【ソッカー男子】早慶戦企画第17弾!須田芳正監督インタビュー

ついに明日早慶定期戦が開催される。早慶戦企画最後を飾るのは冷静に戦況を見つめ、時には熱い言葉で選手を鼓舞する須田芳正監督。「須田さんに出会えた事は自分の中で人生の財産」と宮地主将(総4・東京ヴェルディユース)が語るように、選手からの信頼も厚い。そんな監督にリーグ戦の振り返り、定期戦への意気込みをお聞きした。DSC_5610

――前期リーグ戦をどのように振り返りますか

不満だね。結果としては不満だね。

 

――開幕数試合はあまり良いゲームができませんでしたが、理由はどこにあると思いますか

一つはチームが一つになれなかったこと。そこが一番だね。まあ言い訳になっちゃうけど、全日本選抜で4人の選手がいて、それは光栄なことで、素晴らしいことなんだけど、「帰ってくればなんとかなるだろう。彼らが来て1週間やればチームは戦術理解も含めてなんとかなるだろう」と思っていたんだけど、甘くないね。チーム作りはそんなに甘くない。去年までは明治大がそういう経験をしてる。ある意味そういうチームになったのかなというのが一つと、こっちの認識の甘さというか、チーム作りを甘く考えていて、チームが一つになれなかった。そういった理由で調子が上がらなかった。

 

――順天堂大学戦からゲームキャプテンを井上大副将(総4・國學院久我山高)に変更しましたが、その理由や狙いを教えて下さい

元貴(宮地)がチームのことについてあまりにも責任を感じすぎていて、他の選手たちに伝染してバラバラになっちゃったというか、みんなに力が入りすぎて全てのことがスムーズにいかなくなっていた。まあ元貴にちょっと休んで、自分のプレーに集中してくれと肩の力を抜いてくれよということで、彼に代えて大(井上)としました。代えてというか今は休養だね。それ以降はチームがリラックスできる形になって結果も出てきたと思います。

 

――4年生は下級生からも「責任感が強い」ということを聞きますが、監督もそう思いますか

そうだね。責任感は必要で大切なことなんだけれども、あまりにも抱えすぎて、固くなっちゃって、そしてほかの選手に伝染して肩に力が入りすぎて、自分のプレーができなくなってた。チーム自体も固くなって、いい意味での責任感だったらいいけど、暗くなってしまう空気があったね。

 

――開幕前から注目度が高かった宮地選手について

最初CBでやっていて、ボランチに今はしているんだけど、今のチーム状況だとボランチの方がいいね。中盤でのディフェンスのところ、思い切って潰してくれるので。最終ラインだと彼は足が速いわけではないので、裏に抜けられると失点に繋がるから。逆に中盤だと裏のことは気にしないで、前に対してドンといけるわけで。空中戦も彼のところで壁になってくれるのでそういった意味では中盤の選手としての能力を発揮してる。中盤になってからチームの成績も良くなったし、また攻撃に関してもシンプルにボールをさばけるので、上手くコントロールできてるんじゃないかなと思います。

 

IMG_5097――リーグ戦で印象に残っている試合を教えて下さい

早稲田戦だね。久しぶりの勝利と内容も我々が今目指しているサッカーができたんじゃないかなと思っている。特にボールを持っているときの距離感が非常に良かった。相手のプレッシャーに対して、あの距離感で主体的にボールを回せば逆に相手のプレッシャーが楽に感じる。あのゲームが前期のベストゲームだったと思います。

 

――これまでの早慶戦とは違う印象をうけましたが

早稲田戦以外でも基本的にはボールを大事に長短のパスを使い分けながら、ゴールを目指すというサッカーを心掛けてその中でもちろんカウンターも狙うし、あとはどれだけチームとしてゲームをコントロールするか。そこがポイントとなると思う。

 

――リーグ戦で特に活躍した選手を挙げてください

1年生の上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)は全試合に出たし、その中で失敗を恐れずにチャレンジをした。失点は多いんだけど、チャレンジしたということはすごくいい経験になってるし、ああいう選手は成長するんじゃないかな。

 

――須田監督が開幕前の取材で選手に海外の良いサッカーを観てもらって「サッカー脳」を鍛えてもらうと仰っていましたがその効果はありますか

みんな観てるよ。今はユーロ2016もあってるからみんな意識的に観るようになったんだけど、その効果がすぐに出るわけじゃない。何試合も観ることによって徐々にサッカー脳が鍛えられると思うので継続して観てもらうことが大切だと思います。

 

――早慶定期戦についてですが、定期戦はどのようなものだと思いますか

プライドをかけた戦いです。ここ4年間勝利が無い。今年はなんとしてでも勝利を目指す。そう思っています。

 

――リーグ戦での早慶戦の再現といきたいところですね

定期戦は強いとか弱いとか関係ないから。リーグ戦とは全く違う雰囲気だね。プライドだけなんだよ。母校と母校のプライドをかけて学生たちが本気で戦う一発勝負だから。気持ちだとか球際も激しくいくところをベースに、あとはお互いのサッカーを披露する場だから100%、120%の力を出していきたい。もちろん気持ちの部分は全面的に出すんだけど、サッカーのところは冷静に、我々がずっと毎日トレーニングしてきたことを出せればいいと思う。小泉信三先生が言う“Be a  hard fighter and a good loser. ”まさにそれが早慶戦には合うんじゃないかなと思う。僕らはgood loserじゃなくて“good winner”になる。真の勝者になる。その言葉を学生たちにも話して我々が真の勝者になりたいと思います。

ありがとうございました!IMG_5166

(取材 吉田遼平)

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