(自身の活躍について)5得点だったんですけど、まだまだ取れる
―チームとして前期を振り返っていかがですか。
「最初に4連敗をしてしまって、自分としても初戦で退場してしまったので、本当にチームには迷惑を掛けたなと思っています。それもあって、出場停止後からはチームの勝利に貢献しないといけないなと思って、自分個人の得点とかプレーよりチームのために働こうと思っていたので、それが4連敗後に少しは示すことができたのかなと思います。」
―一番嬉しかった試合は。
「リーグ戦より大臣杯の2戦目かな。関東学院のときに結局3-3のPKだったんですけど、1-2で逆転された後に後半のロスタイムで同点に追いついて。延長戦に入ったんですけど、そこでもう1回失点してしまって。退場者を出したんですけど、最後延長戦のロスタイムにもう1回同点にして、PK勝ちだったあの試合が一番印象的でした。」
―逆に一番悔しかった試合は。
「やっぱりリーグ戦の初戦で退場してしまって、チームに迷惑を掛けてしまったのが一番不甲斐なかったというか、悔しかったです。」
―最初は4連敗という苦しい状況でしたが、アミノバイタルカップで準優勝するまでに成長した変化の理由は何でしょう。
「4連敗の後、部活として立て直す努力をしました。学年全員で掃除をするなど、トップチームだけではなくてチーム全体を下から良くしていこうというか。そういう試みが団結力を生んで、4連敗を止められて、そこからどんどん調子が上がっていったのではないかなと思います。」
―では、今のチームの雰囲気はいいですか。
「そうですね。正直決勝までいけるとは思っていなかったですし、リーグ戦もそんなにいい順位ではないんですけど、4連敗した後に比べればとても上向きというか。そんな中で、今回こうやって準優勝という結果を出せたので、それは本当にチームとしても部活全体としても良かったのかなと思います。」
―前期のご自身の出来を振り返っていかがですか。
「5得点だったんですけど、まだまだ取れると思いますし、前期はコンスタントに試合に出られたということが自分としては成長したのかなと思っています。1年生のときとかだったら、けがとかもありましたし、けがで1試合1試合続けて出たりというのはできませんでした。それに比べると、今シーズンはけがへの耐久力というのも上がったと思いますし、それによってチームに関わる時間も多くなったので、そういう面では5得点というのは少なくはないと思います。チームのための5得点だったのではないかなと思います。」
―2年生から3年生にかけての成長は具体的に何でしょう。
「2年生のときも自分がプレー面でどうにかしようという思いはあったんですけど、やっぱり3年生になってみて少し心に余裕ができました。高学年になって、周りもうまく使ってとか、あまり熱くなりすぎずというところとか、そういう面で心にゆとりができたというところが成長した部分ではないかなと思います。」
―開幕前取材では得点王を目指したいとおっしゃっていましたが、実際にアミノバイタルカップでは得点王に輝きました。
「そうですね。リーグ戦ではまだまだ分からないんですけど、アミノバイタルカップという大会で得点王になったということは自信になります。一つ一つの大会だったり試合だったりで結果を残すことが、自分としてもさらに成長できるモチベーションというか、そういうものだと思っているので、この大会の得点王というのは大きかったのではないかなと思います。」
(自身について)とにかく多分少しの負けず嫌いとかではなくて、そのあたりにいないような負けず嫌い
―ご自身の長所は。
「ドリブルです。やっぱりフィジカルだったりスピードだったりでは大学内では負けないと思っていますし、自信があります。その中で自分のドリブルというのは相手の脅威になるというのは自分でも分かっていますし、そこは自分でも自信を持っています。しかし、フィジカルやスピードやドリブルというところはもっともっと成長していかないと、大学では通用していてもJリーグでは通用しないと思っているので、自分の長所をもっと伸ばしていけたらいいなと思います。」
―反対にこれから改善していきたいところは。
「監督やコーチにも言われているんですけど、大学内で結果を残していくと自分にマークも集まりますし、自分個人で打破するというのは厳しくなってくると思います。そこで自分に集まったマークをパスで仲間を使って崩していくということを覚えれば、もっと成長できるぞということを言われていますし、自分でもそれは正しいなと思っています。パスとドリブルの選択をもっと瞬時に判断できるようになることが今後の課題なのではないかなと思います。」
―ソッカー部で主力として活躍されたり、全日本大学選抜としてプレーされたりしていますが、サッカー人生を振り返ってみて、これほどまでに成長することができた理由は何でしょう。
「本当に指導者には恵まれていたと思っていて、幼い頃から小中高と最高の指導者に出会えたことが大きかったと思います。一人ひとり説明すると長くなってしまうんですけど、指導者には本当に恵まれていたなとは思います。個人的になぜここまで頑張れたかなと思うと、負けず嫌いだったというのが大きいのかな。とにかく多分少しの負けず嫌いとかではなくて、そのあたりにいないような負けず嫌いだと思うので、その負けず嫌いの性格が自分をここまで伸ばしてくれたのかなというふうには思います。」
―それは、武藤選手は天才肌というより努力家ということでしょうか。
「そうですね。昔から天才とは言われたことがなくて、慶應でいうと端山豪とかが天才とか言われるんですけど、自分は本当に天才とは一度も言われたことがないかな。昔から努力は人一倍してきたつもりですし、自分の中では天才より努力している人のほうがかっこいいと思っています。」
―オフの日はどのように過ごしていますか。
「ショッピングだったり、おいしいものを食べたりだったり、じっとしているというよりアクティブに動く感じです。ショッピング、ご飯、あと温泉とかです。」
―そういうことは気分転換につながっていますか。
「そうですね。サッカーをやっているときはサッカーだけしか見えないので、オフのときはしっかり体を休めたり違うことを楽しんだり、そうやって切り替えのところをしっかりしていかなくてはいけないなと思っています。」
―どのようなプレーヤーを目指していますか。
「Jリーガーにはなりたいですけど、普通のJリーガーでは終わりたくないです。最終的には日本代表で日の丸をつけて海外に出ていきたいというのはありますし、皆が自分を知ってくれるような、そのぐらい有名なサッカー選手になりたいなと思っています。」
―武藤選手にとってサッカーとは何ですか。
「難しいな。皆何て言っていますか。人生とか言っているんですか。ありきたりですよね。何だろう・・・サッカーとは。ちょっと最後にしてください(笑)」
(早慶戦について)自分のゴールで勝利に導けたら
―一昨年、去年と早慶戦に出場されて、振り返ってみていかがですか。
「1年生のときは膝のけがもあって最後の15分しか出られませんでした。去年はフルに出場させてもらって90分間戦ったんですけど、悔しさが大きすぎて、あまり自分のプレーとかも覚えていないくらい悔しかったという覚えがあります。全然自分自身もいいプレーができなかったですし、あっという間に終わってしまったなというのが印象的です。」
―最後の国立での早慶戦になりますが。
「最後ということで慶應の勝利で終わりたいと思っています。そのために自分は100%以上のプレーをしなければ早稲田には勝てないというのは分かっているので、自分のゴールで慶應を勝利に導くのが一番ですけど、その前にまず慶應のために走り回りたいなと思っています。」
―早慶戦と他の試合の違いは何でしょう。
「国立でやるし、何万人も入るということで、まず雰囲気が全く違います。これほど慶應を背負って戦う試合というのはないと思うので、重圧だったり、慶應を勝たせないといけないという責任だったり、そういうのも背負って試合をするのでやっぱりいつもより体も動きづらいと思います。他の試合とはやっぱり雰囲気が違います。」
―早大の印象はいかがですか。
「早稲田はチームとしてハードワークできますし、一人一人がチームのために戦うことが徹底されています。慶應よりハードワークできると思うんですけど、早稲田に負けないくらい慶應も戦う気持ちだとかメンタルの部分で負けてはならないと思います。本当にいいチームですけど、絶対に慶應のサッカーができれば勝てると思います。」
―早慶戦ではどのような役割を担っていきたいですか。
「自分が求められているのはゴールだと思います。国立の早慶戦では得点を決めていないので、自分のゴールで勝利に導けたらいいなと思います。」
―では最後に、武藤選手にとってサッカーとは。
「サッカーとは・・・自分を奮い立たせる原動力かな。」
武藤選手お忙しいところありがとうござました!
(取材・慶應スポーツ新聞会 ソッカ―班 窪山裕美子)
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