【野球】今季初の勝ち点獲得へ タレント揃いの明大に勝機を見出せるか/東京六大学野球秋季リーグ戦 明大戦展望

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月13日に開幕した2025秋季リーグ戦。開幕カードの法大戦を落とした慶大は、“天皇杯”奪還に向けて、27日から絶対に負けられない明大戦に臨む。明大は4季連続でリーグ戦2位の成績を残しており、今季も東大戦に2連勝して勝ち点1を獲得。手強いチームであることは間違いない。慶大は2024春季以降明大に6連敗中、苦手とする相手に今季こそ勝ち点を掴むことはできるか。

法大と4戦にわたる開幕カードを戦った慶大。4戦それぞれを振り返ると、1戦目は先発した渡辺和大(商3・高松商業)が5回途中を投げて7失点と崩れるも、打線の驚異的な追い上げで7-7の引き分けに持ち込む。2戦目は先発・外丸東眞(環4・前橋育英)が5回途中6失点と打ち込まれるも、打線が点を取り返す一進一退の展開が続き、延長10回までもつれた末に中継ぎ陣がつかまって7-8で敗戦。後がなくなった第3戦では渡辺憩(商2・慶應)が1番に座るなど打順を大幅に変更すると、これが的中。一宮知樹(経1・八千代松陰)のリーグ戦初本塁打も飛び出し、6-1で快勝して試合は第4戦へ。第4戦は終始リードを許す展開で、8回には1イニング3つの失策も絡み点差を広げられる。渡辺憩の今季1号本塁打で迫ったものの4-7で敗戦し、勝ち点を取ることはできなかった。

激闘の末開幕カードを落とした慶大

試合のなかった第2週を挟み、第3週で対戦するのは明大。明大は慶大にとって、2024春季以降8試合を戦ったものの1勝もできていない、相性の悪い相手だ。今季の明大は第2週で東大と対戦すると、1戦目を6-0、2戦目を10―0と圧勝し、早々に勝ち点を獲得した。1戦目は毛利海大(情コミュ4・福岡大大濠)が8回を投げて被安打1、12奪三振の圧倒的な投球を披露し快勝。2戦目は6本の適時打が飛び出すなど打線が爆発し、投手陣も小刻みな継投で、東大に本塁を踏ませなかった。

今季の明大投手陣の最注目選手はなんといっても毛利だろう。今春はリーグ最多の53回2/3を投げて最多勝(6勝)、最優秀防御率(1.34)、最多奪三振(54個)の“投手三冠”を達成する大車輪の活躍で、明大の押しも押されもせぬエースへと成長。慶大戦では1戦目と3戦目の2度先発登板し、1戦目は6回2失点5奪三振、3戦目は7回無失点12奪三振と、慶大打線を抑え込んだ。今春の第2先発は髙須大雅(法4・静岡)が務めたが、今秋の東大戦ではベンチ入りせず。東大2回戦にも先発した大室亮満(文2・高松商業)が代役を務めることになりそうだ。中継ぎ陣は絶対的ストッパーの大川慈英(国日4・常総学院)を中心に、奪三振能力の高い松本直(情コミュ3・鎌倉学園)、力強い直球を投げ込む菱川一輝(文4・花巻東)ら経験豊富な面々が揃う。総合力の高い明大投手陣からいかに点を取っていくかが、慶大の大きなテーマになるだろう。

今春”投手三冠”の明大左腕エース・毛利

明大打線の中核を担うのは、4番・捕手に座る小島大河(政経4・東海大相模)だ。昨春は怪我の影響もあり一塁手として出場。それでも慶大3回戦では外丸から3点本塁打を放ち、早大との優勝決定戦でも一時逆転となる本塁打を放つなど、勝負どころでの打棒は健在だった。今秋は正捕手に復帰すると、東大戦でいきなり7打数5安打の固め打ち。高いコンタクト能力とパワーを両立した打撃は、間違いなく慶大投手陣の脅威となるはずだ。他にも中軸を担う榊原七斗(情コミュ3・報徳学園)や木本圭一(政経4・桐蔭学園)、宮田知弥(商4・横浜)といった手強いメンバーを並べた明大打線に対する慶大。取れるアウトを1つずつ取っていくことが、勝利を掴むカギになっていく。

高いコンタクト能力と力強い打撃が魅力の小島

慶大のキーマンは2人。投手では水野敬太(経2・札幌南)、打者では常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)を挙げたい。水野は昨春の明大戦では3戦目で登板し、無失点投球を披露。伸びのあるストレートと高い奪三振能力を持ち味とする、慶大投手陣の新星だ。今秋の法大戦では中継ぎとして1戦目を2回無失点、2戦目を3回1/3で1失点、4戦目には先発登板し3回0/3で2失点と、負荷の高い場面でフル回転の活躍を見せた。ダブルエースと目された渡辺和・外丸両投手の投球内容に不安が残る中、水野の存在は明大を抑え込むために不可欠といっても過言ではない。

法大4回戦ではリーグ戦初先発を務めた水野

常松は昨春の明大戦で慶大打線が明大投手陣への対応に苦しむ中、全3戦で安打を放っている相性の良さに期待したい。特に1回戦では毛利から先制の2点本塁打をマークしており、相手の絶対的エース攻略のためには欠かせない選手だ。法大4回戦で1年生3人がスタメンに名を連ねるなど、若い力も台頭している慶大打線だが、ラストイヤーを迎えた4年生として「意地」の打撃を見せられるか。中軸を担う常松の一振りが、チームを4季ぶりの明大戦勝利、そして勝ち点奪取に導く。

4年・常松の一打でチームの勝利へ導きたい

(記事:鈴木拓己)

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