【バレーボール】慶大らしいプレーで、順位を左右する大一番を勝ち切った!/秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦 第10戦vs青山学院大

バレー戦評

この日、慶大は同じくこれまで一敗同士の青山学院大との一戦に臨んだ。順位を左右する大一番ということで序盤から両校ともに気迫のこもったプレーが見られた。慶大らしい攻撃的なバレーで第1・第2セットを連取するも、ここで終われない青山学院大も意地を見せる。時間差攻撃・クイック攻撃・パイプ攻撃など多彩な手札を持つ相手に、第3セットはついていけず惜しくも落としてしまったが、第4セットではうまく切り替え、強烈なサーブに対する対応力も上がり、しっかりと勝ち切ることができた。いよいよ明日が秋季リーグ最終戦。最後まで気を抜かず、慶大らしいプレーで有終の美を飾りたい。

 

2022年10月15日(土)

秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦

第10戦 慶大×青山学院大

 

得点

慶大

セット

青山学院大

25

23

25

23

20

25

25

20

 

 

出場選手(サーブ順)

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

   
   

MB

降小雨(商4・慶應)

S

高倉真古都(商4・慶應)

OH

18

安達龍一(環4・洲本)

MB

芳賀祐介(環2・札幌北)

OP

松本喜輝(環3・九州産業)

OH

島田航希(経3・慶應)

L

12

内田克弥(環2・松江高専)

途中出場

 

 

R

山元康生(法1・慶應)

OH

渡邊大昭(商2・慶應)

OH

11

入来晃徳(環1・佐世保南)

MB

27

下田悠生(経4・慶應湘南藤沢)

 

降と松本の二枚ブロック

慶大らしい攻撃的なバレーで序盤から調子をつくりたい第1セット。安達龍一(環4・洲本)のクロスへのサイドラインぎりぎりのスパイクで先制すると、安達はその後も得点を量産。序盤からキレのあるプレーで点差を広げようとする青山学院大に應大も食らいつく。2点を追う展開が続くも芳賀祐介(環2・札幌北)のサーブで崩し降小雨(商4・慶應)と松本喜輝(環3・九州産業)の二枚で止めて7-7と同点に。11ー12の場面では、セッター高倉真古都(商4・慶應)の巧みなトスで相手ブロックを分散させると、松本の強烈なスパイクが決まり、これには松本もガッツポーズを見せる。その一方、慶大のサーブミスもあり18-20と相手が先に20点台に到達。しかし慶大は冷静だった。相手の攻めたサーブをアウトと見極め、ネット際でも相手アタッカーにプレッシャーを与えてミスを引き出す。20ー21の場面で同点へのポイントを決めたのはまたしても安達。その後も相手スパイクのアウトを誘発し、最後は松本の力強いスパイクで見事このセットを制した。

 

松本のサーブでブレイクに成功

両チームの気迫がさらに増した第2セット。何としてもこのセットを取って並びたい相手は松本の攻撃を封じ込めにくる。4ー4の場面で内田克弥(環2・松江高専)は松本に託すが、しっかり3枚ブロックがつき思うように打ち込むことができない。また、直後のプレーでは松本のスパイクに対する相手ブロックが成功し、青山学院大は盛り上がる。しかしこれにエースは黙っていない。松本は2連続でサービスエースを決めて見事8ー7と逆転、相手にタイムアウトを取らせる。流れを引き寄せた慶大はブロックポイントをあげるなど、2点リードでこのセットを折り返す。セット後半には島田航希(経3・慶應)の攻守での活躍が光った。島田は相手エースのバックアタックを止め、またクイック攻撃を拾い、さらにはキレのあるストレートへのスパイクを2枚ブロックの上から打ち込む。20ー21と拮抗(きっこう)した大事な場面でコートに入ったのは山元康生(法1・慶應)。1年生ながら安定のレシーブ力でチームを同点に導くと、さらにピンチサーバー渡邊大昭(商2・慶應)のサーブで逆転に成功。そして最後は安達のスパイクが決まり、25ー23でこのセットをものにした。

 

入来のサーブがエースとなる

第3セットを取ればストレート勝ちとなる慶大。なんとかこのセットを取り勝利したいところだが、序盤から相手セッターが展開する攻撃の幅に翻弄され、思うように試合を進めることができない。降のクイック攻撃が止められ、7-13と大きく離されたところで消毒のタイムアウト。切り替えたい慶大だったが、相手のスピード感のある攻撃に対応できず、自分たちの攻撃に持ち込めないもどかしい時間が続く。11-19の苦しい場面でコートに入った入来晃徳(環1・佐世保南)は、直後サーブレシーブで活躍を見せ、そのまま降の二段トスを松本が決め切りチームは盛り上がりを見せる。しかし、「点差があるから攻めていこう」という声が相手から聞こえるように、開いた点差は相手により果敢に攻める契機を与えてしまう。その後も高倉のフェイントや入来のサービスエースが決まるなどのナイスプレーが見られるも、序盤のミスが響き追いつくことはできなかった。20-25でこのセットを落としてしまう。

 

力強い安達のスパイク

第4セット序盤は安達が攻守で活躍を見せ、松本のスパイクも試合が進むにつれ決定率が上がっていき、幸先良いスタートを切った慶大。しかし相手も簡単には流れを渡してくれず、相手のクイック攻撃が決まると、直後こちらも降のクイック攻撃で得点し、お互い譲らず10-9。相手のサービスエースが決まり12-13でセットを折り返すと、サイドアウトを取り合う展開が続く。コート外からは「我慢、我慢」の声が響く中、降のダイレクトと安達のスパイクで二連続得点し、20-18で相手はたまらずタイムアウトを選択。タイムアウト後も慶大の勢いは止まらず、相手からは焦りとも感じられる連携ミスもあり22-18と引き離す。降の二段トスから高倉のアタックが決まると、またも相手はタイムアウト。その後も、相手エースの強烈なサーブを内田が上げて得点につなげるなど、慶大の攻守双方においてのプレーが光り、最後は松本がライン際にスパイクを打ち込み25-20で第4セットを奪取。セットカウント3-1で見事勝利した。

(記事・写真:岩切晴菜、五関優太、田中瑠莉佳)

 

以下、コメント

 

星谷健太朗監督

――今日の試合を振り返って

残り2戦というところで、今日も試合をさせてもらえたことが本当に良かったと思いますし、対戦相手の青山学院大学さんも非常に素晴らしいチームで、同じく1敗という中でいい試合ができたことが幸せです。

――4セット目切り替えられた原因は

原因という意味では、みんな常にどんなシチュエーションでも切り替えて挑むっていうのは持ちながらやっているので、それがセットの区切りを挟んだことによって、みんなもそこの意識が統一されたのではないかなと思います。

――明日勝てば2部優勝です

明日やるべきことは変わらないし、本当に誰が出るかということもその時になってみないと分からないという意味で、1人1人が自分の良さを発揮して、チームのために目の前のことを頑張り続ける。その結果、良いプレーが出て良い結果につながると思うので、そのための準備をとにかくやり続けて明日を迎えてほしいなと思います。

 

高倉真古都主将(商4・慶應)

――今日の試合を振り返って

勝ち切れたのはすごくよかったと思います。

――3セット目から一転して、4セット目は皆楽しんでプレーしているように見えました

セットカウント2-1で迎えた第4セットで、このセットを相手に取られてしまったらフルセットになってしまうということをチームで共有して。フルセットになっても良いことがないので、このセットを取り切って明日に臨むぞということをみんなで共有した結果、ああいう風な良いゲームができたのだと思います。

――明日はリーグ最終戦ですが意気込みは

勝てば(2部)優勝なので、そこを目指すのはもちろんなんですけど、それに頭を持っていかれてしまうのではなくて、やることをやって結果がついてくればいいなと思います。チーム的にも、明日1試合目で早いんですけど上り調子だと思うので、そのままぶつかっていきたいと思います。

 

降小雨副将(商4・慶應)

――今日の試合を振り返って

1位同士の対決と全員が分かっていて、一方で入替戦も決まっているというのはあって難しいゲームだったのですが、なんとか勝ち切って明日につなげることができて良かったなと思います。

――ブロックについて、ご自身の手応えは

どうだろう、相手がほとんどクロスに打ってこなかったので、そういう意味では機能していたかもしれないです。全部ストレートに打ってもらって、ステージの選手が止めるという面では、こっちのクロスブロックをすごく嫌がっていたので効果があったのかなと思います。

――特に3セット目のベンチから見ているときの心境は

ああいう展開となると厳しいというか、やっぱりバレーボールが上手なチームなので先行されてしまうと結構好きなことをやられてしまう、要は相手の攻撃のバリエーションが増えてしまいます。なのでそういう手元のスキルが上手なチームとやる時はやっぱり点差というのは常に意識しながらバレーボールをしていかないと厳しいなと改めて思いました。

――やはりもどかしさはありましたか

そうですね、まあベンチから見る時はいつもそうなんですけど(笑)。あんまりブレイクできないなあと思いながら見てます(笑)。

――1位通過が見えてきましたが今のお気持ちは

せっかくの最後の秋リーグなので1位で通過したいなと思います。

――1位通過の場合、入替戦の対戦相手は春リーグ入替戦で惜敗した国際武道大です

いやあ、もうボコボコにしますよ。それが僕の役目だと思っているのでボコボコにします。

――明日に向けて

出し切るだけだと思っていて、次の試合で秋リーグ自体は終わるのですが入替戦があるということでまだまだ気を抜かずに頑張ろうかなと思います。

 

安達龍一選手(環4・洲本)

――今日の試合を振り返って

自分自身としてはまずセットごとにちょっと波があったかなと思って、一球のサーブラインだと思うのですがパスがよりきれなかったり、簡単なチャンスボールを取れないということがあったので、そこはチームに影響してしまっているのかなと思って、続けて取れなかったなと思います。

――相手からのプレッシャーはいかがでしたか

結構口で言われていたと思うのですが、そこは正直気にしてなかったです。自分のプレーに集中しようと思ったのであまり気にはなりませんでした。

――1セット目を取れて流れに乗れたと思いますが、振り返ってみていかがですか

終盤、自分たちの強みであるサーブとブロックでのブレイクを取れたというのが大きかったと思います。

――2セット目もサーバーに狙われるなか最後はご自身のスパイクで決まりました。その時のお気持ちは?

その時やるべきことをやる、というのが自分としてできたかなと思います。

――最上級生として意識したことはありますか

まず4年生としてプレーで引っ張りたいというふうには思っていたのですが、苦しい場面でもう少し自分を出してプレーできればいいかなと思いました。次の試合に向けてもう少しやりたいところではありますね。もっと自分が4年生としてプレーで引っ張っていきたいというところはあります。

――明日に向けて

明日勝って入替戦1位で挑んで、1位になったら国際武道大との試合なので春に負けた分リベンジしたいなと思います。

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