【フィギュアスケート】本シーズンを前に、それぞれが課題見つける 関東学生フリースケーティング選手権

第1部団体女子で表彰された

第1部団体女子3位で表彰を受けた

 

 

6月18日、東大和スケートセンターにて、第44回関東学生フリースケーティング選手権大会が開催された。慶大からは15名の選手が出場。秋から始まる本格シーズンに向けてそれぞれが課題を見つける結果となった。

 

 

 

 

1級女子には5名の選手が出場した

1級女子には5名の選手が出場した

第44回関東学生フリースケーティング選手権大会

6月18日 @東大和スケートセンター

 

 

 

 

 

 

 

クラス

選手名

得点

順位

1級女子

蓮田柚香(法2)

12.54点

3位

 

岡安萌(理1)

11.97点

5位

 

新谷彩夏(総4)

11.06点

7位

 

中村理沙(理3)

9.76点

15位

 

板倉明子(商4)

9.58点

16位

2級男子

竹居峻治(法2)

19.13点

2位

2級女子

中村優里(理1)

19.16点

3位

3,4級男子

富田雄登(商4)

39.90点

3位

3,4級女子

棟尾観月(文3)

38.23点

優勝

5,6級男子

橋本將太(政2)

23.08点

4位

5,6級女子

佐々木花音(文1)

22.38点

26位

7,8級男子

小曽根孝浩(環4)

44.62点

8位

7,8級女子

庄司理紗(総2)

37.39点

6位

 

鈴木美桜(法3)

31.96点

14位

 

鈴木星佳(総1)

30.50点

16位

第1部団体男子

  

5位

第1部団体女子

  

3位

第2部団体男子

  

2位

第2部団体女子

  

3位

 

 

ラストイヤーとなる富田

ラストイヤーとなる富田

慶大のトップバッターとしてまず、5,6級女子に佐々木花音(文1)が部員の大きな声援を受けて登場した。今までやったことがなかったきれいな曲に挑戦。「たくさんミスをしてしまった」と振り返るように、ジャンプが振るわなかったが、見所であるというステップではリンクを大きく舞った。26位という悔しい結果に終わってしまったが、慶大のルーキーとして今後の活躍に目が離せない。
続いて、3,4級男子に富田雄登(商4)が登場。「グッドラック」のテーマ曲である「Departure」で最後のシーズンに臨む。十分に練習時間を取れないまま、大会を迎えたというが、2回転フリップにも果敢に挑んだ。最後は敬礼のポーズで終わるのが印象的だ。今回は「悔しさしかない」と語ったが、まずは東インカレで悔いのない演技を披露してほしい。目標であるというBクラス男子での出場にも期待だ。

 

 

5,6級男子で初めての出場となった橋本

5,6級男子で初めての出場となった橋本

 

5,6級男子に登場したのはバレンタインカップ後に5級を取得した橋本將太(政2)。初めてのショートプログラム、初めての5,6級での出場となった今大会。プログラムは現在フリーで使っている「斬鉄剣」を短くして急きょ作ったものだという。転倒はしてしまったものの、3回転ジャンプに挑戦し、5,6級男子の中でも戦う力を十分に持っていることをうかがわせた。しかし、スピンでは「まだまだ足りない部分が多い」と振り返る。結果は4位と表彰台には惜しくも届かなかった。今大会を通じて見つけたスピンの課題を克服し、ステップアップした姿を見せてほしい。

 

 

 

演技終了後、笑顔を見せた庄司

演技終了後、笑顔を見せた庄司

7,8級女子には鈴木星佳(総1)、鈴木美桜(法3)、庄司理紗(総2)の3名が出場した。鈴木星佳の新プログラムは「塔の上のラプンツェル」。拠点としているリンクの改修工事により、思うように練習時間が取れない中、演技に臨んだ。ジャンプでは十分に力を発揮できなかったが、スピードに乗ったステップで観客を惹き付けた。大好きだというラプンツェルの世界観を「自分の演技」で作り上げていってほしい。鈴木美桜も新プログラムの「ラ・マンチャの男」を披露した。演技前に音楽がかからないというトラブルがあったものの、その影響はなかったと言う。冒頭の3回転トウループで転倒してしまうと、その後のジャンプも回転が抜け、ミスが続く。「自分に自信がなかったのがそのまま演技に出てしまった」と振り返る。演技終了後には、悔しい表情を見せた鈴木。また自信を取り戻し、「どん底」から這い上がってリンクで笑顔を咲かせてくれる日が待ち遠しい。続いて庄司が登場した。今年はフリップを構成に入れて挑む。その3回転フリップは緊張もあってか、転倒してしまったが、終盤の2回転アクセルはきれいに成功させた。美しく、滑らかなスケーティングでリンクを舞い、演技終了後には笑顔を見せた。結果は6位。慶大から出場した7,8級女子では唯一の入賞となった。

 

 

会場を盛り上げた小曽根

会場を盛り上げた小曽根

7,8級男子には小曽根孝浩(環4)が出場。プログラムは2年前のシーズンに使っていた「Rise」。曲が始まると会場からは大きな歓声と手拍子が湧き、この日一番の盛り上がりを見せた。冒頭では昨シーズンに引き続き、3回転フリップに挑戦するも、転倒してしまう。その後のコンビネーションジャンプや2回転アクセルは着氷させるが、自身では「50点くらいのジャンプ」だったと振り返る。スピンやキレのあるステップでは観客やジャッジにしっかりとアピールした。最終的な順位は8位。昨年果たせなかった全日本選手権の出場権の獲得に向けて、「具体的な目標と練習計画」でさらに完成されたプログラムを見せてくれることに期待したい。

 

 

 

 

3,4級女子で優勝を果たした棟尾

3,4級女子で優勝を果たした棟尾

3,4級女子には棟尾観月(文3)が出場。プログラムはエキゾチックな振りが見所であるという「Miss Saigon」。今年4月にはシンクロ競技で世界選手権にも出場し、基礎的なスケーティング力が底上げされたと語る棟尾。ジャンプが思うように決まらなかったが、そのスケーティング力や表現力が評価され、見事優勝をつかんだ。

 

様々な級から選手が出場した今大会。多くの選手にとっては悔しい結果となってしまったが、この悔しさを糧に、秋には一皮むけた姿を見せてくれるだろう。

 

(記事 西村夏菜 写真 清野日奈子、伊藤史織)

 

 

◇以下、選手コメント

 

淡いピンクの衣装で登場した佐々木

淡いピンクの衣装で登場した佐々木

佐々木花音(文1)

(慶大生として出場するのは四大戦に引き続き2回目。試合の雰囲気は)慶應は他の大学よりも声援が大きいので、すごく力になります。(今回のプログラムの選曲と見所は)今回の選曲は今まであまりきれいな曲をやったことがなかったので、きれいな曲をやりたいなと思って選びました。見所は体を大きく使うステップです。(今日の演技を振り返って)個人的にはたくさんミスをしてしまったのでそれを次の大会に活かせるように頑張りたいと思います。(今後修正していきたい点と目標は)今後は練習でできたことを試合でできるように精神力を強く持ちたいなというのとダブルアクセルを降りられるように頑張りたいです。

 

 

 

富田雄登(商4)

(今回のプログラムの選曲と込められている思いは)最後のシーズンになるので自分の好きな曲ということで、「グッドラック」のテーマ曲になっている曲を使ってやりたいと思うようになりました。飛び立ちや出発など新たなステップに踏み出す気持ちを込めています。(今日の演技を振り返って)少し言い訳にはなってしまうのですが、就職活動もあって十分に練習時間が取れなかったのもあって、悔しさしかないです。しかし、今回フリップもアテンションがついてしまった状態ではありますが、ダブルフリップという判定をもらったので少しレベルアップには近づけているのではないかなと思います。次の東インカレでしっかり調整したいと思います。(最後の年はどのような年にしたいか)やはり悔いのない演技で終えたいと思っているので最後は全力で練習して全力で試合に臨みたいと思います。(今後に向けて)東インカレまで少し間が空くのですが、その間にしっかりと練習を積み重ねたいです。目標としてはBクラス男子で出たいと思っているので、それまでに級を上げて頑張りたいと思います。

 

橋本將太(政2)

(どのような練習をしてきたか)今日のショートプログラムというのは急遽決まった事で、曲も今のフリーの曲を短くして作りました。初めてのショートでの大会というのと今まで3,4級で出ていたのですが、5,6級に上がって上の人たちと戦うというのが初めてだったので臨むところがありました。ジャンプも決まっていて、トリプルをやらなければならなかったり、スピンも苦手なスピンがあって、それを取りこぼさないように練習してきました。(5級を取得後、実際に試合に出場して意識の変化はあったか)今日出て思ったのは、まだまだ足りない部分は多いなということです。ジャンプはまだ十分とは言えないのですが、5,6級の中でそれなりのレベルはあるのかなと思っています。スピンはまだ全然他の人たちに比べて足りない部分が多いのでそこを頑張っていきたいと思います。(今後に向けて)次の東インカレのときはフリーがあると思うので、そのときは構成は決まっていないのですが、今の曲も長くなる分だけ魅せられる部分が多くなってくると思います。そこを意識しつつも、技も全部決められるように頑張っていきたいと思います。

 

楽しく滑ることができたという鈴木星佳

楽しく滑ることができたという鈴木星佳

鈴木星佳(総1)

(練習の調子は)調子は悪くなかったと思います。(どのような練習をしてきたか)新横浜のスケートリンクが改修工事で滑ることができず、時間帯なども不規則になったり、練習時間も確保できなかったりしたのですが、練習前に何をするか、これだけはやるぞ、としっかり決めて、一回一回の練習を大切にしようと思って練習していました。(今日の演技を振り返って)やはりジャンプが決まらなかったことは悔しいです。集中できていなかったのかはわからないですが、気がついたときには失敗していて、練習がそのまま出てしまったのだと思います。(今後修正していきたい点は)ジャンプの精度を上げることはもちろんですし、スピンが結構レベルを落としていたので、ジャンプで失敗してしまったとしても、上に行くためにはスピンやステップで失敗しないことだと思います。今後はスピンやステップを固めることと、ジャンプの精度を上げることをしていきたいと思います。まあ、全部です。(今日の演技で良かったことは)新しい曲にしてからすぐなのですが、私はラプンツェルが大好きで、それを考えながら楽しく滑ることができたのでそれは良かったかなと思います。(今後に向けて)自分の演技ができるように、終わった後に練習を頑張ってきて良かった、と思える演技ができるように、毎日の練習を頑張りたいです。

 

 

新プログラムを披露した鈴木美桜

新プログラムを披露した鈴木美桜

鈴木美桜(法3)

(拠点とされているリンクが使えない中で、どのような練習をしてきたか)4月末から使えなくなって、朝は横浜銀行アイスアリーナで滑っているのですが、大勢の人が一緒に滑ったり、時間帯が早朝だったりして自分の生活のリズムを作るのが難しかったです。夜は東伏見の貸し切りにお邪魔させていただいていたのですが、周りが上手い人たちの中で一緒に練習できるという環境はすごく自分にとって良い刺激になっていました。しかし、今回の試合で良い演技ができなかったのはリンクがないからというのは全然言い訳にならなくて。本当は夏に向けて滑りこみをしていきたいところなのですが、それができないのでやはりオフアイスの時間を使ってもっと筋トレなどをしていきたいなと思っています。(新プログラムの曲名と見所は)曲は「ラ・マンチャの男」という曲で、今回は私のコーチがおすすめして下さって、使うことになりました。私は曲調をすごく気に入って使うことにしたのですが、一番見てほしいのは最後のステップのところです。(名前を呼ばれて音楽がすぐにかからなかったが、演技に影響はあったか)それは全く関係がなくて、今日の結果は自分に自信がなかったのがそのまま演技に出てしまったなと思います。(今日の演技を振り返って)昨シーズン最後の試合だった国体が終わって少し気が抜けてしまっていて、上手く試合に向かう気持ちをリリーカップ、四大戦、今回の試合それぞれで作れなかったのがすごく悔しいです。自分のジャンプというものに絶対的な自信がなかったというのは今回の課題でもあって、シーズンに向けてこれから何をやらなければいけないのか、何が足りないのかというのを今回の試合で見つけられたと思うので、ここが一番どん底だと思ってこれからシーズンに向けて頑張っていきたいと思います。(今後に向けて)今回の試合も大事なのですが、秋の全日本につながる試合が私にとって一番大事な試合なので、こんなに失敗したのがこの試合で良かったと、この試合の反省点を活かしてシーズンにつなげられるようにこれから頑張っていきます。

 

庄司理紗(総2)

(今日までのコンディションは)今はホームリンクがなくて、いろいろなリンクを転々としている状況で、あまり練習時間が取れていなかったのですが、その中でも調子は上がってきていたので、それだけに今日の出来は悔しいです。(どのような練習をしてきたか)今年はフリップを入れることになって、普通に単発で跳ぶのはできるのですが、曲で入れるとやはり緊張してしまったり、力んでしまったりして、失敗が多かったので、曲を入れて跳ぶ練習を多くやるようにはしていました。(今日の演技を振り返って)今日は久しぶりにものすごく緊張して、いつになく緊張してしまって。体が思うように動かなかったのと、頭で考えて跳ぼうとしてしまったので、そこがやはり試合でできなかった原因かなと思います。(今後修正していきたい点は)もっと練習での確率を上げて、自信を持って本番に臨めるように練習していきたいです。

 

小曽根孝浩(環4)

(どのような練習をしてきたか)ショートプログラムになって、2年前のシーズンに使っていた曲に戻したので、まず振付を思い出すことからひたすら練習しました。昨シーズンもショートプログラムでフリップを入れたのですが、結局昨シーズンはサルコウとトウループの2種類にしました。4年生になってこの時期だからこそ挑戦するということでフリップを入れて、フリップの練習もたくさんしてきました。(今日の演技を振り返って)冒頭のフリップは足が乗り切れていない状態で踏み切ったので、ちょっと危険な状態で転んでしまいました。それ以外は完璧ではないですが、トウループもアクセルも50点くらいのジャンプだったかなと思います。もう少し良いジャンプが跳べたかなという後悔はありますね。(演技中、会場が盛り上がっていたが)楽しかったです。(今後に向けて)次の試合は夏になると思うのですが、それまでに全日本選手権の出場を目標にした練習をしっかりやっていかないといけないなと思います。具体的な目標や練習計画をしていって頑張っていきたいなと思います。

 

棟尾観月(文3)

(今回のプログラムの選曲と見所は)選曲は「エデンの東」と「ミスサイゴン」で迷っていて、先生や友達に聞いて、私に合っている方ということで「ミスサイゴン」にしました。見所としては、民族的な音楽なのでエキゾチックな振りがたくさん入っているところです。(シンクロ競技で培ったことで活かされていることは)エッジの深さやエッジワークの正確さなどの細かいところの基礎的なスケーティング力が底上げされたのでシングルのときにもそれが応用できているかなと思います。(3,4級女子で優勝という結果を受けて)最近C女のレベルが上がってきていて、周りがすごくダブルを上手く跳んでいるので全然ダメだろうなと思っていました。自分の演技でもダブルを一個しか跳んでいなくて、結構失敗してしまったのに今回優勝という結果で、結果としては嬉しい反面、自分の中ではまだ納得のいく演技ができていなくてジャンプやスピンなどのエレメンツで課題が残っているなと感じています。(今後の目標は)ジャンプやスピンなどで失敗しても、その調子に左右されずに点数が常に変わらないようにするためにはスケーティング力や表現力などファイブコンポーネンツの部分を安定して取ることが大切だと思っているので今回はその点に関しては、評価されたのかなと思っています。しかし、これからインカレに向けて上位に食い込むためにはファイブコンポーネンツだけでなく、スピンやジャンプなどの要素を確実に本番でもこなせるようにすることが目標です。

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