【野球】力の差を見せつけられ悔しい2季連続の準優勝 秋季新人戦決勝

11月3日(木)東京六大学野球秋季新人戦 法大戦

この日唯一となったタイムリーを放った長谷川

この日、唯一のタイムリーを放った長谷川

 

「力の差というものを終始感じさせられながらやっていた」―再びの早慶戦を制し迎えた決勝の相手は法大。リーグ戦の主力が名を連ねる強敵に序盤から主導権を握られる。7回に代打長谷川晴哉(政2)の適時打で一矢報いたが反撃もこれまで。2季連続の準優勝となった。

 

 

H

E

慶大

法大

×

10

14

慶大:●伊藤佑、前田、太田、原田、岡野、土井―植田将、小田

法大:○内沢、上條、河野―中村浩、鎌倉

 

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[4]7

小原和樹(環1・盛岡三)

[7]

大川慎太郎(商2・慶應志木)

 

H4

三枝遼太郎(商2・慶應義塾)

[9]

植田清太(総2・慶應義塾)

 

H9

名幸大成(総2・慶應義塾)

[3]

吉田将大(商2・慶應義塾)

[8]

中村健人(環1・中京大中京)

[5]

内田蓮(総2・三重)

 

杉本京平(理1・中央中等教育学校)

 

大平亮(環2・鎌倉学園)

[6]

宮田皓(商1・慶應義塾)

 

長谷川晴哉(政2・八代)

 

小野航河(法2・慶應義塾)

 

土井涼(商1・慶應義塾)

[2]

植田将太(商1・慶應義塾)

 

H5

田中凌馬(商1・長崎東)

[1]

伊藤佑馬(商2・倉吉東)

 

前田和真(商2・津西)

 

太田力(経2・桐朋)

 

大久保貴裕(商2・慶應義塾)

 

原田匠(商2・慶應義塾)

 

岡野新二(商1・小倉)

 

小田悠太郎(政2・慶應湘南藤沢)

 
初回にツーベースを打った大川

初回にツーベースを打った大川

雨は朝には上がり、日差しが照った「晴れの特異日」。前日の快勝そのままに優勝へ突き進みたい慶大に立ちはだかるのは法大だ。今季のリーグ戦全試合出場の大西千や、加藤拓也(政4)から今季唯一ホームランを放った中山など強打者が揃う。決勝の相手として不足のない相手に全力で当たった。 

 

先攻の慶大は初回に2番大川慎太郎(商2)がレフト線へ2塁打を放ちチャンスメイク。さらに2死1塁、2塁の場面を作ったが、得点には結びつかない。

慶大の先発・伊藤佑馬(商2)の立ち上がり、先頭打者を抑えたが続く2番大西千に打ち取った当たりを内野安打にされる。3番川口の初球に盗塁を許すと4球目をセンターに弾き返されて先制を許した。

3回から登板した太田

3回から登板した太田

 

3回は先頭をヒットで出塁させると、その後1死2塁、3塁の形を作られる。迎えた4番中山にセンターへタイムリーを許し、伊藤佑はここで降板。代わった2番手の前田和真(商2)だったが、エラーや四球を絡めてしまい相手の勢いを止められない。この回3人目の太田力(経2)を投入して猛攻を鎮めたが、3回終了時で0対6と法大に大きくリードを許してしまう。6回からは4番手、原田匠(商2)がマウンドに上がったが、法大打線につかまり失点する。火消しに向かった5番手の岡野新二(商1)も連打を浴びたが、センターの中村健人(環1)が好返球を見せホームタッチアウト。なんとかこの回の攻撃を終わらせる。 

好返球を見せた中村

好返球を見せた中村

 

反撃したい打線は、今季リーグ戦で勝利を挙げている相手先発内沢の前に糸口もなかなか見つけられない。やっと形になったのが7回。1死から先ほど好守を見せた5番中村が気迫のセーフティバントで出塁すると、相手の暴投もあり1死2塁のチャンスを作る。ここで代打長谷川晴哉(政2)がライトに打ち返し、中村が一気に生還。1点を返すことに成功する。しかしその後は継投に入った法大投手陣を相手に点差はあまりに大きかった。9回名幸大成(総2)が先頭でヒットを放ち1死の後、中村を迎えたが打球はショート、セカンド、ファーストと渡り万事休す。投打ともに経験豊富な法大に圧倒された。

 

今年の新人戦の春秋ともに準優勝という結果は健闘したともいえるが、選手らは満足していない。今年成し遂げられなかったリーグ戦優勝。栄冠へ向けて長い冬の練習、春のオープン戦と選手たちの新チームへのアピールはまだ始まったばかりだ。現在のチームからは半分近くレギュラーが抜けることになる。エース、リードオフマン、4番と抜けた穴は確かに大きい。だがその穴をたくさんの選手が争い高め合っていく。練習してどんどん成長すれば以前より大きな力が得られるはずだ。今年の慶大野球部のスローガンは「Everything is Practice」だった。全ては練習の中にあると自ら考えて鍛えていく。そんな慶大らしい考え方が浸透している。冬の間にさまざまな決断をする選手もいるだろう。だが野球を通してこれまで以上に人間的に成長していけるはずだ。風が心地いいと感じられるような春になった時、どんな形であれ選手たちはたくましい姿を見せてくれると信じている。

 

記事:尾崎崚登

◆打撃成績

 

 

[4]7

小原和

三直

 

二ゴロ

 

 

右安

 

空三振

 

[7]

大川

左2

 

空三振

 

 

二ゴロ

 

 

 

H4

三枝

 

 

 

 

 

 

 

左飛

 

[9]

植田清

遊飛

 

 

一飛

 

 

 

 

 

H9

名幸

 

 

 

 

 

空三振

 

 

左安

[3]

吉田将

死球

 

 

中飛

 

 

左飛

 

遊飛

[8]

中村

遊ゴロ

 

 

逃三振

 

 

一安

 

遊併殺

[5]

内田

 

右飛

 

 

逃三振

 

 

 

 

杉本

 

 

 

 

 

 

空三振

 

 

大平

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[6]

宮田

 

逃三振

 

 

空三振

 

 

 

 

長谷川

 

 

 

 

 

 

右安①

 

 

小野

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土井

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[2]

植田将

 

遊飛

 

 

遊ゴロ

 

 

 

 

H5

田中

 

 

 

 

 

 

空三振

 

 

[1]

伊藤佑

 

 

一ゴロ

 

 

 

 

 

 

前田

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太田

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大久保

 

 

 

 

 

空三振

 

 

 

原田

 

 

 

 

 

 

 

 

 

岡野

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小田

 

 

 

 

 

 

 

空三振

 

 

◆投手成績               

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

●伊藤佑

2 1/3

13

45

前田

0 0/3

16

太田

2 2/3

32

原田

0 2/3

32

岡野

0 1/3

土井

23

 

◆監督・選手コメント

隅谷卓弥新人戦監督(商4)

大差で負けたが、個人的には4年間で最後の試合としていろんな選手を、思いを込めて使えたので、負けて悔しいがとても楽しい試合だった。投手陣は追い込むまでが良かったのにそこからそれよりも甘い球を投げて打たれるというのが多々あった。2ストライクまでは空振りを取れたり追い込めたりとかはあったので、そこはちょっともったいない。法政のバッターは経験で追い込まれてからの対応力がすごい良かったと思う。太田に関しては学生コーチが、一番頑張っていてこの新人戦期待しているということだったので、その通りのピッチング、持ち味のコントロールの良さを出していいピッチングができていた。打線は相手投手対策として基本はまっすぐを待って、高めのまっすぐは気をつけて、そこからスライダーに対応していくところだった。途中からスライダーでもカウントを取られて最後にまっすぐという勝負に変わってきた。もうちょっとスライダーを狙う選手がいてもよかったのかなと思った。春も秋も準優勝ということだったが、リーグ戦に関しても2位では明治神宮大会に行けない。次は是非とも1位をとってもらいたいと思う。(私は)4年生の中では本当に選手としては一番下手くそな人間だったと思う。そういう人間でも2軍監督という役割を任せてくれて、認めてくれて練習や試合で僕が指揮することになっても文句を言わずついてきてくれた同期に感謝しないといけないと思う。練習をしっかり試合とおんなじようにやろうということで特に僕自身がこだわったのはスイングのところ。素振りを笛付きのスイング。昨日も試合前に振って結果を出せた感じだったので、今日第1試合で振る時間がなかったのが敗因でもあったのかなと思う。練習の中に全てがあるというのはそのままだと思う。練習をやるしかない。この2年間大久保監督に指導していただいて2年間僕も学生コーチとして貢献させてもらったがリーグ戦でも優勝できず、新人戦でも準優勝までしかできなかったので、そこに関して大久保監督にもっと応えたかった。

 

太田力(経2)

勝てなかったのが一番ダメだと思うので、リーグ戦では勝てるようにしたい。ベンチの雰囲気は良く、今後の練習次第では強いチームになれると思う。自分は春の明大戦にピンチの場面で登板して失敗していたので、今回はしっかりと強い気持ちを持って投げようと思っていた。これからは加藤拓也(政4)さんなどが抜けて経験のあるピッチャーがいなくなってしまうので、自分が引っ張っていくつもりでやっていきたい。

 

長谷川晴哉(政2)

今日は力負けした。大事な局面がいろいろあり、そこで流れをつかめなかったのがやはり大きかったと思う。タイムリーは、後ろにつなごうという意識が強く、相手も良いピッチャーだったので、コンパクトにいこうと思った。そう思って振ったらライトの方に飛んだ。法大はチャンスに打てる選手が多かったので、そういうところで、どうしても流れがつかめなかった。チームの雰囲気、士気はとても良かった。練習してきたけれど実力が足りず、監督たち4年生を勝たせてあげられなかったことがすごく悔しい。来年再来年のリーグ戦で勝って、4年生の監督たちに見せられたらいいと思う。

 

小原和樹(環1)

力負けだった。自分にとってアウトを取ることは当たり前なので、ギリギリになってしまったところを余裕を持ってアウトにできるようにしたい。打撃では右方向に打てるようにすることを一番の課題にしている。これからもこの強い法大と戦っていかなければならないので、負けないように頑張りたい。

 

中村健人(環1)

監督の方々にも言われたが、やはり力の差というものを終始感じされられながらやっていた。遠くはないが、全然近くはない力の差を感じた。(7回のヒットについて)どうしても1点欲しい状況がずっと続いていて、僕がラッキーな形というか、凡打でも塁に出ることができたので何としても本塁に還るという気持ちで、二塁でもきちんとスタートを切ることができ、点につながって本当に良かった。守備の面では、打撃の調子がかなり落ち込んでいてなかなか貢献できない中で、守備でカバーができたと思う。法大と対戦して、これがリーグ戦のレベルであるということを感じた。法大はもともと野球がうまい選手が揃っているのでそれに対してリーグ戦1、2年後にどうやって勝てるかというのを毎日考えながら努力していこうと思う。いいピッチャーになればなるほど、強いスイング、自分のスイングが必要になって来るので、対峙できる自分の形というものをしっかり持っていかないといけない。打撃に関しても守備に関しても、思い切り振りにいけないところもエラーもあるので、形を固めていかないといけないと思った。

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