【テニス】男子シングルス決勝は慶大対決に。一方、ダブルスは……/関東学生テニストーナメント 6日目

DSC_0091大会6日目となった今日は、シングルスとダブルスで明暗が分かれた。シングルスでは、上杉海斗(環3・清風高)、逸﨑凱人(環2・大阪産業大付属高)が勝利し、決勝は上杉と逸﨑の慶大対決となった。一方、昨日の続きからとなったダブルスでは、準々決勝で逸﨑・畠山成冴(環2・湘南工科大学付属高)組が、準決勝で上杉・平山浩大(環1・京都外大西高)が第2シードの早大、松崎・河野組に敗れ慶大勢が姿を消した。明日は、上杉、逸﨑に加え、女子シングルスの決勝に村瀬早香(環3・京都外大西高)、女子ダブルス準決勝に首藤みさき(環3・城南学園高)・反田茉鈴(環1・城南学園高)が出場する。

関東学生テニストーナメント大会 男子シングルスSF、男子ダブルスQRSF

2016/5/7 @有明テニスの森公園

◇男子シングルスSF

上杉海斗

2{6-1、1-1ret.}0

西脇(明大)

逸崎凱人

2{6-2,6-4}0

大和田(中大)

DSC_0040今日も上杉プレーは圧巻だった。持ち味のフォアを中心に組み立て5ゲームを先取。1ゲームしかキープさせず、ファーストセットを6-1、20分程度でものにする。するとセカンドセット、第2ゲームを上杉がサービスエースでキープしたところで相手が足のケガを訴え棄権。「自分が実力を出し切ることに集中した」上杉が快勝で春関連覇に王手をかけた。

DSC_0068一方、第11シードの逸﨑は、第9シードの中大・大和田と対戦した。要所で「狙うところだけしっかりイメージして振り切ることを意識した」という得意のサーブでサービスエースを奪って試合を優位に進めた。ファーストセット、2つずつブレークを奪い3-2で迎えた第6ゲームで長いデュースからブレークし、逸﨑が三度リードする。続くサービスゲームを正確無比のバックで組み立てキープ。第8ゲームでも逸﨑がブレークし、ファーストセットはリターンゲームで強さを見せ1ゲームもキープさせず奪取した。セカンドセット、「4-1場面で緊張してしまって、自分のミスが増えてしまった」と振り返るように、逸﨑の1ブレークアップの4-1から、ダブルフォルトなどのもったいないミスからブレークバックを許し4-4とされる。さらに第9ゲーム。15-40とまたもブレークのピンチを迎える。しかし、サービスエースなどで合計4回握られたブレークポイントを全てしのぎなんとかキープ。すると続くゲームで、ギアをあげ15-40とマッチポイントにつけると最後は逸﨑のリターンを相手がネットにかけ試合終了。この結果、決勝は連覇を狙う上杉と初優勝を目指す逸﨑の慶大対決となった。

◇男子ダブルスQF、SF

上杉海斗・平山浩大

2{6-3、4-6、10-6}1

吉田・加藤(亜大)

逸﨑凱人・畠山成冴

1{4-6、6-1、8-10}2

松崎・河野(早大)

上杉海斗・平山浩大

0{1-6、3-6}2

松崎・河野(早大)

DSC_0084ダブルスのQFは昨日中断したところからの再開となった。1セットダウンからの試合となった逸﨑・畠山組は、逸﨑がシングルス勝利の勢いそのままに最初のゲームをキープすると第2ゲームで松崎の2回のダブルフォルトなどでブレーク。これでさらに勢いに乗った慶大ペアは6-1で難なくこのセットを奪い返す。スーパータイブレークのファイナルセットは相手のサーブからとなった。お互いサービスキープを続け2-3。ここで畠山のサーブから2人で前に出るもボレーを打ち負けミニブレークを許す。しかし、続く相手のサーブの1本目で畠山がリターンを足元に沈め相手のミスを誘いすぐにバック。しかし、5-5から畠山のボレーがオーバーし再び早大ペアがリードする。そのままリードを許し7-8で迎えた相手のサーブ。風の影響もありダブルフォルトで再びタイに。サービスエースを決められ8-9となり、逸﨑のサーブ。2人で前に出るも相手がうまいロブを決め相手コートに返すのが精いっぱい。そのボールを河野に叩き込まれ万事休す。大接戦となったこの試合であったがあと一歩のところで早大ペアに軍配があがった。

DSC_0101一方、2冠を狙う上杉率いる上杉・平山浩大(環1・京都外大西高)組は、スーパータイブレークのファイナルセットからとなった。相手のサーブからキープを続け2-1。続く相手のサーブで2人で前に出てプレッシャーをかけると相手のロブがアウト、平山の深いリターンで相手のショットが甘くなったところを上杉がボレーで決め2本リードを奪う。平山のサーブ2本もキープし慶大ペアが6-1とリードを広げる。その後も一時は6-4と迫られる場面もあったが安定したプレーで10-6で制し、準決勝に進出した。

迎えた準決勝、相手は先ほど逸﨑・畠山組が敗れた早大ペアだった。しかし、この試合相手の勢いにおされ、慶大ペアはキープするのがやっとだった。1-1の第3ゲームにブレークを許すと、そのまま5ゲームを連取され1-6でファーストセットを奪われてしまう。セカンドセットも第2ゲームで上杉のファーストサーブが入らずブレークを許す。続くゲームでデュースまで持ち込みブレークのチャンスを作ったもののキープされると、その後はキープをするのがやっとでリターンゲームで見せ場を作れず3-6。ストレート負けで3位という形で今大会を終えた。

昨季は3冠を奪った慶大勢。今季も2種目で決勝、女子ダブルスも優勝の可能性を残している。この結果を生んでいるのは出場している選手の力はもちろんだが、応援をはじめとするサポートに回っている部員を含めた〝チーム慶應〟の力によるものであろう。次戦や早慶戦に向けてビデオを撮る1年生やそれを1日中編集する部員、就活の影響も少なからずあったであろう上位進出を逃した4年生も必死に後輩に声援を送っている。部員全員の力をなくして慶大勢の優勝、そして来週に迫った早慶戦での勝利は見えてこない。今季こそ日本一〝奪還〟のために、チーム慶應の総合力が問われている。

(記事:太田悠貴)

 

【試合後・選手コメント】

上杉海斗(環3・清風高)

(シングルス初戦こそあまり良くありませんでしたが、今は絶好調ですね)初戦は緊張もあって、やりにくい相手だったので余計に固くなってしまっていたのですが、それからは相手のことよりも自分が実力を出し切ることに集中していたので、緊張もほぐれて結果に繋がっているのかなと思っています。(ダブルスでは初めて後輩と組みました)はじめはなかなか上手く引っ張ることができなくて不安要素はあったのですが、平山には1年生らしくのびのびとやってくれれば十分ということは伝えていて、僕自身も引っ張るポジションではあるのですがシングルスと同じように自分の実力を出すことに集中することで、結果として平山を引っ張っていければいいと思っていたので、それができているときは良いプレーができました。今日は負けてしまったのですが、優勝する自信はありますし、まだ組んだばかりなので、これからも2人でコミュニケーションを取って今回の反省を生かしていければいいと思っています。(明日は連覇のかかるシングルス決勝戦。相手は同校の逸﨑選手ですが)連覇についてはあまり考えていません。ただ、相手は慶大の後輩でもあり大阪の後輩でもあるので、先輩の意地で優勝を狙うつもりではいます。逸﨑については、思い切りのいいプレーをしていて、彼自身も調子を上げてきてノリにノっているとは思うのですが、それを先輩らしく堂々と受けて立とうじゃないかという姿勢でやっていければなと思います。

逸﨑凱人(環2・大阪産大付属高)

(今日のシングルスを振り返って)相手の球が結構速くて、要所要所でサービスエースを取られてしまいました。勝負所で強いプレーヤーなので押されないように自分も必死だったんですけど、最後の最後で自分を信じてプレーできたことが良かったかなと思います。(勝てば決勝という試合だったが)6-2,4-1の場面で緊張してしまって、自分のミスが増えてしまいましたし、相手の良いプレーもあって4-4にされてしまいました。ただ、そこで自分がサービスエース取れた所が良かったと思います。(サービスエースがよく決まっていたなと感じたが)サーブには自信があるので、振り切りました。狙うところだけしっかりイメージして振り切ることを意識しました。(ダブルスは畠山選手とは二年目になり、また来週早慶戦があるが)しっかりコミュニケーションも取れるようになってきました。ベスト8という結果には満足していないですが、一週間後に早慶戦があるのでしっかり勝てるように頑張りたいと思います。慶大として春関でも良い結果が出ているので、流れに乗って勝ちたいと思っています。(シングルスの決勝へ向けて)思い切って優勝を狙いたいと思います。そんなに意識せずにやりたいと思います。

畠山成冴(環2・湘南工科大学付属高)

(単複ベスト8という結果について)シングルスは過去の実績は上の相手にも勝って勝ち上がれたことは良かったです。これまでより良い結果は出せたんですけど、まだベスト8ですし、単複優勝を狙っていたので悔しいです。ダブルスもベスト8に関しては全く満足していなくて、第2シードとの力の差はなかったと思うので、しっかり反省したいです。(シングルスの勝因は)3月に部内戦や対抗戦をたくさんやって、そこで形を作ることができて自信を持って今大会に臨めたのが良かったと思います。(早慶戦に向けて)何よりも勝つことを意識して、その中でもダブルスだと逸崎と組んだらチームの中心にならなくてはいけないと思っています。シングルスも5セットという長い戦いになるかもしれませんが、最後まで堂々とした戦いを見せたいです。

平山浩大(環1・京都外大西高)

(デビュー戦となった今大会を振り返って)2回戦からで相手は一度試合をしていたことと、ペアが上杉さんということで緊張していました。ですが、コートに入ったら上杉さんが思い切ってできるようにリードしてくれたことで自分も段々と落ち着いてテニスすることができました。3、4回戦はスーパータイブレークまでもつれたが、シンプルに強気で行こうということだけを考えて戦うことができました。プレーも積極的に攻めの選択をして自分たちのテニスで試合をモノにすることができたかなと思います。それは自信になりましたが、さっきの準決勝では、相手が経験のある相手で出だしから圧倒されてしまいました。自分たちも攻めの気持ちを持ってチャレンジしたんですけど、それ以上の迫力で相手に流れで試合を運ばれてしまいました。第2セットに入って、ここまできたらやるしかないという気持ちでコートに立ちましたが、相手に集中して隙のないテニスをされて勝つことができませんでした。ただ、初めての公式戦で準決勝まで行けたことは自信にしたいです。(ペアとしてオーラや雰囲気を出すために足りないことは)恐らく上杉さんと組んで、申し訳なさそうにプレーしているのが相手にも伝わってしまっていると思うので、そこは学年を気にせずに引っ張って行くんだくらいの強い気持ちでコートに立つことが必要だと思います。あとは一年生らしく、思い切りプレーする気持ちを前面に出してやりたいと思います。(自身の魅力、これからの目標は)上杉さんみたいに一発で仕留めるというよりは、しっかりと形を作って相手を崩してネットで決めたり、相手の嫌な所を突いてやっていくのが持ち味だと思います。そこは突き詰めて、さらにレベルアップしたいです。目標はまず王座で優勝して団体戦で日本一になることと個人戦でも優勝できるように頑張りたいです。(早慶戦に向けて)一年生らしく結果もそうですが、思い切りテニスできるように気持ちをこめてやっていきたいと思います。

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