【バレーボール】個々の力が光るも、流れを引き寄せられず敗北/春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 第7戦vs日大

バレー戦評

日大の攻撃にしっかり食らいつく

 

現在2勝4敗でそろそろ勝利をあげたい慶大は、この日気合十分に日大との一戦に臨んだ。序盤はチーム全体に固さが目立ち、思うようなバレーができない場面もあったが、第2セットでは途中大きくリードを奪うことに成功。しかし、小さなミスが結果的に響き、セットカウント3-0で悔しい敗戦となった。今後の課題は波のあるプレーをどう安定させていくか、というところ。個々の力がうまく嚙み合ったときの慶大の力は未知数である。毎週成長した姿を見せてくれる彼らに、来週以降の試合も期待したい。

 

 

 

2022年5月21日(土)

春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

第7戦 慶大×日大

 

得点

慶大

セット

日大

19

25

23

25

18

25

 

 

出場選手(サーブ順)

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

   
   

OH

島田航希(経3・慶應)

MB

芳賀祐介(環2・札幌北)

OP

松本喜輝(環3・九州産業)

OH

渡邊大昭(商2・慶應)

MB

降小雨(商4・慶應)

S

高倉真古都(商4・慶應)

L(ディグ)

25

樋口太樹(経4・慶應)

L(レセプション)

山元康生(法1・慶應)

途中出場

 

 

OH

12

内田克弥(環2・松江工業)

OH

18

安達龍一(環4・洲本)

 

 

 

この日大活躍の渡邊

第1セット。渡邊大昭(商2・慶應)が「体育館に慣れるのに時間がかかった」と言ったように両チームとも序盤は全体的に動きに固さが目立ち、スパイクで得点を決めるというよりはミスの応酬が続く展開に。5点差をつけられたところでタイムアウトを要求した慶大は、その後松本喜輝(環3・九州産業)の活躍や相手のミスにより2連続得点を奪い7-11とするも、相手の速いトス回しに対応しきれず、あっという間に7-14とダブルスコアをつけられてしまう。何とか巻き返したい場面、甘く返ってきたボールを芳賀祐介(環2・札幌北)がダイレクトを打ち込み得点すると、今度は松本が力強いスパイクでブロックアウトを取り9-14と一歩ずつ追い上げていく。12-18と差がなかなか縮まらない中、渡邊に代わり内田が投入されると、際どいコースをついた相手サーブをサイドラインぎりぎりのところでアウトと判断するナイスジャッジを見せた。しかし、開いた点差はなかなか簡単には埋まらず、こちらのミスも重なり最後はブロックで吸い込み、19-25でこのセットを落としてしまう。

 

 

 

松本のスパイク

切り替えたい第2セット、高倉真古都(商4・慶應)のワンハンドトスに芳賀が見事に合わせ好調なスタートを切った慶大。続いて渡邊が角度のある鋭いスパイクを相手コートに叩き込み3-1とチームを勢いづかせる。渡邊のサービスエースで8-3と大きくリードを奪うと、たまらず相手がタイムアウトを要求。しかし、このまま黙っている日大ではない。こちらの攻撃をよく拾い、ボールを落とさない粘りのバレーで12-13と逆転されてしまう。松本のスパイクや降小雨(商4・慶應)のブロックポイントなど個々が持ち味を発揮するも、なかなか差を広げることができない拮抗した展開が続く中、島田航希(経3・慶應)と芳賀の二人で相手スパイカーを仕留め、20-19と先に20点台に乗せたのは慶大だった。勢いそのままに渡邊と芳賀でブロックポイントをあげ23-23とし、このまま取り切れるかと思われたセットであったが、最後はサーブレシーブが崩れ、島田のスパイクがネットを越えず23-25で惜しくもこのセットも取ることができなかった。

 

 

 

第3セットに向けて、士気を高める選手たち

窮地に立たされた第3セット、序盤はサイドアウトの応酬に。渡邊のバックアタックが決まり5-4、今度は負けじと相手もバックアタックを決め5-5と両者一歩も引かない白熱した展開が繰り広げられる。松本が冷静な判断で相手ブロックの逆を読み、難しい体勢からストレートを狙ったスパイクを決め12-8とリードを奪い、相手にタイムアウトを取らせることに成功する。タイムアウト明けも高倉と降の息の合ったクイック攻撃や、渡邊のサーブで崩しミスを誘うと、15-12とリードを保ったままセットは後半戦に。しかし徐々にギアを上げてきた日大に対し、長いラリーをものにすることができず16-16と追いつかれてしまう。そこから流れが相手に傾き、17-21と4点差をつけられたところでタイムアウトを要求。切り替えて追いつきたいところであったが、相手のサーブがネットインとなり拾えず、最後は相手のバックアタックにブロックが対応しきれず18-25で試合終了となった。

 

 

 

(記事・写真:田中瑠莉佳)

 

 

 

以下、コメント

 

 

 

星谷健太朗監督

――今日の試合を振り返って

先週試合ができないことがあっただけに、まずは試合をさせてもらえることのありがたさを改めて感じました。それと日本大学さんには勝利おめでとうございますという思いです。

 

――途中リードする部分もありましたが

繰り返し言っていることにはなるんですが、やるべきプレーができない場面が重なってしまうのが連続失点の原因ではないかと思います。それに加えて言うならば、ベースの技術がなかなか伴わない中で、マインドセットの面でも課題はあるかなと思います。

 

――連続で点を取られたときどういう声掛けをされていましたか?

そういうときはやっぱり原点に立ち返って、やるべきことができていないから、まずはそこをしっかりやろうと。そのやるべきことの中には、雰囲気やマインドセットの部分も含まれていて、前向きにポジティブな思いで向かえているのか、というのを伝えています。どうしても出来ている技術をベースに試合では戦わないといけません。スキルが劇的に良くなることはないので、一瞬で変えられるような気持ちの部分で持ち直そうと声を掛けています。

 

――来週に向けて

リーグ戦が始まる前からずっと基本的なスキルの向上には努めてきているので、そこの練習は変わらないと思います。うまくいけば通用するプレーは随所にあるし、そういう意味では勝つチャンスはたくさんあると思っています。ただそこに至る前提の準備としては、さっき言ったマインドセットの部分があってこそなので、自分たちが強敵に対してやってやるんだ、という思いで日頃の練習も取り組めるような空気感をつくれるようにやっていって欲しいなと思います。

 

 

 

高倉真古都主将(商4・慶應)

――今日の試合を振り返って

日本大学さんがすごくつないできました。自分たちが練習で決まっているボールも拾われて、逆にこっちが相手の攻撃を拾えなくて負けた、という印象です。

 

――先週、平日の練習を意識高くやりたいと話されていました

そうですね。今週は1試合で今日だけだったので、そこに対して部員全員で集中してモチベーション高く練習できていました。なので準備はできていたと思うんですけど、試合になると発揮できていないというところですかね。

 

――その発揮できない原因というのは

試合慣れしていない、というのもひとつあると思います。まず戦い方で、大学によって特色はあると思うんですけど、慶應がどういう強みで戦っていくかというところがみんなの中でちゃんとしたイメージを持てていないというのと、その再現性が低いところかなと思います。そこが他の大学と比べて弱いと思います。

 

――来週に向けて

試合には結果がつきもので、僕たちは1部に上がってきた立場なのでこうなることは分かっていたつもりなんですけど、予想以上にみんな落ち込んでいるというか凹んでいて。だから、結果は「あえて」気にしなくていいんじゃないか、というのをみんなに伝えていきたいです。終わってしまったことは変えられないので、これからの試合をどう戦っていくかというところをみんなで頑張っていけたらなと思います。

 

 

 

降小雨副将(商4・慶應)

――今日の試合を振り返って

自分たちの良い攻撃が良い形でできなかったのが敗因かなと思います。

 

――良いプレーがでてリードする場面も、逆に連続で取られてしまう場面もありました

そうですね。良い攻撃ができているときは点数が取れるし、ブレイクもできて先行できる。ただ相手に押し返されてしまったときに、自分たちのつまらないミスっていったらそれで終わってしまうんですけど、細かいコンビミスとかがあるとまだまだだなと思うので、そういった部分を詰めていかないといけないと思います。逆に相手はそこを毎回毎回しっかりやってくるので、勝てないのかなと思います。

 

――先週、日本大学さんに高さのあるバレーができたらと話されていましたが、そこはいかがですか?

できたかできていないかで言ったら、できていた部分はもちろんあると思います。喜輝とかも上から打てていたので。ただそれを相手にうまく拾われたりだとか、ブロックのフォローとか、そういう面で相手が上回っていたと思います。

 

――来週に向けて

相手は強いんですけど、有観客ということもあって、しっかり慶應のバレーを見せられたらなと思います。

 

 

 

渡邊大昭(商2・慶應)

――今日の試合を振り返って

自分たちが対策してきたことは戦術にはまっていたんですけど、どうしてもミスが出てしまって、相手の流れに押し負けた印象ですね。

 

――スパイクもよく決まって、サービスエースも見られました。ご自身の手応えはいかがですか?

まず体育館に慣れるのが、日本大学さんも時間がかかっていて、サーブもお互い入らない状況で、ああいう1本が出たので自分的にはすごく嬉しかったです。ああいう時はだいたい自分のリズムを早く作ろうと思って乱れてしまうので、今日は自分の良い状態でスパイクもサーブも打てたのでそこは良かったなと思います。ただ、ラリー中になるとどうしても合わないボールも増えてしまって、フェイントだったり、真ん中に緩く返すしかできていなかったので、そこを高さのあるハードヒットを打って得点につなげられるように、またこの1週間練習していきたいと思います。

 

――得点を決めたときなど大きく喜ぶ姿が印象的ですが、チームを盛り上げようと意識していましたか?

そうですね。自分としては一緒に出ている芳賀や内田だったり下級生が盛り上げないといけないなと思っています。下級生が盛り上げて、それを上級生がしっかり見守ってくれるというのが代々伝わる慶應の伝統だと思っています。1年生で出ている山元も頑張っているので、その分自分たちも声で引っ張れたらなと思ってやっています。

 

――来週に向けて

強敵が待ち構えていると思うんですけど、星谷監督も「結果じゃない」とずっとおっしゃっているので、まずは自分のやることをしっかりやって、結果的に勝利につなげられたらいいなと思います。

 

 

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