「アミノバイタル®」カップ2025 9位~10位決定戦・2日目で、前年王者・明大を下し、見事全国大会「総理大臣杯」への切符を手にした慶大ソッカー部。本記事では明大戦で活躍を残した3選手に試合後インタビューを行った。
◇角田惠風(商4・慶應/横浜F・マリノスユース)
——まず前節の立大戦で自分のゴールで勝利を決めて、強豪の明大と戦うというところだったが、今日の試合はどうか
勝たないと夏が短くなってしまうので、少しでもこのチームでなるべくレベルの高いところでサッカーしたかったので、終わった時に後悔しないように走りきったりだとかそういったところだけはやりきろうという意識で個人的には臨みました。
——今日2点目は最後の最後に決めきったが、あれはどういう気持ちで決めきったのか
8番の田中雄大にボールが来たときにスルーと声をかけて、自分がいい状態だったので左の隅を狙ったら狙ったところに行った感じですね。
——DFなどは気にならなかったのか
気にならなかったです。自分の状況を把握できていて、敵が少し集まっていたのですけど前にスペースがあったので、振りぬいたら狙い通りのところに行きました。
——同点にされてより前にというのをさらに意識したというのがゴールにつながったのか
同点にされる前から自分たちの攻撃的なサッカーを貫こうという話をハーフタイムでしていたので、後半の最初のほうは敵の圧力に吞まれていたところありますけど、継続して前進できる流れだったので、そこはチームとして狙いをもってできたところかなと思います。
——去年に続く総理大臣杯というところだが、明治に勝って決めたというところはどうか
前期関東リーグなかなか結果が出ていない中で、アミノバイタル杯のように前期の最後の方から自分たちのサッカーが自信をもってできていたので、それを貫くだけでしたし、明治さんには自分がいる4年間新人戦以外で一度も勝てたことはなかったので、それは結構大きな自信になるかなと思います。
——この夏個人として総理大臣に出られるというのはどうか
個人としては、自分の名前をもっと大きくしたいという気持ちがあるので、全国に出られるので慶應の10番としての存在を多くの人に広められたらなと思います。
——次節、9位10位決定戦の意気込みは
チームの成長のためには大事な試合なので、今日と変わらず自分たちのサッカーを貫いて少しでも高い順位で全国に出られればなと思います。
——今日はなかなか経験できないような試合内容だったが試合前で変わったことは
変わったことは特になかったのですが、本当に死ぬ気で、例えば前半から出て交代するときに走れないくらいになるまでやりきってから出ようなどそういった話を周りの仲間に声かけをしていて本当に1試合に出しきる気持ちというところを大事にして臨んだというところはあります。
——4年生になってからの半年間、自分をどのように評価しているか
関東リーグも自分が決めた試合で勝ち点を拾えていることが多くて、自分の出来次第でチームの勝ち負けが左右されるという責任があるので、立教戦と今日は結果を出せましたけど、自分の力でチームを勝たせられたらなと思います。
——後輩の筑波大学の内野選手が海外でプロになるということを決めてどのような気持ちか
うっちー(内野選手)もそうですし、僕の同期も大学の途中でマリノスに行っている選手も二人いますし、りくももうずっと出てますし、彼らと同じレベルで早く自分もサッカーができるようにどんどん成長していきたいなという気持ちです。
——去年の総理大臣杯の悔しさというところはどうか
去年は早稲田大学さんに負けてしまったのですが、今のメンバー、後輩たちに少しでも高いレベルでのサッカーをさせてあげたいなという思いもありますし、自分たちの代も全国制覇を掲げているので強い気持ちをもって臨みたいです。
——利き足は左か
右です。
——あのようなシュートになったのは練習の結果か
僕は両足で蹴れるので、狙い通り蹴れる自信はあったのでいいところにファーストタッチが置けたのがよかったと思います。
——今までもあのようなシュートを決めているのか
そうですね。左足でも関東リーグでフリーキックを決めています。
◇朔浩太朗(理3・学習院高等科)
ーー今日の試合に出場できるのは決まっていたのか
決まっていました。火曜日の立教大学戦のみテストがあって出られないことになっていたので。
ーー右足のキックは自信になったのでは
1点目はタッチが乱れてしまって、でも何とか流し込むことができました。ただ正直に言うと、もっとチャンスはあったので3、4点とれた試合だったかと思います。ゴール前であせってしまい、落ちつけずにシュートを外してしまうシーンが2、3個あったので、もっと突き詰めるところはあると感じています。
ーー3本くらい同じコースに立石に対して厳しいクロスをあげていたが
キーパーが触れないギリギリのコースというのは練習でもずっと意識しています。厳しいところでも「立石宗悟」が決めてくれるので、そこに流している感じです。宗悟は結構ムリがきくので(笑)。
ーーキーパーが触れない空間にクロスをあげるのは狙っていたのか
クロスはずっと意識していて、試合の最初からガンガンあげていくようにしています。
ーー明治に力で打ち勝つことができたが、自信の変化はあったのか
去年の印象だったら肩に力が入ってしまって、受けに回ってしまうと思いますが、今回は自分もチーム全体も試合前から負ける気がしませんでした。絶対に勝って全国に出ようという気持ちは自分も皆も共通して持てていました。勝てて一安心です。
ーー明治との前期の試合を踏まえて
前回は雨が降っている中、0-2で負けて悔しい思いをしましたし、晴れだったら自分たちのサッカーができて勝てたかもしれないという言い訳も出てきてしまっていました。今回は晴れて暑い中でしたが、自分たちのサッカーを貫いて最後までプレーして絶対勝とうと思っていました。
ーー今大会は自分が変わるきっかけになりそうか
アミノバイタルカップは連戦なので一番成長できる機会だと思っています。去年のアミノバイタルカップでは自分が試合に出始めることができて、また今回ではやっとゴールを2ゴール決めることができたので、アミノバイタルカップでは成長できると個人的に感じています。
ーーこんなに(取材陣に)囲まれるのはどうか
初めてです(笑)。ケイスポは2回目くらいで、ゲキサカさんは初めてです。
ーー自分もチームも負ける気がしないと言っていたが、そう考えた理由やきっかけは何かあるのか
去年のアミノバイタルカップでいい感じに勝ち上がれたのは1つの理由かなと思います。
ーーリーグ戦は負け越していたが
リーグ戦も結果はふるっていないかもしれませんが、負けている気はしないです。自分たちのソッカーをやれば後期に逆転して優勝を狙えると思っています。慶應はずっと強気な部分があって、キーパーもどんどん前に出ていきます。負けても自分たちのサッカーを貫いていくことが負けん気の強さにつながっているのかなと感じます。
ーー去年の大臣杯は何試合出たか
去年の1回戦の同志社戦は後半が少し経ってからから出場して、2回戦の早稲田戦はスタメンで出場しました。
ーー去年の全国大会が初めてだったのか
はい、高校時代には出場経験なかったので。
ーー全国大会に出場する気持ちは
チョー楽しみです(笑)。総理大臣杯があることで、キツい合宿がなくなる噂もあるので(笑)。
ーー1年生の時には噂のきつい合宿を経験しているが
1年生の時は死ぬほどきつかったです。それがないとの噂があるので、楽しみな夏休みです。
ーー総理大臣杯に向けて
チームとしては全国制覇を目標に掲げているので、まずは総理大臣杯を全国制覇したいと思っています。
ーー学校のテストの出来はどうだったか?
表の面は完璧でした(笑)。しかも、試合が終わって気持ちいい状態でテストに取り組めたので、入りは良かったです。ただ、後ろの面が難しくて。
ーーどういう内容のテストだったか
ロボットのメカニズムでした。自分は理工学部に所属していて、機械工学科なので。
ーー将来はどんなものを作りたいか
理系の道に進まないつもりで、文系就職を考えています。大学院に行くかは迷っていて。
ーー学習院から慶應は推薦か
そうです。一般入試で行くつもりでしたが、推薦で上手くいけたので。
ーーそのときも志望は理系だったのか
はい、一般入試でも慶應の理工学部を目指していました。
ーー家族に慶應出身者が多いが
そうですね、家族には慶應出身が多くて、昔から慶應に行くものだというように育てられました。若き血も小さいころに覚えました。また、早稲田には到底負けてはいけないというようにも育てられました。慶應義塾大学に入学できて、チームの勝利に貢献出来て、若き血を歌えて、今日は本当に良かったと思います。
ーー受験はどのタイミングで慶大を目指した
大学から慶應です。中高は学習院でした。慶應は中学受験で受けました。落ちてしまいましたが。
ーー珍しい苗字ですね
そうですね、僕の家系以外はあまりいないと思います。
ーーサッカーのポジションは、ずっと変わっていないのか
高校の時は左ウイングでフォワードをずっとやっていました。
◇洪潤太(政4・東京朝鮮中高級学校/三菱養和SCユース)
ーー 今日の試合は強豪の明治大学が相手でしたが、どんな気持ちで試合に入りましたか?
明治大学は「全国に出て当たり前」というマインドだったのに対して、自分たちもそういう気持ちは持っていたとはいえ、昨年11年ぶりに出場した自分たちはチャレンジャーとしての気持ちがあり、マインド面では自分たちが必ず優位に立っているという思いで、少し有利な気持ちで試合に臨みました。
ーー朔選手(理3・学習院高等科)が先ほど「負ける気がしなかった」とおっしゃっていたのですが、どうですか?
正直、負ける気はしなかったですね。自分が1失点してはしまったものの、もし無失点だったらPK戦になるわけで、そこで絶対止める自信があったので、負ける気はしなかったです。
ーーリーグ戦ではベンチから見守っていたと思いますが、今日試合に出てみて、外から見ていたときや、実際にゴールから見たときにどう感じましたか?
リーグ戦の明治戦は自分自身のパフォーマンスがあまり良くなくて、後輩の快(政3・慶應)が出場していました。ベンチから見ていても、実際にプレーしてみても、与えられた場でやるという姿勢は変わらないと思っているので、そこで気持ちが変化することはありません。ただ、今回試合に臨むにあたっては、ハイボール対応は自分のストロングだと思っていたので、そこを活かして自分の色が出せればと思って試合に臨みました。
ーーラストプレーのロングスローも洪選手がキャッチして終わりましたが、どんな気持ちでそのプレーに入りましたか?
ロングスローの1つ前のプレーで、ゴール前で密集した場面があったのですが、映像を見てみたら、そこまで難しいボールではなくて、自分が出ていればもっと楽に処理できたなという思いがあったので、次のロングスローには、ここでしっかりキャッチして試合を終わらせようという気持ちで入りました。
ーーこれで2年連続での全国出場になりますが、全国大会に向けて意気込みをお願いします
昨年は全国に帯同したものの、1試合も出ることができずに小旅行のような感じで終わってしまったので、今年は自分がチームを勝たせる存在になって、全国制覇というチームの目標に少しでも貢献出来ればと思います。
ーー明後日(6月29日)、駒澤大学対東京国際大の勝者と対戦しますが、そちらに向けての意気込みもお願いします。
アミノバイタルカップは総力戦だと思うので、全員が試合に出るという気持ちで、登録されている33人と応援メンバー含めて、全員で勝ちに行けたらと思います。
(記事:甲大悟、村山仁紀、小野寺叶翔 取材:塩田隆貴、首頭千紘)