99回目を迎える東大との定期戦が慶大山中湖グラウンドで行われ、朝から多くの観客が詰めかけた。伝統の一戦での連勝が期待された。
今戦は、小雨の中でのキックオフ。序盤から東大の堅いディフェンスに苦しめられる時間が続くも、SH尾関・FB加藤と期待の1年生がトライを決め、14-0で前半を折り返す。
このまま点差を広げたい後半は、先にディフェンスラインを明け渡し東大に追い上げられる展開に。次第に雨風が強くなり、酷なグラウンド状況で死闘を繰り広げる中、慶大WTB小山が執念のトライを挙げる。この試合のコンバージョンキックはSO内がすべて決めきり、21-7で勝利を収めた。
悪天候下で闘い抜いた選手たちは、来る9月13日関東大学対抗戦開幕に向け今後も山中湖・菅平で血の汗を流す。
2025年8月11日(月)第99回定期戦 対東京大学 @慶大山中湖グラウンド
○慶大 21{14―0、7―7}7 東大●
第106回 定期戦 | ||||
慶應義塾大学 | 2025/8/11(月) | 東京大学 | ||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
2 | 1 | トライ(T) | 0 | 1 |
2 | 1 | コンバージョン(G) | 0 | 1 |
0 | 0 | ペナルティゴール(PG) | 0 | 0 |
0 | 0 | ドロップゴール(DG) | 0 | 0 |
14 | 7 | 計 | 0 | 7 |
21 | 合計 | 7 | ||
前半31分 尾関(T) 前半32分 内(G) 前半37分 加藤竜(T) 前半37分 内(G) 後半30分 小山(T) 後半31分 内(G) | 得点者 | 後半11分 (T) 後半13分 (G) |
慶應義塾大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学部学年 | 出身校 |
1 | 山中 優太郎 | 177/102 | 商4 | 慶應 |
2 | 山中 悠伍 | 177/95 | 経2 | 慶應 |
3 | 渡邉 哲暉 | 175/106 | 政4 | 慶應 |
4 | 永島 優介 | 185/102 | 経4 | 修猷館 |
5 | 高橋 優太郎 | 180/85 | 商1 | 慶應 |
6 | 大岡 優太 | 168/87 | 商4 | 慶應 |
7 | 濱本 泰祐 | 177/94 | 法3 | 慶應 |
8 | 本田 李成 | 179/90 | 政1 | 慶應 |
9 | 尾関 航輔 | 166/68 | 政1 | 慶應 |
10 | 内 荘一郎 | 170/80 | 総4 | 東京農業大学第一 |
11 | 小山 経太 | 170/76 | 経4 | 慶應 |
12 | 相見 駿太 | 172/79 | 経2 | 慶應 |
13 | 木内 悠佑 | 169/76 | 経2 | 慶應 |
14 | 西機 大河 | 175/70 | 商1 | 流通経済大学付属柏 |
15 | 加藤 竜朗 | 173/74 | 総1 | 国学院大學久我山 |
16 | 森田 周祐 | 174/96 | 文2 | 国学院大學久我山 |
17 | 安藤 佑真 | 174/84 | 政1 | 慶應志木 |
18 | 鈴木 将智世 | 173/93 | 法3 | 慶應 |
19 | 有田 大祐 | 175/100 | 政4 | 海陽学園 |
20 | 山北 響己 | 177/98 | 経1 | 慶應志木 |
21 | 野口 丈樹 | 174/91 | 商1 | 慶應 |
22 | 加藤 光 | 182/100 | 法2 | 慶應志木 |
23 | 佐々木 一帆 | 180/97 | 経3 | 慶應志木 |
24 | 千北 武典 | 174/93 | 経2 | 慶應 |
25 | 早川 湧人 | 178/90 | 環3 | 國學院大學栃木 |
26 | 竹林 宏記 | 164/68 | 経2 | 慶應 |
27 | 木下 大輔 | 165/73 | 政2 | 幕張総合 |
28 | 宍戸 孝行 | 176/75 | 総1 | 國學院大學久我山 |
29 | 今井 怜 | 168/76 | 文4 | 國學院大學久我山 |
30 | 東 俊次郎 | 173/78 | 経4 | 慶應 |
東京大学 | ||||
# | 氏名 | 身長(cm)/体重(kg) | 学部学年 | 出身校 |
1 | 一木 空也 | 165/92 | 5 | 西大和 |
2 | 安富 悠佑 | 169/90 | M2 | 水戸第一 |
3 | 辻 翔太 | 169/94 | M1 | 開成 |
4 | 勝村 英太 | 184/92 | 3 | 駒場東邦 |
5 | 三上 昭文 | 186/114 | 2 | 麻布 |
6 | 野村 晃一郎 | 170/78 | 2 | ラサール |
7 | 石澤 諒馬 | 173/90 | 4 | 国立 |
8 | 領木 彦人 | 180/100 | 4 | Seoul Foreign School |
9 | 福元 倫太郎 | 173/75 | 4 | 駒場東邦 |
10 | 湊 大樹 | 168/75 | 2 | 明和 |
11 | 木村デイビス 友志 | 182/75 | 3 | The Alice Smith School |
12 | 武村 晋 | 181/91 | 3 | 灘 |
13 | 宮田 尚弥 | 172/85 | 4 | 日比谷 |
14 | 池田 琥士郎 | 166/70 | 2 | 旭丘 |
15 | 渡辺 温人 | 179/78 | 4 | 久留米大学附設 |
16 | 辻 金大 | 172/90 | 4 | 熊本 |
17 | 細谷 光史 | 174/90 | 4 | 大阪星光学院 |
18 | 猿渡 峻正 | 185/108 | 4 | 仙台二高 |
19 | 玉置 雄大 | 178/96 | 2 | 筑波大学附属駒場 |
20 | 和田 裕太郎 | 172/82 | 3 | 市川 |
21 | 鷲頭 一貴 | 171/74 | 4 | ラ・サール |
22 | カンリフ 慈英斗 | 179/88 | 2 | 東葛飾 |
23 | 片桐 広貴 | 176/80 | 4 | 浦和 |
24 | 目黒 麟太郎 | 174/77 | 2 | 秋田 |
25 | 星 玲凰 | 169/88 | 2 | 大分舞鶴 |
26 | 定浪 大喜 | 176/75 | 3 | 県立千葉 |
27 | 佐藤 琉海 | 166/70 | 3 | 修猷院 |
28 | 中野 颯志 | 179/70 | 1 | 国立 |
29 | 小川 雄大 | 181/88 | 2 | 平塚中等 |
30 | 立花 幸樹 | 171/78 | 3 | 駒場東邦 |
慶應義塾大学 |
| 東京大学 |
95.1kg | FW(スタメン)平均体重 | 93.8kg |
761kg | FW(スタメン)合計体重 | 750kg |
177.2cm | FW(スタメン)平均身長 | 174.5cm |
厳しい練習の成果を発揮すべく、合宿地・山中湖に東京大学を迎えて行われた一戦。
試合前から大粒の雨が降り注ぐ中、慶大ボールで試合が始まると、いきなりSO内のキックオフがタッチを割り、東大ボールのセンタースクラムから再開される慌ただしい立ち上がりとなる。
しかし2分、慶大は低く鋭いタックルから東大のペナルティを誘うと、内が強風を活用したロングキックで陣地を回復。名誉挽回の好プレーで一気に敵陣に迫る。ここから慶大の猛攻が始まるが、ボールが滑りやすいコンディションの中、ハンドリングエラーが重なり、トライに結びつけられない。
すると9分、フラットなパスを東大FB・渡辺温人(4・久留米大学附設)に奪われ、一気に自陣深くまでゲインされるが、ここはチーム全体の素早い帰陣で再びターンオーバー。ピンチを脱する。
この後も、慶大がブレイクダウンやセットプレーで東大を上回り、敵陣でボールを保持してFWを中心に攻め続ける展開が続くが、東大もラスト5mのディフェンスで粘り強さを見せ、なかなかトライを奪えない時間帯が続く。
転機となったのは29分。東大のペナルティから、内が再び正確なロングキックを見せ、5mラインアウトのチャンスを得る。ラインアウトモールで押し切ることはできなかったが、ここで1年生SH・尾関が意表を突き、ラックから自らボールを持ち出してランを仕掛ける。尾関が巧みなステップで相手選手を交わし、そのままインゴール左隅にトライを決めると、内が難しい角度からのコンバージョンを沈め、ハーフ団の活躍で7点を先制する。
更に37分、今度はBKを絡めた鮮やかなパスワークからサイドで相手選手に対して2対1を作り、こちらも1年生のFB・加藤が独走しトライ。そして内がコンバージョンを沈め、スコアを14-0としてハーフタイムを迎えた。
劣悪なピッチコンディションに加え、東大の最後まで諦めない不屈のディフェンスに苦しみ、一時は焦りも見られたが、終盤にはFWの接点の強さとBKの機動力をハーフ団がコントロールするという理想的なラグビーを展開し、リードして試合を折り返した。
点差をさらに広げ、勝利を盤石にしたい慶大。複数のメンバー交代により、後半開始から多彩な攻撃を仕掛ける。
しかし後半11分、50:22を成功させた東大に、ラインアウトからモールで押し込まれる。慶大の堅実な守備のわずかな隙をうまく突かれ、この試合初得点を許す。この試合で東大は終始「気持ちを切らすな」と声を掛け合い、士気を常に高く保っていた。その気迫に押され、スコアは14ー7と点差を詰められる。それでも慶大は冷静沈着に態勢を整え直し、プレー再開を待つ。
その後、慶大は敵陣深くまで幾度も攻め込むが、ペナルティでチャンスをモノにできず、我慢の時間が続く。一方、ディフェンス面では東大のパスミスを素早く拾うなど機敏さを見せ、両校による緊迫した攻防が続いた。
後半25分、敵陣5mライン付近で慶大ボールのラインアウトを獲得するもミスが生まれ、ここまで成功率の高かったセットプレーで絶好のチャンスを逸する。
しかし後半29分、今度は集中力を切らさなかった慶大がスクラムで優勢に立ち、相手にプレッシャーをかけた勢いで東大のノックオンを誘発。左サイドでボールを受けた小山がそのまま一気にラインを駆け上がり、トライを決める。この試合3本目となるコンバージョンキックは内が確実に決め、21ー7と再びリードを広げることに成功する。
時間の経過とともに雨風は激しさを増し、劣悪なグラウンド状態の中、慶大選手たちは体を張ったプレーと慎重な姿勢でチャンスメイクに試みる。しかし、FW陣は泥に足を取られモールが崩れがちになり、焦りからアーリープッシュも見られた。BK陣も雨で滑りやすくなったボールに苦しみハンドリングミスが散発した。
荒天の影響による課題は残ったものの、学年の垣根を超えた選手たちの連携と粘りで最後まで戦い抜いた慶大が勝利を収めた。
試合後の慶大は、東大メンバーと共にアフターマッチファンクションが開催された。「ノーサイド」の精神をまさしく体現するかのように、互いの健闘を笑顔で称え合った。山中湖での伝統ある一戦はこうして幕を閉じた。
(記事:島森沙奈美、髙木謙
取材:長掛真依、伊藤梨菜、久本愛理)