賞を果たすなど、今季ここまでを絶好調を維持してきた。これまでの努力が実を結び始めている。

4年目で初の表彰台(写真右)

 

3000m障害では、副将・安田陸人(商4・開成)が持ち味を発揮し、最終学年にして自身初の入賞を果たした。予選では序盤こそ集団の最後方に控えたが、徐々にポジションを上げ、2000m地点の水濠通過と同時にギアを上げてトップに。そのまま後続を突き放す快走を披露。最後は余裕のある走りで組1位となり決勝へ駒を進めた。

予選を1着で決勝へ

決勝は予選よりもハイペースの展開に。安田は先頭にはつかず、3位集団でレースを進め先頭を追った。終盤まで3位争いを繰り広げ、最後は執念の走りで5位フィニッシュ。慶應に貴重な4点をもたらし、チームへの思いを結果で示した。

チームを背負う男の意地の激走

 

男子4×100mリレーでは、7年ぶりの入賞を達成。主将・大島琉偉(経4・慶應)を怪我で欠く中、2年生の岩舩遙信(環2・新潟明訓)が新たに加わった。1走・林明良(政3・攻玉社)、2走・岩舩、3走・中島叶雅(商3・慶應)アンカー・篠宮健吾(政4・慶應)の布陣で臨んだ慶應は、予選では4着ながらも39秒7台の好タイムを記録し、全体7番目で決勝進出。決勝では予選からタイムを落としたものの7位入賞となり、慶應にとってこの種目7年振りの入賞を果たした。さらに、全日本インカレの標準記録も突破。来月の全国舞台でのさらなる進化が期待される。

1走・林から2走・岩舩へ

 

<フィールド種目>

フィールド競技では、男女のエースが会場を支配した。

十種競技では高橋諒(商2・桐朋)が堂々の2連覇を達成。初日を3位で終えたが、2日目の円盤投と棒高跳で自己ベストを大幅に更新。この時点でトップに浮上。

「棒高跳びでベストを跳んだ時に優勝を確信しました」(高橋)

その後も得意のやり投で唯一60m超えの投擲を記録し、ライバルを大きく突き放した。最終種目の1500mも安定した走りでまとめ、貫禄すら漂わせる強さで王座を死守。高校時代インターハイ2連覇から続く実力を証明した高橋。今後のさらなる活躍にも期待がかかる。

盤石の試合運びで連覇達成

 

女子やり投では、倉田紗優加(環3・伊那北)が大会2連覇を達成。倉田は今大会に並々ならぬ思いを抱いていた。2週間前、倉田は学生個人選手権で優勝を逃し、ユニバーシアード日本代表選出も逃した。その悔しさを晴らすべく臨んだ大一番。1投目で54m79を記録し好スタートを切るも、3投目終了時点で2位。

「順位よりも記録を狙っていました」

むかえた4投目。倉田の放ったやりは宙を突き抜け、60m57をマーク。自己ベストを3m更新し、学生歴代5位、日本歴代10位の大投擲だった。そのまま首位を守り大会2連覇を決め、慶應女子チームに今大会初の8点をもたらした。

悔しさを乗り越えての自己新V

 

今大会の総得点は男子・20点、女子・8点。ともに目標としていた点数には届かなかったものの、至上命題であった“一部残留”は達成した。

得点者の功績は前述通りだが、彼らの他にも多くの選手が気を吐いていた。惜しくも得点とはならなかったが好走をみせた男子800mの市村瞭太郎(経2・慶應湘南藤沢)、ハーフマラソンの関口功太郎(経4・宇都宮)はそれぞれ自己記録を更新。女子100mで準決勝進出を果たした藤井南月子(環1・鷗友学園)、女子走幅跳、三段跳に出場した喜久里彩吹(商1・那覇国際)など1年生も存在感を示した。

力走する選手への応援は4日間鳴りやまなかった

一方で、男子200mの林や男子1500mの成沢翔栄(環3・山梨学院)、男子走高跳の須﨑遥也(商3・丸亀)など、時期エース候補達は今大会辛酸を舐めた。大島主将は大会後こう話した。「彼らの経験は長い目で見ればチームにとって必ずプラスになる。来年こそ、表彰台に立つ姿を期待したい」

チームとしての一体感は更なる高まりをみせている。高橋の出場した十種競技では、夜21時を超えた長丁場にもかかわらず、ほとんどの部員がスタンドから声援を送り続けた。

連覇を懸けた高橋の1500mの応援

やり投で優勝した倉田もチームメイトからの声援をこう振り返る。「前から後ろから競走部の仲間が応援してくれていました。みんなの前で会心の投擲が出来てよかったです!」(インタビューの全文はこちらから!【競走】第104回関東インカレ 試合後インタビュー 鈴木太陽/高橋諒/倉田紗優加/大島琉偉 | KEIO SPORTS PRESS

春の大一番は越えた。次なる戦いは6月の全日本インカレ。選手たちは残り1ヶ月足らずで、例年に比べて遥かに難しい調整を迫られる。「一人一人が自分の立場を自覚し、残りの公式戦に向けて最高の準備を積み重ねていけば、必ず結果がついてきます」大島主将は次を見据えた。

最高の場面で、最高の表情で、勝ち鬨を高々と揚げる、そんな場面に今後果たして何度巡り合えるだろうか。

 

(取材:小澤理太、中原亜季帆、小林由奈、鈴木拓己、竹腰環、野村康介、山口和紀、小田切咲彩)

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