【バスケ】四年越しの栄冠!チーム一丸で六大学リーグ戦を制す vs明大

 

多くの得点に絡んだ福元。フィジカルを生かしたプレーに注目だ。

多くの得点に絡んだ福元。フィジカルを生かしたプレーに注目だ。

4連勝という、 良い流れの中で迎えた東京六大学リーグ最終戦の相手は明治大学。昨年の1部リーグ戦では3位、インカレでは準優勝という高い成績を残した強豪校である。しかし、慶大も昨年5位という結果に終わった六大学リーグの雪辱果たすため、そして1部リーグの舞台での戦いを見据えるという意味においても、ぜひとも勝っておきたい相手である。試合の序盤こそ不安の残る内容であったが、昨年同様、そのまま大崩れしない修正能力と粘り強さを慶大は見せつけてくれた。


2014/3/23(日)@明治大学和泉キャンパス
東京六大学バスケットボールリーグ戦 第五試合 明大戦
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 13 29 24 22 88
明大 24 27 19 14 84
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(♯背番号・学部・学年・出身校)
PG ♯4   伊藤良太(環4・洛南高)
SG ♯13 福元直人(環3・福大大濠高)
SF ♯10 大元孝文(環3・洛南高)
PF ♯6  権田隆人(政4・慶應高)
♯7  黒木亮(環3・延岡学園高)

整ったフォームでリングを狙う大元。チームの重要な得点源である。

整ったフォームでリングを狙う大元。チームの重要な得点源である。

第1Q、フルメンバーをコートに送り出さなかった明大に対し、慶大は苦戦を強いられた。出だしからシュートの確率がなかなかあがらず、開始5分間で手にした得点はわずかに4点。さらに「大きい選手にリバウンドを取られてしまった」と黒木、権田の両インサイド陣が話すように、ペイントエリア内でも主導権を握ることはできなかった。相手にリバウンドを許し、そこから速攻を決められるという場面も目立った。そんな苦しい展開の中、大元が伊藤のインバウンドパスからミドルシュート、さらに福元のアシストからゴール下でシュートをきめるなどして何とか得点をつなぐが、流れを変えるまでには至らず。2ケタの得点差を許し、1Qを終える。 第2Q、「フルコートで当たっていこうということを意識した」と語る福元のスティールから伊藤が1対1で確実に得点を決め点差を一桁に戻す。さらに相手のターンオーバーから得たポゼッションで、権田がドライブからバスケットカウントを獲得。終始明治に傾いていた1Qからの流れを、引き戻し始める。外角からのシュートの確率がなかなか上がらない慶大は、インサイドへの攻撃を中心に攻め立てた。吉川治瑛(環4・世田谷学園高)はドライブで切れ込み自ら得点。黒木は福元のアシストからファウルを受けながらもゴール下へねじ込んだ。しかし明治の攻撃の勢いも簡単に止めることはできなかった。互いに得点を取り合う一進一退の攻防は続き、9点差で前半を終えた。

黒木は多くのリバウンドを奪い取り、チームに流れをもたらした。

黒木は多くのリバウンドを奪い取り、チームに流れをもたらした。

第3Q、後半に入ってもやはりガード陣のドライブが目立つ展開に。福元、大元らが果敢にインサイドへ切れ込み、相手のファウルを誘い、フリースローを獲得。これを確実に沈め、得点をつないだ。いまだ互いに譲らぬ展開が続く中迎えた3Q、残り5分、伊藤のアシストから大元が待望の3ポイントを沈め、流れを変えた。さらにその後、黒木のキックアウトパスから伊藤が3ポイントが決まり、一気にペースをつかむ。「自分たちの持ち味であるディフェンスからの速攻」と伊藤が話すような慶大の形も決まりだした。3Q残り1分、激しいチェックから西戸がスティールを決め、吉川がそれを冷静に得点につなげ、この試合初のリードを奪う。明大も外角からのシュートで踏ん張りを見せるが、慶大は点差を着実に縮め、最終Qへ向かった。 勝負の第4Q。慶大のディフェンスは勢いを増し、開始早々明大の24秒バイオレーションを誘った。大元がミドルシュート、フリースロー、オフェンスリバウンドからのゴール下など、多彩なオフェンスから得点を決め、慶大は一時4点リードを奪う。しかし、慶大は中盤から連続ターンオーバーを犯し、得点が止まってしまう。対する明大は慶大のミスにつけ込み、流れの良いパス回しから速攻を決め、3分を残しリードを再び奪い返す。だが、慶大は伝統である激しいディフェンスから粘りを見せた。伊藤が厳しいプレスから逆に明大のターンオーバーを誘い、得たスローインで、慶大のセットプレーが成功。大元のフリーを作りだし、ドライブを決め、2点リード。さらに福元のスティールから権田が速攻を決め、さらに得点差を広げる。残り時間1分を切った最終盤。貴重なオフェンスリバウンドを福元が獲得すると、伊藤が続くオフェンスで1対1からドライブで得点。最終スコアを88-84とし、勝負を決めた。

1部に昇格し、新体制で迎えたシーズンを占う上で、この六大学リーグでの優勝は明るい材料になったことは間違いない。昨年から活躍するメンバーに加え、引退した選手の穴を埋めるべく、新勢力が存在感を発揮した大会でもあった。しかし、「ここで満足しちゃいけない」と大元が語るように、慶大が見据える目標は、六大学リーグのはるか先にある。「前期の目標は早慶戦」(阪口HC)という認識をチーム全体で共有し、さらなる飛躍を遂げようとする慶大に対する期待は膨らむばかりだ。

(記事・岩田 亮)

◆試合後コメント◆

阪口裕昭HC

(試合を振り返っての印象)よく頑張ったというとこですかね。まだ中身は全然、練習初めて一か月ぐらいで、いろいろ学生として塾生として何かというとこばっかりやっているので、右か左かとかいう部分はあんまりないです。(プレーの指示が具体的に出ているわけではないのか)具体的な指示はゼロですね。(自分たちで考えてプレーをしていると選手が語っていたが)自分でものを考えて、自分で実行して、結果に責任を持つという部分がない、というのがこの1か月でわかったので、それに関してこっちは文句も言わないし、失敗してもいいから自分で考えてやってみろ、とは言っています。(目標とするゲームプランは)始まって一か月なのでまずは人間関係から信頼を築いて、これからどうするかを考えて、前期の目標は早慶戦なので、必ず勝てるようにしていきたいです。

[G] 伊藤良太主将(環4・洛南高)

(今日の試合を振り返って)今日の試合を振り返ると、1Q2Qとすごい固い入りをしてしまって、昨年流れが悪い時にああいう流れだったと思うので、自分たちの持ち味であるディフェンスからの速攻を最初から出せなかったというのが、今後リーグ戦や早慶戦勝っていくために重要だと思うのでそこを改善点として今後やっていきたいと思います。(六大学リーグ全体の振り返り)正直うれしいですが、自分たちの春の目標が早慶戦に勝つということで、この六大学は勝つことが前提なんですけど目的をもって練習に取り組むことを意識していまして。まだまだ今までやってきたことをすべて出せたわけではないですし、ディフェンスの部分でもオフェンスの部分でももっともっと改善点が見つかったので、勝って緩まず、もっと気を引き締めて今後の練習もやっていきたいと思います。(春に向けて練習で意識していることはなにか)昨年勝てた理由は本当にディフェンスだと思っているので、オールコートのディフェンスやハーフコートのディフェンスといったチームで守るディフェンスを今までやってきまして、オフェンスとしては福元くんだったり吉川くんだったり後藤くんだったりがしっかりポイントガードをやって、ポイントを取る人はしっかりポイントを取るというように自分の役割をしっかり持って、コートをほんとに広く使って、自分たちの持ち味であるシュート力だったりを生かせるようなオフェンスのくみたてを今練習しています。(試合の序盤の3ポイントが印象的だったが、自身の手ごたえはどうだったか)昨年までは結構ガードも得点とることも全部自分がやらなくちゃいけないと思っていて、結果的に2部ではいい形でできたんですけど、東海戦では何もできなかったところが反省点としてあって、今年1部で戦うためにはもっとチーム全体のことを信頼して役割を分担した中でそれぞれやっていかないといけないと思っていたので、自分がやりたいという気持ちを押し殺して、仲間を信頼して、結構シュートを打つ時は打つというように決めていたので、すこしは成長できたのかなと思います。(春シーズンに向けての意気込み)まずは早慶戦優勝をチームとして目標に掲げていて、ほかの試合はもちろん勝つんですけども最後に早稲田に勝つためのステップだと思っているので、今日浮き彫りになった課題を一つ一つつぶしていって最後の早稲田に勝てるようにチーム力を上げていきたいと思います。

[F] 権田隆人(政4・慶應高)

優勝がかかっていたというのはありましたが、特に気負わず自分たちのやってきたことを出そうということでしたが、今までの相手と強さも違って、出せた部分と出せなかった部分があって、課題もありました。勝敗にこだわっていなかった部分はあったんですけど、シーズンインからやってきたことが間違っていなかったと確認できた試合でもあったのでいい5試合だったと思います。(個人的に振り返って)まだまだですね。リバウンドに関しては今日は相手の大きい選手に取られてしまいましたし、シュートも自分の思ったように全部できているわけではないので、求められているものももっと高いところにあると思うので、これからもっと高めていきたいと思っています。(新体制になったことに関して)チームでやりたいことに対して僕自身わりとコミットしているんですが、その成果が出ているかなと思います。昨年に比べてみんな自由に元気にやっていますし、コミュニケーションや声掛けもできてきているので、その点には満足していますけど、まだ足りていないのでもっとみんなでコミュニケーションを取って、全力を出せるような環境によりしていかなくてはいけないなと思います。(これからの練習について)方向性は間違っていないと思うので、今までできていた部分を継続しつつ、もっと細かい部分や、出てきた課題を解決しながらより高いレベルに持っていけたらと思います。

[G] 福元直人(環3・福大大濠高)

(試合を振り返って)前半は自分たちのバスケができなくて、後半はできたというのが感想で、細かい部分で僕のボールキープだったり、ボールが全く動いていなかったのが前半だったので、その修正が後半できて勝てたのかなと思います。(2Q得点が増えたきっかけは)まあ外のシュートが入っていなかったんですけど、そこは気に留めず常に打ち続けようということと、あとはディフェンスのプレッシャーが全然なかったので、しっかりフルコートで当たっていこうというのを意識しました。(昨年よりドライブが増えたことについて)今年は1番をやっているんですけど、ミスしてしまう場面というのは横の移動ばかりで、縦の移動がないときに、スティールされてしまうというのが多かったです。そのスティールは相手の得点に直結してしまうので、縦にドライブをして自分がアウトナンバーを作れば、外にも中にもさばけるので、その展開を意識して今のプレイをしています。(六大学全体を振り返って)メンバーは固定せずにやってきたんですけど、それぞれの特徴や逆に何がいけないかというのもよく見えたと思うので、電鉄杯や早慶戦に向けていい材料になったかなと思います。(今季の目標は)プレイタイムが今年から増えているので、また上級生になったというのもあって、自覚や責任をプレイで示すというのと、具体的にはフロアバランスだったり、どの選手が調子よくてどの選手が調子悪いからこういうプレイをしようというのを、突き詰めていけたらいいかなと思います。

[F] 大元孝文(環3・洛南高)

(今日の試合を振り返って)明治は新1年生が主体ということで、それでも慶應のやることは変わらなかったので、慶應のバスケをやろうということで取り組みました。(後半の特典面での活躍が印象的だったが、自分の手ごたえはどうだったか)阪口HCからは自分がチームを勝たせるという気持ちで取り組むようにって言われていて、自分がチームをけん引するように意識していたんですけど、やっぱりどうしても無茶をしたシュートが多かったので、メリハリという部分をもっと鍛えないといけないなと思いました。(六大学リーグ全体位の振り返り)確実に、チームとしての完成度も高くなってきていると思いますし、やっぱ今年のチーム控えも含めて全員が同じ力を持っているんで、誰が出ても同じ慶應のバスケットというのを洗練していけば春シーズンでもいい結果が得られるんじゃないかなと思います。(春シーズンへの意気込み)上級生になって春シーズンというのはすごく大事な時期でもあるんで、そういった中で自分のベストパフォーマンスを出し続けるということは簡単なことではないんですけど、ここで満足しちゃいけないと思っているので、さらにレベルの高いところを目指して春シーズンを最高の形で終われるように一日一日の積み重ねを大切にしていきたいと思います。

[C] 黒木亮(環3・延岡学園高)

(試合を振り返って)六大学リーグ戦ということで、1位になれたというのはすごく久しぶりのことなので、とりあえず全勝できてよかったです。でもあくまで今回の試合は1つのステップにすぎないと思ってやっているので、まだ課題も多いなと思います。(リバウンドなどの活躍について)自分の役割がリバウンドとディフェンスで決まっていてそこをしっかりやろうと思っているんですけど、早稲田や明治になると相手の選手が大きくて、今日もリバウンドを取られてしまったりしたのでまだまだだなと思っています。(次の試合に向けて)早慶戦で勝つことがみんなの目標なので、その前の電鉄杯やトーナメントをステップにしていこうというのと、このリーグで見えた課題をつぶしていくことを意識して練習したいと思います。

[G] 西戸良(総2・洛南高)

明治がフルメンバーではない中で、出だしが悪くて、なかなか自分たちのペースが掴むことができなかったので、そういう部分は1部での戦いに向けて反省すべき点が見えたかなと感じました。個人的には、短い時間でもっと自分のすべきプレイを表現できるようにならないといけないなという課題が見つかりました。(オールコートからのスティールが目立ったが)やっぱりベンチで座っていた分、自分も温めなければいけないと思っていたので、ディフェンスから積極的にそしてオフェンスでは狙える時に狙おうという感じでした。(六大学全体を振り返って)シーズン始まったばっかりということで、いろんなメンバーが使われる中で、自分を表現することができた試合とできなかった試合があったので、今後練習で自分の長所を伸ばすことを意識したり、課題であったりというのを、全体練習の中で自分を出せるように、春の目標は早慶戦の勝利なのでそこに向けて頑張っていきたいです。(自分で思う長所は)ディフェンスとスティールだったり、あとは相手の流れになりそうなときにシュートを決めるところですかね。あともう一つ武器にしたいのは3ポイントなので、これから磨いていきたいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました