【バレーボール】セットを取られるも、対応力の高さを見せつけ勝ち星をあげる!/秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦 第7戦vs法大

バレー戦評

リーグ戦は後半戦に突入。これまで負けなしと順調に勝利を重ねる慶大は、この日未だ一敗と上位チームである法大との一戦に臨んだ。相手が本領を発揮する前に取り切った第1セットだったが、徐々に調子をあげてきた相手に大差で第2セットを落としてしまう。しかし、そこで切り替えて一層集中力を高めた慶大は第3セット・第4セットを焦ることなく自分たちのバレーに持ち込み、対応力の高さを見せつけ連取。慶大はセットカウント3-1でリーグ戦7勝目を飾った。

 

2022年10月1日(土)

秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦

第7戦 慶大×法大

 

得点

慶大

セット

法大

25

19

12

25

25

17

25

20

 

 

出場選手(サーブ順)

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

   
   

OH

島田航希(経3・慶應)

MB

降小雨(商4・慶應)

S

高倉真古都(商4・慶應)

OH

18

安達龍一(環4・洲本)

MB

芳賀祐介(環2・札幌北)

OP

松本喜輝(環3・九州産業)

L

12

内田克弥(環2・松江高専)

途中出場

 

 

MB

27

下田悠生(経4・慶應湘南藤沢)

OH

渡邊大昭(商2・慶應)

 

松本のスパイクでリードを広げる

緊張の第1セット、慶大の流れを作り出したのは安達龍一(環4・洲本)だった。序盤から高身長を活かしたスパイクを着実に決めていき、その迫力で相手をけん制する。6ー6と並ぶもその後は松本喜輝(環3・九州産業)のサービスエース、スパイクでつき放して13ー9でこのセットを折り返す。さらにタイムアウト直後、高倉真古都(商4・慶應)の好サーブが決まり慶大が三連続得点、16ー9とさらに点差を広げる。勢いに乗れたこのセット、好プレーはさらに続く。序盤サーブでも活躍した島田航希(経3・慶應)が相手の強烈なスパイクを体で受け止め、それを降小雨(商4・慶應)が片腕で返球、最後は相手のスパイクを島田・降・松本の三枚ブロックで仕留め、大きな1点を勝ち取る。終盤、相手の強烈なサーブに苦しみなかなか20点目を取ることができなかったが、なんとか20点台にもちこむと終盤も安達が冷静にスパイクを決め、25ー19で第1セットをものにした。

 

高倉主将のセットアップ

波乱の第2セット、星谷監督は法大のプレーに対して「拍手しかなかった」と振り返る。相手の隙を見せないプレーに序盤から圧倒されて気付けば0ー5、すかさず慶大がタイムアウトを要求する。第4戦(大東文化大戦)の後に「(チームへの)声掛けを~自分もできたらいい」と話していた芳賀祐介(環2・札幌北)が積極的にチームを鼓舞し、さらに1セット目から大活躍の安達がスパイクを決めて3-7とするも、なかなか相手の勢いを止めることができない。その後、松本のスパイク・サーブが決まりこのセットは8-13と相手に点差をつけられた状態で折り返す。中盤、慶大は粘りのプレーをみせる。第1セットでは決まっていた安達・松本の攻撃が拾われ続けるも粘り強くスパイクを打ち続け、また、クイックなどを使いながら攻撃にバリエーションを持たせて1点ずつ根気強く追いつこうとする。ただ、法大は好サーブで崩して返ってきたボールをスパイクでものにする、というスタイルで着実にリードを広げていく。終盤でも芳賀が積極的に「ここ集中」と声掛けをするなど最後まで食らいつこうとした慶大だったが、そのまま相手に押し切られ12ー25とダブルスコアでこのセットを落とした。

 

相手を崩しチャンスを演出した下田のサーブ

切り替えたい第3セット。先のセットからの勢いそのままに攻撃をしてくる法大に対して、慶大も果敢にサーブで攻め、安達のスパイクをはじめ確実に得点を重ねていく。拮抗(きっこう)状態から頭ひとつ抜けだしたのは、高倉と芳賀によるブロックポイントだった。二枚でシャットアウトし11-7で、法大はタイムアウトを要求。その後もブロックによるプレッシャーでミスを誘い13-8と点差をつけて消毒のタイムアウト。順調かと思われたが、フォローでお見合いしてしまうなどそこから三連続失点。13-11となり、流れを変えるべく慶大はタイムアウトを挟む。ピンチサーバー・下田悠生(経4・慶應湘南藤沢)のサーブで崩し、最後は松本の力強いスパイクでこの嫌な流れを断ち切ると、流れを引き寄せた慶大は松本のサービスエースで18-13と再度差を広げていく。相手の強烈なサーブを内田克弥(環2・松江高専)が上げ、高倉がアンダーでセットすると、それを安達がブロックアウトを狙ったスパイクで得点し、個人の技術力の高さが垣間見える場面も。最後は芳賀がとっさの判断でボールを押し込み、25-17でセットをものにし勝利に王手をかけた。

 

高身長を活かした安達のスパイク

勝ち切りたい第4セット、序盤はサイドアウトを取り合う展開が続いた。高倉のディグで作ったチャンスを最後は松本がスパイクで決めるなど好機は逃さず着実に得点にしていく場面が多く見られた。芳賀の一枚ブロックで相手スパイカーを仕留めるとチームは盛り上がりを見せ、13-10でセットを折り返す。松本・島田・芳賀の三枚ブロックでシャットアウトし16-12とすると、ここで法大は1回目のタイムアウト。難しい二段トスを島田がうまく決め切り19-14と差を広げると、たまらず法大は2回目のタイムアウト。相手を追い込むことに成功した慶大は、その後もリードを保ちながら優位に試合を進めていく。下田のサーブで崩し、浮いた球を高倉がダイレクトで叩き込み22-16とこのセットにおいてもピンチサーバー下田の効果的なサーブが光った。最後は安達の鋭いスパイクが相手コートに突き刺さり、25-20でこのセットもものにし見事勝利をつかんだ。

 

(記事・写真:五関優太、長沢美伸、田中瑠莉佳)

 

以下、コメント

 

星谷健太朗監督

――今日の試合を振り返って

問題なくというか、しっかりと準備した上で大事な一戦に臨むことができたことが何より嬉しいなと思います。また法政大学さんという素晴らしいチーム相手に良いプレーをたくさんできたというのは本当に良かったと思いますし、そのための準備をしてくれた皆さんに本当に感謝したいと思います。

――チームとして一番思い通りにできていたのは何セット目ですか

4セット目かな。サーブについてもしっかりと狙うべきところにインパクトをして押し切れていたということと、向こうの良いサーブが入ってパスがずれた時に関しても、特にハイボールなのでコースが限定されやすい中で、しっかりと色々な打ち分けを両エースの安達・松本が要所で押さえる・切ることができていました。また、法政大学の高橋慶帆(営1・習志野)選手のボールに関しても、なかなかボールを引っ掛けることもできなかった3セットが続きましたが、4セット目に関しては万全に上げられたボールはほとんど無かったにせよ、体に触れるボールがありましたし、フェイントボールを確実に内田が1本ライン挙げたと思うのですが、そういうので少しずつ調子を落とさせることができました。色々ないい点がありますけど、総合的に良かったかなと思っています。

――第2セットについて何か感じたことは

第2セットは、本当に法政大学さんが素晴らしいなと感じました。単純にバレーボールの本質として、良いサーブを的確に入れ続けてプラス、ダイレクトに入った時にも高橋選手が確実にものにするという戦い方がすごくできていたので、それは本当に拍手しかなかったかなと思います。

――明日に向けて

明日も大一番が続いてハラハラドキドキするのですが、そういった場を迎えられるということはやっぱり何よりありがたいことです。プレッシャー・焦りを感じるので結果は分からないですけど、いつも通りやるべきことというのはブレさせず全力でぶち当たっていきたい、そのための準備をしたいと思います。

 

高倉真古都主将(商4・慶應)

――今日の試合を振り返って

準備はできていて、その準備の成果がちゃんと現れた試合だったと思います。

――大差で落とした第2セットについて

相手が戦い方を変えてきたのが一番大きかったです。それに対応できなかったセットだったと思います。

――その後のセットは切り替えて連取できましたが、何か意識したことは

単純にセットを取られてしまったことに対して一段とギアが上がったっていうのもあると思います。あと最初の5点くらいの序盤ですね、その入りをしっかりしようというのは言っていました。もしそれでもちゃんと入れなくて競った展開になったとしても、取りきろうという意識は2セット目よりは絶対強かったし、それが点数につながってセットを取れたと思います。

――勝ちきれた要因は

気持ちが切れなかったのが一番大きいと思います。相手のサーブが強くなっていく中で、どうやって1点を取るかというのをこれまではワンパターンだったんですけど、今は決め方がいっぱいある中の一つを選んで、トス上げるのは自分なんですけど、そうやって展開できたことは良かった点かなと思います。

――明日に向けて

多分先週も同じことを言っているんですけど、今日の法政大学さんも明日の国士舘大学さんも山場の試合です。相手の戦績とか関係なしに、自分たちが勝つことだけを考えてチーム一丸となって勝利をつかみたいと思います。

 

下田悠生選手(経4・慶應湘南藤沢)

――今日の試合を振り返って

チーム全体としては、押し込まれる時もありましたが基本的にサーブを含めて攻めるスタンスがずっと続けられたというのは良かったと思っています。個人としてはサーブでの機会しかなかったのですが、チームが攻められる時にそこで自分も攻める系の良いサーブを打てたと思っています。そういった部分だとチームの流れができているところにその流れを壊さずにサーブで勢いに乗らせることができ、それは良かったかなと思っています。

――チームとして思い通りにできていたのは何セット目ですか

4セット目が一番良かったと思っています。1セット目は取れたのですが、多分相手も本領を発揮していないというかまだ両方とも慣れていない状態で、2・3セット目と重ねて相手のしたいことが慶應的にも分かってきました。相手に強い選手がいるなかで、どこを捨てればいいかとか、その選手にどう対応するかとかがはっきりして4セット目を最後取り切れたという部分が一番、1・2・3セット踏まえての4セット目だったので、良かったのかなと思います。

――ピンチサーバーとして活躍してリードを広げましたが、ご自身の手応えは

全体的にみれば得点につながっている機会が今日は本当に多かったので、そういった部分だと良かったのかなと思っています。ただ若干ミスもあって、そこはもし逆転を求められる機会だとなかなかリスクある行動だと思っています。今日は勝っている時に勢いに乗せられたので良かったのですが、次はもうちょっと確率よく攻めに、というのは矛盾しているんですけど、もうちょっと上は目指せるのかなと思っています。

――ミスというのはどういったものですか

サーブミスを1セット目にやってしまって、あれがあって2・3・4セット目集中できたというのもあるのですが、1セット目はけっこう得点差があったからこそ一気に相手の心を折るぐらいの点差をつけたい時に相手が楽なサーブミスという部分で点をあげてしまいました。そういった部分で最後までプレッシャーをかけられなかったということが自分的に良くなかったのかなと思っています。

――明日に向けて

今週は山場だと考えています。国士舘大学さんもすごく強いチームで、特に会場が相手のホームで、多分ムード的にもうちも押すと思うのですが、相手も押し返してくる力があると思います。そういった部分で自分自身で流れを作れるように、そして相手をしっかり押し切れるように、サーブという部分で出場の機会があれば攻めていきたいなと思っています。

 

芳賀祐介選手(環2・札幌北)

――今日の試合を振り返って

自分たちが全勝、法大が一敗で今日負けたら春リーグのようにややこしいことになるので、みんな勝負だと分かってコンディションを整えて臨んでいて、いい試合だったと思います。

――今日は特にブロックが良かったように見えました

同じアンダー(U20日本代表)にいる高橋くんがいて自分も先輩として下手なところは見せられないと思っていました。アナリストがどのコンビが多いかなどしっかり分析してくれたので、それを活かせて良かったです。

――終盤には1枚で相手スパイクをブロックされていました

相手のミドルとの対決でやられっぱなしになっていたので、それを押さえられたのはすごくうれしかったです。

――第2セットからの切り替えは

第2セットは1セット目と違い、相手のサーブで攻められていたので、それをキャッチ陣で強いのを上にあげようという意識で切り替えてやれました。そこは秋リーグで成長できたことだと思います。

――明日に向けて

国士舘大も余裕の相手ではなく同等の力の相手なので、今日の勝利に甘えずに明日に向けて準備したいと思います。

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