【ラグビー】新年度特集②青木周大副将×宮澤尚人副将対談

 

青木副将(左)と宮澤副将

青木副将(左)と宮澤副将

蹴球部の新年度特集第2弾は、今季副将を務める青木周大(商4)、宮澤尚人(法4)の二人。チームを率いていく上でお互いのことをどう思っているのか。また、高校時代からともにプレーする彼らならではのエピソードも聞いた。

 

―まずは自己紹介をお願いします

青木:慶應義塾高校出身、商学部4年生の青木周大です。ポジションはPRです。

宮澤:慶應義塾高校出身、法学部法律学科4年の宮澤尚人です。ポジションはSHです。

 

―どのような経緯で副将に選ばれたのですか

青木:まずは同期で候補者をだして、キャプテンから順番に決めていく形で、最後は多数決で決めました。そのあとに監督に相談して最終決定されました。

 

―決定後同期からはどのような言葉をかけられましたか

青木:声をかけられるというよりも、僕らのほうから、「頑張るから自分たちについてきてくれ」とお願いし、それに同期が賛同してくれました。

 

―監督からはどのように言われましたか

宮澤:幹部やリーダーとして上に立つ人は、誰よりも率先して練習に取り組み、チームのために常に体を張るようにと言われました。それは幹部全員が常に意識していきたいことです。

 

―選ばれる予感はありましたか、また選ばれた時の心境はどうでしたか

青木:昨年は試合に出ていた同期が多く、誰が選ばれてもおかしくない状況だったため、正直自分がなるとは思っていませんでしたが、やってみたいとは思っていました。4年生になり、慶應ラグビーに7年間携わってきたため、チームのために何か一つでも残していきたいと思っていましたし、やる気はありました。

宮澤:選ばれたからにはラグビーに取り組む姿勢は、チームの中で一番になれるように頑張っていきたいと思いました。

 

―現時点ではどのような心境ですか

青木:今まで以上に周囲から見られる存在ですし、言動一つをとってもすごく責任が伴うのだなと徐々に自覚してきていて、何かアクションを起こす前に自分の中で一度考えるようにしています。

宮澤:つらい時でも絶対に外に出さないようにと意識しています。ネガティブな言葉や表情は表に出さないように心がけています。

 

力強いプレーでチームを引っ張る青木

力強いプレーでチームを引っ張る青木

―昨年の副将濱田大輝選手(総卒)から引き継いでいきたいことはなんですか

青木:濱田さんは選手一人ひとり、学年やポジションが違うなかで、常に話す相手と同じ目線になって親身に話を聞いてくれていたので、自分もみんなと同じ目線に立って一緒に物事を考えていきたいと思っています。

宮澤:昨年濱田さんがおっしゃっていたことは、家族のような愛のあるチームを作りたいということでした。160人近く部員がいる中で、強豪校に勝つためには組織で戦っていく必要があり、チームの結束が大事だと思うので、みんながフラットで家族のようなチームを作ることを今年も意識したいです。

 

―今年度は、二人の副将がそれぞれFWBKのリーダーを兼任している体制なのですか

宮澤:僕たちの代では、副将とFW、BKリーダーの求められている役割が変わらないという判断のもと、副将がリーダーを兼ねる形になっています。

 

FWはどのように率いて行きたいですか

青木:慶應はBKチームと言われていますが、FWがどれだけ大学日本一のレベルに登れるのかがチームの勝利のための絶対条件であると思います。僕が先頭に立って厳しい空気をつくりながら、大学日本一のFWを目指してみんなと一緒に頑張って行きたいです。

 

BKはどうですか

宮澤:規律のあるディフェンスを継続しながら、今年は点を取れるBKをつくりたいと思っています。去年も秋の公式戦や帝京戦で最後にトライをとっているのはFWだったため、BKでトライをとれるチームを作るために、まずは基礎的なインディヴィジュアルのスキルの強化に取り組んで行きたいです。

 

―お二人は高校時代から一緒にプレーしているそうですが、互いの第一印象は覚えていますか

青木:僕は高校から入ったので、中学からいる宮澤は、生意気な奴だという印象でしたね(笑)。

宮澤:とにかくでかいと思いましたね、でかくて面白いという印象でした。

 

―心に残っているエピソードを教えてください

思い出を語る二人

思い出を語る二人

宮澤: 高校の頃はしょっちゅう喧嘩をしていましたね。高校時代はFWが点を取る形が多く、BKがミスをするとFWから怒られたりして、そこから喧嘩になっていました。

青木:みなさんに特に知って欲しいのは、僕よりも宮澤のほうがご飯を食べるということですね。 

宮澤:二人で焼肉を食べに行くと、同じ量食べるか、僕の方が多く食べます。でも次の日は僕の体重は変わらなくても青木は2キロ増えていたりしますね。

青木:僕は実は少食です(笑)。

 

―お二人で協力していく上で互いのことをどう思っていますか

青木:宮澤は高校の時からリーダーになっていて、引っ張って行く立場の経験が多いため信頼できます。試合中では、僕は熱くなってしまうのですが、宮澤は冷静に判断してチームを引っ張って行ってくれるので、頼りになります。

宮澤:青木は、自分にすごく厳しく、その上で人に物をしっかり言えるところが良いところです。誰よりも体を張ってチームのために動き、言葉でも周りを鼓舞していけるところが、頼もしい存在です。2年生の頃からずっとスタメンで出続けているので、プレーヤーとして引っ張っていけるところも頼りになりますね。

 

―昨季はどのようなシーズンでしたか

青木:去年は宮川(尚之・環卒)さんが引っ張り、濱田さんがバランスをとっていたチームでした。大学ベスト4は達成できたのですが、勝てる試合で負けることが多く、チームとしての安定感はなかったシーズンだったと思います。帝京大や早大は、勝てる試合で勝つべくして勝っているため、そこが強いチームとの差だと感じました。

 

―ご自身についてはどのようなシーズンでしたか

青木:日本一になるために自分はまだまだ足りないなと思ったシーズンでした。自分自身をもっと早い時期から追い込めたと思っていますし、成長する機会もあったのに、少しずつ苦しい局面から逃げてしまった部分があったことをすごく反省しました。今年はラストですし、そういった思いは絶対にしたくないので、今後ラグビーを続けていくかは分かりませんが、プロのチームからもスカウトされるような絶対的な存在になりたいです。

宮澤:昨シーズンは秋の公式戦に一回も出ることができず、チームに何も貢献できなかったと思っています。すごく悔しい思いをした一年だったのですが、下のチームで、ゲームメイクや試合のコントロールについて沢山考えることができました。そういう意味ではプラスになったことも多かったです。

 

―大学ベスト4になったことは今年に生きると思いますか

青木:すごく自信になりましたし、帝京大にどうしたら勝てるのかという、今まで疑問で終わっていた部分が、後はここを埋めたら勝てるという確信に変わりました。リーグ戦ではなく、トーナメントの世界でギリギリの戦いができたことは財産だと思っています。

宮澤:外から見ていても、帝京大に勝てるかもしれないと思える場面がありました。そのようなゲーム展開ができたことは今後プラスになると思いますし、王者の背中が見えたことは大きいと思っています。

 

―国立競技場に足を踏み入れて感じたことはありましたか

青木:国立だから他とは違うということはなかったです。でも、一番嬉しかったのはあの代であの時期までラグビーを続けていたのは日本に4校しかなく、自分たちがそのうちの1校であったということです。普段の練習が当たり前ではなくすごく特別なものだと感じられたことが大きかったですね。

 

宮澤のリーダーシップに期待がかかる

宮澤のリーダーシップに期待がかかる

―昨年から引き継いでいきたいことはなんですか

青木:組織として最も良くないことは、下級生の意見が汲み取られない環境で4年生と監督を中心に運営してしまうことだと思います。昨年は、4年生が率先して下級生の意見を汲み取る場を設けてくれたことがよかったです。風通しのいい組織作りの面は引き継いでいきたいと思っています。しかし昨年は4年生に頼っていたことが多く、キーマンとなる人たちに寄りかかり過ぎていた部分があったので、今年は下級生が、自分たちもチームを引っ張っていけるんだと思えるような環境を作っていきたいです。

宮澤:みんなの意見を尊重できる組織で、雰囲気良く練習することは続けていきながら、さらに上を目指していくためには、質の高い練習をしなければならないと思います。全ての練習で選手一人ひとりと全力でぶつかっていきたいです。

 

―春季はどのような練習をしていきたいですか

青木:目先の勝ちにはこだわらずに、今後の可能性を感じるようなチームを作りたいと思っています。秋には、出ている15人がセットプレー以外では同じような動きができる、状況に応じてすべきことを全員が理解している、といった意思疎通の取れたチームを作りたいと思っています。春はその土台作りをしていきたいです。また、土台作りの質が良ければ良いほど、春自体にも結果が出てくると信じています。

宮澤:去年から一年間取り組んできた、フィジカルの強化と個人の基礎スキル、ファンダメンタルスキルの強化をしていくことに加えて、判断力、ディシジョンメイキングを鍛えることにも力を入れていきたいです。チーム力というよりも個人がどれだけ成長できるかが秋に繋がってくるので、チームで意思の疎通を図りながらも、試合では一人一人がトイメンに勝負していきたいと思っています。

 

―今シーズンの目標を教えてください

宮澤:「打倒帝京、大学日本一」を掲げています。

 

―最後に、Webをご覧の皆様にメッセージをお願いします

青木:チームとしては、慶應のカラーであるひたむきなラグビーで、見ている人に感動を与えられるような試合をしていきたいと思っています。個人としては、自分は背が低いのですが、それでも大学トップレベルでラグビーができるということを証明して、全国の、小さくても頑張っている選手に希望を与えられるようなプレーをしていきたいです。

宮澤:チームとしては、慶大ラグビーの伝統に新しい強みを加えられるようなチームを目指してやっていきたいです。個人としては、ラグビー選手としても、人間としても成長して、そのうえで周りに良い影響を与えられるように頑張っていきます。応援宜しくお願いします。

 

お二人とも、全ての質問に丁寧に答えてくださり、真摯な姿が印象的でした。

ありがとうございました。

 

(取材 長尾里穂)

 

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