何としても、連勝での勝ち点が欲しい慶東1回戦。阿加多(法4)や辰巳(文4)のタイムリーなどで4点リードのなか迎えた7回、四球と連打で一挙5失点と逆転される苦しい展開になる。直後に谷田(商1)のタイムリーで同点に追いつくも、そのまま勝ち越し点は奪えず5―5の引き分け。課題の残る一戦となった。
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慶大:竹内大、只野、福谷―阿加多
東大:初馬、辰亥、関―岩瀬
ポジション | 選手名(学部学年・出身校) | |
1 | [7] | 佐藤旭(商2・慶應) |
2 | [6] | 福富(商4・慶應) |
3 | [5] | 山﨑錬(商4・慶應) |
4 | [2] | 阿加多(法4・慶應) |
5 | [9] | 藤本(環2・慶應) |
3 | 植田(商3・慶應) | |
R | 山本泰(環1・慶應) | |
3 | 鈴木裕(商4・慶應) | |
6 | [3] | 倉橋(総4・済々黌) |
H | 渡邊暁(商3・慶應) | |
4 | 堀野(理3・掛川西) | |
7 | [4] | 大川武(環4・済々黌) |
H9 | 谷田(商1・慶應) | |
8 | [1] | 竹内大(環4・中京大中京) |
1 | 只野(商4・慶應) | |
1 | 福谷(理4・横須賀) | |
9 | [8] | 辰巳(文4・郡山) |
先週の法大戦で連敗し、完全優勝が無くなった慶大。絶対に落とせない一戦の先発投手は竹内大(環4)、そして昨季首位打者の阿加多(法4)を4番に置くという選手起用で試合に臨んだ。
先取点が欲しい慶大は1回表、先頭の佐藤旭(商2)が四球で出塁すると手堅く送り1死二塁のチャンスを作る。続く山﨑錬(商4)は凡退するも、ここで迎えるは今日、初の4番に座る阿加多。東大先発投手の初馬が投じた3球目を確実に捉え、二遊間を破る先制タイムリーヒット。幸先良く慶大が先手を取る。
初馬の要所を抑える投球になかなか追加点を奪えなかったが5回表、先頭の竹内大がレフト線への二塁打を放つと、1番佐藤旭が四球を選び無死一、二塁とチャンス拡大。続く福富(商4)がレフトオーバーのタイムリー二塁打を放ちリードを2点と広げる。
直後の6回表、1死から代打出場の渡邊暁(商3)が四球を選ぶと、次の打者にも代打・谷田(商1)を送る。その谷田はライト前にヒットを放ちチャンスを作ると竹内大が送り2死二、三塁。この場面で9番辰巳(文4)のセンターオーバーのタイムリー二塁打で2点を追加。順調に点差を広げていく。
一方、慶大の先発マウンドにあがった竹内大は5回まで毎回安打を許し、何度もピンチを抱えるが持ち前の投球術やセンター辰巳のファインプレーもあり、東大のスコアボードに0を並べていく。6回終了時までで4―0、ここまでは完全に慶大の流れだった。
7回裏も竹内大がマウンドへ。先頭の岩瀬にレフトへの二塁打、続く西木に一二塁間を破られピンチを迎えたところで竹内大から只野(商4)にスイッチ。しかし代わった只野は飯田にライト前へ運ばれ1点を返される。さらに初馬への代打・飯島に送りバントを決められると、続く永井には四球を与えてしまいピンチは広がるばかり。ここで慶大ベンチは動き、守護神の福谷(理4)をマウンドへ上げ、流れを止めにかかる。しかしその福谷が1死満塁の状況から笠原に押し出しの四球を与え2点差となると、さらに3番舘に一二塁間を破られ、谷田の懸命のバックホームも及ばず二者が生還。ついに同点とされてしまった。そして完全に浮き足立った慶大バッテリーの隙を突くかのように、四番成瀬が1死一、三塁から初球をスクイズ。4点勝っていた状況から1点負けている状況へ、試合をひっくり返されてしまう。
さすがにこのままでは終われない慶大。この回先頭、途中出場の植田(商3)がライトへ二塁打を放つとすかさず堀野(理3)が三塁側へバント、これが内野安打となり無死一、三塁とする。そして続く谷田のライトのタイムリーヒットですぐさま同点に追いつく。しかし、その後もチャンスは続いたが、辰巳が併殺打に倒れるなどこれ以上の加点はできなかった。
9回表の攻撃も無得点に終わり、勝ちがなくなった状況で迎えた9回裏。この回もマウンドにあがった福谷が2死三塁とサヨナラのピンチを招くが、山本の放ったセンター後方の打球をまたしても辰巳がファインプレーでナイスキャッチ。慶東1回戦は引き分けに終わった。
昨季最下位の東大だが11安打、得点圏にランナーを置いた回数7回とどちらも慶大を上回っている。また3人の投手リレーで慶大打線を5得点に抑えるなど、持てる力を発揮してきている。今日の試合を“負けなかった”とプラスに考え、明日の東大戦、その先の早慶戦へ勝ちを積み重ねていかなければ、優勝の二文字は見えてこない。慶大の負けられない戦いは続く。
(記事 渡邉 拓磨)
選手のコメント
山﨑 錬主将(商4)
(引き分けという結果をどう捉えるか)負けなかっだけ良かった、それしかないです。(東大の印象は)粘られたというか付け入られたというか、うちの弱さですね。(法大戦では立ち上がりに失点したが今日は立ち上がりは無失点)本当は0点でいかないといけない相手なので、最後まで気持ちを引き締めて明日はやります。(7回に一挙に5点を奪われたが)流れが完全に相手にいってしまったので、どうにか食い止めなければいけない場面でしたね。(最終回のサヨナラのピンチを抑えたことは明日につながるのではないか)そうですね。負けなかったというだけです。本当に。それだけが良かったということだけですね。(明日にむけて)明日もしっかり打てるように、いや明日はしっかりと打てるように準備していきます。
阿加多 直樹(法4)
(引き分けという結果だった)勝てた試合だったと思うので、もったいないです。(投手陣の調子が悪かったように見えた)そうですね。東大の選手は真っすぐに張ってて、真っすぐに強いというのはわかっていたんですけど、変化球でストライクが取れなかったのが、苦しかったですね。(4番としての出場だった)力んでしまった部分はありました。チャンスで多く回ってきたのですが、大きいのを狙ってしまったこともあって、いつものバッティングができなかったのは反省です。(監督からは何か言われたか)全く言われてないですね。ただ4番だと告げられて、それで終わったので、特には言われてないです。(明日に向けて投手陣のどこを改善したいか)やっぱり真っすぐを狙ってきているのはわかっているので、そこをキャッチャーとして考えて、やっていきたいと思います。
竹内 大助(環4)
(今日の試合を振り返って)負けなくて良かったです。(自身の投球について)最後7回にしっかり抑えていれば、このような結果になることはなかったので、課題が残る投球でした。
辰巳 智大(文4)
(試合を振り返って)とりあえず負けなくてよかったです。勝ちたかったですが。(引き分けという結果はどうとらえるか)2連勝が目標なので、それからしたら負けなかった分明日につながるし勝率にも影響がないのでそれはよかったです。(中盤での2点タイムリーについて)いつも通り打ったら良い結果につながったのでよかったなという感じです。(守備でのファインプレーも見られた)自分のできることをしっかりできたので、こういうのを明日に繋げていきたいです。(辰巳さんがいなければ危ない試合だったのでは)いままでだいぶチームに迷惑をかけているので、少しずつでも返していけたらなと(次の試合に向けて)チームとして落ち込んでいる部分もあるので、今日と明日を切り替えて、違うものだと考えていきたいです。
福谷 浩司(理4)
(今日の試合を振り返って)負けなくてよかったのかな、と切り替えます。(マウンドに立つときの気持ち)相手の調子が上がっている状況だったので、何とかしたいという気持ちでした。(自身の投球内容について)まあ、ダメですね。それだけです。(9回裏の東大側の雰囲気について)(延長がないので)9回で終わりという中で燃えていましたし、(9回裏に入る時点で)負けがないチームってこんなに雰囲気がよくできるのだな、と思いました。それが楽しいところなのでしょうけれど。(次の試合に向けて)負けない、とかではなくて、完璧に勝ちたいと思います。よろしくお願いします。
福富 裕(商4)
(今日の試合を振り返って)負けなくて良かったです。(引き分けという結果について)負けなくて良かったかなと思ってます。(東大の印象について)バットは振れてるかなと思います。でも僕らがしょうもない戦いをしたなと思います。(5回にはタイムリー二塁打を放ったが)全然ダメですね。たまたまです。(明日への抱負は)とりあえず勝ちます。
佐藤 旭(商2)
(今日の試合を振り返って)勝っていて、油断とかはしてなかったんですけど、チャンスでもうひと押しできなかったというのが、流れを掴めなかったのかなと思います。(自身は四球で2出塁)まあ自分のことは相手どうこうじゃなくて、役割をしっかりとしようと思っていただけなんで。でもバッティング自体が良くなかったんで、ちょっと明日までには修正していきたいなと思っています。(明日に向けて)勝つしかないんで。負けることは許されてないんで、勝つだけです。
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