【バレーボール】今季初のフルセットを制し、1部・2部入替戦進出に王手!/秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦 第9戦 vs大東大

バレー戦評

勝利直後の選手たち

入替戦進出へ、王手をかけた。東日本インカレで激戦を繰り広げた大東大との再戦は、今季初のフルセットまでもつれた。第4セットまで、互いに一歩も引かない展開が続き、まさに意地のぶつかり合いとなる。そして、勝負の最終セット、慶大は4連続失点で窮地に追い込まれたものの、途中出場の副将・富澤太凱(経4・慶應)がチームを盛り立てるなど、一丸となって逆転し、見事勝利を収めた。

 

 

2019年10月19日(土)

秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦

第9戦 慶大×大東大

@立正大学熊谷キャンパススポーツキューブ

 

得点

慶大

セット

大東大

25

20

23

25

25

18

24

26

15

13

 

 

出場選手(サーブ順)

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

26

谷舜介(環2・徳島城東)

WS

23

小出捺暉(環2・駿台学園)

MB

19

樫村大仁(環3・茨城高専)

OP

マルキナシム(総4・川越東)

WS

吉田祝太郎(政3・慶應)

MB

12

清水柊吾(総3・広島城北)

Li

17

加藤真(商3・慶應)

永田将吾(総2・高松)

途中出場

14

赤川拓(理3・横手)

宮川郁真(総2・松本県ヶ丘)

21

富澤太凱(経3・慶應)

 

ここまでリーグ戦8連勝と強さを見せつけてきた慶大。9戦目の相手は大東大。今年の東日本インカレで、すでに対戦したチームだ。東日本インカレでは、2セットを先取されながらも慶大が意地を見せ、辛くも勝利を収めた。リベンジに燃える相手に対し、激戦が予想された。

 

 

ボールを冷静にさばく清水柊吾(総2・広島城北)

注目の第1セット。マルキナシム主将(総4・川越東)のサービスエースで初めてのブレイクを奪うと、序盤は互いにブレイクを奪い合う展開が続く。抜け出したい慶大は、12-12の場面から吉田祝太郎(政3・慶應)とマルキのスパイクなどで3連続得点を奪い、点差をつける。その後は、サイドアウトを切り合いながらも相手のミスで先にブレイクを奪った慶大が、このセットの主導権をつかんだ。最後は吉田がサービスエースを決め、第1セットを幸先よく先取した。

 

 

1点1点、選手たちは喜びをあらわにする

続く第2セット、序盤からブレイクを重ね、リードを奪う。試合はこのまま慶大ペースで進むと思われたが、中盤から立て続けに連続失点を重ねるなど失速する。流れを変えたい慶大は、セッター谷舜介(環2・徳島城東)と代えて富澤副将を投入。本調子ではないながらも富澤がスパイクを決めるなど、同点に追いつく。勢いに乗った慶大はその後、先にブレイクを奪い、逆転に成功。一気にセットを奪いたかったが、吉田・マルキのスパイクがブロックに阻まれてしまう。再び逆転を許し、慶大は惜しくも23-25で第2セットを落とす。

 

 

相手がサーブを打つ瞬間の慶大コート

切り替えたい第3セット。サイドアウトを切り合う展開が続くも、先に試合を動かしたのは慶大だった。吉田のバックアタックなどで、3連続得点を奪うと、その後も谷と小出捺暉(環2・駿台学院)の息の合った攻撃が決まるなど、14-7と差をつける。その後も、サーブで相手の形を崩し、相手に思い通りの攻撃をさせなかった慶大。25-18で第3セットをものにする。

 

 

第4セットも先ほどのセットの勢いそのままに、序盤は慶大がリードを広げる。しかし、「途中で集中が切れてしまいそこで逆転された」と谷が振り返ったように、中盤以降はなかなかブレイクが奪えず、さらにミスも重なり、終盤に逆転を許す。そこから吉田のスパイクなどでなんとか同点に追いつき、デュースまで持ち込む。しかし、このセットも途中から出場した富澤が最後にブロックに阻まれ、試合の決着はフルセットまでもつれこんだ。

 

 

久しぶりにセッターを務めたWS吉田

勝負の最終セット。マルキのスパイクがブロックに阻まれ、先にブレイクを許す。しかし、すぐさまもう一度マルキのスパイクで2枚のブロックをこじ開け、強気なバレーでブレイクを奪い返す。リードした状態でコートチェンジを迎えたかったが、大事な場面でミスが出てしまい、4連続失点。嫌な流れが続く慶大は、ここで富澤をコートへ送り、吉田がセッターという布陣を再び取る。すると、富澤がスパイクを決め、さらにサーブで相手を崩すなど、気迫のプレーを見せてチームを盛り立てる。勢いを取り戻した慶大は、吉田のブロックで同点に追いつき、マルキのスパイクなどで逆転に成功した。その後は相手にブレイクを許さなかった慶大が15-13で最終セットを奪い、フルセットに及ぶ激戦を制した。

 

皆が富澤副将の完全復活を待ち望んでいる

「よく粘った」。宗雲健司監督は開口一番にそう振り返った。今季初めてフルセットまでもつれた試合。最終セット、選手にのしかかった重圧は相当なものであっただろう。劣勢に立たされたが、それをチーム一丸となってはねのけ、見事勝利を収めた。開幕から9連勝を果たし、いよいよ入替戦出場に王手をかけた。明日の相手は、同じく全勝の法大。法大を破れば、入替戦が確定する。「絶対勝ちたいと思います」と語った吉田をはじめ、各選手は試合後、すでに明日の試合を見据えていた。残り2戦となったリーグ戦。最後までチーム一丸となって駆け抜けてほしい。

 

 

(記事:菊地輝 写真:持丸嘉昭・藤澤薫)

 

 

以下、コメント

 

宗雲健司監督

 

――今日の試合を振り返って

よく粘った。(第5セットは)リードされてコートチェンジして、嫌な展開だったんですけど、よく諦めないでしつこく手を出してワンタッチを取って、よくスパイカーが打って、よく守りましたね。

 

――勝ち切れた要因は

リードされてもみんなが全く切れないで、空中分解していない。みんなが一本切り返して、なんとかブレイクとみんなが必死にやっていた。そういう機会をたくさん作っていたのであのような結果になったのではないかと思います。

 

――セットごとに波があったのは

相手のブロックのマークが変わったりしました。あとは、向こうが2セット目にクイックを使ってきて、サーブ権をとってもすぐにクイックで切られてしまうので、みんながイライラしていた。そこから3セット目からはサーブで崩すことができ、両サイドを封じることができました。

 

――吉田選手がセッターを務めるなど、ポジションに動きがありました

学生の方から良いアイデアを出してもらって、積極的に学生のアイデアを生かしました。昨日練習してくれて、結果が出なかった面もありますが、可能性を感じました。新しい武器が増えたということで、今後もあれはやらせます。

 

――次戦に向けて

今週2連勝するということを学生も言っていました。こうして粘って勝ったので、明日何としてでも勝ちたいと思います。

 

 

 

吉田祝太郎(政3・慶應)

 

――今日の試合を振り返って

こっちのバレーはできていて本当に良かったんですけど、向こうの攻撃に対して対応もできていたんですよ。でも本当に、サイドアウトでレシーブまではできたんですけど、最後決めきるところで、特に僕が決まらなくて。他のみんなは頑張っていました。4セット目とかも、もうちょっと(点差を)離したら向こうも諦めるけど、ってところで決まらなくて。でもチームとしては良かったと思います。

 

――東日本インカレを踏まえて大東大の対策は

リードブロックをめちゃくちゃ練習しました。大東大は両サイドが高いので。すごくハマっていたかなと思います。でも予想以上に大東大のブロックが良くて、こっちの攻撃ができなかったのが競った要因かなと思います。

 

――セッターを務める場面もありましたが

あれは昨日監督が思いついて、練習して今日やってみたんですけど、(富澤)太凱さんとトス合わせてなくて、太凱さんがミスったみたいになっちゃったんですけど、僕のトスが合ってなくて、あれを練習したらって感じですね。

 

――次戦に向けて

絶対勝ちたいと思います。

 

 

 

樫村大仁(環3・茨城高専)

 

――今日の試合を振り返って

今週からレベルが1つ2つ上がって、厳しい試合になることは分かっていたんですけど、割と対策っていう部分ではハマっていて、ブロックとかで相手を抜かせるっていうのは良かったんですけど、最後(レシーブが)上がらなかったのがちょっと残念というか。でもそれ以外は、相手も強かったし、勝ち切れたってことで良かったです。

 

――取られたセットとの差は

基本サイドアウトとかは返せていたんですけど、取られたセットはブレイクのときに、勝負してシャットかかっちゃうってことが多かったので、それぐらいだったかなという印象です。それ以外は結構パスも返って、クイックも使えていたので良かったかなと思います。

 

――次戦に向けて

明日も全勝の法政なので、簡単にはいかないと思うんですけど、今日しっかり対策して万全の状態で挑みたいと思います。

 

 

 

永田将吾(総2・高松)

 

――今日の試合を振り返って

雰囲気はすごく良くて、バレーの内容も今までの試合に比べたらすごく良い方だったと思います。まあ相手が強くなっているので、競ってしまうのはしょうがないと思いますし、その中でも最後で勝ち切れたっていうのは大きいと思います。

 

――今リーグ戦で初めてフルセットとなりました。最後、勝ち切れた要因は

気持ちの部分がすごく大きいと思っていて。先週の日曜日、日体大と練習試合をしたんですけど、前日の練習が台風で休みになっちゃって。コンディションを整えるのが難しかったりとか、(練習試合が)あるのかないのかわからなかったりして、それで練習試合、日体大に対して気持ちが向かっていない、っていうのがチームの課題として出ていて。そのままじゃ2部でも負けるっていうことで、今日は全員がすごく気持ちを入れて試合に臨めたと思いますし、そこで最後逆転できたと思います。

 

――1・3・5セットを取りましたが、取ったセットと取られたセット、何が違ったのでしょう

多分、取られたセットも、中盤とかはこっちの方が出ていて。そこから相手にポンポンポンって2~3点取られて、中盤に追いつかれるっていう展開があったので、それがあるかないかの差かなとは思います。

 

――スパイクを拾えなかったとき、普段よりも悔しそうな表情をしているように感じました

東日本(東日本インカレ)で大東大とやったときに、僕は出ていなかったので外から見たイメージでしかないんですけど、すごく高くてしっかり打ってくるチームだっていうイメージがあって。ブロックはもちろん対応していたと思うんですけど、ブロックだけでは対応しきれないボールっていうのが、今までの試合よりいっぱい出るなっていうのは想定していて。それを拾わなきゃ勝てないと思っていたので、それが上がらなくて悔しかったっていうのはあります。

 

――今日のご自身のプレーを振り返って

最近の試合の中では良い方かなと思うんですけど、ただ、今日とかもずっと競っていたので、もっとサイドアウト側の人を楽にできるようなプレーっていうのは心がけないといけないなと思います。

 

――次戦に向けて

法政に勝てば、僕らの入替戦もほぼほぼ決まると思います。そういう意味で明日は多分一番って言っていいくらい大事な試合になるので、今日はゆっくり休んで、全員でもう一回気持ちを高めて試合に臨みたいと思います。

 

 

 

谷舜介(環2・徳島城東)

 

――今日の試合を振り返って

サイドアウトとか、自分たちの形で良い感じに取れていましたが、要所で相手に連続ポイントを取られてしまい、そこで離されてしまいました。

 

――勝ち切れた要因は

気持ちを切らさずに我慢し続けて、自分たちがやることをやったのが良かったと思います。

 

――取れたセットと落としたセットの差は

もちろんムードが良かったというのもありますし、最後まで集中できたのが大きかったです。4セット目は、序盤は離していましたが、途中で集中が切れてしまい、そこで逆転されたので、最後まで集中できたセットを取れたと思います。

 

――今日のコンビはどうでしたか

最近練習で合っていなかったんですけど、今日は今までと比べたら合っていた方だと思います。

 

――次戦に向けて

明日勝てば入替戦確定なので、明日は必ず勝ちます。

 

 

順位表(10月19日終了時点)

順位

大学

勝利数

セット率

1位

慶大

5.4000

2位

法大

3.8571

3位

大東大

3.4286

4位

亜大

1.8333

5位

国際武道大

1.6923

6位

国士館大

1.4000

7位

桜美林大

0.5238

8位

中央学院大

0.5217

9位

平成国際大

0.4167

10位

立大

0.5000

11位

山梨大

0.2500

12位

立正大

0.2400

 

◇順位の決め方◇

勝利数が同じ場合、セット率(得セット数/失セット数)の高い方が上位となる。

セット率も同じ場合、得点率(総得点/総失点)の高い方が上位となる。

なお、上位2チームは1・2部入替戦に進出できる。

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