【野球】2季ぶりの勝利へ 早慶戦展望

2022年度 野球

下山は主将として勝利へ導く

昨年秋のリーグ戦は10試合ポイント制で行われていたため、慶大は第8週の早慶戦を残した段階で、1試合でも引き分け以上であれば優勝が決まるという展開であった。しかし第1戦で黒星を喫すると、第2戦も激戦の末引き分けに終わり、優勝を果たしたとはいえ悔いの残る結果となった。今春のリーグ戦は勝ち点制が採用されているため、どんな形であれ必ず決着がつく。慶大は昨春の早大1回戦以来早慶戦での勝利がないだけに、優勝の可能性は消滅したとはいえ、何としても勝ち点奪取に繋げたい。

昨年、大学4冠まであと一歩まで迫った慶大だが、福井章吾(令4環卒)や正木智也(令4政卒)ら昨年の4年生が抜けた穴をどう埋めるかが今季の課題であった。その中で、新戦力の台頭もあってリーグ戦序盤こそ首位を快走してきたが、法大戦で2度のサヨナラ負けを喫し勝ち点を落とすと、第6週の明大戦では先勝しながら勝ち点を落とし、優勝戦線から脱落した。

打線はここまで、打率.289、本塁打13、四死球63、打点64と、いずれもリーグトップ(第6週時点)の成績を誇る。全試合3番に座る廣瀬隆太(商3・慶應)はチームトップの4本塁打をマークし、3年春にして早大・蛭間拓哉(スポ4・浦和学院)が持つ現役最多本塁打数に並んだ。打率リーグ2位の朝日晴人(環4・彦根東)や今季3発の萩尾匡也(環4・文徳)、打率.326をマークする山本晃大(総4・浦和学院)も好調を維持している。堀井監督も廣瀬の前後の打者が鍵を握ると考えており、廣瀬との勝負を避けられた時、彼らの一打が必要になるだろう。

廣瀬は現役最多本塁打数を塗り替えられるか

昨季抜群の安定感を誇った投手陣だが、ここまで防御率が3.51でリーグ5位、与えた四死球は11試合で64を数え、やや調子を落としている。特に第1戦先発の増居翔太(総4・彦根東)の調子がなかなか戻らず、第6週時点で防御率は4.91と、規定投球回を投じた選手の中では最下位に沈む。その中でも、開幕投手を務めながら立大戦からリリーフに回った橋本達弥(環4・長田)は防御率リーグ2位と安定し、また昨年からリリーフ陣の一角を担う渡部淳一(政4・慶應)も健在で、早慶戦を勝利で飾るにはやはり増居の復調が待たれる。

増居の復調が勝利のカギを握る

下級生の活躍も目立ったシーズンであった。全試合スタメンマスクをかぶった善波力(商3・慶應)は今季中盤まで打率3割超えをマークし、代打での出場がメインだった斎藤來音(環3・静岡)や本間颯太朗(総2・慶應)も勝負所での一打が光った。投手陣ではルーキー・外丸東眞(環1・前橋育英)が3試合に先発し、規定投球回にこそ届かなかったものの、試合を作って流れを呼び込んだ。

対する早大だが、リーグ戦前は蛭間や熊田任洋(スポ3・東邦)、中川卓也主将(スポ4・大阪桐蔭)ら経験豊富なメンバーを中心とする打撃陣が活発で、徳山壮磨(令4スポ卒・現横浜DeNA)、西垣雅矢(令4スポ卒・現東北楽天)が抜けた投手陣の整備が課題として挙げられていた。

鉄壁の加藤を慶大は打ち崩せるか

しかしリーグ戦に入ると、早大・小宮山悟監督が「貧弱」と形容した投手陣が奮闘。昨年まで登板経験の少なかった加藤孝太郎(人間3・下妻一)が一本立ちし、リーグトップの防御率0.95をマークすると、ベンチ入り唯一の4年生投手・原功征(スポ4・彦根東)が中継ぎでフル回転している。そこへ調整が遅れていた清水大成(スポ3・履正社)が復帰し、ルーキー右腕・伊藤樹(スポ1・仙台育英)や3年生右腕・伊藤大征(社3・早稲田実)が加わったことで、役者が揃いつつある。

4番・蛭間の存在が勝敗を左右する

一方の打線は初戦の法大1回戦で相手エース・篠木健太郎(営2・木更津総合)に14三振完投負けを喫して以降、波に乗れていない。ここまでのチーム打率は.236、チームで打率3割を超える打者は印出太一(スポ2・中京大中京)ただ1人、1試合あたりの得点は2.45点にとどまっている。今季3番に座る中村将希(教3・鳥栖)が復調の兆しを見せているものの、やはり打線復調のキーマンとなるのは熊田、中川、蛭間の3人だろう。

早大が勝ち点を挙げたのは、第4戦までもつれ込みながら2勝2分けで制した東大戦のみで、前節の立大戦に連敗したことで優勝の可能性を潰してしまった。しかし早慶戦となると話は別で、終盤まで優勝争いを繰り広げる慶大の勝ち点奪取を何としても阻止するために、彼らは目の色を変えて挑んでくるだろう。両校とも優勝の可能性が消滅した第6週からの2週間で、どれだけ自分たちの課題を克服できたかが、勝負を決定づけることだろう。

(記事:宮崎秀太)

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