【野球】初登板・森田晃に勝ち星!6回の大量得点で今季最初の勝ち点を挙げる 東大②

9月9日(日)東京六大学秋季リーグ戦 東大2回戦

2試合連続弾が飛び出した中村

大事な開幕戦を辛勝し、一気に勝ち点を奪取したい慶大は初登板森田晃介(商1・慶應)の好投も打線が繋がらずに同点。6回で渡部遼人(環1・桐光学園)の安打から勢いに乗り、一気に6得点を挙げる。しかしすぐに3点を返され点差を縮められてしまう。その後も東大の前に苦しみながらも7回に1点、9回に2点を獲得。守備でも好プレーを連発し、4回以降無失点で秋季リーグ、まず勝ち点を1つ手に入れた。

 

慶大

10

東大

 

慶大バッテリー:森田晃、津留﨑、太田、石井、髙橋佑―郡司

東大バッテリー:有坂、奥野、宮本、小林大―三鍋

 

慶大本塁打:中村2号2ラン(9回)

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[4]

小原和樹(環3・盛岡三)

[8]

渡部遼人(環1・桐光学園)

 

植田将太(商3・慶應)

 

髙橋佑樹(環3・川越東)

[7]8

柳町達(商3・慶應)

[2]

郡司裕也(環3・仙台育英)

[5]

内田蓮(総4・三重)

[3]

橋本昂樹(商3・慶應)

 

河合大樹(総4・関西学院)

 

嶋田翔(環2・樹徳)

[9]

中村健人(環3・中京大中京)

[6]

瀬戸西純(政2・慶應)

森田晃介(商1・慶應)

 

植田清太(総4・慶應)

 

津留﨑大成(商3・慶應)

 

太田力(経4・桐朋)

 

正木智也(政1・慶應)

 

石井雄也(商3・慶應志木)

 

長谷川晴哉(政4・八代)

 

R7

大西駿斗(商3・郡山)

のスポーツにおいても、試合に「絶対」などない。春季リーグ戦最下位の東大が相手であろうとも気を抜くことは許されないと昨日も再認識しただろう。2連勝で勝ち点を取って勢いをつけたい慶大野球部は攻撃から始まった。しかし1番小原和樹(環3・盛岡三)が四球で出塁するもダブルプレーで仕留められ、無得点に終わる。慶大の先発を任されたのはリーグ戦初登板となった1年の森田晃だ。前日の、初回から3失点という悪夢が蘇る中、しっかりと三者凡退で抑えた。

 

初出場初スタメンで初ヒットを放った橋本昂

3回表、沈黙を破ったのは昨日本塁打を放った中村健人(環3・中京大中京)だった。センターへのヒットで出塁すると、瀬戸西純(政2・慶應)の犠牲バントで進塁。まずは1点、このチャンスを逃すわけにはいかない。ここで小原がライト前へヒットを放つと中村が二塁から一気にホームへ。タッチの差でホームベースを滑りこんだ。ようやく先制点を挙げ、喜んだのもつかの間。その裏、東大山下朋のヒットから犠牲バントが続き、ツーアウト走者三塁。ファーストへのゴロに打ち取り無失点、と思いきや審判が集まり始める。何事かとざわつく場内に東大ベンチからの歓声が響いた。まさかのボーク判定で同点に追いつかれてしまったのだ。焦りからか続く打者のライトへのヒットを中村がエラーし、ランナーを三塁まで走らせてしまうが森田晃が後続を断ち、逆転を許さなかった。4回は両校投手の好投が続き、試合は動かない。この回、裏では三鍋が粘り強く打ち続け、なんと11球のファールボール。最後は三振で終わったが三鍋相手に森田はなんと14球を投げさせられた。5回表、橋本昴樹(商3・慶應)がリーグ戦初ヒットで出塁。、追加点は挙げられず。その裏では瀬戸西、橋本昴、内田の好守により無失点。森田晃はここまで3安打と見事に守りきった。

 

久々の登板となった太田

試合は同点のまま後半戦へ。6回表、試合が大きく動いた。渡部がヒットで出塁すると、続く柳町達(商3・慶應)が大きく打ち上げたボールはセンターとレフトの間に落ちた。その隙に渡部の俊足が唸り勝ち越しのホームイン。未だノーアウトのまま郡司裕也(環3・仙台育英)、内田蓮(総4・三重)のヒットで満塁に。橋本昂がデッドボールを受け、押し出しで柳町がホームに帰ってくる。勢いに乗った慶大打線は止まらない。中村のタイムリーで郡司、内田も生還。瀬戸西の本日3度目となる犠牲バントで走者二、三塁に。1番小原によるツーベースヒットで一気に二人がホームインをしてこの回なんと6得点と一気に差を広げた。

 

しかし東大も負けっぱなしではいてくれないようだ。続く6回裏で東大は上位打線から攻撃が始まる。デッドボールで出塁を許すと2、3番の安打で1点を返されてしまう。その後ノーアウト一、三塁で三鍋が三塁へ大きなファールフライ。内田がキャッチしたと同時に三塁ランナーが走りだす。内田はそのまま体勢を崩しながらも素早い送球を郡司につないでホームベースを踏ませない。しかしピッチャーを太田力(経4・桐朋)に交代した直後、二死走者一、二塁の場面で6番青山の打球は風に乗りセンターオーバーの大当たり。2点の追加を許してしまった。

 

初安打を放った長谷川晴

3点差に詰められた慶大は7回表。四球が重なり走者二、三塁から中村の犠牲フライでさらに追加点。このまま点差を広げたいところだったがここで東大投手小林大の投球に抑えられ、1得点で終えた。この回裏から登板した慶大4人目の投手石井雄也(商3・慶應志木)が一塁から出ていた梅山を牽制球で仕留めるなどゼロで抑える。8回、前2回の点取り合戦の小休止をし、最終回に臨む。慶大は二死一塁でここで昨日のヒーロー、中村に打順が回ってきた。2日連続の活躍を期待する声援がスタンドから注がれる中、強いスイングでボールをしっかりと捉える。その球は綺麗な弧を描きライトへのツーランホームラン。今季早くも二本目、二試合連続で魅せてくれた中村に客席は大盛り上がりした。代打で出場した長谷川晴哉(政4・八代)のリーグ戦初安打も飛び出したが、後続が断たれ得点には繋がらず。このまま逃げ切りたい慶大、ピッチャーを石井から髙橋佑樹(環3・川越東)に代え、危なげなく三者凡退で試合を終えた。

 

昨日に引き続き決して快勝とは言えないが王者の意地を見せ、しっかりと勝ち点を手にした慶大。春とは違った選手の活躍も見られ、新戦力にも期待が寄せられた。特に森田晃は初登板ということを感じさせない素晴らしいピッチングを見せてくれた。今日一番の拍手は間違いなく彼に送られたであろう。しかし、勝負どころでのエラーなどそれぞれの課題も見つかった。2週間後に控えた明大戦は春同様厳しい戦いになることは間違いない。三連覇の為に、再び慶大が神宮球場で笑う為に、避けては通れない道だ。史上二度目の快挙に向かって、陸の王者は走り続ける。

(記事・左近美月 写真・川下侑美、小林歩)

 

◆打撃成績

 

 

[4]

小原

四球

 

右安①

 

二ゴロ

中2②

 

 

二ゴロ

死球

[8]

渡部

左飛

 

中飛

 

 

左安

左安

 

遊ゴロ

 

植田将

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中飛

髙橋佑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[7]

柳町

空三振

 

 

二ゴロ

 

中2①

三邪飛

 

中飛

 

[2]

郡司

 

左飛

 

中飛

 

左安

 

右飛

 

遊ゴロ

[5]

内田

 

中飛

 

三飛

 

投安

 

四球

 

二安

[3]

橋本昂

 

三邪飛

 

 

遊安

死球①

 

 

 

 

河合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嶋田

 

 

 

 

 

 

 

四球

 

二飛

[9]

中村

 

 

中安

 

死球

中安②

 

右飛

 

左本②

[6]

瀬戸西

 

 

投犠

 

一犠

 

 

右安①

 

中安

[1]

森田晃

 

 

三ゴロ

 

遊ゴロ

 

 

 

 

 

植田清

 

 

 

 

 

遊飛

 

 

 

 

津留崎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太田

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正木

 

 

 

 

 

 

 

捕邪飛

 

 

石井

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長谷川晴

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左安

R7

大西駿

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

○森田晃

18

69

津留﨑

2/3

13

太田

1/3

10

石井

35

髙橋佑

11

 

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

――今日の試合を振り返って

内容的には満足はいってないのですが、勝てたので良かったです。

 

――初登板の森田晃選手について

今日は褒めるのは森田しかいないだろうというくらいよく頑張ってくれました。

 

――中村選手は昨日に引き続き本塁打を打たれました

それはそれでいいですが、ボーク取られた後エラーがあったのでまだまだです。

 

――再来週の明治戦への意気込み

ここからじっくりと考え、学生は一生懸命練習、対策をしていくと思います。9月で6勝を目指してますのでしっかりと戦っていきたいと思います。

 

長谷川晴哉(政4・八代)

――リーグ戦初安打を打った今の率直な感想

ただただ嬉しいですね。

 

――打った感触は

つまったんですけど、落ちてくれましたね(笑)

 

――一塁ベース上でどのような気持ちになったか

打ったことを初めてそこで実感できました。

 

――どのような気持ちで打席に向かったか

僕は未だ安打が出ていなかったので、そろそろ打たないとまずいなと思いました。でも、せっかく立たせてもらえるんだから楽しもうと思って、その結果打てたので良かったです。

 

――ベンチからは今日も長谷川選手の大きな声が響いていました

あれが本職だと思っています。みんなのびのびやってくれて何よりです。

 

――長谷川選手から今日のベンチの雰囲気はどのように見えたか

どんどん良い方向に向かって行ってる感じはします。一人一人が準備をしながらも、サポートの部分をしっかりできたのは良かったと思います。

 

――チームは無事に勝ち点をあげることができました

ミスが多かったりして、このままじゃこの先勝てなくなってくるので、しっかり詰めてやっていきたいです。

 

――最後に次戦に向けて意気込みを

また打ちます。僕が打てなかったとしても、みんなが打てるように声を出していきたいと思います。

 

石井雄也(商3・慶應志木)

――今季初登板となりましたが、今日の試合を振り返って

ピッチャーとしてはまだまだできるところがあったので、もっと調子を上げていかないと次からの試合はもっと厳しくなるのではないかと思いました。

 

――今日の自身の投球を振り返って

まっすぐが球速が出ていなくて、変化球のコントロールも悪くていいところはあまりなかったのですが、何とか0点で抑えられてよかったかなという感じです。

 

――最初のカードを二連勝で終えましたが、東大戦二日間を振り返っていかがですか

二試合とも4失点してしまっていてピッチャーとしてはいまひとつだったので次からはもっとしっかり各々調子をあげていくと思うのでしっかり調整していきたいと思います。

 

――明治戦に向けて

春はサヨナラで2回、野手のおかげで勝てたので、秋はピッチャーがしっかり抑えて勝てるように頑張っていきたいと思います。

 

小原和樹(環3・盛岡三)

――今日の試合を振り返って

先発が1年の森田だったので、なんとか先制点を取って、楽な気持ちで投げさせてあげたいと思っていました。勝ち星をつけてあげられたので良かったです。

 

――ご自身の打撃について

「なんとか1点でも取って森田を楽にさせてあげたい」と思っていたので、チャンスの場面で決めることができて良かったと思います。

 

――1番打者としての役割を果たすために意識していたことは

後ろに信頼できる打者がたくさんいるので、とにかく僕は塁に出ることだけを考えていました。

 

――守備についてはいかがでしたか

27個のアウトを取るのは大変なことですし、投手陣もそのためにとても頑張っているので、今日も打球をさばくことができて良かったです。

 

――最後に、次の明大戦に向けて意気込みを

秋は他大学も打撃面などで成長していると思いますが、なんとか総力戦で勝っていきたいと思います。

 

中村健人(環3・中京大中京)

――今日の試合を振り返って

前半、有坂投手がコーナーをしっかりついてきて、インコースもしっかり攻めるというピッチングをしていて、難しい状況でしたけど、森田が頑張ってくれて後半落ち着いてからしっかり集中して、集中打で追加点でいけたことが良かったと思います。

 

――2試合の連続のホームランでした。

最後の攻撃ということもあり、いい形で終えたいなというのもありますし、2死一塁の状況だったので、弱い中途半端なスイングにならないように、強いスイングを入れることが出来て、いい結果に繋がってくれたと思います。

 

――今日は好調だったと思うのですが、その要因はありますか。

だんだんと自分のポイントが分かってきている、そこにボールを呼び込むことが出来ているのが一番良いことで継続しなければいけないと思います。

 

――東大戦は今後につながる試合になったのではないですか

今日、僕もミスをしてしまいましたし、今日に関してはホームランでプラマイ0だと思うので、自分の与えられた役割を全う出来るように、最大限に表現できるようにまた練習したいと思います。

 

――次の明大戦は好投手との対戦になります。

いいピッチャーだからといって、コンパクトにはいきますが、小さくなりすぎないようにしっかり自分の形が出せるように練習したいと思います。

 

――今後に向け意気込みをお願いします。

明治、法政と続くところが、大きな山場であり、正念場だと思うので、しっかり準備を重ねてぶつかっていきたいと思います。

 

橋本昂樹(商3・慶應義塾)

――今日の試合を振り返って

1年の森田がしっかり投げてくれてて、1ー1でずっと続いてました。あいつが頑張ってたんで、なんとか野手で盛り上げていこうとしたら6点と大量得点が取れて良かったです。その後も相手が反撃をしてきたので、しっかり最後まで取りに行くぞと話して、9回にも追加点が取れました。しっかり攻撃できたかなと思います。

 

――初スタメンを伝えられた時の気持ちは

一応準備はしていたので、言われた時も「よしやるぞ」という気持ちで入れました。

 

――OBの藤本知輝さんと連絡を取っているそうですが

ベンチに入ることが決まった時に連絡をしたら「思い切り頑張ってくれ」と言われました。それで自信を持てていけましたね。

 

――今日の活躍をどう伝えたいですか

この後しっかり「出ました」と報告しようと思います。

 

――初ヒットの場面を振り返ると

打席の内容的には自分のスイングもあまりできていない状況で、いい形ではなかったです。飛んだところが良かったのてわ、絶対セーフになりたい、流れを変えたいという思いで走りました。ヒットにはなってくれたのでそこは良かったと思います。

 

――同じ神宮球場でも新人戦とリーグ戦の雰囲気の違いは感じましたか

観客も雰囲気や流れもフレッシュリーグに比べたら大きいものがあります。一つのプレーで流れが変わりますし、応援の後押しがあるので、そこは大きく差があるかなと思いました。でもやることは一緒なので、しっかり自分のやれることをしっかりやればいいと思います。

 

――これからの試合に向けて

これから明治、法政と強い相手が続きます。ここで勝ち点を落としてしまうと優勝は消えていくので、そこに向けて準備していきます。自分のできることを精一杯するだけです。チームワークを大切にしながら、これからも戦う中で成長していけるようにしていけば良いと思います。

 

柳町達(商3・慶應)

――今日の試合を振り返って

まず東大に勝ち点1を取れたというのはよかったです。

 

――6回の適時打について

前2打席が消極的な打席になってしまったので、どんどん初球から振っていこうという意識で打席に立った結果、良い結果が出たと思います。

 

――対東大戦2試合を振り返って

打たなければ勝てないという試合が増えてくると思うので、野手陣全員打線となって相手チームのピッチャーに向かっていくことが大事なのかな、ということがわかりました。

 

――昨日の試合をふまえて、今日の試合にどのような気持ちで臨んだか

昨日1試合接戦で勝ったのですが、今日で勝ちきるぞ、勝ち点1を絶対に東大からとるぞという意識で、昨日の反省を生かしつつ、今日に挑みました。

 

――今シーズンの意気込み

3連覇ということは慶應にしか達成できないことなので、それを目指して、みんなで優勝にむかって頑張っていきたいと思います。

 

――明大戦にむけて

明治は優勝に絡んでくるチームだと思うので、そこで勝ち点をとれるように頑張っていきたいと思います。

 

瀬戸西純(政2・慶應)

――今日の試合を振り返って

森田が初先発ということで、序盤に大量点を取って援護したかったのですけど、なかなか上手くいかなくて、そういった雰囲気の中で森田が粘って投げてくれたことが今日の勝因かなと思います。

 

――高校の後輩でもある森田投手のピッチングを見ていていかがでしたか

もともとコントロールのいいピッチャーで、しっかり試合は作れるので、今日は低めに丁寧に投げていましたし、安心して見てました。

 

――今日は守備でいいプレーがありました

少し足がもつれて、粘りでなんとかアウトにした感じなので、また帰って練習して詰めていかなければいけないと思います。

 

――打撃では2安打でした

この夏に取り組んだことが結構いい方向に出ているので、よりレベルアップして次のカードに臨みたいなと思います。

 

――連勝で取ったこのカードを振り返って

楽に勝てるとは思っていませんでしたけど、やはり緊張感のある展開でした。その中で大きなミスもせず、相手に流れも渡さなかったので、そこは良かったと思います。

 

――逆にこのカードで見えた課題などは

たくさん出てきました。守備では外野と内野の連係だったり、止められるところを止めれなかったりしましたし、打撃ではチャンスで一本というのがなかなか出なかったので、そこは課題だと思います。これからの相手はそこまで多くチャンスが無いと思うので、少ないチャンスをものにできるチームになりたいと思います。

 

――明大戦に向けて

一つ目の山だと思うので、ベストに持っていけるようにこの2週間しっかり準備していきます。

タイトルとURLをコピーしました