【男子ラクロス】高かった日本一の壁 “黄金世代”涙の引退/全日本選手権 FALCONS戦

FALCONS相手に2年前のリベンジを果たすべく臨んだ決勝戦。慶大は開始早々から居塚(政3)のショットで幸先良く先制したものの、その後は攻守ともに圧倒され自分たちのラクロスができない試合展開に。終盤は学生王者の意地を何とか見せたが反撃も及ばなかった。安藤主将(商4)率いるチーム“DEFEAT”は全日本選手権準優勝という結果に終わった。    

 

全日本選手権 vsFALCONS 2014/12/21(日) 11:00F.O. @江戸川区陸上競技場

チーム名

1Q

2Q

3Q

4Q

慶大

1

1

3

3

8

FALCONS

5

4

8

7

24

   

OBも数多く在籍しているFALCONSを迎え撃った決勝戦。1Q開始2分で居塚(政3)のショットが相手ゴールに突き刺さり、慶大が首尾良く先制点を奪う。しかし、ここからFALCONSの攻撃陣が牙をむく。学生にはないパスを受けてから素早く伸びやかに放つショットで慶大ゴールに襲いかかった。立て続けに得点を奪われ4点ビハインド。リーグ戦負けなしの慶大にとっては最初にして最大のピンチだった。

圧倒的な力の差を見せつけられた

圧倒的な力の差を見せつけられた

 

続く2Q。G安藤主将(商4)が身体を張ったナイスセーブで必死にゴールを守り、DF河村(商2)らも懸命に相手をマークすれば、守備陣に刺激されるようにAT脇阪(経4)がこぼれたボールを素早くゴールに決めて追加点。試合の流れをつかみかけたかに見えた。しかしMF伊藤(法4)の必死のクリアもむなしく、またしても相手のショットによるスコア。さらに慶大のミスに上手くつけこまれて点を決められ、7点ビハインドと試合の流れを完全に持っていかれてしまった。

厳しいマークにあいながらも必死にボールを追いかける

厳しいマークにあいながらも必死にボールを追いかける

 

悪循環は止まらない。「オフェンス時間が少なくて圧倒的に攻め込まれていた」(安藤主将)と選手たちが分析するように、3QではMD林(経4)が1得点、木島(経4)が2得点を奪うもその後は手も足も出なかった。運も悪かった。脇阪が放った2本のショットはファールで得点が認められず、加えて守備陣が相手のマークについたため空いてしまったゴールにショットが決まる。既に点差はトリプルスコアとなっていた。

復帰後初得点を決めた田浦

復帰後初得点を決めたAT田浦

 

このままでは終われない4Q。相手ファールのエキストラ中にケガから復帰したAT田浦(経4)が途中出場し、何とショットを決めた。リーグ戦中に負傷した田浦はリハビリを経て前戦からベンチ入りしていたが、得点はこれが復帰後初だった。田浦に鼓舞された学生王者は最後の意地を見せる。AT大西(経4)、高橋(経4)が持ち前のロングショットでゴールを襲い、この試合最多となる計3得点を奪った。しかし反撃もここまで。選手たちは2年前と同じ場所で、同じ相手の試合で、再び無情に鳴り響くホイッスルを聞いた。こうして2014年チームの戦いは、全日本選手権準優勝という形で幕を下ろしたのだった。

 

全日本選手権優秀選手に輝いた木島

全日本選手権優秀選手に輝いたMF木島

100人を超える大所帯である男子ラクロス部。選手全員が“日本一”という目標へ向かって戦うことは決して簡単ではなかったはずだ。現に前回日本一に輝いた翌年である昨季は、リーグ予選敗退という結果に終わった。圧倒的な強さを誇った4年生が抜け、学生王者のプレッシャーに苦しんだ。それでも慶大は復活した。今季はリーグ戦無敗という怒涛の勢いで学生日本一へ登り詰め、社会人相手にも善戦。その快進撃の原動力は、安藤主将はじめ“黄金世代”である4年生のケガと隣り合わせの懸命なプレーと、経験から生まれた重みのある言葉が下級生たちを惹きつけたことだろう。今季のチームは今までになかった10人全員で攻め、10人全員で守るラクロスを武器に、質の高いプレーで相手を圧倒した。だからこそ、1年間意識し練習してきたFALCONSに大差で負けたことは屈辱かもしれない。それでも4年生がチームに残していくものは大きい。練習メニューからすべて学生が作り上げる主体性、一丸となって諦めることなく目標を追う素晴らしさ、酸いも甘いもともに味わった仲間、そして“陸の王者”の誇り―。来季は再び学生王者として、他チームから追われる立場となる慶大。新しいチームは一体どんな戦いを見せてくれるのだろうか。先輩たちが流した涙の先の光景を見るために、選手たちの戦いは続いていく。

日本一の壁がまたしても立ちはだかった

日本一の壁がまたしても立ちはだかった

 

(記事 河合美紀)

※選手コメントは後日掲載致します。

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