【野球】東京六大学初のグランドスラム達成へ 明治神宮野球大会決勝戦展望

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神奈川大との準決勝を勝利し決勝進出を決めた慶大。決勝戦の相手は横浜市長杯を制した中央学院大。強打を武器に準決勝では戦国東都で春秋連覇を達成した國學院大を撃破した。明日の決勝に向け、対戦相手を分析する。

準決勝ではエース・古田島が力投を見せた

注目ポイント①強力中央学院大打線

明日の決勝、まず先発の立ち上がりがポイントとなるだろう。中央学院大は2回戦、準決勝ともに序盤の2回で大量得点をあげている。一度つながると止まらない強力打線だが、その中でも中軸が好調。3番・佐藤晃一(4年・聖光学院)、4番・嘉数尊(4年・興南)は今大会それぞれ本塁打を放っている。つながる打線は脅威だが、一方で中盤以降は淡白な攻撃になることも多い。慶大の先発は今大会未登板のエース森田晃介(商4・慶應)が予想される。慎重に攻め過ぎず、いつも通りの投球をできるかが中央学院打線を封じる鍵となる。

本塁打を放った佐藤

注目ポイント②要注意投手2枚看板

強力打線に注目が集まる中央学院大だが、好投手も擁する。まずは古田島成龍(4年・取手松陽)。2回戦で先発して1失点完投の好投を見せると、準決勝でも救援として登板。9回途中まで投げる好救援でチームの窮地を救った。古田島の武器は最速151キロの力強い速球。攻略には速球に力負けしないスイングが求められる。もう一人の注目投手は山﨑凪(4年・千葉英和)。切れ味鋭いスライダーとフォークを武器に三振を奪う投手だ。準決勝では9回無死満塁のピンチで登板すると打者3人を完璧に抑えてチームを救った。明日の決勝では先発が予想されるが、ボール球を見極めや甘い球を一振りで仕留めることが求められるだろう。

無死満塁のピンチを3人で切り抜けた山﨑

注目ポイント③どうする投手リレー

リーグ戦では救援陣が優勝に大きく貢献した慶大だが、今大会は守護神の橋本達弥(環3・長田)が登録を外れ、リーグ戦よりも継投が難しくなっている。準決勝では今年リーグ戦未登板の長谷川聡太(経4・慶應)やリーグ戦では先発を務めた増居翔太(総3・彦根東)が中継ぎで登板しそれぞれ無失点に抑える活躍を見せた。決勝でも柔軟な継投が求められることになるが、経験豊富な堀井哲也監督がどのような選択をするかにも注目が集まる。

準決勝では長谷川が1回0封の好投を披露

泣いても笑っても明日が慶大野球部2021年の最後の試合。リーグ戦春秋連覇、全日本選手権優勝の慶大が地力では上回るが、中央学院大はリーグ戦からここまで11連勝中と勢いがある。絶対王者として、そして伝統ある東京六大学の代表として勝利を収め、4冠達成なるか。偉業を果たさんとする選手たちが慣れ親しんだ神宮の地で躍動する。

(記事:國本葉月 写真:林亮佑)

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