【テニス(男子)】全国準Ⅴも、王者の壁越えれず/全日本大学対抗テニス王座決定試合決勝 vs早大

庭球男子

ついに迎えた王座決定試合。シード校として出場した慶大は、2回戦で中京大学、準決勝で近畿大学を破り、再び王者・早大との決勝戦へと駒を進めた。現在王座13連覇中と圧倒的な強さを誇る早大だが、春の早慶定期戦、リーグ戦と敗れたとは言え確かな手応えを感じる試合内容だっただけに、十分に勝算はある。まずはこれまで通り、ダブルスでリードを作ってシングルスへと臨みたいところだ。勝てば41年ぶりの悲願達成。部員一丸となって、今季最終戦に臨んだ。

慶大

スコア

早大

D1 ●逸崎・羽澤

0 {4-6,6(6)-7}  2

坂井・田中

D2 ○福田・今村

2 {6-4,6-4} 0

齋藤・古賀

D3 ○畠山・山崎

2 {6-3,6-2} 0

島袋・木元

S1 ●羽澤

1 {2-6,7-5,3-6} 2

島袋

S2 ●逸崎

0 {5-7,2-6} 2

古田

S3 ○今村

2 {6-3,6-2} 0

小林

S4 ●畠山

0 {4-6,2-6} 2

千頭

S5 ●甲斐

1 {7-5,1-6,3-6} 2

田中

S6 ●中村

0 {2-6,4-6}  2

藤井

合計 3

6

全日本大学対抗テニス王座決定試合決勝 早大戦

2018年10月15日@愛媛総合運動公園

 

D3○畠山/山崎

2 {6-3,6-2} 0

島袋/木元

D3畠山成冴(環4・湘南工科大付属)・山崎瑛二(環4・慶應義塾)は、リーグ戦でストレート負けを喫した島袋・木元ペアとのリベンジマッチに挑んだ。早大エース・島袋の強烈なサーブを安定したレシーブで返し、早くも2ゲーム目からブレークに成功。その後も息の合ったネットプレーからサービスゲームをキープし続け、第1セットを奪い取る。第2セットは、5ゲーム目に山崎が鋭いリターンエースを決め、またしてもブレークを先取。勢いに乗る2人を前に、焦る相手からはミスが目立ちだす。ネット前で抜群の反応を見せる畠山の活躍も光り、7ゲーム目をブレークすると、相手に挽回の隙を与えることなく、見事チームの1勝目をもぎ取った。

 

D2○福田/今村

2 {6-4,6-4} 0

齋藤/古賀

リーグ戦、王座を通じてここまで負けなしのD2の福田・今村。この日も「相手関係なく自分たちのプレーができれば絶対に勝てる」(今村)と意気込んで試合に臨んだ。第1セットは抜群のコンビネーションを発揮した慶大ペアが6-4で先取に成功した。第2セットも、今村の強烈なストローク、福田の鮮やかなボレーが面白いように決まり試合を優位に進めていく。最後は今村のサービスエースで締め、慶大に2勝目をもたらした。

 

D1●逸崎/羽澤

0 {4-6,6(6)-7}  2

坂井/田中

「ダブルスを3-0にしよう」と臨んだ慶大。これに立ちはだかる最大の壁がインカレ王者の坂井・田中組だ。決勝ということで硬かったのか、1ゲーム目でいきなりブレイクを許してしまう。これが第1セットの明暗を分けた。その後、逸崎・羽澤ペアは立ち直るも、この日、成功率が高かった坂井・田中ペアのファーストサーブを捉えきれず、ブレイクバックに失敗。最終的にワンブレイクダウンで第1セットを落としてしまう。続く第2セットもブレイクを取れるかがカギとなった。ブレイクチャンスは9ゲーム目に訪れた。確実にポイントを重ね、15-40とリードするが、勝負所でミスが続き、最後は相手にサービスエースを決められる。またしてもブレイクバックに失敗。それ以降、ブレイクチャンスは訪れず、坂井・田中ペアのキープが続く。終盤に入り、両ペアのプレーの質が高まり、タイブレークに突入。両ペアともさらにヒートアップし、激しい打ち合いとなったが、逸崎・羽澤ペアは13ゲーム目で痛恨のブレイクを許す。一方の坂井・田中ペアは直後のゲームでキープに成功し、ゲームセット。慶大はダブルスを2-1で折り返すこととなった。

 

 

S6●中村進之介

0 {2-6,4-6} 2

藤井颯太

「第1セットはやっぱり硬かった」(中村)。序盤から厳しいコースを打ち分ける相手のテニスに翻弄され、思い通りのテニスが展開できない。結局、見せ所がなく、2-6で第1セットを落とす。「第2セットは悔いのない試合にしようと思った」と切り替えた中村。軽快なフットワークを生かしたラリーで、守りに入った相手を圧倒。一時4-1とリードする。このまま中村の一方的な展開が続くと思われたが、相手が再び攻撃的なテニスを展開し、流れが相手に傾くと、なかなかゲームが奪えず、ストレート負け。有終の美を飾れず、無念の敗戦となった。

 

S5●甲斐直登

1 {7-5,1-6,3-6} 2

田中優之介

S5の起用を受けた甲斐直登(環3・日出学園)は強敵・田中優之介との対戦に挑んだ。鋭いサーブを武器にキープし続ける甲斐は、相手のサーブがもたついた隙を突き5-5からブレークに成功。続くゲームもチャンスボールを着実に決めてキープし、見事第1セットを先取する。しかし、第2セットは相手の強打に打ち負かされ、勢いを失う。ストロークでのミスも目立ち、セットを2-6で落とすと、試合はファイナルセットへ突入。相手の強烈なサーブとストロークを前に流れを掴めず、0-5まで追い込まれる甲斐だが、粘り強くラリーを繋げる気迫のプレーで3-5まで挽回する。しかし、最後は勢いを戻して突き放す相手に力尽き、そのまま試合終了。無念の敗戦だが、強敵相手に大健闘を見せた。

 

S4●畠山成冴

0 {4-6,2-6} 2

千頭昇平

S4畠山は第1セット、先に攻撃を仕掛けられ7ゲーム目をブレークされる。長く続いたデュースを相手のミスを誘い出しながら勝ち取る粘り強さも見せたが、ストロークの安定に欠きセットを落とす。第2セットは相手のストロークに磨きがかかり、徐々に試合は畠山が劣勢の展開へ。随所で力強いフォアハンドエースを決めるポイントも見られたが、「一球多くねじ込むだとか攻め切るところが足りなかった」と、攻撃的なゲーム展開をできず。悔しいストレート負けを喫した。

 

S3○今村昌倫

2 {6-3,6-2} 0

小林雅哉

ダブルスでストレート勝ちを収めた今村はシングルスも波に乗っていた。対戦相手は春関で敗れた小林。粘り強くボールを拾い続ける相手に対して、今村は強烈なストロークを打ち込み続けいきなり5ゲーム連取に成功する。そのまま第1セットを取ると、第2セットに入っても今村の勢いは止まらず。最後まで強力なショットを放ち続けた今村に軍配が上がった。

 

S2●逸崎凱人

0 {5-7,2-6} 2

古田伊蕗

「最後は自分が勝って5-4、6-3なるということを昨日と今日考えた」と強い気持ちで試合に臨んだ逸崎。序盤から接戦となったが、逸崎がラリーでわずかに上回り、5-4とリードする。しかし、「粘り強い」古田がここからギアを上げる。簡単にボレーをさせてくれないパッシングショットを決めるなど、好プレーを連発。それに対して逸崎は「前に出るか出ないかという判断が難しくなった」と言うように、持ち味である積極的なネットプレーが封じられると、満足のいくプレーができず、10ゲーム目を落とす。それ以降、流れが古田に傾き、5-7で第1セットを落とす。背水の陣で臨んだ第2セット。1ゲーム目からサービスゲームのキープに成功するが、5ゲーム目でキープに失敗。それ以降、ストローク、ネットプレーでのミスが増え、ゲームをなかなか奪えず、ストレート負け。「もっと思い切った判断ができていれば、結果は変わっていたかもしれない」と言うように、逸崎は悔しさをにじませた。

 

S1○羽澤慎治

1 {2-6,7-5,3-6} 2

島袋将

S1は当然、早慶エース対決となった。早大のエース島袋とは春の早慶定期戦、リーグ戦で戦い、ここまでは羽澤が2連勝を飾っている。しかし、王座制覇が懸かった大一番。早大のエースは甘くなかった。試合序盤から積極的に攻める島袋に対し、羽澤は防戦一方の展開となる。4ゲームを連取され勢いそのままに第1セットを落としてしまう。第2セットもなかなか流れを掴めず4-5まで追い詰められるが、リターンゲームを何とかものにすると、相手のミスにつけ込み逆にこのセットを奪い取った。しかし最終セット、3ゲーム目のキープに失敗すると「後手後手に回ってしまった」と話すように主導権を奪うことができず。試合は、早大のエースに軍配が上がった。

 

やはり王者の壁は厚かった。しかし坂井監督が話したように、「ダブルスで主導権を握り、シングルスへ臨む」というスタイルが確立できたことは来年以降の慶大庭球部にとって大きな財産となるだろう。ダブルスで結果を出せただけに、来年はシングルスの強化にも期待したい。今回で引退する4年の穴は確かに大きいかもしれない。しかし、慶大庭球部の結束力なら来年も素晴らしいチームを作ってくれるはずだ。来年こそは王座の舞台で若き血を響かせてほしい。

 

(記事:内田貴啓、堀口綾乃、萬代理人)

 

◆試合後コメント◆

坂井利彰監督

――今日の試合を振り返って

まずはダブルスを3-0にしようとしました。なかなか早慶戦で勝てなかったD3を取ってくれて、いい流れになりました。結果的にダブルスは2-1になり、シングルスの下位につないでくれましたが、少し力及ばずというところでした。

――準優勝という結果について

監督としての力不足です。学生たちは一生懸命頑張ってくれて、胸を張って卒業してもらいたいという気持ちだけです。

――どういうところで早大との差を感じましたか

やはりシングルスの力ですね。ダブルスの力は今回上回っている部分がありました。シングルスでまだまだ勝ちきれなかったので、シングルスの力の差だと思います。

――男子の総括

今シーズンはダブルスでリードして、主導権を握る戦い方ができました。こういう型というのができたこととうのはチームの力になりました。男子はそこに関しては大きかったです。

 

中村進之介(商4・慶應湘南藤沢)

――今の率直な感想は

1年間やってきた取り組みやチーム作りには何一つ後悔がありません。やっぱり僕自身がシングルスで勝てなかったので、それに尽きると思います。メンバーはメンバーで最大限にやってくれましたし、サポーターも自分たちの役割を最大に果たしてくれたので、僕の代でやってきたことに関しては何も後悔がなく、胸を張って3年以下には次の代に進んで欲しいし、同期もそれぞれの道に向かって進んでくれたらなと思っています。本当にいい1年間で、その中でもいい試合だったというのが率直な感想です。

――ご自身の試合を振り返って

技術云々の試合にはならないということはわかっていたんですけど。王座決勝で自分のプレーができるかわからないというなかで、ファーストセットはやっぱり硬くて一定のペースになってしまいました。セカンドは悔いのない試合にしようと思い、自分のテニスをやって一時はリードしたんですけど、最大限に自分でやりきれなかったところが最後の逆転に繋がっていたのかなと思います。試合の振り返りはもうしないのですが、自分の全部は出し切ったけど足りなかったのだと思います。

――主将を務めた1年間を振り返って

メンバーを決めるにしても次の予定を決めるにしても、何事も決断しなければならず、毎日色々と考えることが大変でした。でも、キャプテンをやって色々なことを話したり考えたりする機会が増えたので、一人一人の仲は絶対に深まりました。全員の色々な部分を知れて、最終的には全員が王座決勝に向けて全力を出してくれたんじゃないかと思います。そこに関しては、僕は本望かなと思います。

――慶大庭球部で過ごした4年間を振り返って

最初は結構問題児で、監督にキツイ言葉をかけられたこともあったのですが、色々な代のキャプテンから色々な言葉をかけられて、去年キャプテンに選ばれて、こうして終えられて。自分の足りていない部分に合わせて手をつけて、成長できた4年間だったと思います。正直テニスの結果などで悔いがないかと言われたら悔いしかないんですけど、人間的な部分や一つ一つの発言には自分の中にも重みが出たのかなと思うので、自分のそういった内側の面を成長させてくれた4年間でした。ただただ楽しかったです。

――ともに最高学年としてチームを率いた同期に向けて

色々と問題のあったなかで、僕の中では4年間で一番いいチームが作れたのではないかと思っているので、一緒にこのチームを作ってくれた幹事をはじめ、同期にはよくこんな俺に付いて来てくれたなという思いがあります。テニスもずば抜けて強いわけではなかったので、逸崎や畠山、山崎に関してはテニス面で引っ張ってくれて、(同期は)色々な方向から僕を支えてくれていたと思います。女子も色々な時期があったなかで、こうして愛媛まで応援に来てくれて。まあ、個性豊かでハチャメチャな同期だったなという感想です。

――今後の庭球部へ向けて

69人中61人は残るので、その部員の多さは最大限に生かしてほしいなと思います。僕らと3年の代は色が全然違うので、僕がやってきたチーム作りをやることが正しいことではないですし、何なら合わないと思うので、3年らしい色を出して、もう一回ゼロから作り直していって欲しいと思います。今、1年から3年までは相当まとまっている状態だと思うので、とにかくチームの熱をどこよりも多くして、結果はどうであれ、このインタビューをしている来年の主将が笑ってくれていたら、僕は最高に嬉しいかなと思います。

 

逸崎凱人(環4・大阪産業大付属)

――どういう気持ちで今日の試合に臨みましたか

リーグ戦で早大に4-5で負けました。最後は自分が勝って5-4、6-3なるということを昨日と今日考えました。

――ダブルスを振り返って

ファーストサーブ、ボレーなど、相手のプレーが凄くよかったです。それに対して自分たちはレシーブや相手のナイスプレーに対して自分たちが引いてしまったというところがありました。もう一歩前に出ることや、低いリターンを打つことができなかったです。後悔はないとは言えませんが、自分たちのプレーができたと思います。

――シングルスを振り返って

相手の古田が粘り強くプレーしていて、ファーストセットを取れそうなチャンスはありました。自分が前に出てのミスが出たり、古田がいいパッシングを打って、それに対して前に出るか出ないかという判断が難しくなりました。それで迷いが出たりしてしまいました。もっと思い切った判断ができていれば、結果は変わっていたかもしれません。

――今年のチームを振り返って

ダブルスに関しては日本一であったと思います。今村・福田はリーグから通して全勝で、頼もしい存在でした。畠山・山崎に関してリーグ戦で負けた相手にロースコアに抑え、勝ってくれました。1年間通してその2ペアは成長してくれたと思います。羽澤も1年ながら堂々とプレーしてくれました。その中で最後自分が勝てなかったというのはすごく申し訳ないです。

――庭球部での4年間を振り返って

正直、1年、2年のときはつらい時が多かったです。4年になって副将となりました。最後はいいチームができて、そのチームで送り出してもらえることを考えると、4年間の後悔はないです。自分にとって慶應に入るというのが人生の中で大きな決断でした。関西から慶應に来て難しい部分がありました。そこで自分を成長させてくれたのが慶應の庭球部でした。坂井監督をはじめとするコーチ陣や、下級生の時の先輩には迷惑をかけましたが、ありがたい言葉をかけてくれました。そのおかげで今の自分があると思います。この庭球部にすごく感謝を感じています。高校の時は目立った戦績はなかったです。慶應に入って最後の年で、インカレでベスト4に入り、畠山とインドア取れたというのを考えると、いい経験になりました。日本一を取る難しさを痛感させてくれたのも慶應の庭球部です。慶應に入って率直に良かったと思います。

 

畠山成冴(環4・湘南工科大付属)

――今の率直な感想は

4年間庭球部に所属していて、王座優勝という目標を達成できなかった悔しさがほとんどなんですけど、それだけじゃなく、僕が1年のときにいた先輩方や、4年になったときの後輩たち、監督やコーチ陣にここまで貴重な経験をさせてくれた感謝の気持ちもいっぱいあります。

――ご自身の試合を振り返って

ダブルスは、リーグ戦では5-7、5-7で負けている相手で、島袋選手はかなり実力のある選手だということはわかっていたんですけど、泣いても笑っても今日の試合で最後なので、細かいことは気にせずに後悔のない試合をしようと試合に入った結果、山崎とコミュニケーションを取って、コンビネーション良く試合ができたという印象です。シングルスはダブルスと違って、1ポイントごとのラリーの長さなど勢いだけでいけない部分があって、その中で少し自分が硬くなりすぎていたというか、もっと自分で攻める機会を作っていくようなプレーをした方が良かったのかなと思っています。相手の選手もいいプレーがあったんですけど、自分の中ではもう少し一球多くねじ込むだとか攻め切るところが足りなかったと思います。

――最高学年として過ごしたこの1年間を振り返って

最前線でプレーするという役目もそうなんですけど、僕ら4年は下に61人いるのに対して8人しかいないという意味では、組織としてどういうチームを作るかというところが大変というか、楽しかったところです。自分のテニスに関しては、正直2年次に比べたら戦績は劣るんですけど、インカレでは春関優勝の川橋(勇太・筑波大)選手に勝ったことだとか、今日のダブルスも結果のある島袋選手に勝てたことだとかは、本当に貴重な財産というか。まとめると、人生のなかでも濃い1年間だったと思います。

――慶大の庭球部で過ごした4年間を振り返って

言葉では言い表せないくらい感謝していて。もちろん王座優勝というのは誰もが目指すところなんですけど、結果だけでは得られないものが自分の中で経験できたと思っています。人間的な面での成長だったり、組織としてどういう役割を全うすべきかというふうに、団体戦優勝という中には、ただテニスが上手くなるだけじゃなくて、色々な要素が含まれていると感じているので、その意味ではこの4年間は感謝と同時に、この部に来てよかったと心の底から思いますし、面倒をかけた先輩、迷惑をかけた後輩もいるんですけど、色々な人とのかかわりあいのなかで人間的に成長できた4年間だったと思います。

――引退後は

僕はプロや実業団という道ではなく、就職をするので、今のようなテニス生活はできないんですけど。戦いの場からは遠ざかるという形です。

――今後の庭球部に向けて

その一瞬一瞬の出来事に関しては、もちろん面倒くさいことや大変なこと、きついことが嬉しいことよりも多いと思うんですけど、それがあってこその4年間だと思っています。誰でも楽な選択ができるなかで、組織の中に所属して、少しでも辛い選択をみんなでしていく作業は、意外と人生のなかでも少ないと思います。時には同期と喧嘩をしても、最後はそれが報われる日が来ると思うし、その時間は貴重なものだから、どんなに辛くてきつくても、楽な道には逃げてほしくないし、その先に喜びや嬉しさ、幸せが生まれるものだと思っています。後輩たちには王座優勝という結果とともに、慶應の庭球部だからこそ味わえる人間味のある問題と向き合って欲しいと思います。

 

山崎瑛二(環4・慶應)

――ダブルスを振り返って

相手は島袋・木元だと予想していたので、僕と畠山で前詰めてお互いのやるべきことをただ体現することで結果はついてくると思っていたので、最後に畠山とああいう試合ができて本当に良かったと思います。

――自身最後の試合、どのような気持ちで臨みましたか

4年間自分の中でもちろん嫌なことだったり、もっとできたなということもありましたが、これが最後の試合ということでその全部をぶつけるという思いと、OB・OGの方々だったり先輩に感謝の気持ちを持って自分がここまで成長できたということを見せられる試合にできたらいいなと思って臨みました。それが最後できたかなと思うので、個人としての試合では後悔はないです。

――畠山と組んだ1年間を振り返って

畠山とは高校の最後の年、ジュニアで一緒に組んで全国ベスト4まで行って、とにかくお互い信頼し合っていたので、何でも言い合えるというか「もっとこうしろ」とか「こうしてみたらどうなの」というのをずっと言い続けてきた1年間で、それは信頼があるからこそだと思います。最後一緒にこういう形で終われたというのは、畠山に感謝しているし、自分もこれまで畠山を信じて戦えてよかったなと、感謝しかないです。

――準優勝という結果は

結果は準優勝という形ですが、チームにはすごく感謝したいです。同期が8人しかいない中で、8人を信じてついてきてくれた後輩たちには本当に感謝しかないし、誇りに思っています。優勝ができなかったのは4年の責任なので、頂上を見せられなかったのはすごい申し訳ないです。来年絶対3年が束となってやってくれると思うので、その思いを引き継いで頑張ってほしいです。

――引退した今の気持ちは

正直、今日の試合含めて勝ってよかったなと思いますが、まだ手を付けられたところはあったかなと思います。1年、2年の時は自分は試合に出てなかったり、自分が変わろうとする努力や気づきがまだなかったので、それが1年の頃からできていたら、もっと結果は変わっていたと思うし、先輩に迷惑をかけずもしかしたらもっと早く日本一になれたんじゃないかという後悔はあります。それに関してはまだまだできたかなという思いはありますね。

――同期に対しては

率直に「ありがとう」という一言かなと思っています。みんなジュニアの時から仲良しで、こういう風に少ない代だからこそお互い支え合ってここまでやってこれて、結果は準決勝だけど、素晴らしいチームができたと思います。やっぱりそれは進之介の主将としての力だったり、逸崎の副将としての力、山中の主務の力だったりで、本当に一人一人がお互いを支え合ってやってこれたからこの結果があると思っているのですごい感謝しています。

――後輩に対して

このチーム、今の3年、2年、1年と戦えてすごい幸せ者だなと思っています。すごい何もしてこなかった自分をここまで信じて応援してくれて、辛い日々も一緒に過ごしてくれて感謝しています。結果は4年の責任だと思うので、とにかく後輩たちは胸を張って、来年に向かってまた日本一を目指せるように成長を続けてほしいなと思います。

――特に期待したい後輩は

やっぱり今の3年の、福田、甲斐、平山。その3人は今日の悔しい気持ちを思い続けて1年後は、今の結果より上の日本一につなげてくれると思います。あとは、S1、D1として頑張ってくれた羽澤には期待をしたいというか、より成長して強くなった姿を、個人としては将来どうなるか楽しみです。

――今後のテニス人生は

テニスは機会があればやろうと思っているので、全然辞めようとは思ってないです。この16年間ずっとやってきた、熱中してきたものなので、またやりたいと思っています。テニス以外でも後輩たちに何か伝えられることがあるなら、伝えたいと思っています。

 

今村昌倫(環2・清風)

――今日のダブルス振り返って

ダブルスは今大会全体的にいいプレーができていたので、相手関係なく自分たちのプレーができれば絶対に勝てると思っていました。それが最後までやり切れたので良かったと思います。

――シングル振り返って

春関で負けた相手で結構苦手意識があったので、自分があんなに簡単に勝てるとは思いませんでした。ダブルスと同じでシングルスも今大会で結構自分のテニスが確立されていい状態だったので、前回負けたとか関係なく自分の軸だけブラさずに最後までやり切れて良かったです。

――リーグ戦、王座通して無敗でした

単純にすごい嬉しいと感じています。最後の最後にチームは負けてしまったので、勝った気はしないですけど。個人としてはこの期間ですごく成長できたと感じています。

――成長できた部分は

体力面でこの1年間向上したので、最後まで良いプレーが持続できるようになったと思います。

――準優勝という結果は

単純にすごい悔しいという気持ちでいっぱいです。ただただ悔しいです。

――来年に向けて

来年は僕が3年になって上級生としてチームを引っ張っていくと思いますが、ただ先輩についていくだけじゃなくて、チーム全体のことを見ていいチームを作れたらなと思います。

 

羽澤慎治(環1・西宮甲英)

――ダブルス振り返って

最初のゲームが自分のサーブでそこをブレイクされてしまって、相手のサービスゲームが終始確率が良くてなかなかブレイクすることができず、第1セットを取られてしまいました。第2セットは自分たちが動いてボレーでプレッシャーを掛けられていただけに、最後タイブレークを取れなかったのは痛い部分です。結果的にダブルスで3-0つけれていれば、今村さんが勝って王手を掛けられる状況だったので、大事な試合だったと思います。

――逸崎と組んだダブルスは

逸崎さんはサーブもボレーもストロークも安定していて、僕は自分から動きたいので、組みやすかったです。4年ということもあって気持ちの面で、引っ張ってくれたところが大きかったので頼もしかったです。

――シングルスを振り返って

最初、相手のプレーが本当に良くて、春の早慶戦やリーグ戦とは違うミスもなくアグレッシブなテニスに対応できなくて、自分のミスが出てしまいあっさり第1セットを取られてしまいました。第2セットもそのままいかれそうでしたが、何とか踏ん張って一球でも多く返して単調なリズムにならないことを意識していたら、相手のミスも増えだしてファイナルに行くところまでは良かったです。ファイナルセットに入った時に相手がより先に攻めてきて、自分はそこで後手後手になってしまったかなと思います。あとはサービスが、確率も良くなかったし、チャンスボールを引き出せるようなサーブが打てていなかったなと思います。まだまだ勝つためには足りないなと感じました。

――初めての王座の雰囲気は

慶大は優勝すれば41年ぶりということで、歴史を変えるためにみんなエネルギーを出して応援も熱が入っていたと思いますし、選手も今まで以上にファイトできていたと思うので、特別な舞台にいたなと感じました。

――来年に向けて

終わったばかりで、4年が抜けてどうなるかというイメージはできないですが、1年で引っ張ってもらう部分も大きかったですが、今度は自分が引っ張っていかないと、と思いますし、もっと強くなる可能性がこのチームにはあると思うので、このチームが強くなるようにエネルギーを出して頑張りたいと思います。

――先輩から掛けられた言葉は

お前はまだまだここからだぞ、来年は絶対勝ってほしい、といった言葉を掛けられました。

 


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