【バレーボール】因縁の相手から貴重な勝ち星 vs法政大

  得点を決めガッツポーズの出る黒田

前日の青山学院大戦でまさかの大逆転負けを喫し、悔しさのあふれる慶大は、今まで勝利の遠かった法政大との戦いに臨んだ。序盤は前日からの切り替えが遅れたのかミスが多く出るも、その後は慶大らしいバレーを取り戻し、3セットを連取。因縁の相手から大事な場面で貴重な勝ち星を奪った。現在慶大は3位と、他大学の結果によっては入れ替え戦に進める可能性を残した。

 

5月14日(日)春季関東大学男子2部バレーボール第10戦 慶大×法政大@慶應義塾大学日吉記念館

 

得点

慶大

セット

法政大

23

25

25

22

25

23

25

20

 

    高さをいかしたプレーが光る

第1セット。前日の敗戦が響いたのかなかなかリズムに乗れない慶大。確かな技術でバレーを進めていく法政大に、ネット際の攻防や、フェイントなどからリードを許す展開に。しかし、富澤太凱(経2)のスパイクや樫村大仁(環1)の1枚ブロックなどで20-21と終盤1点差まで詰め寄る。ところが長いラリー戦をフェイントによって落としてしまうなど追いつくことはできず、このセットを奪われる。

 

第2セットは黒田の鮮やかなサービスエースと、マルキナシム(総2)のブロックポイントから始まる。その後第1セット同様フェイントや、そうかと思いきやコートぎりぎりに突き刺さる豪快なスパイクなどによって先行される。なんとか流れを変えようと慶大は二度のタイムアウトを経て樫村のブロックとマルキのバックアタックで3連続ポイントを奪い17-17と中盤で追いつく。すると「サーブをちゃんと打てば効果が出るから」という宗雲監督の指示のもと、サーブで攻めたことが攻撃に出始めた。最後は富澤の強烈なサービスエースだけで3連続ポイントを奪い相手を圧倒。25-22とまず1セットを取った。

 

     得点源となったマルキ

続く第3セット。第2セット同様サーブでの攻めを意識した慶大は、相手のサーブレシーブミスを誘い、すかさず吉田祝太郎(政1)がダイレクトで決めるなど13-7と大幅にリードを奪う。しかし、今度は慶大にサーブレシーブのミスが出始め、さらに相手のフェイントにも対応しきれず、徐々に点差を詰められる。4連続ポイントで23-21まで迫られ、先日の最終第5セットで14-11から逆転負けを喫した悪夢がよみがえるが、ここは冷静に富澤の勢いのあるスパイクで押し切る。25-23とこのセットもものにした。

 

第4セットは終始慶大のペースだった。富澤、佐藤康平(環4)の2連続ブロックポイントでこのセットが始まると、バックアタックやダイレクトスパイクなどで、ブレイクを奪っていった慶大。10-5とリードを奪い、法大はたまらずタイムアウト。その後も、長いラリーをブロックで制するなど勢いは止まらず、5連続ポイントを取るとそのままリードを許さずマッチポイント。最後は黒田彪斗(環4)の鮮やかなバックアタックで25-20とこのセットを取り、セットカウント3-1で法大から貴重な勝ち星をあげた。

 

 

最終戦を残し、8勝2敗と3位につけた慶大。駒澤大、青学大が1敗、続いて法大と慶大が1敗で並ぶという現在。入れ替え戦進出は依然厳しく、他力本願とはなるが、可能性が残っていることは確かである。「徐々にうちらしいバレーが出てきた」と宗雲監督が語るように次戦も自分たちのバレーをして結果を待つのみである。長かったリーグ戦も残り1試合。わずかな望みをかけて最終戦、昨季秋リーグで敗戦を喫した大東文化大戦に臨む。

 

            (記事・太田彩恵、写真・岩本弘之、藤澤薫)

 

 

 

 

宗雲監督

 

(今日の試合を振り返って)最初エンジンがかからなくて選手の表情もあまり良くなくて、エンジンをかけるまでにちょっとどうしようかなと思ったんですけど、結果的にサーブをちゃんと打てば効果が出るからという話をして、マルキ、富澤がしっかり打ってくれたので、徐々にうちらしいバレーが出てきたので、良かったと思います。

(今まで勝利の遠かった法政大だが印象は)バレーの強豪高校から来ているばっかりなので、しかも中型選手が多いんですよ。つまりバレーのすごくうまい選手が多いので、うちは逆にうまい選手が少ないので、ネット際とかブロックの当て出しとか吸い込みとかすごく厄介ですね。最初それにバタバタしてましたね。

(逆に高さをいかした慶大だがブロックについては)今日総合力では2枚で止めるとか3枚で止めるとかなくて、1枚で富澤が止めるとか、マルキや樫村が止めたりとか、個人の判断力とかブロックの引き出しがちょっとうまくなったと思います。

(1年生ながら活躍を見せた樫村選手については)まだまだベールを脱いでないというかあんなもんじゃないので、祝太郎(吉田・政1)ともっともっとコンビが合えば、なかなか2部では止まらないんじゃないかなと思います。

(今日は勝利につながったが改善点は)難攻をぽろぽろ落とすんです。フロントゾーンのボールを落とすので、本来決めていたシステムがちょっとうまく機能していないのでそこをどう話し合うか、リーグ戦が終わってから改善したいと思います。

(昨日の敗戦から今日にかけて選手の様子は)選手には聞いてないが何年振りかに切り替えられなかったのは私だった。久しぶりに朝までなかなか切り替えられずにいましたけど、多分切り替えられていなかったから、出だしが悪かったんでしょうね。

(まだ入れ替え戦進出の可能性残っているが)昨日負けてショックだったんですけど、自分たちのバレーを貫こうと言ったので、それを私も曲げずに、自分たちのスタイルをどこであっても貫くことが最終的に良い結果に結びつくんじゃないかっていっているので、最後今日ちょっともたもたしたので、もっとスカッとしたバレーをしてもらいたいと思います。

 

 

樫村大仁(環1)

 

(試合を振り返って今の気持ちを率直に)シンプルにうれしいです。

(今日、特に意識したプレーは何か)ブロックですね。

(具体的にどんなところを意識したか)法政大は結構クイック、速い攻撃が多くてブロックが機能しないとすぐに負けてしまうので、今日は貢献できたのでよかったです。

(ホーム戦での初勝利となったが)いっぱいOBの方が来てくださったので、その中で勝てたっていうのがよかったな、と思います。

(次週の大東文化大戦に向けて意気込みを)まだ一応入替戦の可能性があるので最後しっかり勝って望みをつなぎたいなと思います。

 

 

サイド

マルキ ナシム(環2・川越東高)

セッター

吉田祝太郎(政1・慶應義塾高)

センター

佐藤康平(環4・桐蔭学園高)

オポジット

富澤太凱(経2・慶應義塾高)

サイド

黒田彪斗(環4・富山一高)

センター

樫村大仁(環1・茨城高専)

リベロ

長澤翔吾(環4・盛岡第一高)

 

谷口聡(環2・韮山高)

途中出場

岩本龍之介(商3・仙台二高)

 

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