【野球】秋季リーグ戦開幕直前取材⑦ 下山悠介主将×服部昂祐主務~信頼の厚いチームの軸~

野球対談

9月10日(土)に東京六大学野球秋季リーグ戦が幕を開け、慶大はいよいよ明日、初戦の東大戦を迎えます。慶應スポーツでは、秋連覇に向けて闘志を燃やす体育会野球部の選手たちにインタビューを行いました!

第7回は勝利へ導く主将と主務、下山悠介主将(商4・慶應)と服部昂祐主務(文4・東京都市大付)です!

 

――他己紹介お願いします

下山悠介主将(以下、下山):服部は一言で言うと熱い男で、特に主務になってからはチームに対して「こうした方がいい」や「もっとこうやっていこうよ」と発信してくれています。自分たちの目標である日本一に向かって、服部自身の思いをすごく発信してくれるのですごく熱い男ですし、幹部としてもすごく頼りがいのある男です。

服部昂祐主務(以下、服部):下山は1年生の時からリーグ戦に出ているので同期の中でも人一倍経験値があります。人生経験も豊富ですし、よく言われるのですが人間的なところでも裏表ないので信頼できます。そこが一番みんなから信頼されているところだと思っています。調子の善し悪しはあると思うのですが、下山は愚直に野球に取り組んでいます。どんな時でも下山について行けばいいと思える選手で、チームの主将として軸がぶれないので非常に頼もしいです。

 

――主務の仕事内容は

服部:マネージャーの仕事と主務の仕事は少し違います。マネージャーの仕事は部内のことが多く、会計や広報、道具の発注、修理など部内で完結することが多いです。主務は対外的なやり取りがメインで、外部団体ですと例えば野球部OB会の三田倶楽部、体育会事務室、東京六大学野球連盟ともやり取りします。やり取りする団体は広くて、スカウトや一般企業の方もです。その方たちと日程調整や企画、費用の相談をして、それを部内に持ち込んで部内で消化し、マネージャーに伝えて作業をしてもらいます。外部とのやり取りがメインです。

 

――半年間、主将や主務を務めて

下山:昨年新チームになって主将に就任してから、不安もありましたし、いろいろなことに挑戦したいなという期待もありました。いざやってみると200人近い部員がいる中で、自分の思っていることをどう伝えれば良いかなど大変だと感じることも多いです。そういう時に上級生(3・4年生)を中心にいろいろな人を巻き込んでチームを動かしていくということができているので、結構周りに助けられていると思います。あとは、これだけ大きいチームで主将をやれているということはすごく恵まれたことだと思うので、そういうことを踏まえて残り2、3カ月やり切りたいと思います。

服部:(主務に)なる前に想像していたよりも、外部の方との連絡が多くて、本当は部内のことで変えたいことやチャレンジしたいこともいろいろありました。もちろん手は付けられたのですが、もっといろいろやってみたいというのがある中で1年間では「時間足りな」という感じです。外部の方との日程調整など連絡だけでほとんど1日が終わる中で、連絡を終えた後に「さあ、チーム内のことやろう」となるので、思ったより時間がないです。でもすごく充実した日々を主務になったおかげで過ごせました。

主将として天皇杯奪還を目標に掲げる

――互いの尊敬できるところ

下山:服部の尊敬できるところは先ほど言った通り、熱く、それをチームに対して示してくれることです。もともと僕らの代は男子マネージャーがいない中で、投票や話し合いをした結果服部になりました。自分たちが想像して以上に、本当によくやってくれています。同期を支えているだけでなく、今はチーム全体を支えてくれている1人なので、しっかり仕事をしてくれているということに関して特に4年生は感謝していますし、尊敬できるところです。

服部:下山の尊敬できるところは、器用な性格ではないのですが、何と言うのですかね、暗いところを見せないというか、自分のことやチームをまとめていく時に、うまくいかなこともあると思うのですが、それをあまりみんなの前で顔に見せないです。落ち込んでいる姿を見せず、常に前を向いている姿勢をキャプテンになってから続けているので、みんなの状態が悪い時でも、最悪の状態までは行かないで踏ん張れています。キャプテンならではのしんどい部分もあると思いますし、1人で抱えているのか分からないのですが(笑)。みんなに気取って相談しないで決めるタイプではなく、みんなにどうしたら良いのか聞いたりして、人の意見を聞きながら考えていくタイプです。しも(下山)がそうやって前を向いて明るくいてくれたおかげでチームも前に進み続けられています。言葉にするのは簡単ですが、そこが一番キャプテンとして大事な役割であると思うので、ここまでやり続けられていることが尊敬できるなと思います。

 

――服部さんが下山さんに相談されたこと

服部:最近ですと…… 北海道キャンプから帰ってから疲労も溜まっていて、大差で負けるような試合が1週間くらい続いた時がありました。その時はチーム状態が苦しかったです。普段あまり積極的に人の前で発言するようなタイプのキャプテンではないのですが、キャプテンなりに何かできることはないか、うまく言葉にしてチームを盛り上げられないかと思い悩んでいて、マネージャー室でその話になりました。下山はずっと明るくチームの目標を達成するために前を向き続けていけばいいのではないか、その下山の姿勢をみんなが見て動いていくのではないかという話はしました。

 

――主将としてチーム全体をまとめる上で意識していること

下山:自分のタイプ的にうまく言葉で引っ張って行くということに得意意識はないです。逆に野球に対する姿勢、グラウンドでの姿で引っ張って行くというということには自信を持っています。グラウンドでの立ち振る舞いで常に前向きに目標に向かって行くという姿勢を自分が一番見せるということを意識しています。あとは、いざやってみると1人でまとめることはできないと実感しているので、幹部や同期を巻き込んで複数でチームを引っ張って行くということを意識しています。

 

――春季リーグ戦は2位で早慶戦には勝利、振り返って

下山:春のリーグ戦は簡単に言うと勝ち切れなかった悔しいシーズンだったと思います。序盤は優勝争いをしていたのですが、中盤から終盤にかけて、相手にやられた部分もありましたし、自分たちから崩れてしまったという部分もありました。明大戦であと1勝していれば自分たちが有利に立てるというところで、ミスが連鎖して勝ち切れなかったことがあったので、この夏から秋にかけては勝ち切る力というのは意識していました。そこに加えて、春よりレベルアップして、秋はいかにして勝つかということを、幹部を中心にチーム全員でしっかり作ってきました。春に関しては勝ち切れなかった部分があり、それが夏から秋の練習につながっています。逆にそこから立て直して早慶戦で2連勝できたことが収穫だったと思います。秋のシーズンにつなげられたのではないかと感じました。

服部:春のリーグ戦はチーム打率がトップと打線が好調で、ピッチャーが少し踏ん張り切れなかったというところがありました。春リーグはここぞというところで負けたところはあったのですが、全体としては良い内容だったと思っています。特に下級生の新戦力も春リーグで頭角を現してきました。3年生は今まで戦力が厚い中でリーグ戦に出る機会が少なく、(出ていたのは)廣瀬隆太(商3・慶應)くらいでしたが、いろいろな選手がリーグ戦に出て、そういう選手が夏のオープン戦でも2枚目を中心に活躍しています。春のリーグ戦はいろいろなことを試すことができたので、良かったと思います。あと、自分たちの代のカラーというか、リーグ戦を通して実力や、「こういうチームなんだ」ということを知れたので、良い経験だったと思います。

日本代表に同行し貴重な経験を積んだ

――服部さんは大学日本代表を主務として経験

服部:大学日本代表はオランダに行かせていただいて、直前合宿を含めたら3週間くらいチームを離れました。普段慶應という組織という中にいますがそこを離れて、いろいろな大学の選手や他大学の監督さんと過ごしたことで、刺激を受けたというか、人として幅が広がりました。いろいろな選手や監督さんのお話を聞くことができましたし、他の大学リーグの現状のお話も聞かせていただいて、客観的に分かってはいたのですが、改めて東京六大学野球リーグはすごく恵まれた環境だと思いました。良い意味で憧れであり、他の大学リーグからしたら、嫉妬じゃないですけど羨ましいなというくらい充実した環境でやらせてもらっています。普段六大学で対戦する選手とも喋れて仲良くなって、慶大含めて10人くらい参加したのですが、いろいろな人と仲良くなって楽しかったです。オランダも良い国で過ごしやすく、海外の国の選手には国の文化が分かりやすく出ていました。例えばキューバはすごくのんびりしたチームで出発時刻に遅れたりとか、すごくいろいろな経験をさせていただきました。この間壮行試合(=大学日代表vs高校日本代表、8月31日開催)があったのですが、ZOZOマリン球場のベンチに入らせていただいて、貴重な経験をさせていただきました。

 

――下山さんも出場のオールスターを振り返って

下山:まずはすごく楽しかったというのがあります。他のチームと一緒に同じチームになって野球をするということは、久しくなかったので、すごく楽しかったです。想像以上に応援や観客の方たちもたくさん来てくださって、すごく盛り上がったオールスターでした。他大学の選手のいろいろな話も聞けて良い2日間だったと思います。

 

――リーグ戦への意気込み

下山:春のシーズンは悔しい思いをしたので、秋こそは自分たちの目標である「リーグ戦優勝、早稲田に勝って日本一」という3つすべてを達成したいです。「挑越」というスローガンを掲げているのですが、スローガンを体現して、全員で一丸となりしっかりやり切って日本一になりたいと思います!

服部:春はあと一歩で悔しい思いをしました。秋はできることは100パーセントやり切って、泥臭くしがみついて、みんなで不細工でもいいので優勝というのにこだわって2カ月間戦い抜きたいと思います!

 

――下山選手、いつも素敵な試合をありがとうございます。服部さんもいつもケイスポに対応していただきありがとうございます。お忙しい中ありがとうございました!

(取材:長沢美伸)

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