【ソッカー男子】第7節 上位浮上への足掛かりとなる勝ち点3! 順大戦

前節は試合終了間際に痛恨の失点を許し、逆転負けを喫した慶大。この日も23分に先制を許してしまう。しかし、重苦しい雰囲気を田中健太(法3・横浜F・マリノスユース)の目の覚めるような一撃で振り払うと、後半は山本哲平(政4・國學院久我山高)、松木駿之介(総2・青森山田高)にもゴールが生まれる。試合終盤、相手の猛攻に遭うもこの試合再三好守を見せていた上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)を中心に耐えて、試合終了。須田監督が「今シーズン初めて選手たちが本当に思い切って自分たちの力を出してやり切ったというすごく良いゲームだった」と話すなど、上位浮上に向けて重要な勝ち点3となった。

この日の慶大スターティングメンバー

この日の慶大スターティングメンバー

 

2016/05/15(日) 11:30KO@味の素スタジアム西競技場

 

慶應義塾大学3-2順天堂大学

 

【得点者(アシスト者)】

 

〔慶〕37分 田中健太、54分 山本哲平(宮地元貴)、66分 松木駿之介

〔順〕23分 浮田健誠(米田隼也)、79分 旗手怜央

 

◇慶大出場選手

GK上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)

DF手塚朋克(環3・静岡学園高)

DF望月大知(環4・静岡学園高)

DF豊川功治(総4・ジェフ千葉U-18)

DF井上大(総4・國學院久我山高)

MF落合祥也(商1・横浜FCユース)

MF宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)

MF渡辺夏彦(総3・國學院久我山高)→81分 小谷春日(環2・藤枝東高)

MF松木駿之介(総2・青森山田高)

FW田中健太(法3・横浜F・マリノスユース)→83分 池田豊史貴(総3・浅野高校)

FW山本哲平(政4・國學院久我山高)→89分 加瀬澤力(総4・清水東高)

 

日体大にふがいない逆転負けを喫してから1週間。須田監督は「大幅にメンバーを変える」との宣言通り、先発メンバーを変えてきた。ディフェンスラインは右サイドバックに手塚朋克(環3・静岡学園高)を、センターバックには望月大知(環4・静岡学園高)の相方に豊川功治(総4・ジェフ千葉U-18)を起用。中盤では落合祥也(商1・横浜FCユース)が初出場初先発を飾った。渡辺夏彦(総3・國學院久我山高)、田中健太(法3・横浜F・マリノスユース)は久々の先発となった。そして何よりも大きな変化が、キャプテンマークを井上大(総4・國學院久我山高)が託されたことだ。これらの采配が果たして吉と出るか凶と出るか。

副将井上がキャプテンマークを巻いた

副将井上がキャプテンマークを巻いた

 

強い日差しが照り付ける中始まったこの試合。序盤から慶大は順大に攻め込まれてしまう。5分、手塚のクリアが相手にわたってしまいペナルティエリアに侵入される。折り返しからシュートを放たれるがここは豊川がブロックし切り抜けた。8分にも縦パスを通されペナルティエリア内でシュートを放たれるが、これはGK上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)が何とかストップ。すると、流れが徐々に慶大に傾き始める。10分、田中健が右サイドからクロスを入れると、中で山本哲平(政4・國學院久我山高)が合わせに行くが松木駿之介(総2・青森山田高)と重なってしまいシュートは枠を捉えることができない。17分には井上のクロスが山本の目の前にこぼれる。1対1のシーンだったが、山本はシュートを相手GKに当ててしまい、慶大は先制のチャンスを逃してしまう。自分たちの流れの中で得点を奪えずにいると、23分に逆に先制点を与えてしまう。再び縦パスから浮田健誠に強引に中央を突破され失点。25分、29分にも相手にシュートチャンスを作られ、チームに嫌な雰囲気が漂い始める。だが、開幕戦以来の先発に燃える田中健がこの重苦しい雰囲気を吹き飛ばした。37分、手塚が右サイドから中央の山本にクロスを入れると、山本の落としを受けた田中健が左足を豪快に振り抜く。目の覚めるような弾丸シュートがゴール左上に突き刺さり、慶大は同点で前半を終えた。

田中健の強烈なミドルシュートで追いつく

田中健の強烈なミドルシュートで追いつく

 

逆転を目指して後半に臨んだ慶大だったが、後半開始早々の47分、右サイドを崩されてペナルティエリア内で1対1の大ピンチ。ここは相手シュートがポストに当たり、失点を免れた。運も味方につけると、ピンチの後にチャンスあり。54分に待望の逆転ゴールが生まれる。宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)がスローインからダイレクトでクロスを上げると、ペナルティエリア内の山本が反応。見事なボレーシュートがゴールネットに吸い込まれ、慶大が試合をひっくり返した。2トップのゴールに発奮したのか、66分には松木が魅せる。左コーナーフラッグ付近でのスローインから狭いスペースをドリブルで突破し、最後は相手GKとの駆け引きを制しゴールゲット。

松木のドリブル突破から追加点

松木のドリブル突破から追加点

リードを2点に広げた慶大だったが、ここから徐々に「集中力が切れて」(手塚)しまい、順大の猛攻を受ける。75分にはペナルティエリア手前からミドルシュートを放たれるも上田が横っ飛びでセーブ。何とか耐えていた慶大だったが、79分にまたしても中央に簡単に縦パスを入れさせてしまい、最後は旗手怜央に決められ1点差に詰め寄られる。その後もミスからピンチを招くが、上田を中心に耐えて同点ゴールは許さず。1点差を守り切った慶大が3勝目を挙げた。

 

田中、山本、松木と決めるべき選手にゴールが生まれ、チーム状態は確実に上向いている。ベンチにも好調の加瀬澤力(総4・清水東高)をはじめ虎視眈々と出場機会を窺う選手たちが控え、前線のポジション争いは激しさを増すなど好循環が生じ始めた。一方で、この日再三縦パスを入れさせるなど寄せの甘さが目立った守備面はまだまだ改善が必要であり、メンバーも最適解を探している最中といったところか。上位浮上のためにも、そして月末の早慶戦に弾みをつけるためにも「もっと突き詰め」(井上)て、次節こそは今季初の連勝を成し遂げたい。

 

(記事 小林将平)

 

試合後コメント

 

須田芳正監督

(今日の試合を振り返って)今シーズン初めて選手たちが本当に思い切って自分たちの力を出してやり切ったというすごく良いゲームだったと思います。(井上選手にキャプテンマークを託した理由は)宮地が肩にあまりにも力が入りすぎていて、それがみんなに移っちゃっていてちょっと重たい雰囲気になっていたので、思い切って「ちょっと休みなさい」と。「自分のプレーに集中しなさい」ということで、副将の井上に託しました。(その井上選手の今日のキャプテンとしてのプレーは)まあ変わらず、もう本当に自然体で自分のプレーができたんじゃないかなと思います。(前線の決めるべき選手たちがしっかりと決めたのは大きかったのでは)そうですね、もう本当に迷いなく自分たちのサッカーをシンプルにやっていこうということだったので、まさにそれがハマったんでね。迷いがないと前の選手というのは本当に思い切ったプレーができるんでね。それが今日の得点に繋がったんじゃないかなと思います。(上田選手が好セーブを連発していたが)もう本当に思い切りが良いよね、彼はね。本当に失敗を恐れないでトライする、それがすごく今日の良いパフォーマンスに繋がったんじゃないかなと思います。(まだ攻守においてミスが多いと思うが、次の試合に向けた課題は)常に我々のポイントとしてはセカンドボールを拾うこと。拾ってしっかりとパスコースを作ってロストしないこと。そこをポイントにチームとして挙げているんで、そこをもうちょっとね、反省してトレーニングしていきたいなと思います。

 

井上大(総4・國學院久我山高)副将(ゲームキャプテン)

 (今日の試合を振り返って)今日は結果が全てだったので、まずは勝てて良かったです。ただ、あの失点シーンとか、もうちょっとこだわれば点を取れる自信もあったので、まだまだ課題が多いなという印象です。(今日はキャプテンマークを巻いて試合に臨んだが何か意識したことは)特には無くて、自分は高校時代もキャプテンでしたしジュニアユースのときもキャプテンだったので、そういうのを巻いて試合に出ることに違和感はなかったです。特に声を出したりとかチームをまとめることを考えるんじゃなくて、自分のやるべきことをやろうと思っていました。(攻守にミスが多かったが課題は)奪った後にボールを大切にすることだったり、守備の1対1の局面でもう少し寄せることだったり、サッカーの基本的な部分がまだまだ疎かだと思います。今日は気持ちで上回ったから勝てましたけど、もう少し強い相手になったらそういうところを突かれてしまうので、細かいところはもっと突き詰めないといけないと思います。(次節に向けて)この結果に一喜一憂するのではなくて、1週間でもっともっと積み重ねられるものがあると思います。なのでそういうところをもっと詰めて、次の試合のためにしっかり準備してさらに良い状態で来週臨みたいと思います。

 

宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)主将

 (今日の試合を振り返って)前節負けてチームの流れが良くない中で、勝てたことが一番大きいと思います。(ゲームキャプテンが井上選手に変わったことによる変化は)監督の判断なので、僕は自分の置かれている立場で全力で戦おうと思っていました。(最初に1失点してからの気持ちは)失点しないようにという意識はみんな持っていたと思いますが、失点したから試合が終わりではないし、負けたわけではないので、すぐに切り替えて自分たちのサッカーに集中していました。(前の選手が得点したことは収穫では)前線の選手が点を取ってくれるとチームが活気付くと思います。(次節に向けて)ここで一喜一憂せずに、また明日から良い準備をしていきたいと思います。

 

松木駿之介(総2・青森山田高)

 (今日の試合を振り返って)最後失点して1点差に詰められて、本当に最後の最後まで厳しい戦いでしたが、本当にベンチメンバーとスタンドが一体となって、ピッチの中に出ている選手が最後まで戦うことができて、守り切れたことは大きかったです。(マークが厳しい中で決めたゴールについて)運も良いゴールでしたけど、あの1点で最後逃げ切れたということで、点を取れたことにホッとはしています。(次節に向けて)今リーグは混戦しているので、やっぱり連勝することで、もっと面白いリーグにできると思うし、僕たちの目標はあくまで優勝なので、まだ残りありますが最後まで食らい付いていきたいと思います。個人的には、今日の試合で前線のFW2枚が点を取って、右サイドハーフの渡辺くんも右サイドバックの手塚くんも良かったですし、来週からはおそらく今怪我をしている溝渕(雄志、環4・流通経済大学付属柏高)くんも帰ってくると思うので、ポジション争いがもっと激しくなると思うので、試合に出続けることとチームのために戦うことを徹底してやっていきたいと思います。

 

落合祥也(商1・横浜FCユース)

 (今日の試合を振り返って)なかなか勝てていない状況で今日の試合で負ければ優勝が遠のくので結果にこだわってやりました。(初スタメンに選ばれた気持ちは)正直嬉しかったです。(どういう気持ちで臨んだか)初スタメンで緊張していましたがひたむきに、がむしゃらにやるっていうことを心がけました。(試合をやって自分の中で良かった点、悪かった点について)良かった点は、ディフェンスとかで体を張れたところです。悪かった点は、オフェンスの面で取ったボールを次につなげることができなかったりとオフェンスがだめだったところです。(次節に向けて)今年は勝った後の試合負けていて(連勝するために)次が大事だから1週間気を引き締めて練習して、来週も勝って連勝したいです。

 

山本哲平(政4・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)まずはチームとして勝てたという事、もう一つは個人として点が取れた事が良かったです。(前節からフォーメーションやメンバーが変わった中でどのような戦い方を目指していたのか)まずは守備から入るということで、4-4-2の後ろ2列がしっかりと守備ブロックを形成して、ゴールに直結するような危険なパスを入れさせないように中をしっかり締めるということをこの1週間やってきました。(前節の惜敗から反省して改善できたところは)一番は試合の雰囲気の部分だと思います。前節はゆるい雰囲気の試合をしてしまいあのような結果になってしまって、そこは監督にも言われてしまったところなので、今日はピッチの中でも選手同士でしっかりと良い雰囲気を作るようにしていました。(自身の得点シーンについて)クロスが入ってきたときに同じ列に(田中)健太がいて、もう自分の中ではファーサイドにシュートを打つイメージができていたので、「スルー」と言ったら健太がスルーしてくれてイメージ通りの得点でした。(シュートの場面ではゴールを見ていなかったように見えたが)あれはもう感覚ですね。ペナルティーラインとかを見て大体のゴールの位置は分かっていたので、あとはファーサイドに感覚で打ちました。(今日は2トップだったが、田中健太選手との連携は上手く行ったか)1点目も手塚のクロスを自分が落として健太が点を決めたし、プレーの中でもお互いが上手く動けていたので、今日は相手のDFも簡単には守れなかったと思います。(終盤3-2とされてからの戦い方は)基本的には1点を守りきるということをしていました。やっぱり今週は守備の部分をしっかりとやってきたので、しっかりブロックを作ってそこからカウンターで相手の嫌なところにロングボールを蹴って、あとは上手く時間を使いながら試合を進められました。(自身の調子は)今日はプレーしていても楽しかったし今後もこの様な試合をしたいです。(次節に向けて)国士大という事で、自分達より下の順位にいるチームなので絶対に負けは許されないし、絶対に勝てるように、個人としてはまた得点できるように頑張りたいです。

 

上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)

(今日の試合を振り返って)連敗できないので、とりあえず勝てて良かったです。(接戦でしたが)失点が多いことが今の課題なので、接戦になってしまったことを次の試合で活かして直せればいいと思います。(今日も上田選手のセーブでチームを救う場面が多かった)失点が多い中で、止めなければいけないというのは自分としても思っていますし、それがチームの中での僕の役割だと思うので、止められたのは良かったなと思います。(1年生ながら多くの試合に出場している同期について)本当に皆頑張っていますし、上手い選手も多いです。試合になったら学年は関係ないですけど、一緒に頑張っていきたいと思います。(次節に向けて)今僕らは連勝が出来ていないので、次は連勝できるように1週間準備していきたいと思います。

 

渡辺夏彦(総3・國學院久我山高)

 (今日の試合を振り返って)順大相手にある程度自分たちのサッカーをして、しっかり勝つことが出来たのではないかなと思います。(久々のスタメン出場でした)チームに貢献出来ていない中でもらったチャンスで、自分自身ももちろんアピールするけど、まずは絶対にここで勝って、チームに勢いをつけるというところを1番に考えてやりました。(右SBに手塚選手が入ったが、右サイドの連携面については)本当に1番やりやすいというか、普段から仲が良くて、プレー中も自然と合いますし、練習から今週1週間相当連携は良かったです。今日も前半から手塚が上がるシーンが多くて、オフサイドになりはしましたけど連携は良かったシーンもあって、すごい楽しかったです。(この勝利はチーム状況的にも大きいと思うが)確かにすごく大きいのですが、3節と5節と勝っているのに、連勝がなくて、毎試合毎試合大事なのは当たり前ですけど、今日勝って嫌なムードを変えて、来週とにかく勝つということが特に大事だと思うので、切り替えて来週にまた全てを懸ける思いでやっていきたいと思います。

 

手塚朋克(環3・静岡学園高)

 (今日の試合を振り返って)まず個人的には、サイドバックだったのと、マッチアップ相手が高校の同期だったので、すごく気持ちが入ってプレーできました。まずは自分の特長を出さなければ相手に勝ることはできないと思っていたので、自分の特長である攻撃を意識してプレーしました。(前節の屈辱的な敗戦を受けて、一週間どのように準備をしてきたか)まずは、細かいところだったり、球際の部分だったり、後はどう守備をするのか、どう攻撃をするのかという意識統一を全員で出来たので、それが今回の結果に繋がったと思います。(溝渕選手不在の中、右サイドバックを任されたが)元々、慶大に入った時右サイドバックだったので、感覚はかなり残っていました。自分は攻撃的なサイドバックなので、まずはそこを意識して得点に繋げられればいいと思っていました。僕はいつも「攻撃は最大の防御」と口で言っているのですが、それが十分に出来たと思います。(後半、ピンチも多かったが、ディフェンスの安定感を欠いた原因は)最後の最後で集中力が切れて、ディフェンスの統一や中に絞る動きが出来なかったり、プレスばっかりになったり、セカンドボールが拾えなかったり、そういった細かいところから崩れてしまいました。最後まで集中を切らさないことが非常に大事だということを感じました。(次節に向けて)まずは一週間しっかりと準備すること。また自分の特長を思い切って出せるように、自信を持てるように、トレーニングしていきたいと思います。

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