【應援指導部】 明治戦で見せた意地 熱気に渦巻いた応援席の様子とは

應援指導部

長丁場となった法政戦に破れ、優勝に向けて後が無くなった慶大。そのような状況で、「天王山」 と称される明治戦でどのような応援を届けたのか。その様子をレポートする。

 

9/27(土) 慶應義塾大学 1-4 明治大学

試合概要

明大から23年秋以来9試合ぶりの勝利を目指して臨んだカード初戦。慶大は3回に守備の乱れから犠牲フライを浴び先制を許すも、5回裏には常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)の右前適時打で同点に追いついた。先発・渡辺和大(商3・高松商業)は粘投を見せたが、7回に勝ち越し本塁打を浴び、さらに8回には救援の小川琳太郎(経4・小松)が二者連続本塁打を許し1対4と突き放され た。打線は最後に代打・森村の安打から反撃の流れを作るも得点には結びつかず、悔しい黒星を 喫した。

初回、渡辺投手が立ち上がりを無失点で抑えると、メイン台に上がった部員が「今日の相手先発は毛利投手。渡辺投手が抑えてくれた分、しっかり先取点を取っていこう。そして毛利投手に “もー無理”と言わせるぞ!」と声を張り上げ、スタンドを盛り上げた。最速151キロを誇るプロ注目の左腕・毛利海大(情コミュ4・福岡大大濠)を相手に、慶大はヒットと盗塁で好機を作るも、あと一本が出ず無得点に終わった。

3回裏、メイン台に上がった部員は「私は今日誕生日だ。誕生日プレゼントとして勝利が欲しい。でも欲張りだからもう一つ欲しい。それは“全力で声を出す応援席”だ! 」と呼びかける。続けて「三色旗の下に」が斉唱され、観客席は慶應の伝統と誇りを胸に一体感を強めた。この回、慶大は二度の内野安打とフィルダースチョイスで無死満塁の好機を迎えるも、毛利の力投に阻まれ三者連続三振。最大のチャンスを生かせず、まさに「さすが明治」と痛感させられる場面となった。

5回表の守備を終えると、吹奏楽団とチアリーディング部が「小さな恋のうた」を披露し、応援席 は手拍子と合唱で盛り上がる。続く攻撃前には「ラクロス応援では8点取って“若き血”を歌い続けた。でもまだ足りない! 神宮で肩を組んで、もっともっと歌おう!」と檄が飛ぶ。軽快な「Blue Sky KEIO」が演奏される中、常松がレフト前にタイムリーを放ち同点に追いつくと、応援席は割れんばかりの歓声に包まれた。

しかし7回に勝ち越し弾、8回には二者連続本塁打を浴び、1対4と点差を広げられる。沈んだ空気 を変えようと、應援指導部は明治戦限定曲「孔明」を銅鑼の響きとともに披露し、「5回鳴らせば5点入るぞ! 大きな声でいくぞ!」と叫んだ。観客席全体が逆転を願う熱気に包まれた。9回裏、 枝廣代表が「やるしかねぇぞ! 同点追いつくしかねぇぞ! サヨナラ勝ちしかねぇぞ! 」と叫び、 全員で「若き血」を歌い上げた。代打・森村(総4・小山台)が左前打で出塁し、失策も絡んで二塁 へ進むも、最後は一宮(経1・八千代松陰)がサードゴロに倒れて試合終了。最後まで反撃の兆しを 見せたものの、勝利には届かなかった。

試合後インタビュー G.Hさん

Q.試合を振り返っての率直な感想は?

明治は甘くなかったなと思いました。特に序盤のチャンスをモノにできなかったのが悔しいです。 3回裏、無死満塁でクリーンナップという最高のチャンスを応援で後押ししても得点に結びつけら れなかったのが、『さすが明治大学』と感じざるを得ませんでした。

Q. 苦しい流れの中、工夫した点は?

明治戦限定の『孔明』を多用し、この曲に想いを込めました。最終回には普段使う『シリウス』 も取り入れて変化をつけました。また、明治の応援は演奏も声援も大きいので、負けないように コールを増やして相手の声援をかき消す努力をしました。

Q.次戦への意気込みは?

手強い相手ですが勝てない相手ではありません。一球一打に想いを込め、その積み重ねが“勝利”に 結びつくよう、最後まで選手を信じて応援を届け続けたいと思います。

 

9/28(日) 慶應義塾大学 0-3 明治大学

試合概要

前日の敗戦を取り戻したい慶大は先発にエース・外丸東眞(環4・前橋育英)を送る。しかし、 慶大は2回、3回と失点し、0ー2とされる。5回裏、田上(たがみ)遼平(商3・慶應湘南藤沢)にスイッチするも、田上(たのうえ)夏衣(商2・広陵)に本塁打を浴び3点目を許す。一方、慶大打線は8回まで二塁を踏むことができず。9回表、2死二、三塁の本塁打が出れば同点のチャンスを迎えたが、リーグ戦初出場の市橋慶祐(商2・小野)が三ゴロに倒れ、2カード連続で勝ち点を落とした。

初回から慶明戦専用応援歌「孔明」が流れ、応援席に銅鑼の音がこだまする。慶大は明大に2年間一度も勝てていない。3回には部員がそのことに言及した上で、「日本一を 勝ち取った2年前を思い出してみて欲しい。何がいるだろうか」と問う。「明治に勝つことができれば優勝日本一が見えてくるだろう。応援席から日本一の応援席つくろうぜ 」と大きく叫ぶと、応援席は大盛り上がりを見せる。

慶大が明大投手陣を打ちあぐねるなか、応援席は声を上げ続ける。5回には、初めての塾注だという部員M.Mが「全力な野球部が大好きだ」と叫ぶと応援席の野球部員たちは大盛り上がり。そしてその直後の代打・真田壮之 (経4・慶應)で応援席の野球部員たちの盛り上がりは最高潮に達する。得点には繋がらなかったが、應援指導部員 たちの熱意と、野球部員たちの熱意とが合わさった、見事な応援が響き渡る回であった。

慶大は3点ビハインドのまま最終回を迎える。壇上に上がるのは、代表・枝廣二葉。枝廣代表は「我々は慶明戦全てを賭けて臨んでいる。若き血全力で行くぞ」と叫び、画用紙を放り投げる。直後の応援で見られ た枝廣代表の突き出しは、まさに命を懸けていると言ってよい見事なパフォーマンスであった。

結果的に慶大は敗れた。しかし枝廣代表は最後に、「終盤戦の応援は次につながる見事なものだった」と 述べる。試合は明大投手陣を前に4安打無得点と、完敗と言っていい結果であった。しかし応援席は、その逆境に怯まなかった。そして部員たちはそれを指揮し続けた。この姿こそ、應援指導部の真骨頂といえるに違いない。「試合の流れを応援席から作り出す」これは枝廣代表が 常に口にする言葉である。試合の流れを応援席から作り出すため、ただひたすらに声を上げ続ける部員たち。我々は應援指導部の意地を目にした。

代表 枝廣二葉さん

Q.本日の応援を振り返って

本当に1戦1戦気持ちを切り替えて、とにかく1勝にこだ わって応援しているので、昨日とは違う応援を作り上げようと思いました。

Q.今日の最終回では壇上で言いたいことを投げ出して応援に向かった。その後の突き出しもまさに鬼気迫るようなものがあった。

確かに鬼気迫るというような気持ちもありましたけど、 にかく応援席から何か仕掛けを作りたいって思うでやって るので。ピンチだからとか、1点も取れていないからと か、そこから派生する焦りというよりかは、とにかくプラ スの気持ちを活かすっていうところにこだわって、最終回 にああいう応援をしました。

Q最後に、次の東大戦に向けて

とにかく1勝がしたい、勝ち点1が取りたいという想いで やってるので、それは野球部と同じだと思います。野球部 はこの秋リーグに向けて相当練習してきていると思います し、應援指導部も今シーズン特に1戦1戦が各々の最後の 試合になってくると思うので、野球部と同じように準備を して気持ちを入れていきたいと思います。

應援指導部員M.Mさん

Q.今日の応援の振り返り

結果として負けてしまいましたが、応援席がしっかりまとまって応援はできたのかなと思っています。これを次回に繋げていけたらいいかなと思います。

Q.今日は初めての塾生注目。その時の自分のパフォーマンスを振り返って

めちゃくちゃ緊張しました。もう本当に頭真っ白になっちゃったところもあるんですけど、とりあえず笑顔だけは忘れずに頑張りました。

Q.次回の東大戦に向けて

東大戦、絶対に勝ち点を取ろうと思います。

(記事 礒尾凌太郎、神戸佑貴)

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