【ソッカー男子】天皇杯予選学生系の部[Bブロック]準決勝 後半に3失点を喫し屈辱の早慶戦3連敗 早大戦

早くも今季4度目となった宿敵・早大との対戦。慶大は13分に山本哲平(4・國學院久我山高)のゴールで先制するも、後半開始直後に同点に追いつかれてしまう。勝ち越し点を奪うべく、今季から慶大に復帰した近藤貫太(総1・愛媛FC)を中心に攻め立てる。しかし72分、78分と連続して失点。その後1点を返すも反撃及ばず。アミノバイタル杯、早慶定期戦、そしてこの試合と、屈辱の早慶戦3連敗を喫した。

田野がゴールマウスを守る

田野がゴールマウスを守る

 

21回東京都サッカートーナメント(天皇杯予選) 学生系の部[Bブロック] 準決勝

 

2016/07/22()17:30KO@赤羽スポーツの森公園競技場

 

慶應義塾大学23早稲田大学

 

【得点者(アシスト者)

 

〔慶〕13 山本哲平(落合祥也)、86 松木駿之介

〔早〕46 今来俊介、72 熊本雄太(鈴木裕也)79 熊本雄太(相馬勇紀)

 

◇慶大出場選手

 

GK田野稔明(3・慶應義塾高)

DF溝渕雄志(4・流通経済大学付属柏高)

DF望月大知(4・静岡学園高)81 野村京平(1・国学院久我山高)

DF豊川功治(4・ジェフ千葉U-18)

DF井上大(4・國學院久我山高)

MF落合祥也(1・横浜FCユース)65 MF佐藤海徳(1・桐光学園高)

MF宮地元貴 (4・東京ヴェルディユース)

MF渡辺夏彦(3・國學院久我山高)55 田中健太(3・横浜F・マリノスユース)

MF松木駿之介(2・青森山田高)

MF近藤貫太(1・愛媛FC)

FW山本哲平(4・國學院久我山高)

 

日本で一番強いサッカーチームを決める大会、天皇杯。昨年は本戦で慶大と同じく関東リーグ1部に所属する順大がJ1ヴァンフォーレ甲府相手に善戦するなど、年々大学生チームの注目度も増している。その本戦出場を目指し、慶大は今季早くも4度目となる早大との試合に臨む。先日の早慶定期戦の借りも返したいところだ。慶大はGKに田野稔明(経3・慶應義塾高)が、右サイドハーフにJ2愛媛FCから今季慶大に復帰した近藤貫太(総1・愛媛FC)が入った。

先発出場した近藤

先発出場した近藤

 

開始早々の3分、まずは慶大にチャンス。渡辺夏彦(総3・國學院久我山高)が相手GKとの1対1を迎える。シュートは弾かれるが、そのこぼれ球に松木駿之介(総2・青森山田高)が詰める。しかし相手ディフェンダーにゴールラインぎりぎりのところでクリアされ、先制点とはならない。良い試合の入りを見せたかに思えたが、8分にピンチを迎える。自陣コーナーフラッグ付近で不用意にボールを奪われると、ゴール前へ折り返される。危険なシーンだったがここは早大も合わせることができず。すると13分、落合祥也(商1・横浜FCユース)の絶妙なスルーパスに抜け出した山本哲平(政4・國學院久我山高)が冷静に1対1を決め慶大が先制に成功。

山本のゴールで先制

山本のゴールで先制

これで余裕の出た慶大は時間をうまく使いながら落ち着いた試合運びを見せる。23分には右サイドの高い位置でボールを持った近藤がスルーパスを送るが、これは味方に合わず。その後も松木が遠目からボレーシュートを放っていくなど、良い攻撃の形を見せるが追加点には至らず。相手の拙攻もあり前半を1-0で折り返した。

 

後半も慶大優位で試合が進むかに思われたが、キックオフ直後の46分、今来俊介に裏に抜け出され同点ゴールを奪われる。「あの時間帯で取られるのが良くない」と須田監督が語ったように、ここから早大に押し込まれる展開に。51分、左からのCKを相手に合わせられるがここは田野が左手1本でスーパーセーブ。直後のCKも慶大が跳ね返し、何とか逆転は許さない。この状況を打開すべく、後半途中から中央にポジションを取っていた近藤が魅せる。63分に相手陣内中央でFKを獲得すると、その近藤が精度の高いボールを供給。これは相手にクリアされるが、直後のCKの流れから途中出場の田中健太(法3・横浜F・マリノスユース)が左サイドをえぐると、中で待っていた近藤が左足で合わせるも相手にブロックされる。

途中出場の田中が早大ゴール前まで迫る

途中出場の田中が早大ゴール前まで迫る

この流れの中でゴールを奪えないでいると、逆に72分に早大に逆転ゴールを献上してしまう。後半幾度となく与えたCK、一度は田野がパンチングでクリアするも、そのボールを拾った鈴木裕也のクロスをフリーの熊本雄太に完璧に合わせられ、失点。79分にも再びセットプレーから熊本に決められ1-3に。6月のアミノバイタル杯2回戦でも2得点を許した熊本に慶大キラーぶりを見せつけられてしまった。86分に松木が強引に中央突破しゴールを奪うも、反撃はここまで。この1か月間で3度早大と対戦し、3連敗を喫する屈辱的な結果となった。

 

先制点を奪い理想的な戦い方で前半を終えることができただけに、後半開始早々の失点は不用意であった。宮地元貴主将(総4・東京ヴェルディユース)が「グラウンドにいる11人がより共有できるところがあったんじゃないか」と話すように、意識のズレが後半の戦い方を難しいものにしてしまった。この敗退を受けて慶大はおよそ1か月の中断期間に入る。須田監督がまず目指すのは「チームが一つになって戦えるような、そんな準備を」。後期リーグ戦、パワーアップした荒鷲軍団の躍進に期待したい。

 

(記事 小林将平)

 

試合後コメント

 

須田芳正監督

 

(今日の試合を振り返って)うーん、まあいろいろと分かったことがあって収穫の多いゲームだったということかな。(先制点を含めて前半は良い攻撃ができていた)後半やっぱり立ち上がりのね、あの時間帯で取られるのが良くないよね。(あの失点で後半ずっと受け身に回ることになってしまったと)あとはもうちょっとボールを大切にした方が良かったんじゃない。(前半はパスで崩せていた)後半もうちょっと続ければ良かったと思います。まあそういう場面もあったのにね。なかなかそこでリズムがつかめないということがあったんじゃないかな。(近藤選手がチャンスを演出していたが彼に寄せる期待とは)まああのくらいできるのは当たり前の話で。チーム全体をコントロールするというかね、ゲーム自体もコントロールしてもらいたいなと思います。(これで敗退となったが、この夏はどのように取り組んでいくか)定期戦が終わってからはこの大会ももちろんあるんだけど、関東リーグというのが目標なのでそこに向けてトレーニングが始まっているので、試験休みはあるんだけども、まあ1ヶ月しかないんだよね。まずは体力のところ。体力は急につくわけじゃないんで、毎日の積み重ね。それから、チームとしてどう戦うか。そこのところの共有の部分で戦術のトレーニング。こういったことをしていきたいかなと。あっという間なんでゲーム中心になると思うんですけど、チームが一つになって戦えるような、そんな準備をしていきたいと思います。

 

宮地元貴主将(4・東京ヴェルディユース)

 

(今日の試合を振り返って)勝負どころで早稲田に負けてしまったという印象です。(前後半で違うサッカーになってしまったがその原因は)前半は良い形で先制点が取れてその後も自分たちがやりたいサッカーというかグラウンドにいる11人が同じ意識を持ってプレーすることができていたんですけど、後半立ち上がりにああいう形で失点してしまってそのまま逆転されるという形になった時に、その中でチームとしてグラウンドにいる11人がより共有できるところがあったんじゃないかなと思います。(アミノバイタルカップでの早慶戦と同様にセットプレーでの失点を喫したが)やり方をマンツーマンからゾーンに変えて個人的には改善していると思うんですけど、結果やられてしまっているということは受け止めないといけないですし、ただ結果が出ないと何とも言えないですけど自分たちがやってることは間違っているとは思わないので、その質を高めていくだけだと思いますね。(これで敗退となったがこの夏はどのように取り組んでいくか)チームとしてというのもそうなんですけど、まずはやっぱり個人として各々が成長しないといけないですし、今Aチームで出ている選手はもちろん今まで以上にやらなきゃいけないですけど、今B,Cチームにいる選手たちがどれくらいAチームの選手を脅かせるか。取って代われるくらいチーム内の競争が激しくならないとこのチームは強くならないと思いますし、その個人という部分にフォーカスしてA,B,C全チームでこの夏は取り組んでいきたいなと思っています。

 

山本哲平(4・国学院久我山)

 

(今日の試合を振り返って)早稲田に負けるときは先制されてズルズル行ってしまうことがほとんどだったんですけど、今日は先制したにもかかわらず3失点してしまい、それからは時間もなく1点しか返せなかったので情けなく、不甲斐ない試合でした。(一点目のシーンについて)一点目は(落合)祥也が前にドリブルした瞬間に、自分の後ろにスペースが有るのがわかってたので相手から離れる動きをして、最初のタッチでキーパーと1対1になるようにボールを止め、向きを変えて決められました。(前後半ともに最前線でポストプレーに徹する姿が目立ったが)自分で行けるなら行きたかったんですけど、マークがきつく自由にさせてもらえなかったので、他の選手にはたいて次のスペースに走りこむ意識でプレーしました。自分が走りこむことでできた他のスペースに味方が入ってくれればという動きをしました。(今後に向けて)早稲田にリーグで勝って以降3連敗してしまっているので、自分としては悔しいですしチームとしても勝てないのが情けないと思っています。これからは早稲田に限らず、リーグで優勝できるようこの夏で磨きをかけて行きたいです。

 

松木駿之介(2・青森山田高)

 

(今日の試合を振り返って)負ける試合ではなかったですし、失点が多いのは課題で、3失点もしてしまって、後半の立ち上がりから悪かったですし、2失点目は個人的に自分のマークだったし、落とすべきでないゲームを落としてしまってすごく悔しいです。(前半はリードしながら後半に逆転されてしまったが)点を取られたのは計算内というか、1対1にされてもそこからスタートしようというメンタルでいたんですけど、後半の入りでああいう形で失点してしまって、立て直せなかったというか、前を向いていたというような状況ではなかったので、そういう所が良くなかったと思います。(得点シーンを振り返って)2度、3度ミスして、自分がゴールに向かっていたので、自分のところにまた帰ってきた運の良いゴールでしたけど、最後のシュートはフットサルでやっているトゥーキックが自然と出てキーパーのタイミングを外して少ないスペースでキーパーとの距離も近かったのですが、フットサルが活きたと思います。(これからどのような点をレベルアップしたいか)前期は全然点が取れなかったので、やっぱり点が取れる選手になれるようにゴール前でのプレーを意識しつつ、自分ができない中盤でのボールの持ち方などにも着眼点を置いてアベレージの高い選手になりたいと思います。

 

近藤貫太(1・愛媛FC)

 

(試合を振り返って)力の差が出たかなと思います。(久々の慶大での公式戦となったが)相手が早稲田ということもあり、思うことはたくさんありましたし、絶対勝ちたかったですけど、勝つことができなくて力不足だなと思います。(半年間下のチームでやり、トップに上がって体のキレは)トップチームに入ったのが定期戦が終わってからでまだ日がたっていない状況だったので、周りとのコンビネーションの部分もこれからもっと上がっていくと思います。今日は負けてしまいましたけど、チームにプレーだけではなくて、声掛けだったり雰囲気づくりだったり自分の持っている者を最大限に出してチームに貢献できればいいなと思います(前半リードして折り返し、後半にすぐに失点してしまったが、そこからの切り替えは)まず1-0で折り返して、その時にこのまま10分行けば絶対堅いゲームになるから1-0でどんどん進んでいくというように考えて、最初の10分はゲームが落ち着かないので耐えようという話だったんですけど、そこで失点してしまって修正できないまま90分過ぎちゃったという感じです。(後期リーグ戦に向けて)今日の負けからどうこうというより、まだまだチームとしてやらなきゃいけないことがありますし、今日の決めきれなかった部分も、逆に相手がビックチャンスを外してくれたシーンも両方とも準備の部分が足りていないと思うので、そこは日々の練習からやっていきたいと思います。

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