長い長いリーグ戦もついに最終節となった。最後の相手は、一周目で敗戦した、現在9位の立大である。前試合終了後、慶大の順位は8位、順位決定戦は2部の9位と10位が出場するため、慶大も立大も同じく出場の可能性が残っている。立大に敗戦すると同時に順位決定戦への出場が決定するため、本戦は何としても勝利したい戦いだ。
2017/10/28(土)@駒沢オリンピック公園体育館 | |||||
第93回関東大学バスケットボールリーグ戦 vs立大 | |||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 15 | 7 | 21 | 25 | 68 |
立大 | 22 | 16 | 14 | 13 | 65 |
◆慶大スターティングメンバ―◆ | |||||
#13 山﨑純 (総2・土浦日大高) | |||||
#9 原匠(環3・近大付高) | |||||
#14 髙田淳貴(環2・徳島城東高) | |||||
#6 堂本阿斗ディーン(商4・慶應義塾高) | |||||
#7 木村能生(環4・東山高) |
慶大ボールで始まった第1Qだったが、ボールを手にした直後にスティールされたのち、相手にフリースローを与えてしまう。慶大の初ゴールは原の3ポイントシュート。けがからの復帰戦にも関わらず、好調ぶりをアピールした。その後も原、山﨑がシュートを重ね、立大を引き離しにかかるも、立大は難なく外からのシュートを成功させ、点差を離すどころかじりじりと追いつかれてしまう。堂本魁リン(商1・慶應義塾高)や澤近智也(環3・高知学芸高)が体を張ったプレーで得点したものの、終わってみれば7点差をつけられ、苦しいスタートを切った。
本調子ではない中でも得点に絡む活躍の原
第2Qに入ってからも慶大にとっては厳しい状況が続く。パスミスからボールを奪われチャンスを失ったほか、外からのシュートを決めきることができずに時間が過ぎていった。その中でも、山﨑、髙田は積極的にシュートを放つなど攻めの姿勢を貫き、攻撃を盛り立てる。一方、立大は第1Qと比べると得点は落ち込んだものの、レイアップシュートなど確実にシュートを決めきる攻撃でさらに慶大を引き離した。その結果、得点差は広がり、16点ビハインドで前半を終えた。
山﨑の華々しい活躍は幾度となくチームを救った
第3Q開始直後、堂本阿斗ディーンがシュートを決めると、山﨑も2連続でシュートを成功させ、勢いに乗り始めた慶大。ファウルが重なり、立大にフリースローを与える場面が何度か見られたものの、木村がゴール下でフェイクを駆使しながらシュートを2度成功させ、最高学年の意地を見せると、澤近、堂本魁リン、山﨑もそれに続き、着実に点差を縮めていく。ディフェンスでは疲れが出始めた立大に対して激しい動きで攻撃を翻弄し、得点を抑えた。終了14秒前に甲谷勇平(環1・東山高)がゴール下から放ったシュートが成功し、9点にまで点差を縮めて、最終Qへと逆転の望みをつなげた。
髙田の力強いシュートは攻撃を盛り立てた
運命の最終Q、原、山﨑、髙田が爆発し、4連続で得点すると、差は一気に2点差まで縮まった。しかし、その後相手も見事な軌道を描く3ポイントシュートを含む3連続得点で、再び点差は広がり9点に。観客も選手の一挙手一投足に一喜一憂し、慶大サイドは接戦の中で逆転を心待ちにしていた。しかし、なかなか慶大が再び相手に詰め寄ることはできずに接戦が続く。そんな中、終了2分半前に山﨑がシュートを沈めると、直後に再び山﨑がラインよりかなり離れた位置から放った3ポイントシュートも成功させ、2点差に。立大の攻撃が停滞する中、原が自らリバウンドを取って放った3ポイントシュートがネットに引き込まれるとついに逆転に成功する。終了30秒前には山崎がさらにミドルシュートを決めきり、3点差とすると、相手は3ポイントシュート狙いで攻撃するも、失敗。終了間際にはファウルゲームを仕掛けてきたものの成功とはならず、慶大は念願の勝利を勝ち取った。結果、順位決定戦は回避、2部リーグ7位という結果で今季の戦いを終えた。
逆転に成功し、喜びの表情を見せる部員たち
前半の16点差を見事ひっくり返し、逆転勝利を収めた慶大。本戦の勝利は、まさに慶大の「勝利に対する強い気持ち」と「最後まであきらめないプレー」の賜物であるに違いない。その強いプレーに興奮し、感動した観客も多くいたことだろう。そして、本戦は4年生にとって最後の試合でもある。「4年生みんなの勝ちたいという意志が試合に表れて」という言葉が堂本魁リンから出たように、本戦では最後に勝利をつかんで、後輩へタスキをつなぎたいという思いが4年生にはあったはずだ。4年生の背中を追いかけてきた下級生たちが、来季さらなる成長を遂げて、慶大バスケ部を背負っていくその姿を見るのが楽しみだ。
(記事・清野日奈子)
阪口HC
ボロボロだったから、順位決定戦に行かなくて済んで良かったよ。これで4年は本当に引退だから。(山﨑の活躍は)あいつは本当にスーパースターだから。ただ、慶應に来たら一試合ずっとやらないといけないから、しっかり40分やれとプレッシャーをかけ続けていたよ。今日は、原とか髙田を長めに休ませておいたね。(原の復帰に関して)最後はちょっと勝負をかけたんだよ。足がつっちゃったらおしまいだからね。本当は足がつっていて、やめようかと思ったんだけど、一本決めてくれたね。あれでまた慶應ファンが増えてくれると嬉しいよね。今日の試合は面白かったよね。最初は本当に16、17点差までつけられてどうなることかと思ったけど。(後半から戦略の変更はあったか)何も変えていないよ。向こうがちょっと疲れてきたでしょ。相手も選手は多くないからね。それに、選手は向こうの方が全然良いけれど、慶應は練習への真剣さが勝っていたかもしれないね。