【競走】三四会からの新戦力/医学部ランナー対談 金丸蒼×澤田薫(後編) 箱根駅伝予選会直前特集⑤

競走

箱根駅伝予選会まであと6日!慶スポでは本番を直前に控えた選手方・スタッフにインタビューを行いました。箱根駅伝予選会特集5日目の本日は、共に今年医学部體育會・三四会競走部より慶大競走部の仲間に加わった医学部ランナー!後編では、今シーズンの振り返りや予選会への意気込みをお聞きしました。これを読んで是非当日も声援を送りましょう!

 
――今シーズンのここまでの調子を振り返っていただけますか?

澤田:今シーズンは3月のシーズンインのとき、専門にしている3000m障害で自己ベストを出せて、いい形でスタートできたんです。体育会競走部のポイント練習にも参加させてもらって、かなり強度の高い練習を積めて、すごく調子が良かったんですよ。でも6月末くらいからガクッと調子を落としてしまって、8月の初めまでは本当に全然走れない状態が続いて。そこから、8月の紋別合宿で「このままじゃダメだな」と強く思って、足りない部分をしっかり見つめ直しながら練習しました。そのおかげで、苦手だった長い距離にもだんだん対応できるようになって、少しずつ調子を戻してこれたかなと思っています。

金丸:自分は年明けからずっと怪我が続いていて、3月に一度復帰できたんですが、4月にまたアキレス腱を痛めてしまって、本格的に練習を再開できたのは5月に入ってからでした。6月の記録会の5000mに合わせて5月はかなり練習を積んで、そのレースでは15分5秒で、復帰1か月ちょっとにしては悪くない結果かなと思っていました。ただ、そのあと恥骨の疲労骨折をしてしまって、7月末まではジョグすらできない状態でした。

――大事な夏を前に負傷離脱された中で、予選会に調整されてきたんですね

「その1か月間をなんとかやりきったおかげで」(金丸)

ほんと、ギリギリ間に合ったって感じです。8月にジョグを再開したんですが、8月頭の蔵王合宿で結果を出さないと次の紋別合宿に繋がらないということで、かなり無理して練習を積みました。なんとか蔵王と紋別の合宿には連れていってもらえたんですが、やっぱり復帰したばかりということもあって、チームの中では一番下の立ち位置で、正直かなり苦しい合宿でした。でも、その1か月間をなんとかやりきったおかげか、9月に入って涼しくなってからは練習をしっかり積めるようになってきて、ポイント練習もこなせるようになって、なんとか予選会メンバーに選んでもらうことができました。

――澤田選手は現在、三四会競走部の主将も兼任されています。大変さを感じることはありませんか?
そうですね、今はちょうど三四会の練習が、全学がオフの日に行われているので、実質オフがないんですよね。だからちょっとキツいなって思う時はあります。箱根のためには全学の練習を優先したいという気持ちもあるんですけど、三四会の主将も引き受けさせていただいている以上、やっぱり行かないといけなくて、その両立がこの半年くらいは正直ちょっと大変でしたね。

「実質オフがないんです」(澤田)

――今大会で、「この人たちのために走りで応えたい」と思う存在はいますか?

澤田:やっぱり普段ケガなく、不自由なく練習できているのは、本当に駅伝主務の上原さんだったり、長距離マネージャーの方々、トレーナーの方々のおかげなんですよね。皆さんに走りでしっかり恩返ししたいなと思っています。それから、中途半端な時期から自分を受け入れてくれた長距離チームのみんなにも、本当に感謝していて。だからこそ、みんなの期待を超えるような走りをして、チームに結果で応えたいなと思ってます。

金丸:僕も澤田と同じで、まずは競走部でサポートしてくださる方々、そして一緒に練習してくれている仲間たちに結果で応えたいです。それに加えて、去年まで一緒に練習していた三四会のみんなや、他大学の医学部の陸上部の選手たちからも「頑張れ!」ってメッセージをもらったりしていて、仲間たちの存在もすごく励みになっているので、そういう人たちの期待にも応えられるような走りをしたいなと思っています。

――医学部生ということで、学業との両立の中で箱根駅伝出場を目指すことの意味や理由は、どういう部分にあると思いますか?

金丸:慶應の医学部にいる人って、本当にそれぞれが何かしらの分野で突出してるんですよね。研究がものすごく進んでる人とか、フェンシングでアジア3位の人とか、小説家をやってる人までいたりして、みんな何かしらの才能や個性を持っているんで、自分も「陸上」という自分なりの得意分野で、胸を張って「これは頑張った」と言えるものを掴みたいなって思ってます。医学部ってどうしても勉強中心になりがちですけど、そんな中でも本気で打ち込めるものとして、箱根駅伝を目指すことに大きな意味を感じています。

「胸を張って”これは頑張った”と言えるものを掴みたい」(金丸)

澤田:僕も似たような気持ちがありますね。これまでの人生で、「これだけは本気で頑張った」って胸を張って言えるものがあまりなくて、学生生活の中で、ひとつ全力で打ち込めるものが欲しかったんです。それが箱根駅伝出場という夢で、特に慶應って「オリジナル4」のひとつじゃないですか。最近立教が50年ぶりに出場しましたけど、絶対かっこいいと思うんですよ、慶應が出たら。そのメンバーの一員になれたら最高だと思うんです。純粋に本気で打ち込みたいっていう気持ちと、「ちょっとかっこいい姿を見せたい」っていう気持ち、その2つが原動力になってます。

「学生生活で、ひとつ全力で打ち込めるものが欲しくて」(澤田)

――予選会当日、ユニフォームを着てスタートラインに立っている時、どんな気持ちになっていると思いますか?

澤田:もう“ワクワク”しかないと思いますね(笑)。慶應のユニフォームを着て、たくさんの応援団が見守ってくれる中で、慶應の代表としてスタートラインに立つっていうのは、本当に特別なことだと思うし、純粋に楽しみです。

金丸:そうですね、自分もワクワクはもちろんなんですけど、同時にちゃんと冷静さも持って立てたらいいなと思ってます。予選会に向けて、僕と今の4年で今大会の目標みたいなものを立てて、、、

澤田:サウナ、サウナ(笑)

金丸:そうそう!熱い気持ち(サウナ)と、冷静さ(水風呂)をうまく行き来できる“整う”状態で本番に臨もうっていう。そんな感じで、当日はしっかり気持ちも体も整えてスタートラインに立ちたいです。

――予選会に向けての意気込みをお願いします!(個人の目標/レースの鍵/勝負所など)

澤田:僕は他の2年生全員で「全員200位以内に入る」という目標を掲げていて、かなり厳しい戦いにはなると思うんですけど、これまでの陸上人生の中で一番の走りをして、その目標を達成したいと思っています。今回は初めて走る未知のコースなんですけど、公園に入ってからアップダウンが多くて結構大変みたいなので、その中でリズムを崩さずにラスト6〜7kmをどう動かせるかが勝負になるかなと思います。

金丸:自分は7月、8月に復帰したばかりで、まだ万全ではないんですけど、個人の目標としては250位以内を目指したいと思っています。立川の昭和記念公園ということで、地元が立川から2駅先の豊田、高校は立川から1駅の国立、予備校は立川の河合塾と、結構ゆかりのある土地なんです(笑)。地元での開催ということで、高校の友達も応援に来てくれるみたいなので、沿道の応援にしっかり応えられるよう、最後まで絶対に垂れない走りをしたいと思います。

 

――金丸選手、澤田選手、ありがとうございました!

 

(取材:鈴木拓己、竹腰環 編集:竹腰環)

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