6月21日~23日 侍ジャパン大学日本代表選考合宿 @バッティングパレス相石スタジアムひらつか
7月8日~13日に開催される「第45回日米大学野球選手権大会」に向け、侍ジャパン大学代表の選考合宿が神奈川県平塚市のバッティングパレス相石スタジアムひらつかで行われた。大学日本代表監督として慶大・堀井哲也監督が指揮を執るが、今回の選考合宿には慶大選手の招集がなく、2016年以来9年ぶりに代表選手なし。合宿最終日に行われた選考メンバーの発表会見では、堀井監督が選考基準や今大会への意気込みについて語り(コメント抜粋を掲載)、6月30日から5日間行われる直前合宿において、7月1日・2日の2日間、慶大野球部OBの高橋由伸氏が臨時コーチとして参加することも発表された。
◆大学日本代表
背番号 守備位置 氏名 大学 高校 学年 投打
11 投手 伊藤樹 早稲田大学 仙台育英 4 右右
14 山城京平 亜細亜大学 興南 4 左左
15 斎藤汰直 亜細亜大学 武庫荘総合 4 右右
16 中西聖輝 青山学院大学 智辯和歌山 4 右右
18 島田舜也 東洋大学 木更津総合 4 右右
19 櫻井頼之介 東北福祉大学 聖カタリナ学園 4 右右
21 毛利海大 明治大学 福岡大大濠 4 左左
12 佐藤幻瑛 仙台大学 柏木農業 3 右右
17 鈴木泰成 青山学院大学 東海大菅生 3 右右
22 有馬伽久 立命館大学 愛工大名電 3 左左
2 捕手 小島大河 明治大学 東海大相模 4 右左
20 渡部海 青山学院大学 智辯和歌山 3 右右
27 前嶋藍 亜細亜大学 横浜隼人 3 右右
1 内野手 繫永晟 中央大学 大阪桐蔭 4 右右
3 立石正広 創価大学 高川学園 4 右右
4 勝田成 近畿大学 関大北陽 4 右左
5 小田康一郎 青山学院大学 中京 4 右左
6 谷端将伍 日本大学 星稜 4 右右
9 大塚瑠晏 東海大学 東海大相模 4 右左
10 松下歩叶 法政大学 桐蔭学園 4 右右
26 緒方漣 國學院大学 横浜 2 右右
7 外野手 山形球道 立教大学 興南 4 右左
23 杉山諒 愛知学院大学 愛産大三河 4 左左
24 平川蓮 仙台大学 札幌国際情報 4 右両
25 秋山俊 中京大学 仙台育英 4 右左
8 榊原七斗 明治大学 報徳学園 3 右左

合宿最終日、選手を見守る堀井監督(写真左下)
――この3日間で5試合の紅白戦を実施。3日間の合宿を振り返って、選手の状態など総括すると
リーグ戦が終わった、あるいは大学日本選手権が終わった後の合宿となった選手もいる中で、今年は特に怪我人やコンディショニング不良者が少なく、多くの選手がベストパフォーマンスを出してくれたと。有意義な3日間になったと思っています。
――選考合宿では50名いた選手を直前合宿では26名に。「対アメリカ」という部分で、選考で重視したポイントは
まず投手は縦の変化。大前提として直球でも変化球でもストライクが取れるという中で、縦の変化があるかないか。それから経験者の話も総合すると、「アメリカ打線は2巡目、3巡目にアジャストしてくる」という話だったので、同じ右投手、同じ左投手でもタイプの違う選手をそろえたいと思い、その2点を重視しました。
野手は、まずディフェンスで余計な失点がないようにというところが前提で、その上で攻撃力。速いボールにしっかりとアジャストできること、それから何か一芸を持っていること。これら2つの基準をもとに考えました。
――選出した26選手は、投手10名、野手16名。投手、野手の割合、バランスは
ほとんどの投手は先発を経験しているんですけれども、リリーフとしてもある程度できるだろうということも見極めながら、先発型とリリーフ型から選びました。
――選考の段階で難しかったこと
選考自体(2023年9月の就任から)3回目なんですけれども、選考にあたって活発な議論が繰り広げられまして。悩むというか、言い方が適切かどうか分かりませんが、苦渋の決断でした。
――紅白戦では複数ポジションを守る選手も。大会でも複数ポジションでの起用か
基本は慣れているポジションでやってもらいます。試合展開によっては、どうしても点を追いかけていかないといけないときに、当たっている選手を残した場合にもしかしたらそのようなオプションがあるのではないかというのが1つ。それから試合の中で怪我人や負傷者が出た場合の対処というところで、今まで経験値のあるポジションを再確認したというところです。
――6年ぶりの日本開催となった日米大学野球大会。どのようなチーム作り、どのような戦い方をしていきたいか。大会に向けた意気込み
合宿冒頭で選手たちにもお伝えしたんですけど、「2025年度で最高のメンバーを作りましょう」と。ただ昨年のヨーロッパ開催とは違って、今年は日本で「対アメリカ」というところで絞れるので。それを前提に「対アメリカ」との5試合に対するベストチームという部分で選考、編成しました。
――「対アメリカ」では、足も絡めたスピード感ある攻撃も必要
確かに走力が凄く武器となりますし、杉山くん(=杉山諒、愛知学院大)のように一芸を持った選手がゲームチェンジャーの役割を果たしてくれるとは思うんですけど、基本は「しっかり守って、しっかり打つ」。それが大前提なので、そういうメンバーを揃えながら、一芸に秀でた選手も揃える二段構えで考えています。
――主将・松下歩叶(法政大)、副将・繫永晟(中央大)に期待することは
これだけのメンバーが集まるので、一人一人がいろんなことを自分でできるとは思うんですけど、その中でも声掛けのタイミングなどが随所にあると思いますので、そういった点で指名しました。
――現段階での投打の中心選手
年々イメージしていてもコンディショニング等直前の調子で変わるので、その上で言うならば、投手は伊藤樹(早稲田大)、中西(聖輝=青山学院大)ですね。打者は立石(正広=創価大)。3名に期待しています。
――直前合宿では大会に向けてどのような対策を
打者はアメリカの速球対策ですね。力強いボールにどうやって対応していくか。投手は自分のベストパフォーマンス。いい所を出してもらえればいいので、対アメリカというところよりも対アメリカに対して有効な投手のタイプを揃えたと思っていますし、自身のコンディションを上げていくというところを求めていきたいと思います。そして無駄な失点を防ぐこと。打線がかなり強力だと思いますので、チームプレー、チームが集まった時のディフェンス力を上げていきたいです。以上3点を重視して取り組んでいきます。
(取材:柄澤晃希、加藤由衣)