【男子バレーボール】丸谷大活躍!難敵を倒して幸先良いスタート 順大戦

幸先の良いスタート!

幸先の良いスタート!

 

いよいよ開幕した秋季リーグ。初戦の相手は今年これまでに2敗を喫している順大である。いかに相手の高さを攻略できるか。夏の成果を見せるときがやってきた――。

9月7日(土)秋季関東大学男子バレーボールリーグ1部 第1戦 慶大×順大

得点
慶大 セット 順大
29 31
26 24
25 18
25 23
待ちに待った開幕を迎えた秋季関東男子1部リーグ。慶大の第1戦の相手は春季リーグ、東日本インカレと大事な場面で負けを喫している難敵、順大。圧倒的な高さのブロックを武器に立ちはだかるチームであり、慶大にとって相性の良くないチームであった。

第1セット、リーグ初戦ということもあり、互いに硬さがみられる。柳田(環3)の強烈なサーブで相手を崩すなど、連続得点を奪う場面もあるものの、クイックなどコンビに若干のズレが見られ、なかなか波に乗れない。逆に相手の持ち味であるブロックに捕まり、中盤では5点のリードを許してしまう。ここで流れを引き戻したのは吉田(環2)。15-19の場面でピンチサーバーとして投入されると、ここから落ち着いたサーブを的確に決め、一気に19-19の同点へと追いついた。「職人」(宗雲監督)と評される吉田の活躍がチームの嫌な流れを払拭することとなった。その後は柳田や岡田(商4)の両エースを中心とした、息をのむ一進一退の攻防。互いにセットポイントを握り合った末、慶大は結果的にこのセットを29-31で落としてしまうものの、「試合の入りとしてはそんなに悪くなかった」(岡田主将)というように試合の主導権は渡さなかった。

スパイクを打つ柳田

スパイクを打つ柳田

第2セット以降、慶大は夏から作り上げてきた自らのバレーを見事に体現する。特筆すべきは、丸谷(環3)の活躍であろう。柳田に相手のマークが集まりやすいなか、丸谷は速いスパイクで確実に得点を重ねていく。新たに頼もしい攻撃の軸が増えたことで、相手ブロッカーの翻弄に成功した。第2セットは相手のミスにも乗じて26-24と何とか振り切ると、第3セットも丸谷が大活躍。ここぞという場面で、「いい具合に相手のブロックアウトが取れた」(丸谷)というように着実にブロックアウトを取り得点を決めた。このセット最後は岡田のスパイクで締め、25-18と大差で第3セットを取る。

第4セット、丸谷はキレのあるバックアタックでも得点を挙げる。岡田・柳田に加え丸谷もバックアタック陣に加わることで、慶大の攻撃のバリエーションが増え、相対的に柳田、岡田の負担減にもつながることとなった。また、星谷(理4)もこのセットはクイック、ブロックと獅子奮迅の働きを見せ、25-23と何とか逃げ切り、セットカウント3-1で秋季リーグ初戦を勝利で飾った。

ついに苦手としていた順大を退けた慶大。この勝利は間違いなく慶大を勢いづけるだろう。次戦の相手は、春季リーグ、早慶定期戦と連敗を喫している早大だ。これまでの2試合は大差で敗れているが、丸谷の台頭など夏の成果をぶつければ必ず勝てるはずだ。伝統の早慶戦は、激戦必至となるに違いない。

(記事 古尾谷拓真)

監督・選手コメント

宗雲監督

(今日の試合を振り返って)最初は硬かったのかどうかわからないのですけど、得点チャンスをポカで逃すというシーンが1セットだけでも3度くらいあって、なかなか波に乗れなかったですよね。でもこちらが立てた作戦を彼らがきっちりとこなしてくれて、「こうなってほしい」というような崩れ方を相手がしてくれたので、作戦通りです。ウチのマネージャーやアナリストたちが弱点を考えて、次の手まで考えてやってくれていたので、はまりましたね。また、その通りに選手たちが動いてくれたのも良かったです。何本かやられてもすぐに修正してくれたので。(丸谷選手の活躍が光りましたね)そうですね。順天堂大は徹底して柳田をマークしてくるので、2セット目あたりに、向こうが丸谷の両サイドの速いスパイクを捕まえきれていなかったので、丸谷をパイプ攻撃も含めて多く使うようにというニュアンスを(野口)剛志郎に伝えたら、見事に上手にそれを引き出してくれたので、柳田が少し楽になったんじゃないかなと思いますね。(丸谷選手は覚醒したように思われましたが)東日本インカレが終わったころに学生と話して、攻撃型のチームを作ると決めて、3人がバックアタックを打つということにずっと取り組んでいたので、1・2セット目が遅いくらいでしたね。本来は丸谷をもっともっと使うという作戦でした。途中から良かったですね。(ピンチサーバーとして出場した吉田選手も良い動きでした)本当に職人で、必ず出ると点数を取ってくれるので、安心して使っています。(1年の上野選手が初出場を果たしましたね)はい、上田選手がケガをしてしまったので、彼にチャンスが回ってきたのですが、まずはハツラツとプレーをしてくれていたので、充分です。(夏の成果は出せていますか)出せていますね。相手のスタイルにディフェンスが適応できるというのは、Vリーグのチームとやらせてもらったのがすごく活きていると思います。(明日は早稲田との戦いですね)大変な試合になると思いますが、早慶戦の借りを返せれば良いなと思います。

岡田拓巳 主将

(リーグ初戦の今試合、どのようなこころもちで臨んだか)春のリーグ戦で負けた早大、と順大が一週目の対戦相手だったので、絶対に初戦は落とせないというこころもちで試合に臨みました。(試合は第1セット接戦となり、タイブレークに突入しながらも落としてしまった)相手の順大も試合の入りで緊張していましたし、こちらも色々対策を練っていましたが、緊張して動きも堅かったセットでした。逆に、攻撃力の高い順大相手にボールをあそこまでつないでいけたのは、結果としてセットを落としてしまいましたけど試合の入りとしてはそんなに悪くなかったかな、と思います。(その後第2セット、再びタイブレークに突入するが、今度は粘ってセットを勝ち取る)しっかり順大という相手の研究をして、対策を練ってやるべきことを決めてきたので、第1セット目の競りで迷走しないで徹底して自分達のやるべきことをやったことが、第2セット目の結果につながったのかな、と思っています。(夏合宿でのブロックの練習をしてきた成果は出たか)最初は、相手が高いスパイカーばかりなのでなかなかブロックが出る機会は無かったんですけど、第2セット、第3セット目、特に最終セットの終盤あたりには、ブロックの練習をした成果が出てチャンスボールをつくることができたので、合宿の成果を出すことができた、と感じました。(明日の早稲田戦に向けての抱負)早稲田とはすでに今シーズン二回闘って二回ともすごく大敗をしているので、この秋リーグで力関係を逆にして、全日本インカレでも闘う相手だと思うので、ここで相手に、慶大には勝てないぞ、と思わせられるような試合をできるように頑張ります。

野口剛志郎

(秋リーグ初戦で意識したところは)リーグ初戦なので、自分たちが夏合宿でやってきたことを展開しようということと、東日本で負けた相手だったので苦手意識が少しあったのですが、夏合宿を通して見えた課題をいかに本番で詰めれるかということを意識しました。(接戦なセットが多くありましたが)こっちは2枚看板のエースが二人いて向こうもブロックが得意だったので、自分はどうにかしてスパイクを楽に打たせようかということを考えていたのですが、正直今日競ったのは自分のせいかなと思っています。(順大の高さに対しては)2枚看板に相手が注目しないように、他の今日すごく良かった丸谷だったりセンターの二人だったりを、全体的にうまく分散させて組み立てたいなという風に思っていました。(明日の早慶戦に向けて)早慶戦でもリーグ戦でも負けたので、合宿でやってきたことと今日勝てたことを自信にして自分たちのバレーを展開すれば必ず結果がついてくると思うので勝ちたいと思います。

丸谷将大

(今日の試合を振り返って)こっちがブロックに3枚いった時は相手がフェイントしてくるということを試合前に皆で共有して、そこから繰り返せたことと、こっちの攻撃をいつものように思い切り打つだけではなく、相手のブロックが良いのを考慮してそのブロックが来た時にはうまく繋げたり、むやみに打たないようにということをチームで話し合って、それを実践できたことが今日の結果に繋がったと思います。(秋季リーグが開幕したが、チーム・個人の目標は)チームとしての目標はもちろん優勝で、個人としての目標は、この試合でもそうでしたが相手のサーブで柳田が相手チームから狙われることが多いので、その負担を減らすためにカットが返ったら自分が積極的に打つように監督から言われているのでそこを目標にやっていきたいと思います。(競った展開を丸谷選手のスパイクで打開した場面が何度もあったが、手応えの方は)今日は自分でもよくわからないんですけど、打ったらいい具合に相手のブロックアウト取れたということが多かったので、いつもこの調子で出来ればいいかなと思います。(明日の早大戦へ向けて)この最初の週で勝ち星を取ることが秋季リーグ戦を優勝するためにもとても重要だと思うので、チーム一丸となって頑張りたいです。

柳田将洋

(今日の試合を振り返ってみていかがでしたか)リーグの大事な初戦だったので絶対に落としたくないのはもちろんのこと、ここでいかに自分達のバレーが出来るかというのが課題だったので、それは60点ぐらいだったんですけど、勝利することができて本当に良かったです。(リーグ戦の目標を教えて下さい)目標はもちろん優勝なんですけど、それに向かって自分達がどういうバレーを出来るかっていうのを持って、それをしっかりと展開できればいいなと思ってます。(順天堂大学とは今年戦って2連敗してますが、それを踏まえて今回対策などはされたのですか)いえ、特には。自分達のバレーをすれば勝てるということは分かっていたのでそれだけですね。それと、今日勝つんだぞっていう思いが自信につながったと思いますね。(競った場面で柳田選手に多くのボールが集まりましたがその時はどのようなお気持ちでしたか)そうですね、ブロックが高くてただ打つだけで決まる相手ではなかったのでいろんなフェイントをしたり工夫してそのなかで点を取ることができたので本当に良かったと思いましたね。(最後に、明日の早稲田戦に向けてひとことお願いします)今シーズンあまり勝ててなくて、明日も数少ないチャンスのひとつでありリーグ中の大事な一戦でもあるのでもちろん勝利を目指して頑張りたいと思います。

サイド 柳田将洋(環3・東洋高)
セッター 野口剛志郎(環3・東福岡高)
センター 星谷健太朗(理4・渋谷幕張高)
サイド 岡田拓巳(商4・熊谷高)
サイド 丸谷将大(環3・東筑高)
センター 稲田聡典(環3・日向学院高)
リベロ 野瀬将平(環2・東福岡高)
途中出場 佐藤凜太郎(環2・東北高)
吉田純(環2・東亜学園高)
上野 素希(文1・甲陽学院高)


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